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腸管出血性大腸菌による食中毒に注意しましょう!
腸管出血性大腸菌は、動物の腸管内に生息し、糞便などを介して食品、飲料水を汚染して、主に加熱不足の肉(生肉含む)、生野菜などの食品、水を介して感染します。近年、レアステーキと称するユッケ様の食品等を原因食品とする腸管出血性大腸菌O157による食中毒事例も発生しています。加熱や消毒処理には弱い菌ですので、生肉を使った肉料理を避けることや、肉の中心部まで十分に加熱すること、野菜類はよく洗浄することなどが重要です。
性質
腸管出血性大腸菌は「ベロ毒素」という強力な毒素を作り出し、少数の菌量でも人に下痢や腸炎を起こします。 また、幼児や高齢者などの免疫力の弱い人では腎臓や脳、神経に障害を与えるなど重症化する場合や命を奪う場合もあります。
症状
2日から10日(平均3日から5日)という比較的長い潜伏期間の後、激しい腹痛、水様下痢、軽度の発熱を呈し、 後に血便となることもあります。さらに、子どもや高齢者、免疫力の低下している人ではベロ毒素が血液中に入り、 溶血性尿毒症症候群などを引き起こし、死に至る場合もあります。
腸管出血性大腸菌による食中毒にかからないように以下のことを守りましょう!!
- 冷凍品や生ひき肉を使ったメンチカツ等を含めて、食肉は十分に加熱(中心部75度1分間以上)して食べましょう。
- 排便後、食事の前、下痢をしている子どもや高齢者の排泄物の世話をした後などは、石けんと流水(汲み置きでない水)で十分に手洗いをしましょう。
- 下痢などで体調の悪いときは、浴槽・プールの使用を控えてください。
- 井戸水は生のまま使用しないでください。
- 野菜類はよく洗浄してください。
- 飲食店などで食べるときには、生肉や肉を生焼けで食べる料理がメニューにあっても、なるべく避けたほうが安全です。また、焼肉やバーベキューなど、自分で肉を焼きながら食べる場合も、十分加熱し、生焼けのまま食べないようにしましょう。
- 特に、子ども、高齢者、抵抗力が弱い方は、重症化することがありますので、生肉や加熱不十分な肉料理を食べないようにしてください。
以下一般的な食中毒予防対策です
- 調理作業前などには手指の洗浄消毒を徹底しましょう。
- 食肉を扱った容器、包丁、まな板は熱湯などで殺菌消毒しましょう。
- まな板、包丁、ふきんなどは食材ごとに使い分け、よく洗いましょう。
- 細菌は低温でも生き続けるので、冷蔵庫に入れたことで安心しないでください。
下痢や腹痛とともに便に血が混じった場合、すぐに医師の診察を受け、指示に従ってください。
詳しくは下記のリンクをご覧ください。
食品等事業者の方へ
食肉については中心部を75℃で1分間以上またはこれと同等以上の加熱効果を有する方法で加熱調理してください。食品の表面を焼いた後に冷却したもので、中心部まで十分に加熱されていないものは、生食用食肉として取り扱われます。生食用食肉の提供には、生食用食肉の規格基準に基づき、専用の設備の設置、生食用食肉取扱者の設置・届出、成分規格・加工基準・調理基準・保存基準・表示基準の遵守が必要です。
加熱調理が完全に行われていない食肉等を提供して、お客さんが加熱調理を行い喫食される場合は、飲食に供するまでに必要な加熱を行うための具体的な方法を、口頭による説明のみではなく、掲示等により確実に情報提供してください。
生食用食肉を取り扱えない施設で社会通念上ユッケと呼称される生の食肉をレアステーキと称して提供または販売することは不適切です。消費者が生食用食肉と誤認して加熱せずに喫食する蓋然性が高い態様で販売または提供しないでください。
生食用食肉の取り扱いについては下記のページをご覧ください。
関連リンク
- 腸管出血性大腸菌による食中毒<外部リンク>
- 家庭でできる食中毒予防の6つのポイント(厚生労働省)<外部リンク>