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令和4年第9回高槻市教育委員会定例会会議録

ページID:078298 更新日:2022年10月13日更新 印刷ページ表示

令和4年9月16日(金曜日)午後1時00分、令和4年第9回高槻市教育委員会定例会を教育委員会室に招集した。

 

出席者(5人)

樽井 弘三 教育長
美濃  律 委員
浦野 真彦 委員
​岡本 華世 委員
松村 洋子 委員

説明のために出席した事務局職員の職、氏名

教育次長 土井 恵一
学校教育監 佐藤 美恵
教育政策官 藤田 卓也
教育次長代理兼教育総務課長 田中 宏和
参事兼教育指導課長 杉野 暁子
保健給食課長 橋長 忠司
教育指導課主幹 近藤 利起
教育センター所長 丸山 みち子
保健給食課課長代理 丸本 訓
保健給食課副主幹 北尾 利昭
地域教育青少年課課長代理 清水 丈二
教育指導課課長代理 小寺 基之
教育指導課副主幹 直原 考志
教育センター所長代理 山本 由紀子
教育センター副主幹 尾崎 元
教育総務課主査 須増 摩耶
教育総務課主査 菊川 雅也
教育指導課指導主事 村山 健


議事日程

日程第 1 報告第 5号 令和4年度全国学力・学習状況調査の概要及び結果について
日程第 2 報告第 6号 令和4年度大阪府「すくすくウォッチ」の概要及び結果について
日程第 3 議案第32号 公立学校児童生徒教育費補助規則中一部改正について

 

(午後1時00分開会)

 

樽井弘三教育
ただいまから、令和4年第9回高槻市教育委員会定例会を開会いたします。
なお、本日の会議に傍聴の希望がございましたので、許可をいたしております。
本日の会議の出席者は、5名でございます。なお、本日の会議の署名委員は、岡本委員 松村委員にお願いいたします。
樽井弘三教育
ここで、令和4年第8回定例会会議録の承認をお願いいたします。
会議録につきましては、事前に委員の皆様方にご確認いただいております。原案のとおり承認してご異議ございませんか。

 

(異議なし)

 

樽井弘三教育
ご異議が無いようですので、会議録の承認につきましては、原案どおり承認されました。

樽井弘三教育
それでは、議事に入ります。
日程第1、報告第5号、「令和4年度全国学力・学習状況調査の概要及び結果について」を議題といたします。報告を求めます。

学校教育監(佐藤美恵)                                (提案理由説明)
ただいま上程されました日程第1、報告第5号、「令和4年度全国学力・学習状況調査の概要及び結果について」の報告につきまして、提案理由をご説明申し上げます。
今年度の「全国学力・学習状況調査」につきましては、小学校の第6学年、中学校の第3学年の全児童生徒を対象に、小学校は国語・算数・理科、中学校は国語・数学・理科で4月19日に実施しました。理科は3年程度に1度実施されており、今年度がその年にあたります。
「全国学力・学習状況調査」は、調査結果の公表の方法や内容等は、市町村教育委員会がそれぞれ判断して行うこととなっております。
この点につきましては、平成20年9月の臨時教育委員会議及び、令和4年1月の教育委員会議においてご議論いただき、「学校別の結果を公表しないことを前提に、数値のみが『一人歩き』しないよう、公表の趣旨や目的等を十分に説明すること等、慎重な対応を行った上で、平均正答率も含めた公表を行う」という決定がなされております。
これらの決定をふまえ、本調査の結果概要を、今後ホームページに掲載するとともに、年末に配布されます広報誌新年号の教育特集でも調査結果の概要等を公表する予定です。
なお、結果等につきましては、教育センター所長より説明させていただきます。

教育センター所長(丸山みち子)
「全国学力・学習状況調査」について、説明させていただきます。概要及び結果をご覧ください。
今回の本市の調査結果についてですが、配付しております資料、左、中段の表をご覧ください。
本市の結果と対全国、対大阪府を示した表となっております。今年度は、すべての校種・教科において全国平均並、あるいはそれを上回る結果となっております。
続きまして、左下の学力調査の経年比較のグラフをご覧ください。
本学力調査が開始されて以降、概ね全国平均を上回って推移しております。この結果は、この間、連携型小中一貫教育において、各中学校区で取り組んでいる授業改善や、本市がこれまで進めてきた様々な教育施策の成果であると考えております。
右側の正答数分布と領域等別正答率をご覧ください。
良好な点につきましては「白四角(□)」、課題につきましては「黒四角(■)」で表記しています。
小学校国語では「互いの立場や意図を明確にしながら、計画的に話し合い、自分の考えをまとめること」、中学校国語では、「自分の考えが伝わる文章になるように、資料から必要な情報を引用し、根拠を明確にして書くこと」など、思考力、判断力、表現力等を働かせて書く問題に、課題が見られました。
算数・数学に関しましては、小学校・中学校ともに、全国平均を上回る問題が多い結果となりました。小学校の問題で、果汁が含まれている飲み物の量が半分になると、果汁の割合も半分になると考えた児童が多く、割合に関しては全国平均を上回っているものの、課題が見られました。
理科に関しましては、科学的に探究する学習が重視されており、そのことを踏まえ、すべての大問で「探究」する場面が設定されていました。
飛行機雲の残り方について、ある生徒が書いた考察の妥当性について判断する問題で、課題が見られました。理科の見方・考え方を働かせながら、多面的にデータを関連付ける力が必要とされています。
領域等別正答率を表すレーダーチャートは、全国の状況とほぼ同傾向を示しています。
資料の裏面をご覧ください。
児童生徒質問紙の結果を、第2期教育振興基本計画との関連で掲載したものです。
裏面の上から2つ目の「かんがえる力」に関する質問で、「学級の友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、広げたりできていると思う」という質問と、「5、6年生のときに受けた授業で、自分の考えを発表する機会では、考えがうまく伝わるように工夫している」という質問では、肯定的に答えた児童生徒の割合は上昇傾向にあり、日々授業改善に取り組んでいる結果が表れていると思います。
一方で、「学校の授業時間以外に、普段、1日当たりどのくらいの時間勉強をしますか」の項目は下降しており、依然として課題であると捉えております。
家庭学習の習慣化や自学自習力の育成は、各校の授業改善とともに本市の課題であり、今後も改善に向けた取組を引き続き行ってまいりたいと考えております。
教育委員会事務局におきましては、全国学力・学習状況調査の結果の公表をうけて様々な視点からの分析を行い、調査の結果分析と改善方策に係る教員対象の研修を9月下旬に実施予定です。全国学力・学習状況調査をどのように分析し、その結果をどのように指導改善に活かすかや、つまずきの見られる子どもへの指導や支援の視点について伝達する内容になっております。10月にはそれぞれの校種・教科ごとの研修も予定しています。
以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくお願いいたします。

樽井弘三教育
ただいま、報告が終わりましたが、委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。

浦野真彦委員
中学校の国語についてお伺いしますが、良好な部分と、課題とされている部分の両方に、行書について書かれているのですが、この行書の問題というのは、どういうものなのでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
行書で書いた文字について、良い点や改善点を話し合い、友達や先生からの助言を活かして修正する場面が設定されております。行書の特徴を踏まえた書き方や漢字の行書と、それに調和した仮名の書き方について考えることを求めた問題となっております。具体的には「竹内さんが『夢と希望』という漢字を行書で書きます。それについて、友達の青山さんが『全体的に行書の特徴を踏まえて書くことができていると思います。ただ、漢字のバランスが悪いような気がします。』という言葉を発します。」、そのことについて、まず1問目が、「青山さんは行書の特徴を踏まえて書くことができていると述べていますが、その具体的な内容は何ですか。」と問う問題でした。2問目は、「青山さんが、『漢字のバランスが悪いような気がします。』と言っていますが、具体的にはどのようなことを言っていますか。」という質問に対して、選択肢の中から選ぶ問題となっておりました。

浦野真彦委員
つまり、書き問題ではなく、読み取り問題ということでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
書き問題ではなく、行書の特徴を捉えるために、知識技能を問う問題です。行書と楷書の書き順の違い等、行書の特徴がどのようなものであるかを生徒に問うような問題となっております。

浦野真彦委員
書道の授業ではなく、国語科で学ぶ内容なのでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
国語科の中に書写という時間がございまして、中学校1・2年生は年間20時間程度ございます。

樽井弘三教育
他に何かございませんでしょうか。

美濃律委員
資料右側のレーダーチャートですが、中学校の数学以外は、ほぼ全国平均と同じ感じですが、中学校の数学だけは高槻の平均が、全国平均よりもかなり上回っていると思います。この結果について、何か取組の結果が出ているのか、そのようなことがあればお聞かせいただけますか。

教育センター所長(丸山みち子)
中学校の数学についての生徒の状況ですが、他の教科と比べまして、ヒストグラムの形が若干違う所からも、上位層の子どもたちが多いのかなと捉えています。おそらく苦手な子もいるのですが、高槻の場合は、上位の子が多かったということが、このチャートの中に反映されていると捉えています。

美濃律委員
中学校の数学に対して、特に何か対策をしていたとか、そういったことはなかったのでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
特別の対策はとっておりませんが、先ほどもご説明いたしましたとおり、この「全国学力・学習状況調査」が終わった後に、教育センターは教員に対して、結果の分析研修や、実態がどうであったかという各教科別研修を行ったり、各学校では分析を行い教育活動に活かしていることが、大きいと考えております。

樽井弘三教育
他に何かございませんでしょうか。

松村洋子委員
経年比較で見ましても、算数、数学は全国平均よりよくできているようですが、それに比べると、国語は、全国平均は上回っているものの、少し伸びが良くないかなという印象を受けますが、国語に対する取組などは何かされているのでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
小学校の国語科では、全国平均を下回っていた時期がございます。その中で、各校が様々な取組を続け、今の全国平均を上回る結果に繋がっていると捉えているところですが、何か特別な取組をしたということはございません。
ただ国語科は、学習の基盤である言語能力の要となる教科ですので、国語科が上昇すれば、他の教科も必然的に上昇すると考えておりますので、国語科が更に充実するよう、授業改善を進めてまいりたいと思っております。

樽井弘三教育
他に何かございませんでしょうか。

岡本華世委員
意見になりますが、学習状況調査の結果を見ましても、「将来の夢や目標を持っていますか」、「地域や社会をよくするために何をすべきか考えることはありますか」という質問で、ちょうどこの学年はコロナ禍で地域と関わる機会が少なかったかと思うのですが、それでも特別下がっているわけではありませんので、今後、これまで同様、地域との関係を築いていってもらいたいと思いました。
もう一つ、全体的に全国平均を上回っている一方で、やはり上位と下位の子たちとの差がすごくあるという部分もあります。
勉強に対して興味を持つためには、家庭での声かけも大事だと思います。家庭内で、できたことを褒めてもらえている子、認めてもらえている子というのは、達成感や次も頑張ろうという気持ちが持てていると思います。
一方で、中にはできて当たり前だという環境で育っている子もいるかと思いますが、そういう子たちは、学校で学んだことに対して、先生や友達から、褒められたり認められたりすることで肯定感が高まり、次も頑張ってみようという思いが学力にも繋がるのではないかなと感じますので、調査結果の研究をされていく中で、そのあたりのことも踏まえてやっていただけたらと思います。

樽井弘三教育
他に何かございませんでしょうか。

浦野真彦委員
令和3年度に「新型コロナウイルスの感染状況で多くの学校が休校していた期間中、勉強について不安を感じましたか」という質問がありましたが、今年度は同様の新型コロナウイルスに関する質問はあったのでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
令和3年度の質問の背景に、多くの学校が休校していた期間というのがあったと思いますが、令和4年度に関しては、休校ではなく学年閉鎖や学級閉鎖に代わってきたという所もあったと思いますので、今回は同様の質問はございませんでした。

浦野真彦委員
新型コロナウイルスに関する影響等を調べるような質問はなかったということでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
はい。子どもたちに対してはございませんでした。

樽井弘三教育
他に何かございませんでしょうか。

浦野真彦委員
「学校の授業時間以外に、普段(月曜日から金曜日)、1日当たりどのくらいの時間、勉強をしますか」という質問と、「家で、自分で計画を立てて勉強をしていますか(学校の授業の予習や復習を含む)」という質問で、今年度は昨年度に比べて下がっていますが、これは今年度が低いというより、令和3年度が特に高かったのだと思います。令和3年度が高かったのは、新型コロナウイルスによる休校の影響によるもので、今年度はその休校が無くなったことで下がったということでしょうか。

参事兼教育指導課長(杉野暁子)
令和2年度に、全国的に一斉の長期の臨時休業があり、結果を見ると、全国的な傾向でもあることから、やはりコロナによる長期休業の影響はあるだろうと考えています。例えば長期休業期間中に、各校で宿題等の課題を配布したり、また、児童生徒が自身で生活のリズムを整えるために、学習スケジュール等を立て、自分で考えて家庭学習を行うよう各学校で取組を進めていました。そのような具体的な家庭学習の手立てを実践していたことが、令和3年度の上昇に繋がっていると考えております。

浦野真彦委員
「学校の授業時間以外に、普段(月曜日から金曜日)、1日当たりどのくらいの時間、勉強をしますか」という質問で、家での勉強については、例えば塾での勉強も含まれていると思いますが、学校の勉強というのはどれぐらいの割合なのでしょうか。

参事兼教育指導課長(杉野暁子)
学校の授業時間以外に、勉強をしている時間についての質問となっていますが、何の勉強をしているかの限定はしておりません。例えば学校の勉強をしていることもございますし、それ以外の塾等での勉強も含まれております。

浦野真彦委員
やはり学校の勉強以外が多いのではないかと思いますが、この1時間以上勉強していますかという割合が減ったことが、課題であるようにお話されていましたが、私はこの項目が上昇するのが逆に心配です。極端に言いますと、学校で勉強がすべて完結できていれば良いのではないでしょうか。学校でちゃんと勉強ができて理解できれば、家で勉強しなくともよい、それが理想ではないかと思います。よって、この項目の数字が下がったことは、例えば学校の授業が良くなって、子どもたちがよく理解できるようになったのではないかという解釈もできるのでないかと思っています。
また、「放課後や週末に何をして過ごすことが多いですか」という質問で、 友達と遊ぶという回答が、特に小学生は全国よりかなり高くなっていますが、私は、これはいい傾向だと思います。1人でゲームなどをして遊ぶことが多くなっている中で、友達と一緒に遊ぶという児童が多いのは、良いことだと思いますので、家での勉強時間が 少ないのではないかという心配だけではなく、その点も着目していただければと思います。

樽井弘三教育
他に何かございませんでしょうか。

松村洋子委員
「将来の夢や目標を持っていますか」の質問で、全国的にも経年的にじわじわと下がっているような傾向があるようで、高槻はその中でも全国より低い傾向にあるようです。日本社会全体の問題なのかもしれませんが、将来のことについて子どもが前向きに考えられるような取組はされているのでしょうか。

教育指導課副主幹(直原考志)
キャリアパスポートの取組というものがございまして、学校の学習活動を通して、自分が何が得意なのか、どんなことに興味があるのか、集団の中でどんな役割を果たしてきたのかということを、9年間蓄積して記録し、それらを振り返っていくことで、自分自身を見つめて、将来について考えるきっかけにすることができる、という取組でございます。
そのキャリアパスポートの取組を進めやすくするため、本市では、すべての小学1年生に、キャリアパスポートのファイルを一律で配布しております。それに加えて、年度当初に児童生徒や保護者に向けて、身につけて欲しい力を示したプリントを配布しております。

樽井弘三教育
他に何かございませんでしょうか。
それでは、私から確認も含めて幾つかご説明願いたいことがあります。
「全国学力・学習状況調査」は、子どもたちの学力を見ながら、教育行政側、あるいは、学校側がどのような施策を打ち出し、どのように授業改善をするのかを分析することを目的としており、その点を踏まえて整理しておきたいのですが、児童生徒の質問紙について、実際には膨大な質問項目がある中で、ここでは9項目をピックアップしております。
この項目の中で、学力と高い相関関係にある項目、いわゆる正の相関関係にある項目、また、負の相関関係にある項目、学力と相関関係がない項目もあれば、あわせて説明をお願いします。

教育センター所長(丸山みち子)
学力と相関関係がある項目についてですが、例えば、「かんがえる力」の4項目につきましては、それぞれ正の相関がございます。特に「学級の友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、広げたりできていると思いますか」、その隣の「5、6年生のとき(中学生は中1、中2)に受けた授業で、自分の考えを発表する機会では、自分の考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組み立てなどを工夫して発表していたと思いますか」という質問につきましては、肯定的に回答している児童生徒ほど、正答率が高いことがわかっております。同じく「家で、自分で計画を立てて勉強をしていますか(学校の授業の予習や復習を含む)」、「学校の授業時間以外に、普段(月曜日から金曜日)、1日当たりどのくらいの時間、勉強をしますか」という質問で、より取り組んでいる児童生徒の方が学力が高いという結果が見られ、その4点の質問には学力との正の相関が見られます。
また、「たかめる力」の「朝食を毎日食べていますか」という質問につきましても、特に小学校の方で正の相関があることがわかっております。
次に、「つながる力」、「きりひらく力」のところで、「いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思いますか」、「将来の夢や目標を持っていますか」につきましては、学力と正の相関がございます。また、「地域や社会をよくするために何をすべきか考えることはありますか」については、正の相関がございます。
資料中の項目に、学力と負の相関がある質問はございませんが、質問調査の中に、「1日当たりのゲームの時間」や、「SNSや動画の視聴時間」についての質問があり、たくさん見ている児童生徒ほど、平均正答率が低いという結果がございます。反対に、端末やタブレットを持ってない児童生徒の方が、学力が高いという結果も示されております。

樽井弘三教育
今のお話の中の学力というのは、国語、算数、理科のすべてに概ね当てはまるのでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
その3教科の成績で、同様の結果がございます。

樽井弘三教育
今のお話を踏まえて、今後の研修等の方向性についてお願いです。
学力というのは、知識の量と知識の質に左右されます。知識の量というのは、学習する時間の量、そして知識の質というのは、その手に入れた知識をどのようにアウトプットするのか、それにより、その知識の質が、単なる知識なのか構造的に深くなっていくのかが決まっていくと思います。膨大なインプットがあって、ようやく人に伝えることができるアウトプットが可能になるのだと思います。
我々が今直面していることは、その知識の量も知識の質もどうやら家庭環境に随分左右されているということであります。
そう考えた時、学校がコントロールできる授業の中で、どのように知識の量を増やしていけるのか、どのように知識の質を変えていけるのかということが重要であると考えます。学校の先生は、家庭にお任せするだけでなく、授業の中でどのようにそのあたりの工夫をしていくのか、ということが問われていると感じているところです。
これから、本調査で得られた膨大なデータを基にしながら、家庭学習に繋がる授業をどのようにしていくのか、そして、知識の質を高めるための授業をどのようにしていくのか、その視点に立って、授業改善をしていかなければいけないだろうと思っています。それをしなければ、結果的にはやはり、学力は家庭環境に左右されて終わっていくことになると思います。授業が家庭環境の差を埋めることができるのだということを念頭に、各学校に指導していただきたいと思います。

樽井弘三教育
他に何かございませんでしょうか。
それでは、本件は報告案件でございますので、これをもって終了いたします。
続きまして、日程第2、報告第6号、「令和4年度大阪府『すくすくウォッチ』の概要及び結果について」を議題といたします。報告を求めます。

学校教育監(佐藤美恵)                                (提案理由説明)
ただいま上程されました、日程第2、報告第6号「令和4年度大阪府『すくすくウォッチ』の概要及び結果」の報告につきまして、提案理由をご説明申し上げます。
「すくすくウォッチ」につきましては、令和3年度より、子どもたち一人ひとりが自らの強みを知り、学びの基盤となる言語能力や読解力、情報活用能力等を向上させ、これからの社会を生き抜く力を着実につけることを目的に実施されています。「すくすくウォッチ」は、小学校の第5学年及び第6学年を対象に4月18日から4月26日の期間に、第5学年では国語、算数、理科と、教科横断型問題としてわくわく問題及びアンケートが実施され、第6学年では、わくわく問題及びアンケートが実施されました。
調査結果の公表の方法や内容等は、市町村教育委員会がそれぞれ判断して行うこととなっております。この点につきましては、令和2年10月の教育委員会議においてご議論いただき、「学校別の結果を公表しないことを前提に、数値のみが『一人歩き』しないよう、公表の趣旨や目的等を十分に説明すること等、慎重な対応を行った上で、平均正答率も含めた公表を行う」という決定がなされております。
この決定をふまえ、本調査の結果概要を今後ホームページに掲載する予定です。
なお、結果等につきましては、教育センター所長より説明させていただきます。

教育センター所長(丸山みち子)
大阪府「すくすくウォッチ」について、説明させていただきます。概要及び結果をご覧ください。
左中段の教科別正答率をご覧ください。今年度の本市と大阪府の平均正答率を示した表となっております。
今年度もすべての教科において、大阪府平均を上回る結果となっております。
教科ごとに、概要を申し上げます。国語の「我が国の言語文化に関する事項」において、ことわざや故事成語の意味を正しく理解する問題で大阪府平均を下回り、課題が見られました。
算数では、長さや面積について、その求め方や考え方を、筋道を立てて説明する、思考力,判断力,表現力等を働かせながら記述する問題に課題が見られました。
理科ではどの領域も大阪府平均を上回っていますが、「検流計の使い方を正しく理解すること」や「直列つなぎの特徴を理解し、そのつなぎ方を図で表現すること」など、実験の技能を問われる問題について低い正答率となりました。コロナ禍において、実際に実験をして技能を身に付ける機会が少なかったことも要因として考えられます。
わくわく問題についてですが、出題内容は教科横断的な問題で、文章や絵、図、表、グラフなどを読み取りながら自分の考えを表現する力を問う問題でした。
表から、「日本で一年間に生産される『自動で動く車』の台数」を2つの資料から正しく読み取る問題においては、問われている項目を間違って読み取る児童が多く、課題が見られました。
最後に左下の児童アンケートの結果をご覧ください。こちらは「粘り強さ」や「ぶれない心」等、大阪府教育庁が設定した指標に基づき、児童一人ひとりの回答状況を表したレーダーチャートで、令和3年度と令和4年度の値を示したものです。
令和4年度の5、6年生は、「共感する力」の項目が高い割合となっております。これは「人が頑張っているのを見たり聞いたりすると、友だちでなくても応援したくなる」という設問や「まわりに困っている人がいると、その人の問題が早く解決するといいなあと思う」という設問などについて、答えた結果が反映されています。
教科の問題や、わくわく問題の結果だけでなく、アンケートの結果にも目を向けながら、「人や社会とつながり、学び続け、よりよい自分と社会を創る子ども」を育んでいけるよう、各校への支援に取り組んでまいりたいと考えております。
教育委員会事務局におきましては、「すくすくウォッチ」の結果の公表をうけて、様々な視点からの分析を行い、調査の結果分析と改善方策に係る教員対象の研修を11月に実施予定です。全国学力・学習状況調査同様、分析結果を指導改善に活かしていきたいと思います。
以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくお願いいたします。

樽井弘三教育
ただいま、報告が終わりましたが、委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。

美濃律委員
結果を見ると、概ね大阪府の平均を上回っていますが、全国平均における大阪府平均の位置づけはわかりますか。

教育センター所長(丸山みち子)
大阪府の平均は、全国平均よりも低い数値となっております。

樽井弘三教育
他に何かございませんでしょうか。

浦野真彦委員
児童アンケートについて、「全国学力・学習状況調査」では項目やまとめの記載がもっと多かったのですが、「すくすくウォッチ」では、記載が少ないことに何か理由があるのでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
アンケートには、児童生徒アンケートと教員アンケートの2種類ございます。「全国学力・学習状況調査」と重複する内容もございますので、「すくすくウォッチ」の方には児童アンケートの結果を載せているところでございます。

浦野真彦委員
アンケートの質問項目数はどれくらいですか。

教育センター所長(丸山みち子)
児童アンケートは74問、教員アンケートは97問でございます。

樽井弘三教育
それは「全国学力・学習状況調査」と同じぐらいですか。

教育センター所長(丸山みち子)
「全国学力・学習状況調査」における児童生徒質問は、中学生が75問、小学生も75問で、学校質問は、小学校で113問、中学校で111問ございました。

樽井弘三教育
他に何かございませんでしょうか。

浦野真彦委員
児童アンケートの、「気持ちをコントロールする力」の「落ち着き」のチャートが、令和3年度に比べて少し低くなっているのですが、どんな質問があったのか教えていただけますか。

教育センター所長(丸山みち子)
「自分の気持ちを態度や表情に出さない」、「嫌な気持ちになるようなことがあったときはその気持ちを消して態度や表情に出さないようにする」、「自分だけ良いことがあって、周りの人がそうでない時は、その気持ちを態度や表情に出さないように注意する」と言った質問で「落ち着き」を計っております。
また、気持ちを「コントロールする力」は、「切り替え」も要素としてあります。「切り替え」は、令和4年度と令和3年度で質問項目が異なっております。令和4年度は、「自分の気持ちだけでなく、場面を考えて行動している」、「休み時間と授業の時間との気持ちの切り替えができている」、「イライラを感じるときは、考え方を変えて落ち着いていられるようにする」という3つの質問で、令和3年度につきましては、「イライラを感じるときは、考え方を変えて落ち着いていられるようにする」、「辛い気持ちになるようなことがあったとき何か別のことを考える」という2つの質問で「切り替え」を計っています。この「落ち着き」の部分で、「自分の気持ちを態度や表情に出さない」というところが、令和3年度の結果が非常に低かったのですが、今年度は逆に去年より高くなっており、大きな差がございました。

浦野真彦委員
回答の方法は、どのようなものだったのでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
「当てはまる」、「どちらかといえば当てはまる」、「どちらかといえば当てはまらない」、「当てはまらない」の4択となっており、「全国学力・学習状況調査」と同様の回答方法となっております

樽井弘三教育
他に何かございませんでしょうか。

岡本華世委員
同じく児童アンケートで、チャートが一番低い「ぶれない心」について、どんな質問があったのか教えてください。

教育センター所長(丸山みち子)
「ぶれない心」につきましても、令和4年度と令和3年度で若干質問が異なるところがございます。
両年度共通の質問3点をまずご説明させていただきます。
1点目が、「終わるまでに何ヶ月もかかる計画に最後までずっと興味を持ち続けるのは難しい」、2点目が、「新しいアイディアや計画を思いつくと、前のアイディアや計画から関心がなくなる」、3点目が、「物事に対して、夢中になってもしばらくするとすぐに飽きてしまう」という質問です。令和3年度では、それらに加えて、「一度決めた目標を後になって別の目標に変えることがよくある」という質問があり、令和3年度は4項目、令和4年度は3項目で「ぶれない心」を計っているところでございます。

樽井弘三教育
他に何かございませんでしょうか。

浦野真彦委員
「ぶれない心」が低くて「切り替え」が高いというのは、新たな目標ができれば、前の目標にこだわらずに移れるという解釈もできると思うのですが、全体的に、このアンケート結果からどのような分析をされているのでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
このアンケートの目的は、児童生徒がどのような強み、弱みを持っているかということを子どもたちに伝え、子どもたちがどのように自己を認識していくかというところにあります。数字が高いから良い、低いから悪いということではなく、子どもたちが自分の強みや弱みは何なのかを、どう分析し、またそれをどう活かしていくのかということを、ご家庭も含めてお話していただきたいと思っております。

樽井弘三教育
他に何かございませんでしょうか。

松村洋子委員
「すくすくウォッチ」の結果の返却についてですが、家庭への周知はどのようにされているのでしょうか。例えばバックアップ問題であるとか、子どもに対して問題の解決を図るとか、個人懇談のときに利用する等、結果のフィードバックについての取組はされているのでしょうか。

参事兼教育指導課長(杉野暁子)
「ウォッチシート」という結果個票がございまして、児童に対して、調査やアンケートの結果を元に自身の強みや弱み等が書いてあり、また、わくわく問題についても、実際にどのように解答したかと、その解答に対するアドバイスを文章で載せているものになります。
返却の方法について、学校に対しては、この個票を活用して児童一人ひとりが強み伸ばし弱みを改善するというすくすくウォッチの趣旨、目的に基づいた取組を推進できるように児童に返却し、ご家庭にも返せるように工夫するよう伝えています。
学校によっては、個別の個人懇談等を活用して保護者にお渡ししているケースもありますし、学校の教員と児童とのやりとりで、保護者に必ず見せるようにと伝えて返却をしているところもあります。

松村洋子委員
後ほど問題の解説はされるのでしょうか。自身で結果を読むだけでしょうか。

参事兼教育指導課長(杉野暁子)
「ウォッチシート」には丁寧に回答の状況を載せているのですが、それを改めて授業等で取り上げるかどうかは、学校が決めています。
例えば、皆ができていなかった問題については、習熟度に課題があることが考えられるため、授業でもう一度振り返って学習する時間をとる等を行っています。

樽井弘三教育
他に何かございませんでしょうか。
それでは私の方からも確認をさせていただきます。
本日「全国学力・学習状況調査」と大阪府「すくすくウォッチ」という二つの大規模な調査・テストの結果が出ており、比較されやすいのですが、そもそもこの二つの調査の目的は違うところにあると思います。それをもう一度確認しておきたいので、お願いします。

参事兼教育指導課長(杉野暁子)
まず、「全国学力・学習状況調査」の目的ですが、主に大きく2点ございます。一つは、教育行政が、児童生徒の学力や学習状況を把握分析することによって、教育施策の成果と課題を検証して、その改善を図ることです。
もう一つは、学校において、児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善に役立てることです。
一方「すくすくウォッチ」は、個人の学びに返すというところが主な目的になります。個人というのは、例えば児童については、学びを振り返って自らの強みや弱みなどを知って、新たな目標を立て、強みを伸ばすことや課題を克服することに取り組めるようにすること。また、家庭に関しては、子どもの伸びや課題を知り、子どもを褒め、励ますことによって支援すること。学校については、その子ども一人ひとりの思いや強み弱みを知り、実態に合わせた資料とすることや、授業改善を図ること、教員が、集団づくりの取組を充実させることや校内研修等の工夫を図ることに繋げるということを目的としています。

樽井弘三教育
つまり「全国学力・学習状況調査」というのは、行政側が施策をどう検証するかを目的としているわけです。学校で言えば、教員が自分の授業をどう検証するかということです。よって「全国学力・学習状況調査」の質問紙調査の項目も、ほぼすべて学力との相関関係があるのかどうかという趣旨に基づいています。
それに対して「すくすくウォッチ」は、学ぶ側、すなわち個人がどうなのかという視点に立って実施されていますので、各学校がどのように丁寧に保護者と子どもに結果を返して、懇談等で共有するのかというのは大きな課題であると思います。
返却時期がずれたりして結果のフィードバックが効果的になされていないこともあるかもしれませんので、子どもがもっと頑張ろう、もっと家で勉強しよう、もっとやりたい、もっと知りたいという気持ちになれるように、調査結果をより有効に使えるような返却の方法が大切だと思います。
また、アンケート結果についても、心理的、性格行動的な部分を返却するのは、かなり慎重にならないといけないと思いますので、そのあたりのことをしっかり踏まえていただきたいと思います。

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他に何かございませんでしょうか
それでは、本件は報告案件でございますので、これをもって終了いたします。
続きまして、日程第3、議案第32号、「公立学校児童生徒教育費補助規則中一部改正について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。

教育次長(土井恵一)                            (提案理由説明)
ただいま上程されました、日程第3、議案第32号、「公立学校児童生徒教育費補助規則中一部改正」について、提案理由のご説明を申し上げます。
今回の改正は、令和4年度から設置された「大阪府立咲くやこの花中学校」及び「大阪府立水都国際中学校」を、就学援助制度の対象とすることについて、大阪府教育委員会教育長から特段の配慮を行うよう依頼があったものに対応するものでございます。
参考資料新旧対照表をご覧ください。
本規則の対象となる大阪府立中学校は、以前は富田林中学校のみでしたが、新たに、「大阪府立咲くやこの花中学校」と「大阪府立水都国際中学校」が追加されたことから、第1条及び第2条第1項中、「大阪府立富田林中学校」を「大阪府立中学校」に改めるほか、所要の改正を行うものでございます。
なお、本規則は、公布の日から施行し、令和4年4月1日から適用するものでございます。
以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくご審議の上、ご可決賜りますようお願い申し上げます。

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ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご質問はございませんでしょうか。

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それでは、無いようですので、採決に入ります。
議案第32号、「公立学校児童生徒教育費補助規則中一部改正について」を原案どおり可決してご異議ございませんか。

(異議なし)

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ご異議が無いようですので、議案第32号は、原案どおり可決されました。
以上で、本日の日程がすべて終了いたしましたので、閉会といたします。

 

(午後2時01分閉会)