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高血圧(140/90以上)は、日本人の三大死因(悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患)のうちの心臓病や脳卒中など、生命に関わる病気を引き起こす最も主要な原因になっています。
しかし、高血圧はサイレントキラーと呼ばれるように、自覚症状がないため、「少し高い程度なら大丈夫」と甘く考え、病院を受診せずに放置し、大変な事態に陥ってから悔やむ人が後を絶ちません。
高槻市の特定健診の結果などを分析すると、高血圧や高血圧に関連する病気で病院にかかる人が多いことが分かりました。
高血圧を放置して、心臓病や脳卒中などの重大な病気になると医療費がかかるだけでなく、普段の生活にも影響を及ぼします。
しかし、高血圧は健康な生活習慣を心がけることで発症予防や重症化予防が可能です。
そこで、高槻市では、「はにたん適塩プロジェクト」として高血圧対策を実施しています。
「1食1グラムの塩分を減らしましょう」、「1日1皿の野菜料理を増やしましょう」を合言葉に幅広い年代へ適塩(おいしくて塩分控えめな食生活)の実践をはじめとする、高血圧の予防・改善のための望ましい生活習慣を啓発しています。
塩分摂取量を減らすことにより、収縮期血圧・拡張期血圧がともに減少することが明らかになっています。
適塩による降圧効果には個人差がありますが、平均すると塩分を1日1グラム減らすごとに、高血圧の人で収縮期血圧は1ミリメートルエイチジー程度、拡張期血圧は0.5ミリメートルエイチジー程度下がり、正常血圧の人はその半分程度下がります。
血圧が1ミリメートルエイチジー下がるだけでは効果は小さいようにみえますが、高血圧の人が1日塩分摂取量を11グラムから6グラムに減らすことができれば、血圧は5ミリメートルエイチジー程度下がります。これは、日本人全体でみれば、脳卒中などの予防に大きな意味があります。
「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、1日の塩分摂取目標量は、男性が7.5グラム未満、女性が6.5グラム未満、血圧の高い人は6.0グラム未満とされています。しかし、「令和元年国民健康・栄養調査」によると、日本人の1日塩分摂取量は、平均で男性が10.9グラム、女性が9.3グラムと男女ともに目標量より3グラム前後もとり過ぎています。
「血圧にいいコト」を実践しましょう
高血圧の予防・改善のためには、食事や運動、その他の生活習慣を見直し、少しずつでも改善していくことが大切です。
「はにたん適塩プロジェクト」では、高血圧の予防・改善のための望ましい生活習慣「血圧にいいコト」を実践することをおすすめしています。
「血圧にいいコト」は下記リンクからご覧ください。
「はにたん適塩プロジェクト」では、高血圧の予防・改善のために、下記の媒体作成・配布や情報発信などを実施しています。
(1)「適塩レシピ」「適塩レシピ2」の作成・配布
(2)「血圧手帳」の作成・配布
(3)適塩キャンペーンの実施
年1回、高血圧の予防・改善の取り組みを実践していただくために、適塩キャンペーンを実施しています。
(4)その他の情報発信
高血圧の予防・改善のための取り組みをご自身ですでに取り組まれている人も、今からはじめようと思っている人も、「血圧にいいコト」について周りの人に話をしたり、「血圧にいいコト」を周りの人と一緒に実践することで、取り組みの輪を広げましょう。