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令和元年度第3回高槻市人権施策推進審議会

ページID:006001 更新日:2024年4月1日更新 印刷ページ表示

1 会議の名称

令和元年度第3回高槻市人権施策推進審議会

2 会議の開催状況

日時:令和2年2月13日(木曜日)午前10時から午前11時30分まで

場所:市役所本館3階 第2委員会室

出席委員数:9名

3 議題

  1. 第7回高槻市人権意識調査の集計結果について
  2. その他

4 主な審議内容

1 開会

  • 市民生活環境部長挨拶
  • 会長による開会宣言
  • 委員の出席状況の確認
  • 傍聴希望者の確認(傍聴者1名)

2 案件

(1)「第7回高槻市人権意識調査の集計結果について」

【会長】

それでは、審議に入る。

最初の案件として、「第7回高槻市人権意識調査の集計結果について」事務局より説明をお願いしたい。

【事務局】

(「第7回高槻市人権意識調査報告書(素案)」を説明)

【会長】

ただいまの報告について、質問・意見等はないか。

【委員】

意見だけ述べたい。回答者の傾向として10代、20代の回収率が低い。最近ではパソコンやスマホが日常生活の一部となっているので、SNSを使った回答を取り入れるなどもう少し工夫してはどうか。次回検討いただければと思う。

50ページの子どもの人権についてだが、総じて改善方向にあるかと思われるが、51ページ「(エ)保護者が子どものしつけのために体罰を加えるのはしかたがない」について、平成21年度は肯定的な意見が65.8%、25年度が50.5%、今回が36.5%となっており、徐々に改善はしているが、まだ3割以上の人が肯定的な考え方である。昨年4月に改正虐待防止法が国会で成立し、マスコミでも大きく取り上げられ社会問題化している中でこの数字はどうなのかと思われる。4月から本格施行されていくので、周知のあり方や市民に啓発していくことが大変重要である。これ以外にも同様の傾向がある点についてはご検討いただければと思う。

次に、73ページの外国籍の市民の人権についてであるが、回答を見ていると「差別的な態度をとられたり、言葉を浴びせられたりする」という回答が、この表では増えているが、もう少し前の平成21年を見てみると21.8%であった。傾向的には増えていることになる。一方で、「アパートやマンションなどを借りるのが難しい、借りることを断られる」は平成21年には30.6%であった。その後、平成25年には17.9%ということで改善されたが、ここにきて25.5%と、少し状況が変わってしまっている。

「行政からの状況提供が多様な外国語に対応していない」というのが、平成21年は11.1%であった。そして、25年が11.6%で、今回が17.0%ということで、急に増えている傾向がわかる。

「困ったときに気軽に相談できる窓口がない」については、平成21年は27.8%で、前回が24.1%で、今回が10.6%である。ここは、大幅に改善している傾向がわかる。

これから外国籍の人が増えてくるということで、やはり多文化共生ということがこれから求められるのではないのか。ホームページを見ていると、高槻市でもしっかりと取り組んでいるということで、高槻市教育委員会が平成19年に「共生社会を目指して」という人権学習資料を作成している。そして、平成21年3月には「多文化共生施策推進基本指針」を策定している。しかし、今の状況を見ると、十分浸透してきているのか疑問に感じる。今申し上げた資料についても、状況が変わってきていると思うので、これから見直すとともに周知も含めて検討していただく必要があると思う。以上、意見として述べる。

【会長】

いずれも、意見・ご要望ということか。

【委員】

そうである。

【会長】

他に何かあるか。

【委員】

質問に関しては3点。あとは、意見・要望である。

1点目、1ページの回収率だが、平成25年については46.9%で、今回が32%である。回収率が下がった理由やその分析があれば伺いたい。2点目は、10歳代及び20歳代の男女比率を伺いたい。数が少ないので、男女の比率がどのようなバランスになっているのか伺いたい。

9ページの4行目及び5行目の「正答率」という表現についてだが、これはあくまでも意識調査であるので、「回答率」という表現がいいのではないか。これは意見として述べる。

12ページだが、先ほどの説明において分析している中で「(キ)「野宿生活者(ホームレス)になるのは、本人の責任が大きい」という考え方は問題だ」の『そう思わない』という意見が42.9%、「(イ)結婚する際に、相手の身元調査を行うのは問題だ」で『問題だと思わない』が40.7%、「(シ)「ニートや引きこもりの状態になることは、本人の責任が大きい」という考え方は問題だ」で『そう思わない』は39.9%と、その状態になっているのが自己責任だと思っている人の人数が多いように感じる。この点は意識調査の結果として受け止めてもらいたいと思う。これは意見である。

次に21ページの「(キ)人権には常に義務がともなうので、義務をおろそかにするのはよくない」の『そう思う』と答えた人は78.9%である。ここも、重く受け止めて欲しい。

このような人権に関する誤解というのは、高槻市だけではなく、全国的にも多くあるので、このあたりについても人権意識調査の結果として受け止めて欲しい。

次に29ページの「(エ)人権・文化啓発コーナー」を知っているという人が8.0%、利用したという人が1.2%と、非常に小さな数値となっている。

私も実はこれがどこを指しているのかというのは、当初思いつかなかった。男女共同参画センターの一角にあるということで、そもそもそこにあるのが良いのかどうかも含めて、意識調査の結果を踏まえた検討をお願いしたい。

次に30ページである。他の施設の認知度は概ね高くなっているが、先ほどの人権・文化啓発コーナーも含め、「市内各地の公民館・コミュニティセンター」の認知度が前回よりも若干低くなっている。特に、10代の認知度が非常に低くなっていることから、10代の子ども向けの人権啓発事業が実際はあまり行われていないということが見てとれる。このことを意見として述べておきたい。

次に、43ページである。「セクハラ」や「ストーカー」「仲間はずれ」の被害体験の割合が女性は男性より高いという結果なので、当然ながら人権・男女共同参画課として、重く受け止めていただきたいと思う。これも要望とする。

次に45ページである。ここは、逆に男性の方が女性に比べて相談する割合が低い。これも男女共同参画事業として対応すべき項目だということをしっかりと受け止めていただきたい。

次に、66ページである。「慎重に考えた方が良いと言う」が30.7%で非常に高い割合となっており、しっかり結果として受け止めていくべき項目である。

次に68ページである。「(エ)施設などでスペースの関係上、案内に英語だけの表記しかないのはしかたがない」について『思わない』と答えた方が57.2%いる。英語表記しかないのはしかたがないと思う人が半数以上いるわけだが、高槻市では英語表記すらないものも結構見られたりするため、この結果も全庁的にしっかりと受け止めていただきたいと思う。

次に73ページである。ここも、先ほどの話の中にも出てきているが、差別的な態度等や、賃貸アパートやマンションの問題、情報提供の問題などについての割合が増えているということなので、ここもしっかりと結果として受け止めて欲しいと思う。

最後に、もう1点質問だが、77ページの自由記述で「アンケート調査について」の意見が20件あり、そのうち、「アンケート調査の質問内容を再考する必要がある」が14件あったということだが、それが一体どういう内容であったのかをお伺いしたい。

全体として、人権の問題、特にセクシャルマイノリティなどに関する意識はかなり進んできているように思うので、このように定期的にアンケートを取っていくということは、非常に効果的、有効的であると感じた。

【事務局】

今の3点の質問について回答させていただく。

まず1点目の回収率が下がった点だが、今回は回収率が32.0%ということで、前回6年前の46.9%からは14.9ポイント回収率が下がっている。前回との手法における違いについてであるが、前回は調査期間中に、途中で確認のはがきを送付しているが、今回は送付していない。その違いを差し引いたとしても、今回大幅に回収率が低下しているという認識を持っている。先ほど説明したとおり、特に10代、20代の若年層の回収率が低くなっているという傾向が出ている。

先ほど委員からの意見にもあったが、特に若い世代については、スマホなどインターネット環境の普及と回答における利便性を考えた時には、今後ウェブでの回答というのも手法の一つであると考える。この点については費用面も含めて今後、調査・研究をしていく必要があるかと考えている。

参考として、今年度に豊中市で同じように人権意識調査を実施しているが、豊中市は調査期間中に確認のはがきを送付したと聞いているが、回収率としては、本市とほぼ同じという結果であった。また、大阪府においては、今年度男女共同参画の府民意識調査を実施しているが、こちらではウェブでの回答もできるようにしている。しかし、回収率については今回の本市と同様の回収率であったと聞いている。

2点目の10代及び20代の男女比についてだが、資料2ページの表に沿ってお答えすると、日本人の10代の回収数が16とあるが、内訳は男性が4、女性が12である。同じく20代の66の内訳は男性が21、女性が45となっている。

それから表の一番下の追加抽出についてだが、ここでの10代の回収数50の内訳は男性が21、女性が29である。20代については、男性が9、女性が15である。

3点目の自由記述欄の「アンケート調査の質問内容を再考する必要がある」14件の具体的な内容についてだが、いくつか実際にあった意見を紹介すると、「設問の内容自体が難解である」、「答えが限定的な問いかけ方になっている」というような回答にあたっての意見があったほか、「質問が偏り過ぎている」、「論点がごちゃごちゃで内容を絞るべきである」などの設問自体についての意見もあった。

今回の調査票についてだが、市民の人権意識の推移を把握するために、前回と比較が必要なものについては、同様の設問を設けている。また、多様化する昨今の人権課題について幅広く市民の人権意識を把握するという目的から、新たな人権課題についても今回設問を取り入れて実施したところである。

【委員】

10代の男女比に若干偏りがある点は少し気になった。

もう1点、9ページの「正答率」を「回答率」に変更した方がよいのではという意見については何かしら回答をいただきたい。

【事務局】

「正答率」という表現のところだが、「正答率」という表現ではなく、「選択した割合」という表現に修正をしたいと考えている。

【委員】

アンケート調査の最後の自由記述のところで、「回答することによって改めて人権について知ることができた。」「いい機会になった。」というような肯定的な意見もあるので、次回アンケート調査を実施するときも、さらにそういった視点も含めて検討していただきたい。

【委員】

一つは、報告書の表示の仕方についてだが、他の意識調査の報告書などを見ると、京都市は各設問で顕著な点や特記すべき点は、枠で字を囲うなどの表示をすることで、一目でどのような顕著な点があったかわかりやすくなっている。太字にするなど、様々な方法があると思うので、参考までに一度見ていただきたい。

2点目は、57ページの問16「(エ)地域社会において、障がい者の言動が十分理解されず、適切な配慮がなされていない」、12ページの問4「(コ)障がい者が地域で生活することについて、周囲の理解を得られないのは問題だ」などの回答については意識の高い人が非常に多く、よくないことだという意見が多数を占めているのだが、結果として出ている数字と、実際に起きている問題との乖離があると思う。

例えば、市内でも障がい者のグループホームを建設するにあたり、地域で反対の声があがって、なかなか建設がうまくいかないという事例も起きているが、これは全国的にも起きている問題である。行政の方でも十分に把握していることだと思う。この結果で課題がわかる部分もあり、取組がある意味成果として出てきているととらえられる部分もあるが、今言ったような問題が実際に起こっているので、その部分については考えていかなければならないと思う。

先ほど他の委員からもあったように、73ページの外国人市民の回答のところで、「差別的な態度をとられたり、言葉を浴びせられたりする」ということが増えてきていることについて、2009年に市で策定した多文化共生施策推進基本指針によると、今後の課題として「本市の多文化共生社会の社会づくりを推進していく上で、多文化共生施策推進に関する機関の設置が必要であると考えます。」との考えを示しているが、10年以上経過して、この部分については何も動きが出ていない。外国人市民も若干増えているという現状で、また今回のアンケート調査でこのような結果を受けているので、やはり具体的に何か取組む必要があるのではないかと思う。

最後に、障がい者の人権や外国人市民の人権というところで、今まで人権意識調査の中でまとめて実施しているが、場合によっては、分けて調査する必要もあるのではないかと考える。政令指定都市ではあるものの川崎市では、在日の市民が多いということもあるが、外国人市民の人権については別個に調査を実施しており、実際に条例の制定や各種施策を展開しているので、そういうことも必要であると考える。また、障がい者の人権についても、私が先ほど指摘したような問題が起こっているので、当事者や当事者団体の方に追跡調査というような形も場合によっては必要であると考える。これは、意見として述べておく。

【会長】

他に、ご意見・ご質問はあるか。

【副会長】

今回の結果を見て、そこから読み取れることを指摘したい。

全体的に見て、市民の人権意識の高さが見られる項目が多くあった。

例えば、12ページは、それぞれ人権侵害にあたるような事例をあげて、それが問題だと思うかどうかを聞いているわけだが、(ア)、(ウ)、(エ)、(オ)、(ク)、(コ)では「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計が8割を超えている。このように、人権の視点から見て問題であるという答えが8割以上を占めるというのが他の設問においても多々見られたが、その一方で意見が分かれる、回答が割れる、そいういった項目も目立った。同じ12ページで言うと、「(イ)結婚する際に、相手の身元調査を行うのは問題だ」「(キ)「野宿生活者(ホームレス)になるのは、本人の責任が大きい」という考え方は問題だ」「(シ)「ニートや引きこもりの状態になることは、本人の責任が大きい」という考え方は問題だ」これらの項目については、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」という回答も一定はあるが、その一方で「どちらかといえばそう思わない」「そう思わない」の回答も多い。そういう点で言えば、例えば、47ページでも(ウ)を除いて80%以上の肯定的な回答が多いのだが、「(カ)「子どもが3歳になるまでは、母親は育児に専念すべきである」という考え方は問題だ」では、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」という回答が6割ある一方、「どちらかといえばそう思わない」「そう思わない」という回答も3割あり、回答が分かれた。同様の結果がいくつか見られた。項目によっては、市民の人権意識の高さというのが窺える項目が割と多く見られたのだが、その一方で回答が大きく分かれてしまっている項目は課題であるということを強く感じた。それは、64ページの(ウ)と(エ)であるが、(ウ)については、いわゆる「寝た子を起こすな」という考え方だが、依然として「そう思う」「どちらかといえばそう思う」が4割ほどある。それから「(エ)同和地区住民は、生活上の様々な面で優遇されている」についてだが、特別措置法があった時代はそういう面があったが、法律がなくなり事業も終了して18年経過したが、やはりこういった見方をする市民が5割近くいるというようなところで、啓発の課題も見えてきたのではないかと思う。

前回との比較においても、多くの面で前回に比べて人権意識の高まり、あるいは人権問題への理解の高まりということが窺える項目が多く見られたが、その一方で26ページ、これは家を買ったり、マンションを購入したりする際にこのような物件を避けるかどうかを聞いているのだが、「避けると思う」「どちらかといえば避けると思う」という回答は、前回と比べて特に大きな変化がない。

このように、人権意識の高まりがあまり確認できなかった項目もあった。それから、新たな設問として設けたのが、18ページのインターネットで次のような書き込みがあった場合、それについてどう思うかということだが、当然「問題だと思う」「どちらかといえば問題だと思う」それらの合計が非常に多いのだが、例えば「(ア)インターネット上に、同和地区の地名や所在地を明らかにするような書き込みがあること」「(イ)インターネット上に、同和地区出身者の名前や所在を明らかにするような書き込みがあること」「(ウ)インターネット上に、日本に住む外国人などに対する差別をあおったり、偏見やマイナスイメージを広げるような書き込みがあること」について、「問題だと思う」回答が、(ア)では6割弱、(イ)及び(ウ)については74%前後というように多いことは多いが、「(エ)インターネット上に、個人の名前、電話番号、住所など、その個人に関する情報を流出させる書き込みがあること」は90%、「(オ)インターネット上に、個人の私生活や人間関係など、その個人のプライバシーに関する情報を流出させる書き込みがあること」も9割ほどということで、個人情報やプライバシーの流出の方が問題だと思う市民が多いという結果になっている。特に(ウ)の記述を見ると、「差別をあおったり、偏見やマイナスイメージを広げる」と明記しているのに、それよりも個人情報が流出する方が問題だと考えている市民が多いという、これをどう考えていくのかということが課題になっていると思う。

それから、全体を通してであるが、年齢別の比較については、今から15、16年前までの人権意識調査では、年齢が若くなるほど人権意識が高まるというような傾向が割とクリアに見られた。中高年層はまだまだ理解が足りないが、若年層はよく理解しているという回答傾向が従来見られたのだが、10年前ぐらいからこういう傾向がクリアにならないということが増えてきた。今回の調査でも、例えば13ページをご覧いただきたい。「(イ)結婚する際に、相手の身元調査を行うのは問題だ」については、かつてこういった設問の場合、若い人は『問題である』と答え、中高年は『問題だと思わない』と答えていたのだが、今回の結果を見ると、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」は10代、20代では少なく、5割を切っている。他市でもそうである。それに対して60歳代では、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を足すと63.9%で、60歳代の人は身元調査を行うのは問題だと思っているのに、10代、20代はあまり思っていないというような結果が出ている。それは、14ページの「(カ)地域住民が特別養護老人ホームの建設に反対するのは問題だ」も同様に、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」が少ないのが10代、20代になっている。このような回答傾向がはっきりと見られた。それから、52ページ、これも若い年齢層の傾向であるが、「(ア)いじめはいじめを受ける子どもにも問題がある」について「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の2つを足せば、10代は12.1%というように、他の年齢と比べてかなり高くなっている。そして、「(キ)不登校は本人が努力すれば克服できるはずだ」これに関しても「そう思う」「どちらかといえばそう思う」これを足すと27.3%で、70歳以上に次いで多い。このように、自己責任、社会の問題であるのに個人の問題とみなすような若い年齢の人が一定割合で目立つ点が今回の結果で見られた。

それから年齢別で見ると、30歳代の回答傾向についても今回特徴が見られた。14ぺージ、「(キ)「野宿生活者(ホームレス)になるのは、本人の責任が大きい」という考え方は問題だ」について「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を足すと、30代は43.3%で最も低い。また、「そう思う」と答えた人も7.5%で最も低くなっている。同様に、15ページの「(シ)「ニートや引きこもりの状態になることは、本人の責任が大きい」という考え方は問題だ」これに対して「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた人は30代で48.1%と一番低くなっている。このように、30代の人たちが、この「自己責任論」に影響を受けたような見方をしているのが目立っている。同様に、27ページ、先ほども触れたが「家を買ったり、マンションを購入したりする際にこういった物件を避けるかどうか」を聞いているのだが、「避けると思う」「どちらかといえば避けると思う」と答えたのが一番多いのは、(ア)から(エ)すべてにおいて30代である。それから、59ページに関して、これは障がい者の人権についてだが、「(ア)労働条件や職務内容など、障がい者の働きやすい環境が整った職場が少ないのはしかたがない」これに対して『そう思う』と答えた人が45.2%で、他の年代と比べて特に大きいというわけではないが、一番大きくなっている。「(イ)障がい者が一人暮らしを理由に、アパートやマンションなどへの入居を拒まれてもしかたがない」についても同様で、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を足すと30歳代は45.3%で他の年代と比べて最も大きくなっている。それから「(エ)地域社会において、障がい者の言動が十分理解されず、適切な配慮がなされていない」に関しても「そう思う」「どちらかといえばそう思う」が他の年代と比べて一番低くなっている。このように、30歳代の回答に課題が見られるのではないかと思った。

あと2点ある。

まず、7ページの「何を習ったのか」というところで、いくつでも〇をつけられるのだが、6ページで見られたように、一番多いのが同和問題で、これまでの人権教育は同和問題が中心に据えられてきたということになるが、年齢別に見ると、40から60代では8割の人が同和問題を習ったと回答しているが、30代では65.2%、20代では34.9%というように、若い年代になるほど同和問題を習ったという人が大幅に減っている。10代でやや増えているが、それでも43.9%である。つまり、人権教育は広く行われているが、その中で多様な人権課題のうち、同和問題についてはあまり触れられなくなってきているという傾向が見られる。これは他市でも同じ傾向が見られる。

ここで提案だが、多くの人が人権教育を受けているが、人権教育を受けたと答えた人と、受けなかった人とをクロス集計して、違いがあるのかどうかを見ておいた方がいいのではないか。それから、8ページの憲法における権利についての理解については、NHKの全国調査に比べると高槻市は理解度が高い。しかし、間違って理解している人も少なくないし、そもそもいくつも○をつけることができるわけだが、「人間らしい暮らしをする」という憲法25条の生存権にしても100%近くになってもいいと思うが8割台であり、「労働組合をつくる」については32.6%という結果でそれほど高くない。2018年にNHKが行った同じ調査では、「労働組合をつくる」は17.5%であり、それと比べると高いが、評価できるほどの数字ではない。「人間らしい暮らしをする」「労働組合をつくる」「思っていることを世間に発表する」この3つだけを回答した人と、そうでない人を比べた場合、豊中市でクロス集計をとって分析したのだが、憲法に明記されているこの3つの権利を答えた人の人権意識はすごく高い。ほとんど例外なく、憲法の権利に対する理解を持っている人の人権意識が高い傾向が出たので、高槻市でもクロス分析をしてはどうだろうかと思う。今回の報告書の素案はそれぞれの結果について、多い、少ないとの記述であるが、報告書に載せるかは別にして、もう少し踏み込んでこのような課題があるといった分析をやっておいたほうがいいのではないか。

【会長】

今のはご意見、ご指摘か。事務局として対応すべきものか。

【副会長】

クロス集計をとってみてはどうかという提案である。

【会長】

今の提案について、事務局から何かあるか。

【事務局】

今、方法としてご指摘いただいた部分も含めて今後クロス集計をしていきたい。30代の傾向についての委員からの意見については、報告書に反映できるものについては記載をしてはどうかと考えているが、いかがか。

【会長】

いずれにしても今日の意見を踏まえての取りまとめが残っている。とりまとめは大体どれくらいでやりたいという意向や目途はあるか。

【事務局】

今年度中に報告書の作成を終了させるため、あまり時間がない。もう一度お集まりいただくことは難しい。できれば会長、副会長一任でお願いしたいと考えている。

【会長】

今の意見についてどうか。よろしいか。

特にないようなので、これ以外に案件はあるか。

(2) 「その他」

【事務局】

今後の予定について報告する。

3月末までに報告書をまとめるとともに、報告書から一部を抜粋したダイジェスト版を作成する予定にしている。また、今回の人権意識調査の結果を踏まえ、令和2年度には、現行の「高槻市人権施策推進計画」の後継計画を策定する予定にしている。

本日各委員からいただいた意見等を踏まえて、追加でクロス集計等の分析を行い、令和2年度の第1回目の審議会において報告させていただければと考えている。

【会長】

今の事務局からの報告について何か質問はあるか。

特にないようなので、本日の審議会を終了する。

5 資料

  • 第7回高槻市人権意識調査報告書(素案)
  • 高槻市人権施策推進審議会規則
  • 高槻市人権施策推進審議会委員名簿