本文
会議の名称 |
令和6年度 第2回高槻市地域公共交通協議会 |
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開催日時 |
令和6年11月8日(金曜日)午後2時から午後4時 |
開催場所 |
市役所本館2階 全員協議会室 |
出席状況 |
出席委員16名、欠席委員7名 |
傍聴者 |
6名 |
会議の議題 |
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報告事項 |
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【副会長】
それでは定刻となりましたので、ただ今から、「令和6年度 第2回高槻市地域公共交通協議会」を開会させていただきます。
委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、ご出席を賜りましてありがとうございます。本日は、会長が欠席となっておりますので、私が議事進行をつとめさせていただきます。
まず、開会に先立ちまして、北野技監よりご挨拶をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【技監】
皆さん、こんにちは。技監の北野でございます。「令和6年度 第2回高槻市地域公共交通協議会」の開会に当たりまして、私から一言、御挨拶を申し上げさせていただきます。
委員の皆様方におかれましては、公私、何かとご多忙の中、御出席を賜り誠にありがとうございます。
さて、昨今の運転士不足による路線バスの大幅な減便や廃止等のニュースが各地で取りざたされている中、市営バスにおきましても、始発と最終便の一部繰上げ繰り下げを伴うダイヤ改正が行われるなど、公共交通を取り巻く環境が全国的に厳しさを増しております。都市の機能を支える重要なインフラである公共交通は、将来に渡り持続可能な交通ネットワークの維持が喫緊の課題となっております。
そのような中、本市では、望ましい都市・地域像の実現を図る観点から、令和5年度より「高槻市総合交通戦略」の改定に取り組み、本協議会で様々なご議論いただいているところでございます。
本日は、計画の方向性を示す基本方針案等について、お示しをさせていただきますので、多様な分野からお集まりいただいた委員の皆様との協議を重ね、持続可能な都市構造を支える交通体系の確立に向け取り組んでまいりたいと考えております。
また本市では、市域北部に位置する樫田地域において、デマンド交通実証運行に向けた取組を進めているところです。詳細な内容について後ほどご報告させていただきますが、本取組は、運転士不足や利用者の減少などといった様々な課題がある中で、持続可能な交通ネットワークの確保において、有効な手段の一つと考えております。
委員の皆様には、本市の交通環境をより良いものにするためにも、忌憚のないご意見をお願いいたしまして、簡単ではございますが、開会に当たりましての御挨拶とさせていただきます。
【副会長】
ありがとうございました。
それでは議題に入る前に、お手元に配布しております資料の確認をお願いいたします。事務局からお願いします。
【事務局】
それでは、資料の確認をさせていただきます。
<配布資料の確認>
【副会長】
本日は、地域公共交通協議会委員として委嘱後、はじめて出席される方もおられますので、改めて各委員の皆様をご紹介させていただきたいと思います。事務局の方から、ご紹介をお願いします。
【事務局】
委員の皆様には、ご多忙の中にもかかわらず、ご出席いただきありがとうございます。それでは、事務局の方から各委員をご紹介させていただきます。
<事務局より出席委員及び行政側職員の紹介>
【副会長】
はい、ありがとうございます。ただ今から協議会を開催させていただきます。
それでは、議題に入りたいと思いますが、本日は、傍聴希望者の方が、6人おいでになります。今回の議題につきましては、公開することが不適当なものとは認められませんので、傍聴を許可したいと思いますがいかがでしょうか。
<異議なしの声>
それでは、傍聴希望の方にご入場いただければと思います。よろしくお願いいたします。
<傍聴者入場>
なお、本日の議事録につきましても、後日、公開することになりますので、ご了解のほど、よろしくお願いいたします。
それでは、議題「高槻市総合交通戦略の改定について」事務局より説明をお願いします。
【事務局】
それでは議題「高槻市総合交通戦略」の改定についてご説明いたします。今回の議題に入る前に前回協議会の振り返りをさせていただきます。前方スクリーンをご覧ください。
前回協議会では、市で調査した現状分析の結果や上位計画との整合性から、基本方針・交通施策の方向性の案を提示し、新たに実施する市民意識調査や事業者ヒアリング、さらに追加のデータ分析を行い、基本方針・交通施策の方向性の妥当性について、今回の協議会にて、審議するものとしていました。
また、前回の協議会で委員の方から、交通施策の方向性については、内容のレベル感や表示の順序を考慮する必要がある事や、基本方針・交通施策の方向性を設定する手順を再確認し、整理を行うべきと言ったご意見を頂いておりました。
今回は、「1.アンケート形式で行った市民意識調査について」、「2.交通事業者に対し実施したヒアリングについて」、「3.追加で実施したデータ分析の結果について」、「4.上位計画・関連計画の概要について」、「5.基本理念・基本方針等について」の5つの項目について、ご説明させていただき、特に、5つ目の項目である基本方針案等の内容の妥当性についてご議論をお願いしたいと思っております。
それでは、お手元の「資料4高槻市総合交通戦略の改定について」の1ページ目又は、引き続き前方スクリーンをご覧ください。
まず、「1.市民意識調査」についてでございます。「1-1実施概要」ですが、本市の交通に対する市民ニーズ等を把握するために、市内在住の15歳以上を対象に、住民基本台帳からの無作為に抽出した5,000名に対する郵送によるアンケート調査とあわせて市HP等による公募も実施いたしました。調査時期を令和6年7月24日(水曜日)から8月11日(日曜日)までとし、郵送、公募あわせて約2,700件の回答がありました。回答に関しましては、市域を鉄道駅勢圏・平坦地・丘陵地・山間地の4地域に分け、分析を行っております。
次に、「1―2調査結果」になります。まず初めに、回答者の属性についてです。図1―1性別をご覧いただくと、山間地を除き、男性に比べ、女性からの回答が10%以上多かったことがわかります。
また、図1―2年齢構成では、本市の人口構成と比較すると回答者に占める若年層の割合が低い結果であったことなどから、以降の集計では、回答者の偏りを軽減するため、全世代に対し、補正を行っております。
2ページをご覧ください。「通勤・通学」についてです。通勤または通学をしている割合は、図1-3のとおり、市全体で約6割であり、通勤・通学先は、図1-4をご確認いただくと、市内もしくは府内が大半を占めていることがわかります。
また、図1-5の移動手段の別では、自転車利用は平坦地、自動車は山間地、路線バスは丘陵地と山間地、鉄道利用は、全地域で利用割合が高い結果となりました。
3ページをご覧ください。「買い物」についてですが、図1-6のとおり、買い物の頻度は、鉄道駅勢圏・平坦地と丘陵地・山間部の順に減少しております。また、図1-7の買い物先は、山間地を除いて自宅周辺が最も多くなっております。
図1-8の買い物頻度の満足度については、すべての地域でおおむね現状で満足しているといった結果が得られました。図1-9の移動手段ですが、鉄道駅勢圏と平坦地では、徒歩や自転車、丘陵地や山間地では、自動車の利用率が高くなっています。
4ページをご覧ください。「通院」についてですが、全地域において、図1-10のとおり、定期的な通院者の自宅出発時間は、8割近くが午前中に集中しているとともに、図1-11、通院先は自宅周辺、JR高槻駅周辺が多くなっております。なお、山間地では3割以上の方が通院先を自宅や駅周辺以外の市内と回答されております。
図1-12、移動手段ですが、徒歩の利用割合は鉄道駅勢圏で高く、自転車は鉄道駅勢圏と平坦地、自動車は山間地で利用割合が高くなっています。
5ページをご覧ください。「送迎の状況」ですが、図1-13のとおり、送迎の有無をエリア間で比較すると、丘陵地や山間地で送迎を行っている割合が高く、図1-14、定期的な送迎先は、4エリアとも医療機関への送迎が多くを占めています。ただし、丘陵地においては、駅又はバス停への送迎が最も多くを占めております。
また、図1-15、家族等に送迎してもらっている人は鉄道駅勢圏と山間地では75歳以上が多いですが、平坦地と丘陵地では、10歳から20歳台が多い結果となっております。
6ページをご覧ください。「徒歩での移動」についてですが、図1-16の一人で外出できる人の割合では、75歳以上の約16%が、「一人で外出できない」と回答されております。
図1-17では、一人で外出できると回答した人を対象に、無理なく歩ける時間を調査しておりますが、年代を問わずおよそ8割以上の方が、20分以上無理なく歩けると回答されております。また、75歳以上の方でも97%が10分以上無理なく歩けると回答されております。図1-18、最寄りのバス停までの距離に関しては、世代を問わず9割以上の方が無理なく歩ける距離にあると回答されております。
7ページをご覧ください。「公共交通の問題点」について事業種別に調査を行っております。図1-19、鉄道の問題点に関しましては、特に問題がないという意見が半数弱を占めております。
図1-20、バスの問題点に関しましては、鉄道と同様に特に問題がないという意見が多く、その次に利用したい時間に運行がないことが挙げられております。
図1-21、タクシーの問題点については、なかなか捕まらないこと、また運賃の負担感が多く挙げられております。
次に「交通に関して進めていくべきだと思う取組」についてですが、図1-22のとおり、4エリアとも「現在の公共交通サービスの維持」と「災害時における交通の機能確保」を進めていくべきだと思う割合が高くなっております。また、図1-23では世代別に分析しておりますが、「子育て世代が移動しやすい環境づくり」に関しては、30歳台までの世代でそれを求める声が大きいことがわかりました。
8ページをご覧ください。「公共交通を維持するためにできる協力」についてです。図1-24のとおり、公共交通を今後も維持していくためにできる協力としては、全地域とも「これまで以上に公共交通を利用する」を挙げる割合が7割程度と最も高く、その他の協力意向については、1割程度となっています。
最後に、「1-3市民意識調査結果のまとめ」を記載しております。
9ページからは、「2.交通事業者に対し実施したヒアリング」についてでございます。まず、「2-1実施概要」ですが、事業を継続するにあたっての課題や行政に期待する施策や支援等の意見を把握することを目的とし、鉄道事業者とバス事業者、タクシー事業者に調査を行っております。
「2-2 調査結果」には、各事業者のヒアリング結果を記載しております。
11ページをご覧ください。「2-3 事業者ヒアリングのまとめ」になります。
鉄道事業者からは、「利用者は完全に戻っておらず、今後もコロナ禍以前に戻ることは難しい」、「以前に比べ、技術職の採用が厳しい状況にある」と回答がございました。
バス事業者からは、「利用者は、人口減少や生活様式の変化により、減少し、コロナ禍以前に戻ることは難しい」、「運転士・整備士の採用が厳しい状況にあり、採用活動を強化している」、行政に期待することは、「路線バス運転士の確保や雇用環境整備への支援」 「浸水想定エリア内に位置する営業所の車両避難先確保への協力」 「バス事業の現状を市民に知ってもらう取組への協力」 「定時性や安全性向上に繋がる路上駐車対策や渋滞対策」などと回答がございました。
タクシー事業者からは、「利用者はコロナ禍以前の状態にほぼ戻っている。特にアプリによる配車が増加している」、「電話での配車依頼は多く、オペレーターが対応しきれていない時間帯もある。また、繁忙時間帯には待ち時間が生じることもある。」「運転士不足で採用に力を入れている」、行政に期待することは、「アプリ利用を増やすための利用方法のレクチャーへの協力」 「女性乗務員増加に向けた、女性向け施設充実支援」 などの回答がございました。
12ページからは、「3.データ分析」についてです。今回は、新たに追加した分析結果を中心にご説明いたします。
14ページをご覧ください。「3-3施設立地」についてですが、前回協議会では、市街化区域のスーパー及び医療施設の立地状況については、ご説明しておりましたが、今回、市街化調整区域も含め分析を行いました。
まず、スーパーの立地状況ですが、図3-6のとおり、北部山間地での立地はないものの、図3-7に示すとおり、現在運営している移動スーパーの営業可能エリアを含めますと、市街化調整区域も含めた市内居住地の大部分がカバーされた状態になります。
次に、医療施設の立地・送迎状況についてですが、図3-8に示すとおり、市街化区域のほぼ全域をカバーしておりますが、北部山間地では、一部カバーしているところもあるものの、それ以外の地域では、医療施設の立地はありません。また、各鉄道駅から送迎バスを運行している主な病院を表3-1に示しております。
16ページをご覧ください。図3-11は市営バスの路線別営業係数になります。営業係数とは、100円の営業収入を得るのに必要な営業費用で、100を下回れば黒字とされているのですが、市営バス全体の営業係数は119の赤字であり、路線別では24路線中4路線のみが黒字となっており、利用者数の多い少数の黒字路線で、赤字路線を支えている状況にあります。
17ページをご覧ください。図3-15では幹線道路の交通量と混雑度を示しておりますが、国道171号の今城町より西側や、府道大阪高槻線の市役所前から唐崎北間の混雑度が高く、これら区間内に加え、高槻駅、富田駅の周辺等に主要渋滞箇所が位置しております。
また、図3-14主要渋滞箇所の交差点流入速度は、ほとんどの箇所で横ばい、または改善傾向にあります。
18ページをご覧ください。若年層の移動量についてですが、近畿圏においては、図3-18のグラフをご確認いただくと、20歳から39歳までの若年層のうち、子どものいる世帯の外出率は、単身世帯のそれに比べて低いことがわかりました。
19ページをご覧ください。図3-20 府内の免許人口は、平成27年にかけて微増していましたが、以降はほぼ横ばいとなっており、免許保有率は58%、高齢者に限ると38%となっています。
また、運転免許の自主返納は、令和元年度に全体の件数、及び高齢者免許人口当たりの件数がともに、ピークを迎えましたが、以降は大幅な減少が続いています。
21ページには、「3-10データ分析のまとめ」を記載しております。前回ご報告分もまとめておりますので、後ほどご確認ください。
22ページをご覧ください。「4.上位計画・関連計画の概要」についてです。「4-1本計画の位置づけ」ですが、本戦略は、高槻市総合計画や高槻市都市計画マスタープランといった上位計画に即し、高槻市立地適正化計画をはじめとする関連計画と連携を図りながら策定を進めるものとします。
「4-2都市計画マスタープラン」の概要ですが、基本理念を「住みたい・住み続けたい・訪れたい都市(まち) たかつき」とし、3つのありたい姿を設定しています。また、それらに紐づく具体的な都市・交通のイメージを挙げております。
23ページをご覧ください。都市づくりの方向性には、「対流を生み出す コンパクトシティ・プラス・ネットワークの推進」を掲げ、交通体系の基本的な考え方として、「都市拠点と地域の徒歩生活圏を結ぶネットワークの形成と持続可能な交通体系の構築」、「都市拠点を中心に、歩行者の安全性や回遊性の向上、交通結節機能の強化による誰もが移動しやすい交通環境の形成」、「都市間交流を活性化させる広域交通ネットワークの強化」、「多重ネットワークを形成するとともに、災害時の避難路、延焼遮断空間として機能する災害に強い交通体系の構築」としています。
次に「4-3高槻市立地適正化計画」についてです。基本理念、方向性ともに都市計画マスタープランに準拠し、基本理念を「対流を生み出す コンパクトシティ・プラス・ネットワークの推進」としており、方向性を「誰もが移動しやすい交通体系の構築」、「都市機能が充足した高質な住環境の形成」、「地域特性をいかした都市拠点の形成」、「度重なる災害の経験をいかした防災力の向上」としております。
24ページをご覧ください。「5基本理念・基本方針について」です。「5-1基本理念・基本方針の設定」ですが、本戦略においても、都市計画マスタープランに準拠し、立地適正化計画との連携を図るため、基本理念を「対流を生み出す コンパクトシティ・プラス・ネットワークの推進」とします。
あるべき姿である基本方針は、都市計画マスタープランにおける3つのありたい姿と、それらに紐づく具体的な都市・交通のイメージに基づき、それぞれ、「快適な日常生活を支える交通」、「にぎわいと活力を支える交通」、「安全・安心な都市を支える交通」と設定しました。
次に、「5-2設定手順の再確認」です。本市の交通に関する問題と課題を設定するにあたり、設定手順の再確認を行いました。データ分析、市民意識調査、事業者ヒアリングをもとに把握した「現状」から、計画を推進していくことで「基本方針」である、あるべき姿へと近づきますが、計画を推進せず、現状を放置すると「望ましくない未来」が訪れてしまいます。この、計画を推進した先にある「基本方針」あるべき姿と、現状を放置すると訪れる「望ましくない未来」の間にあるギャップを「問題」として、それら「問題」を解決するためにやるべきことを「課題」と本戦略では定義しました。
25ページをご覧ください。「5-3高槻市の交通に関する問題の設定と基本方針(案)との対応状況」ですが、今回のデータ分析等で見えてきた交通の現状では、鉄道駅を中心としたバスネットワークが形成されていることや、公共交通のカバー率が高水準であるといった望ましい現状がある一方で、高齢化の進行や少子化による生産人口の減少、また、大型路線バスの運転士不足といった現状も見られました。これらの現状をこのまま放置すると、「運転士不足等を起因とする減便・廃線等により市民の移動手段が減少する」、「社会変容により多様化するバリアフリー化等への対応が遅れる」、「市内外からの来訪者数が減少することで駅周辺の活力が低下する」、「渋滞等が頻発化することで路線バスの遅延やスムーズな移動が阻害される」、「自然災害により緊急避難や物資の輸送ができなくなる」といった、望ましくない未来が訪れることになります。
その望ましくない未来を回避するためにやるべきこととして、6つの課題を設定しております。一つ目から、「都市拠点を中心とした交通ネットワークの維持」、「駅周辺の回遊性の向上」、「都市間交流を活性化させる交通環境の充実」、「多様な移動手段の確保」、「円滑な移動環境の実現」、「災害時の交通機能の確保」とし、あるべき姿である「基本方針」との相関関係については図に示すとおりです。
最後に、5章の、まとめとなりますが、今回改定に取り組んでいる総合交通戦略では、基本理念を「対流を生み出すコンパクトシティ・プラス・ネットワークの推進」とし、基本方針は「快適な日常生活を支える交通」、「にぎわいと活力を支える交通」、「安全・安心な都市を支える交通」、交通に関する課題は、「都市拠点を中心とした交通ネットワークの維持」、「駅周辺の回遊性の向上」、「都市間交流を活性化させる交通環境の充実」、「多様な移動手段の確保」、「円滑な移動環境の実現」、「災害時の交通機能の確保」と設定させていただきたいと考えております。
以上で「高槻市総合交通戦略」の改定についての説明を終わります。何かご意見などございましたら、よろしくお願いいたします。
【副会長】
ありがとうございました。
それでは、これから質疑に入りたいと思いますが、本日欠席されておられます会長から、事前にご意見を頂いていますので、先に事務局より報告願います。
【事務局】
事務局よりご報告させていただきます。
25ページをご覧ください。1点目については、「望ましくない未来」に関するご意見でございます。
1番上、「運転士不足等を起因とする減便・廃線等により市民の移動手段が減少する」について、「運転士不足等」の「等」に、利用者の減少も含まれていると思うが、それを明記したほうがいいのではないか。今の表現では、運転士の待遇改善が主たる課題となる。それも大事だと思うが、その他にも課題はあると思う。また、「減便・廃線等により市民の移動手段が減少する」という表記については、「市民の移動環境が悪化する」との表現の方が適切ではないか。」との意見を頂きました。
2点目については、課題(やるべきこと)の1番上の「都市拠点を中心とした交通ネットワークの維持」に関しては、「「維持」だけでなく「向上」させる必要もあるのではないか。」とのご意見を頂きました。
これら2点のご意見に関しましては、本市の考えをより適切に表現していると感じておりますので、協議会でご議論いただき、ご異議がなければご指摘の通り、修正したいと考えております。
3点目の意見は、「今回、案として提示されている「基本理念」は、計画を策定・推進していく上で利害が対立した場合に立ち戻り、より良い交通環境を作っていくため、お互いどうすればいいのかを、考える指標となるものである。今回の案を基本にしっかりと取り組んでもらいたい。また、魅力あるまちをつくるために、公共交通を地域の人たちが利用しやすい仕組みを作っていくことが大事なのではないか。」とのご意見も頂いております。
【副会長】
ありがとうございます。
他にご意見のある方は、いらっしゃいますでしょうか。
【A委員】
高槻市障害児者団体連絡協議会でございます。会員から要望を伝えてほしいとのことだったので、発言させていただきます。7ページの「公共交通の問題点」でも、バスの問題点として「利用したい時間に運行がない」ことが挙げられていますが、玉川橋団地線については1日4本しかなく、駅前行きの最終バスが昼の3時半、駅から戻る最終バスも18時台で終わってしまうとのことです。できれば1時間に1本程は通してほしい。また、駅前に行こうと思っても最終バスが早くて出かけにくいと、障害のある当事者から意見が出ています。市民から実際に要望があるということですので、ご意見を承っていただけたらと思い発言しました。
赤字路線で運転士不足もあることは承知していますが、障害がある方の移動は難しい場面もあるので、改善を検討いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
【事務局】
ご意見ありがとうございます。委員がおっしゃるとおり、運転士不足が問題となっている状況にありますので、ご利用状況も踏まえながら、頂いたご意見を参考に検討してまいりたいと思います。
【B委員】
買い物等も含めた生活が、徒歩圏内で成り立つコンパクトシティを目指すとありますが、赤字路線であるとはいえ、バスが無くなってしまうと駅まで出られない方も多くいます。玉川橋団地や芝生住宅などがある淀川に近い平坦地では、自転車の利用が多いと思いますが、高齢化が進んで自転車に乗る人は減ってきていますし、また、7ページにある「公共交通の問題点」のアンケートでは、「駅周辺の駐車場や駐輪場が不足している」との回答もありますので、路線バスの維持が重要だと思います。路線バスの赤字が続く場合、どのような対策をされる予定でしょうか。
【事務局】
現在、運転士不足が問題となっている中で、いかに路線を廃止せずに維持をしていくのかを検討しております。減便という形でご負担をお掛けする場合もありますが、まずは、維持のための取組を行ってまいります。また、生活交通路線である市街化調整区域等を運行する利用者の少ない路線についても維持できるよう、市が財政負担を行っております。
【C委員】
様々な調査をしていただき、現状がよく整理され、また様々な課題が浮き彫りになったと思います。このような協議会の意義は、交通事業者など交通に関わる様々な方々が参加して、今後の方向性を決めていくところにあると思います。「戦略」を立てるうえでは、まず現状をしっかり理解する必要がありますが、高槻市の今の問題と強み、そして今持てる資源が何かについて、今回明らかになったと思います。快適な移動を支えるという基本方針を進めるにあたっては、今ある手段にこだわらずに、バス以外も含めた多様な手段を含めて考えていくことが大切だと思います。
また8ページの「公共交通を維持するためにできる協力」において、「これまで以上に公共交通を利用する」を挙げる方の割合が少なくないことは、公共交通を取り巻く環境が厳しい状況が続いていくと見込まれる中で、希望が持てる結果です。また移動に困っている方は、目の前に課題があるために、支えようという意識がより強く出ていると思われます。特に山間地では「寄付等により金銭的に支援する」という意見も少なくありません。快適な移動環境を維持していくために少なからずの負担も必要であるという市民の認識が明らかになったことは、今後方向性を決めていく上で重要だと考えています。
【事務局】
今後、具体的な取組を設定していきますが、ご意見のとおり、バス以外にも様々な移動手段が考えられること、公共交通に対して協力しようという意向を持つ住民の方が多数おられることを踏まえ、市だけではなく住民や民間事業者の協力を得ながら、様々な取組を考えていきたいと思います。
【副会長】
事業者ヒアリング結果では、少子高齢化により需要の減少が見込まれる中で、鉄道とバスに関しては今後の維持が厳しいことが明らかになっています。バスは2024年問題でよく知られていますが、鉄道にもその予兆があることが窺えますので、この点を意識した対策を早めに考えていく必要があると考えられます。
今後DXを推進していく上では、いかに使っていただけるようにするのかが重要です。私は様々なアプリを入れて便利に使っていますが、関心の無い方は、そもそも利用する気があまり無いので「アプリなんて」となり、電話予約が多くてタクシー会社が困るという状況に繋がっていると思います。皆が使えるようになればお互いが幸せになっていきます。使う方へのレクチャーやサポートを意識すれば、今回の戦略の推進ができると感じました。
全体的には、総合交通戦略ですので、とりわけ平野部で利用が多い自転車もしっかり意識していただきたいと思います。自転車の走行環境整備も大切ですが、マナー啓発も重要です。
コンパクトシティを目指していく上では、施設も駅や住宅の周辺に立地させることが必要です。車でないと行けない商業施設が多く、渋々車を使われている方もいると思われます。会長からの指摘にもあるように、維持だけではなく向上のための投資をしっかり行うことで、消極的に自動車を選択されている方が、他の移動手段にシフトできるようにしていくことが、戦略の実現に大きく寄与すると考えます。
災害への備えも重要で、平野部で川が溢れてバスが水没すれば、翌日から運転できなくなります。住民の避難も踏まえながら、災害後に公共交通が復旧できる体制を意識されると良いと感じました。
【事務局】
DXの推進については、我々も必要だと考えております。今回のアンケートでもスマートフォンの所有・利用状況を調査しておりますが、9割以上の方がスマートフォンを保有しており、アプリケーションについても、9割以上の方が「LINE」アプリは使えると回答されている状況ですので、そのあたりを踏まえながら、高齢の方にもお使いいただけるような取組を検討してまいります。
自転車施策につきましては、担当部署が実施している交通安全教室などで、ルール周知の取組を引き続き進めたいと考えております。
【副会長】
ありがとうございます。このほかご意見はございませんでしょうか。
会長から頂いたご指摘を含めた、基本理念等の細かい文言調整に関しては、事務局との調整を会長と相談し、計画策定を進めてもらおうと思いますがいかがでしょうか。
<異議なしの声>
事務局からは、何かありますでしょうか。
【事務局】
今後のスケジュールについてご報告させていただきます。
ただいま、「基本理念・基本方針・課題の設定」についてご議論いただきましたので、次回、令和6年度 第3回協議会におきましては「地域公共交通の在り方、交通施策の推進に関して検討」を行う予定としております。
令和7年度には、「目標の実現に必要となる交通施策・事業について整理」を行い、「計画(素案)の作成」、その後、パブリックコメントを実施したのち、年度末に「計画の策定」を予定しております。
今後のスケジュールについては、以上でございます。
【副会長】
ありがとうございました。
それでは、次に、報告事項「樫田地域におけるデマンド交通の実証運行について」事務局からお願いします。
【事務局】
事務局より「樫田地域におけるデマンド交通の実証運行について」ご報告させていただきます。お手元の資料5をご覧ください。
「1 経緯」についてご説明いたします。
市営バスは、市民生活を支える重要なインフラであり、生活に欠かせない移動手段であるものの、昨今、人口減少や少子高齢化による需要の減少により、経営環境が厳しさを増しており、加えて、近年では新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたところでごさいます。また、いわゆる2024年問題といわれる、大型路線バスの運転士不足が深刻化しております。
そのような中、令和2年12月に策定された「高槻市営バス経営戦略」において、田能線をはじめとした山間部の3路線は、定時定路線の乗合バス輸送だけでなく、利用者の予約状況に応じて運行を行うデマンド交通等の、各地域に適した交通手段の検討が必要な路線として位置づけられました。さらに、従前より樫田地域の住民からは、地域内を循環できる公共交通の運行を求められてまいりました。
以上の理由から、市営バスが把握している利用実態データ等をもとに検討範囲を設定し、地域住民と協議を重ねながら、持続可能で利用実態に沿った適切な交通手段について検討を行っており、この度、樫田地域において、一定の協議が整ったことから、実証運行に向けて取り組むものでございます。
次に、「2 樫田地域(田能線)の状況」について説明いたします。
図1「運行便数の状況」をご覧ください。現在の田能線は、JR高槻駅を発車して原大橋のバス停を通り、そこから樫田校前バス停を起点に二料、杉生、中畑の3方向に分かれ、各方向へは、1日3往復程度の運行となっております。
図2「バス停別利用者数」では、田能線の1日あたりのバス停別利用者数の平均を示しており、利用者のうち約90%は原大橋より南側での利用となっております。また、原大橋以北のバス停では、特認校である樫田小学校への通学を除くと、ほとんど利用が無い状況となっております。
次に、「3 取組経過」についてご説明いたします。2ページ目の、表1「取組経過」をご覧ください。
先ほど申し上げましたが、令和2年度には「高槻市営バス経営戦略」が策定され、田能線を含む山間路線が、より最適な交通手段の導入等について検討を進める路線に位置付けられました。
令和3年度からは、地域住民に対してアンケートや、自治会との意見交換を開始しております。以降継続的に、適切な交通手段の導入に向けた協議を実施する中で、現状の定期運行の路線バスから、予約に応じて運行するデマンド交通への転換を提案いたしました。
令和6年度においては、樫田地区住民意見交換会を2度にわたり実施した結果、樫田地区連合自治会よりデマンド交通の実証運行実施の要請を受けたため、実証運行に向けた詳細な検討を進める事になりました。
次に、「4 実証運行の検討」につきまして、ご説明いたします。
(1)運行概要案でございますが、表2「運行概要の諸元」をご覧ください。
事業主体としては、交通部が運行管理と運行業務を担い、都市創造部が運行に係る補助金交付や附属機関の運営を担います。また、現在検討中ではありますが、運行パートナーとしては、車両及び運転士の手配を担う交通事業者を検討しております。
運行形態としては、予約があった場合のみ運行を行うデマンド交通とし、平日・土休日、それぞれに大型路線バスとの接続性を考慮した基本ダイヤを設定するものといたします。
また、樫田小学校の登下校時には、予約無しで乗れる、定時定路線の大型バスでの運行を継続します。
対象区間および乗降箇所については、原大橋以北の従来のバス停留所を基本としております。
運賃については、現行の市営バスと同水準、高齢者パス等の福祉乗車制度も引き続き利用可能となるよう、検討を進めてまいります。
車両については、10人乗り程度のジャンボタクシー車両、利用対象者については、特に制限を設けず、誰でも利用可能とし、予約方法については、電話予約とWEB・アプリ予約を想定しております。
次に、運行経路についてですが、3ページ目の図3ご覧ください。
原大橋バス停で従来の市営バスから、デマンド交通に乗り継ぐ方式を検討しております。原大橋を出発し、出灰、樫田校前、二料、杉生、中畑を回り、樫田校前、出灰、原大橋に戻る右回りのルート、その逆の左ルートを考えております。右回り、左回りを交互に運行することで、樫田地域内を一方通行ではなく、相互に移動することが可能となります。
最後に、「5 今後のスケジュール」についてご説明いたします。表3「スケジュール」をご覧ください。
本年度につきましては、引き続き運行体制の検討を進めてまいります。
令和7年度では、地域住民に対し、予約システム使用方法に関する講習会や、デモ走行を行うことを検討しております。その後、11月に実証運行を開始、実証運行中にヒアリングを行い、利用者に対し、所感や改善点等の調査を行います。
令和8年度には、実証運行評価に基づいて、本格運行の是非を検討してまいります。
簡単ではございますが、以上で「樫田地域におけるデマンド交通の実証運行」についての説明を終わります。何かご意見などございましたら、よろしくお願いいたします。
【副会長】
事務局から報告がありました「樫田地域におけるデマンド交通の実証運行について」ご質問のある方は、いらっしゃいますでしょうか。
【D委員】
表2「運行概要の諸元」に関して、運輸支局による道路運送法に基づく営業ナンバーの許可は、運行業務のほか、車両整備や運行管理をセットとして行っていますが、今回の運行については、どのような体制を想定されていますでしょうか。
【事務局】
詳細については検討中です。
【D委員】
運行形態が決まった後に、また相談いただければと思います。
【副会長】
先ほど委員からもご意見があったように、移動手段をしっかり確保していく上で、その手段は多様にならざるを得ない状況にあります。バスがなくなるというより、バス以外の手段に変化するのだと地域の方には理解いただきたいと思います。大きな変化はストレスになるかもしれませんが、地域の方々にご理解いただけたことは大変ありがたいです。実験の際に、皆さんにどれだけ関心を持ってもらえるかが肝になりますので、よろしくお願いいたします。運用方法は様々ございますので、しっかり検討してご提案いただけたらと思います。
議事は以上となりますが、事務局の方から今後の予定など、他に報告はありますでしょうか。
【事務局】
みなさま、本日は、熱心な議論を賜りまして、ありがとうございました。
次回、第3回協議会につきましては、令和7年2月12日(水曜日)14時から16時にて開催を予定しておりますので、委員の皆さまにおかれましては、ご出席を賜りますようお願いいたします。
【副会長】
以上で、令和6年度第2回高槻市地域公共交通協議会を閉会とさせていただきます。
みなさま、どうもご協力ありがとうございました。