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令和3年度 第1回高槻市環境・温暖化対策審議会

ページID:001958 更新日:2022年3月22日更新 印刷ページ表示

会議の名称

令和3年度 第1回高槻市環境・温暖化対策審議会

会議の開催日時

令和3年7月5日(月曜日)午後2時 から午後4時

会議の開催場所

高槻市役所 本舘3階 第2委員会室

事務局

市民生活環境部 環境政策課

傍聴者

4名

出席委員

17名

会議の議題

  1. 第2次高槻市環境基本計画[改訂版]の見直しについて
  2. その他

配付資料

資料1 諮問書

資料2 環境基本計画の見直しについて

資料3 市域における環境の現状と課題

資料4 市域の現状と社会情勢

資料5 基本方針の見直しについて

審議等の内容

<会長>

【開会】

本日の委員の出席は17名、出席者が過半数に達していることを確認し、本審議会の成立を宣言。傍聴希望者の有無を確認。

<事務局>

本日の傍聴希望者は4名。

<会長>

「高槻市環境・温暖化対策審議会の会議の公開に関する要綱」に基づき、傍聴を許可する。また、本審議会の内容は同要綱に基づき、会議録として公開する。

それでは、議事次第のとおり、諮問をお受けする。

<事務局>

諮問書を読み上げる。

<会長>

この諮問を受けて、議事を進めていく。

議題1.「第2次高槻市環境基本計画[改訂版]の見直しについて」、事務局に説明を依頼。

<事務局>

「第2次高槻市環境基本計画[改訂版]の見直しについて」、資料2~資料5を順に説明。

<会長>

各委員に意見を求める。

<委員>

資料3の15頁「特定外来生物の防除」について、市はアライグマやオオバナミズキンバイの駆除には積極的なことは存じ上げているが、昨今、東京都内などではハクビシンが多く繁殖しているようだ。高槻市ではどうか。

また、私達の団体は、ミズヒマワリやナガエツルノゲイトウの駆除に精を出している。市内では今のところ少ないが、これらは非常に繁殖力が強く、他の自治体では駆除に苦慮していると聞いている。これに対して市はどのようにお考えか。

以上2点についてお伺いする。

<事務局>

農林緑政課としては、あらゆる特定外来種に対して、対策をしている。資料のアライグマは事例として挙げさせていただいている。

また、ナガエツルノゲイトウやその他植物の特定外来種についても、オオバナミズキンバイと同様に、地域の方々と協力しながら、必要に応じて駆除等の対策を行っていくことになる。

<会長>

実際にハクビシンは多いのか。

<委員>

東京では、今までは多摩地域にしかいなかったが、都心の江戸川区や墨田区にも現れている。もし高槻市でも出てくると、アライグマでも大変であるのに、さらに状況は悪化する。

<委員>

オオバナミズキンバイやナガエツルノゲイトウは淡路島でも大繁殖していると聞いている。

先日、子どもたちを「あくあぴあ」に連れて行ったが、そこではオオバナミズキンバイなどの駆除の様子がピックアップされていた。このように子どもたちの目に触れさせることや一緒に行った親たちにも知ってもらうというのは、情報の共有ができるいい機会であると思った。また、ニュースで見たようなことが、私たちの地元でも起こっていることを身近に感じた。情報の共有は大切であると思う。

<委員>

資料2の4頁「見直しの背景と目的」について、第2次高槻市環境基本計画[改訂版]が令和3年度で終了するので、今回時点修正をするということであるが、(仮)[第2次改訂版]は何年度まで計画なのか。また、いつから第3次高槻市環境基本計画はじまるのか。この辺りがはっきりしていない。

<事務局>

第2次高槻市環境基本計画については、平成24年からの計画で、平成29年に改訂し、その改訂版が今年度終了するため、再改訂し期間を延長したいと考えている。

再改訂版をいつまでの計画とするかは、難しいところである。現在、地球温暖化対策の新しい施策が、国で検討されているところと聞いている。電力の電源構成をどうするかなど、色々な議論の結果、地球温暖化対策として何を積極的に進めていくのか、方針として明らかになってくると思われる。それを高槻市として、どのように解釈していくかが、計画を作っていく上でのプロセスとなってくる。

一方で、国の温暖化対策の計画の策定がどれくらいの時間を要するのかは分からないため、現時点では明確に「何年度までの計画」というのは申し上げられない。数年くらいのイメージで、この計画については考えている。

<委員>

確認であるが、第2次高槻市環境基本計画の延長とそのための時点修正という考え方で、今回、諮問を受けているということで良いか。

<事務局>

そのとおりである。

<委員>

この再改訂版は、期間の定めのない計画ということで良いか。

<事務局>

今の時点では、そのような方向性で検討している。

<副会長>

大阪府の動向はどうであるか。

<委員>

大阪府は令和3年3月に、環境総合計画をはじめとし、循環型社会推進計画や地球温暖化対策実行計画を改訂したところである。

いずれの計画も2030年を目標年度とする10年計画としており、国の情勢をみて適宜見直すというかたちで計画を策定している。

<副会長>

大阪府では、国が各種計画を改定することを見込んだ上で、期間を10年として策定したということである。

高槻市の場合は、計画の先を決めずに、国の様子を見て、必要であれば抜本的な改訂をするという考え方で良いか。

<事務局>

そのとおりである。

<会長>

上位の計画である、第6次高槻総合計画とも整合性をとる必要があるか。

<事務局>

第6次高槻総合計画は令和3年3月に策定した。今回の改定及び次計画の策定についても、この総合計画と整合する必要がある。

<委員>

課題が多岐にわたるため、気づいた点から質問させていただく。

資料3「市域における環境の現状と課題」について、現状が書いてあり、今後の見通しと目指すべき姿がある。これはどこかの資料にこのように書かれているというように見るのか、あるいは今後というのは、これからのことなのか、この見方を教えていただいた上で、自然環境についてお伺いしたい。

まずは資料の見方についてお願いする。

<事務局>

今後の見通しについては、どこかに書かれているものではなく、趨勢的にいくとおそらくこのようになるのではないか、という事務局の考え方である。今後の趨勢がよくなければ、それについて考えなければならないし、すでに良好な状態であるのならば、引き続き維持できるように取り組む、という考え方になる。

目指すべき姿についても、今後も踏まえて、こうあるべきと事務局として考えたものである。これについても意見をいただきながら検討し、それが基本方針などに反映されるものだと考えている。

<委員>

では、自然環境について2点質問する。

まず、13頁「健全な森林面積」について、「森林面積は4,627ヘクタールと、市域の約44%を占めています。」とある。これは人工林のことを言っているのか。「人工林における健全な森林の面積」のグラフがあるが、健全でないものも含めて人工林がどれくらいなのか、何%が健全でないのか、その他にも、台風で600ヘクタールの倒木被害が2019年にあったが、健全な森林の面積が2018年と同じ1,340ヘクタールとなっている理由など、そのあたりがこの資料では分からない。色々な資料から人工林を抜粋しているとは思うが、人工林だけを健全にすれば良いわけではない。森林があって川がある、この生態系の繋がりとして生物多様性を保全していくという視点が必要である。健全な森林面積に込められた意図が読み取りにくい印象を持ったのでその点についてお伺いしたいのが1点。

もう1点は、特定外来生物について、今後の見通しで「繁殖力が強く、農作物や既存の生態系に被害を及ぼすことが予想されます。」とあり、これはそのとおりであるが、目指すべき姿で「繁殖が抑制されています。」とある。これでは弱過ぎる。動物でも植物でも、ほどほどに維持するのは困難である。特定外来種は駆除を目指すしかない。繁殖を抑えるということができるのであれば苦労しない。特定外来種であれば、徹底的に駆除して、生物多様性の保全に繋げるなど、自然の生態系を見据えた目指すべき姿を記述すべきである。

<事務局>

まず、人工林における健全な森林面積の定義については、人工林の中で間伐等により手を入れている面積の累計である。いくつか補足すると、市域の森林面積のおよそ半分が人工林で、残り半分が天然林となっている。また、2018年と2019年の人工林における健全な森林面積が同数となっている理由は、新たな間伐をせず、台風の被害からの復旧を優先しているため、増加率が0となっている。

<委員>

目指すべき姿が人工林だけとなっている点についてはどうか。

<事務局>

ご指摘のとおり、森林は大きく、人工林と天然林とがあり、人工林は山主が植林し、森林組合が中心となって間伐等を行い、山が良い状態を維持できている。一方で、天然林はそういったメカニズムが働きにくく、その適正管理には課題が多くあると考えている。

天然林でも里山に近いところでは、しいたけの原木をとるなど、そういったかたちで手入れをすることが良好な森林の維持につながると考えている。

<委員>

断片的な資料であるため、限られたスペースで視点を明確に示すことは難しいことだが、人工林だけが森ではなく、また、森と川は繋がっているということは先ほど申しあげたとおりである。

河川を軸としてまちづくりをしていくと謳っているのであるならば、森林というものをもう少し丁寧に拾い上げたほうが良いのではないか。委員会資料として、一例を示したものであれば、そのようにしてそのような意図で拝見するが、高槻市全体の自然環境の在り方・位置づけを考える時には、もう少し資料を作るときに考慮が必要である。

特定外来生物についてはいかがか。駆除に取り組んでいることは存じ上げているが、目指すべき姿で「抑制する」と掲げている限りはなくならない。

<事務局>

ご指摘のとおりである。

<委員>

資料3の13頁「健全な森林面積」について、現状が書かれているが、ここからは課題が見え難い。倒木被害からの災害復旧に注力しているとあるが、復旧できているのは3分の1くらいであり、残りはまだ復旧の目途がたっていない。

目指すべき姿について、地球温暖化の観点では、人工林を間伐して、CO₂吸収源として機能できたかが、1つの指標になるのではないか。

しかし、自然環境という観点では、生態系の維持や自然とのふれあいなど多様な機能・役割も挙げられる。間伐についても1回限りで終わりというものではなく、10年に1回は間伐しなければならないが、まだまだできていないところがあるのも課題である。そのため、間伐面積を指標とすることは不足感がある。

資料5の3頁「自然環境」について、「人と共生するみどり(森林・農地)の保全」とあるが、台風により市の森林面積の1割以上が被災している。現場の立場からすると、保全・維持管理というよりは、再生するという気持ちのほうが大きい。これから何十年、どのような木を植えて、どのような山にするかが大事になってくる。そのターニングポイントであると考えている。

<事務局>

ご指摘のとおり、再生といったキーワードが抜けている。

<委員>

資料3の13頁「健全な森林面積」について、森林はとても広い面積である。現状のところには、「森林ボランティアがきめ細やかな森林の保全と資源の有効活用に取り組んでいます。」とあるが、実際のところ、ボランティアだけでできるのか。また、今後これを生業とした人たちを支えていくことが大事になってくるのではないか。

<事務局)>

ボランティアの方には、どちらかというと里山の保全などに対して活動いただいている。森林災害の復旧に対しては、大掛かりな重機を使用するため、森林組合が事業主体となり、市も支援しながら進めているところである。

この二者と協働することでより良好な森林が維持できると考えている。

<委員>

そういったことも含めて、計画を策定いただければと思う。

<委員>

資料3の2頁「環境行動」について、環境意識が高まることは非常に大事である。

2頁、3頁を見ると、2020年に市民の環境に対する意識が向上したようなグラフがある。施策が変わっていないのであれば、2019年と2020年の最大の違いがコロナしかないということになるが、逆に、コロナだけを理由として市民の意識が向上したのであれば、今までの施策が悪かったわけではないとも言える。安易にコロナによって意識が変わったと書くのはもったいない。他にもコロナが影響しているようなデータがあるのであれば教えていただきたい。

<事務局>

コロナの影響としては、資料4の8ページに記載のことが主に話題となっているところである。市の中で、どのような影響があるかは、把握していない。

今回の審議会にむけてデータを整理する中で、予想していなかった数字が出てきたため、その要因について事務局なりに考えたところである。

コロナ前後で市の施策が大きく変わったのかというと、むしろやりたいことができなかったことからマイナス面の影響が大きいと思われたが、グラフにあるように市民の意識が高まっているという結果となった。この解釈としては、コロナ禍で子どもたちをどこで遊ばせるか、自然の中であれば良いのではないかということや、公園や自然豊かな場所に行かれる方が増えたという報道などもあり、「コロナを契機とした身近な自然や緑への回帰や市民の環境情報の受信力の向上や環境意識を目覚めさせる力がある」という整理をした。

それに加えて、委員がおっしゃる通り、市民が環境に目を向けたときにそれなりに情報があったからこそ、市民の環境に対する意識が向上したと解釈したい。

<委員>

森林は市面積の44%を占めているという話があったが、それ以外に田畑が6%を占めているため、約半分が農林地区である。田畑も緑地であるため、この部分を如何にして保全していくか、これも重要になってくる。

島本町では、駅前の調整区域が外されて、開発が行われ、グリーンゾーンがなくなってしまった。高槻市がそのようなことになってしまうと非常に残念である。

資料3の19頁「空き家」について、新たに土地開発するのではなく、不動産や住宅メーカーと行政が連携しながら、空き家のリニューアルを進め、公営の住宅とし若者を呼び込むような施策が必要である。また空き家は、アライグマなどの棲み処ともなる。

空き家は、個人のものであるため、なかなか行政としては手を出し難いと思うが、行政の考え方はどうなっているか。

<事務局>

高槻市都市計画マスタープランにおいて、コンパクトシティ・プラス・ネットワークという考え方のもと、市街化区域はよりコンパクトにしていくとしている。農地などの調整区域については、環境保全や防災など多面的な機能を有することから、拠点として適切な保全を誘導していく。

空き家についても、これを資源と捉え、流通・利活用を促進していく。

<委員>

2点お伺いする。

農薬の使用について、近年ネオニコチノイド系の農薬は欧米では使用が禁止されているが、日本では規制するものがない。高槻市でも、養蜂されている方からここ数年蜂が失踪し困っていると聞いたことがある。それがネオニコチノイド系の農薬が原因なのかは分からないが、諸外国で規制された農薬についても記載した方が良いのではないか、というのが1点。

もう1点、資料4の8頁「今後の取り組み グリーンリカバリー」について、強力な経済復興策が実施されるこの機会を活かして、新しい経済の仕組みへと移行しながら「持続可能な社会」を実現し、コロナ禍とは異なる、新たな未来の創造に繋げる。」とあるが、これはどこから引用してきたものなのか、それとも高槻市として具体的にこのような社会にしていこうというものなのか。資本主義経済そのものを見直すべきだという本が流行っていることもあるので、そのようなことを踏まえて記載しているのか。その辺りについてお伺いする。

<事務局>

グリーンリカバリーについては、市として打ち出しているわけではなく、このような考え方で世間的には取組がなされようとしている部分もあることを紹介したものである。

コロナにより生活様式が変わった中で、どのようにして以前の生活に戻るか、その際にどのような要素を組み込んでいくか、ということが議論されている。

<委員>

空き家問題は複雑である。資源という意味合いもあるが、治安や防災の観点からも課題だと考える。資料5の3頁「都市環境」についても、見直し案では空き家の課題をどのようにして解決していくのかがよく分からない。「自然環境」では保全ではなく再生させていくために積極的に取り組むとしたように、空き家の課題について、積極的な書きぶりがあっても良いのではないか。

もう1つ、レジ袋の有料化により、新たに、エコバッグの増加や、レジ袋がないためにごみ袋として再利用できず、ごみ袋を購入するということを耳にした。その辺りの状況についてお伺いする。

<事務局>

レジ袋の削減について、市では数年に一度、集められたごみ袋を開け、組成調査を行っている。レジ袋を有料化したことにより、新たにごみ袋を買うといったことも確かであるが、その前段階として、組成調査の結果からごみ袋にも使われていないレジ袋が多かったという点からも削減していくこととなった。

また、本市でもマイバッグの利用を推進しており、最近ではマイバッグが余っているとの意見もあるが、一方で、衛生面等を考えるともう少しマイバッグが必要であるという意見もあるため、バランスを取りながら検討をしていきたい。

<委員>

レジ袋等の削減については、今後も調査されていくということなので、また方向性を転換する必要があるときには、色々と検討いただきたい。

空き家についてはいかがか。

<事務局>

空き家については、治安の問題も含めて、都市環境の面で、空き家があるとないとでは地域に住まわれる方の環境も変わってくる認識で取り上げている。

市全体としては、「高槻市空家等対策計画」に基づき、このような課題を認識した上で、環境分野においても施策を進めていかなければならない。

<委員>

空き家という課題があるということが分かるような書き方がなされると良いと思った。

<委員>

諮問にもあったが、基本計画を見直す上で、新名神高速道路やエネルギーセンター第3工場、安満遺跡公園、あるいは森林の台風被害等について教えていただきたい。

公園であれば、都市公園がどれだけ増えたのか、あるいは利用率はどう変化したのかそれによって高槻市全体がどのようになるか、そこでどのような方策できるかなどが考えられるようになる。

資料3の21頁にもあるが、エネルギーセンターの発電量しか記載がないが、全体的な処理能力や売電量がどれくらいなのか。2019年から稼働しているため実績があると思う。その辺りを教えていただきたい。

これらは6つの環境分野の柱のそれぞれにリンクしてくると考える。

<事務局>

関係課が出席しているので、回答できる部分については回答するが、詳細については次回、資料を作成し、この場で提供させていただく。

<事務局>

第2工場には2炉あり、それぞれ処理能力は180トン/日、計360トン/日である。新しく完成した第3工場は、150トン/日の1炉である。第3工場は、4300kWの出力で発電する高効率発電設備となっている。第3工場が稼働する以前は、第1工場に発電機はなかったため、第2工場のみで発電をしていた。2018年までは発電量が約30,000MWh、売電量が約10,000MWh、第3工場が稼働開始した2019年は、発電量が約42,000MWh、売電量が約22,000MWhとなっている。

<事務局>

その他については、資料を整理し、次回お示しする。

<委員>

高槻市の枠組みだけでない、国の動向や社会情勢などを資料4に組み込まれているが、これは勉強会の資料ではない。我々は勉強しに来ているわけではなく、議題があって、それについて議論すべきである。

例えばグリーンリカバリーについて、今の社会情勢を紹介したものだと先ほど回答があったが、ここは踏み込んで議論していく内容でなはいだろうか。つまりポストコロナ・ウィズコロナというのは、国レベルでも自治体レベルでも、今、どうしていくかを議論する必要があり、かつ今までにないテーマである。ワクチン接種の見通しが立たない中、緊急事態宣言による外出自粛や社会活動の減少などを想定されていたが、ワクチン接種も順調に進んでおり、この1年間でかなりの接種率が見込まれる。そうなれば、いつまでも外出自粛、社会活動の縮小をしているわけにはいかず、新たな社会構築が必要となってくる。その時に目指すべき方向性をしっかり盛り込んで、この計画を策定していくべきであるのに、この場に及んで、「事例として記載してみた」、は違うのではないか。

大きなテーマではあるが、森や川、空き家の問題も含めて、すべてここに繋がってくる問題であると思う。熱海の災害のこともあるので、自然の力を強くして、グリーンリカバリーも見据えて、市民がどう行動していくか、というところにもっていかなければ、絵に描いた餅のような計画になってしまう。

この計画の中には盛り込みにくい事案ではあると思うが、ポストコロナ・ウィズコロナという社会情勢や地域循環共生圏の考え方の枠組みを、高槻市の中にも入れていく必要がある。

<事務局>

今回の環境基本計画の見直しにあたっては、資料5の基本方針の見直しを1つのアウトプットとしている。ここに様々な概念をどのように盛り込んでいくかが、課せられた宿題だと思う。これについては次回以降、この場で見ていただき、議論をいただきながら、より良いものにしていきたい。

<委員>

都市計画などを考える時には、自然環境が弱くなりがちである。

次期計画は、グリーンリカバリーやポストコロナ・ウィズコロナも見据えて、自然環境がベースとなって、人々の生活が成り立っているということを見直し案でも十分に盛り込めるはず。

<委員>

資料3の20頁「循環型社会」について、最近、大音量による廃品回収業者の徘徊や、リサイクルごみの日の前日や当日に不審な業者など、ごみの横領をする者が頻繁にみられ不安である。

また、リサイクルの仕分けなど丁寧にしているのにも関わらず、荒々しく持っていかれるので、本当にリサイクルされているのかも分からない。

市は、このようなことを把握しているのか、把握しているのならどのような対策をしているのか。

<事務局>

市民の方々からもいわゆる資源ごみの持ち去り問題について、ご意見を寄せられている。資料3の21頁に整理しているが、資源ごみの持ち去りに対応するために条例を改正し、抑止力を高めることなどを目的に罰則の強化を行った。また、関係課も含めてパトロールなど行い、効果が得られるように対応している。

<委員>

2点お伺いする。

計画というのは10年計画であれば、だいたい5年程度もしくは適宜の見直しをしていくものだと思う。第2次環境基本計画は平成24年に策定、5年後の平成29年に改訂し、今の計画となっている。

今回は時点修正ということだが、国の温暖化対策計画が議論されているところであり、いつ公表されるかは分からない。これがすごく不安である。首相が宣言したが、現実的には難しい事情もあり、意見が分かれている。温暖化の問題は、様々な分野で密接に関係する分野と、あまり関係しない分野がある。また、温暖化の影響のスピードも分野ごとでそれぞれであるため、どれくらいの期間の計画として考えるのか。

5年くらいの計画で考えるのか、国の計画が公表されてから考えるのか。この辺りをどのように考えるべきか悩ましいので教えてほしい。ある程度、計画期間を決めておかないと作りにくいのではないか。アクションプランやエコオフィスプランも策定したばかりで、国の方針によっては見直しが入る可能性がある。これらとの関係もある。個別に議論がなされ、基本方針を見直す、ということになっているが、これらも含めると基本目標を見直したほうが良いかもしれない。

もう1点、高槻市は工場や事業所が多くある。家庭などで取り組めることはあるだろうが、事業所の動向も大事である。企業としては、ここにシビアに取り組んでいる。それがどのようにこの計画に盛り込まれるのか。

<事務局>

計画の期間については、先ほど申し上げたとおり、国の温暖化対策計画が明らかになり、それに沿って社会が動き出した段階で、改めて次期計画を練り直していく。

まず、「第2期たかつき地球温暖化対策アクションプラン」は、市域全体から排出されるCO₂削減目標を定めた計画、「たかつきエコオフィスプラン」は、市を1つの事業体として考え、市の事務事業から排出されるCO₂削減目標を定めた計画である。市内の事業者の取組については、このアクションプランに包含して取組を促している。

<委員>

国の温暖化対策計画改訂内容が大きいと、その影響があらゆる分野に網羅的にかかってくる。また、逆に影響の少ない分野もあるだろう。それをどのように仕分けして考えれば良いか。

<事務局>

国が策定する計画を見てはじめて、高槻市としてどの程度対応していく必要があるのか、ということが明らかになる。本市に及ぼす影響が大きく、考え方を改めなければならない部分については、計画を見直す必要がある。

<委員>

この計画を時点修正した上で、国の計画が公表されれば、また見直すということか。

<事務局>

資料2の4頁に記載のとおり、「今後の国における地球温暖化やエネルギー分野の具体的な計画が示された段階で、地球環境分野を含む「環境基本計画」の本格的な見直しを行う」としている。

<委員>

大阪府の考え方と合わせることもありなのではないかと思うが、高槻市独自の方向性でも良いとは思う。

<委員>

大阪府に合わせる必要はない。今年3月に、大阪府も高槻市も地球温暖化対策実行計画を策定したところである。大阪府は、国の計画がきっと大きく改訂されるだろうと予測して、大きく舵をきった場合に想定されるような施策を先取りしている。国がさらに大きく踏み出すことがなければ、今の府の計画で収まるだろうと考えている。高槻市の場合、策定時に国の現行計画を元としているため、国の計画が公表されれば、大きく見直し、アクションプランと環境基本計画の統合をしていくという方針である。国の計画が公表される時期については、脱炭素については、そこまでかからないとは思う。また、生物多様性などについても大きく方向性が変わる可能性があるが、それを待っているとずるずると引きずられてしまい、先に進めない。

府も適宜見直すとしているため、国の動向を見ていくという状況は同じである。

<委員>

地球温暖化対策実行計画協議会で、アクションプランを作る際にも、国の方針も大切であるが、地球温暖化の現状に沿った計画が必要であるという意見があった。地球温暖化の問題は切羽詰まっているのが現状である。CO₂削減量についても国の目標値に合わせるのではなく、地球温暖化の現状に則した対応ができるような計画でなればならない。形はできたが、実効性のあるものでないという意見もある。

高槻市だけでやってどうなるのかということもあるが、身近なことから精一杯やっていかなければ、今回の熱海の災害ではないが、これが日常になってしまう。若い人は今後に希望が持てなくなってしまう。高槻市に定住いただきたいとかそのようなレベルの話ではなくなってくると思う。現状に見合った計画を立てなければ意味がない。

<委員>

国の計画が云々という話ではなく、温暖化が差し迫っている状況なので、どうしたらこの内容を落とし込めるかということと、地球温暖化の分野だけでなく様々な分野に関係していることなので議論を幅広くするべきでなないかということである。

<委員>

資料5の4頁「地球環境」について、温暖化に主眼が置かれている。しかし、輸入食糧や衣料品は、製造や運搬の過程で大量に水を使ったり、大量のCO₂を排出したりしており、現地では深刻な環境被害が起きている。この点についても考えなければならず、地球環境分野においても、生活の在り方について言及した方が良いのではないか。

また海外では、食肉の大量生産のために森林が大規模に伐採されている。これにより、新興の感染症が発生するのではないかと懸念されている。この点にも触れた方が良いのではないか。

<副会長>

資料4に国の動向や社会情勢、グリーンリカバリーなどの記載があるが、これらを基本方針の6つの枠組みに少しでも組み込んでいく必要がある。この6つの枠組みは限定的であり、自由な発想を阻んでいる可能性がある。例えば、先ほどの海外において大量生産により環境破壊しているから、そういったものは買わないようにしようという議論は、SDGsの観点から見直すべき点であるが、この6つの枠組みのどこにSDGsのことを組み込めるかは難しい。「都市環境」の中に、コンパクトシティ・プラス・ネットワークに向けたまちづくりというものが1つあるくらいである。

事務局の話では、今回は時点修正で、国の次の方針を待って、ということだが、次の段階に向けてすぐに乗り換えられるような計画に今からしておくべきである。全く違うものを作るとなると大変である。今は6つの枠組みを残しておいても良いが、前に進んだ内容を含んだ計画にしておく必要があるのではないかと思う。

もしくは、次期の計画策定時に一気に変えるかのどちらかである。

<会長>

今日は高槻の環境の実態が議論のメインテーマとなっているが、次回は計画の目標とその方針が議論のメインテーマとなってくる。事務局には、次回今の意見も含めて提案いただき、委員の意見を頂戴したいと思う。

<委員>

計画がどうであれ、市民の協力は不可欠である。地球温暖化対策実行計画協議会で傍聴者に話を聞くと、資料を持って帰られないとのことであるが、会自体は公開としているのにどうしてか。環境以外の審議会などでは、資料の持ち帰りが許可されていると聞いている。

貴重な時間を使って足を運んでいただいているし、「市民の方と協働して」というのであれば、当然持ち帰ってほしいと思うが、いかがか。

<会長>

事務局いかがか。

私は、この審議会以外にも会長を務めているが、持って帰っても良いということはなかった。

<事務局>

現在の運用としては、資料は置いて帰っていただき、後日、議事録と共に市ホームページに公開するという流れである。また、他の事例を確認しておく。

<委員>

他にも審議会等に傍聴者として参加しているが、資料を持ち帰れることの方が多い。

<委員>

それについては、私もお願いしたい。資料を持ち帰ることで、そこから何らかのきっかけに繋がると思う。

<委員>

市議会議員の方も参加されているので、申し上げる。

「第2期たかつき地球温暖化対策アクションプラン」15頁に、エアコンやテレビ、冷蔵庫の省エネ効果が記載されており、その省エネ・節約効果について示されている。「市民に対して新しい機器の買い替えに補助をする、というようなことを議員提案してはいかがか。高槻市は16万世帯あるから、資金は必要だが、温室効果ガスの排出削減に繋がると思う。市庁舎の蛍光灯からLED照明への交換も大切であるが、市民全体がエコに取り組むという意味では提案しても良いと思う。

<会長>

【閉会宣言】

令和3年度 第1回高槻市環境・温暖化対策審議会 資料

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