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受動喫煙について(5月31日は世界禁煙デー)
受動喫煙について
本人は喫煙しなくても身の回りのたばこの煙を吸わされてしまうことを受動喫煙と言います。
たばこの煙
たばこの煙は下記の3種類に区分されます。
- 喫煙者本人が吸い込む煙(主流煙)
- 主流煙の一部が身体に吸収された後に吐き出される呼出煙
- 燃焼時にたばこの先端から立ち上る煙(副流煙)
副流煙には、ニコチン、タールや一酸化炭素などの有害物質や化学物質が、主流煙よりも多く含まれています。
受動喫煙では呼出煙と副流煙が混ざった煙にさらされることになり、喫煙者本人だけでなく、周囲の人にも健康への悪影響が及びます。
受動喫煙の健康影響
喫煙者はもちろん、非喫煙者も肺がんなどの病気の危険にさらされることになります。
すでに呼吸器疾患などの病気がある人の病状を悪化させることにもつながります。
妊婦の方は妊婦本人が喫煙しなくても、受動喫煙で胎児の発育などに悪影響が生じることが知られています。妊娠中の受動喫煙は、乳幼児突然死症候群(SIDS)の要因であることが確実視されているほか、低出生体重・胎児発育遅延との関連も指摘されています。
以下は、下記報告書で報告された受動喫煙と疾患等との因果関係の判定結果の抜粋です。
(厚生労働省)喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書<外部リンク>
大人の健康に及ぼす影響
- 因果関係が確実
肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、臭気・鼻への刺激感など - 科学的根拠は因果関係を示唆している
鼻腔・副鼻腔がん、乳がん、慢性呼吸器症状、呼吸機能低下、喘息の発症・コントロール悪化、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など
子どもの健康に及ぼす影響
- 因果関係が確実
乳幼児突然死症候群(SIDS)、喘息の既往など - 科学的根拠は因果関係を示唆している
喘息の発症・重症化、咳・痰・息切れ、呼吸機能の低下、中耳疾患、う蝕(虫歯)など
望まない受動喫煙を防止するために
令和2(2020)年4月1日に健康増進法が改正され、望まない受動喫煙を防止する取り組みがルールになりました。健康増進法では、施設等の種類に応じて、敷地内禁煙や屋内禁煙、また、喫煙場所の標識を掲示することなどが義務付けられています。
また、令和7(2025)年4月1日に健康増進法を上回る基準を定めた「大阪府受動喫煙防止条例」が全面施行されました。
タバコを吸う人も吸わない人もルールやマナーを守り、望まない受動喫煙をなくしましょう。
屋内はもちろん、屋外であっても例えば公園や通学、通勤路など、特に子どもや妊婦の利用が想定される公共的な空間では、望まない受動喫煙を防止するため、周囲への配慮が必要です。
禁煙にチャレンジしませんか
受動喫煙を防ぐ最も有効な方法は、禁煙することです。
喫煙している人は、ご自身や大切な人の健康を守るために、禁煙にチャレンジしませんか?
禁煙は自力でも可能ですが、医療機関での禁煙治療や禁煙補助薬(※)を利用すると、ニコチン切れの症状を抑えることができるので比較的楽に、しかも自力に比べて3倍から4倍禁煙に成功しやすくなることがわかっています。
※禁煙補助薬は、妊娠中・授乳中の方は、原則使用できません。
喫煙している人は自分のためにも周りのためにも禁煙に取り組んでみませんか?
加熱式たばこの煙と受動喫煙
加熱式たばこは、周囲への健康影響や臭いなどが紙巻たばこより少ないという期待から、使い始める人がいますが、長期使用に伴う健康影響についての研究は限られているのが実情です。
ただし、加熱式たばこの煙(正確にはエアロゾル)にも、有害な化学物質が含まれていることが分かっています。
化学物質の量が少ないとしても、たばこの煙にさらされることについては安全なレベルというものがなく、喫煙者と受動喫煙者の健康に悪影響を及ぼす可能性がないとは言い切れません。
健康を考えるのであれば、禁煙すべきであることは言うまでもありません。
(厚生労働省)健康づくりサポートネット「たばこの煙と受動喫煙」<外部リンク>
(厚生労働省)健康づくりサポートネット「加熱式たばこの健康影響」<外部リンク>
関連リンク
- (国立がん研究センター)喫煙と健康 望まない受動喫煙を防止する取り組みはマナーからルールへ<外部リンク>
- (厚生労働省)たばこと健康に関する情報<外部リンク>
- (大阪府)たばこ対策<外部リンク>