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令和5年の国民健康・栄養調査によると、BMIが18.5以下と定義される「やせ」の割合は、男性が4.4パーセント、女性が12.0パーセントでした。20から30歳代の女性に限ると、20.2パーセントがやせに該当し、5人に1人が「やせ」であることがわかりました。(「健康日本21(第3次)」では、令和14年度までに15パーセントに減少しようと目標を立てています。)
この割合は、主な先進国の中でも高い状況です。
この傾向は、高槻市においても同様であり、高槻市の健康増進計画と食育推進計画である「第4次・健康たかつき21」によると、20歳代女性の「やせ」の割合は、令和4年度時点で18.4パーセントでした。
詳しくは「第4次・健康たかつき21」のページをご覧ください。
今、日本において、この若い女性の「やせ」が重要な健康課題の一つとなっています。
「やせ」の状態であるということは、栄養素が足りていない可能性があるということです。
この状態が続くと…
・筋肉量の低下により、糖尿病のリスクが高まる
・女性ホルモン量の低下により、月経不順や無月経状態となり、不妊症のリスクが高まる
・骨量や閉経年齢の低下により、将来の骨粗鬆症(こつそしょうしょう)のリスクが高まる
・鉄分等の栄養素が不足し、貧血のリスクが高まる
など、様々な健康課題のリスクが高まる可能性があります。
さらに、低栄養状態で妊娠すると、おなかの中の赤ちゃんにも十分な栄養が届けられず、早産や赤ちゃんを2500グラム未満の低出生体重で出産するリスクが高まるだけでなく、生まれてきた赤ちゃんの将来の生活習慣病のリスクが高まる可能性もあると言われています。
「やせ」に該当される方でも、元気に過ごされている方や、無理なダイエットをしている訳ではないのに体重が増えない体質の方など様々な方がいらっしゃると思います。
もし、「やせ」に該当される方で、無理なダイエットや偏った食生活で必要な栄養素を摂ることができていないなと思う方は、この機会にぜひ見直してみましょう。
将来の妊娠を望むか望まないかに関わらず、人生の適切な時期に、性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めた将来設計や将来の健康を考えた健康管理を行うという「プレコンセプションケア」という考え方があります。
妊娠を望む前に「もっと早く知りたかった」という方を減らし、妊娠を望むか望まないかによらず「早くから正しい知識を知り、行動に移せてよかった」という方が増えるよう、ぜひ、皆さんに知っておいていただきたい情報です。
この機会に、ご自身とご家族の健康と将来について、考えてみてください。
引用元:プレコンセプションケアセンター(国立成育医療研究センター)
記事作成:子ども保健課(072-648-3272)