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令和6年第3回高槻市教育委員会定例会会議録

ページID:124492 更新日:2024年4月23日更新 印刷ページ表示

令和6年3月13日(水曜日)午後1時30分、令和6年第3回高槻市教育委員会定例会を教育委員会室に招集した。

 

出席者

樽井 弘三 教育長
浦野 真彦  委員
美濃  律  委員
岡本 華世  委員
松村 洋子  委員

出席した事務局職員の職、氏名

教育次長 佐藤 美恵
子ども未来部長 万井 勝徳
教育次長代理 前迫 宏司
教育次長代理 杉野 暁子
教育政策推進官兼教育政策課長 藤田 卓也
就学前児童施策推進官 山口 紀子
教育総務課長 橋長 忠司
学校安全課長 田口 裕之
保健給食課 松岡 広樹
教育指導課長 小寺 基之
教職員課長 平井新一郎
教育センター所長 丸山みち子
教職員課主幹 武藤  亮
教育総務課課長代理 高橋 直樹
学校安全課長代理 美濃  亨
教育指導課課長代理 西田 大世
教育センター所長代理 山本由紀子
保育幼稚園総務課課長代理 門屋 智博
教育指導課副主幹 矢野 幸広
教育指導課副主幹 直原 考志
教育指導課副主幹 森田 咲子
教育指導課副主幹 川口 隆志
教育センター副主幹 北野 広平
教育センター副主幹 村上 良子
教育センター副主幹 川端 清史
教育センター副主幹 尾崎  元
保育幼稚園総務課副主幹 城  広香
教育政策課主査 菊川 雅也
教育総務課主査 須増 摩耶
教育指導課指導主事 仙頭 義隆
教育指導課指導主事 三輪 修也
教育政策課 芦田 諒太

議事日程

日程第 1 報告第 1号 令和5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の概要及び結果について
日程第 2 報告第 2号 令和5年度ICT活用による子どもの体力向上事業(小学3・4年生スポーツテスト)の概要及び結果について
日程第 3 議案第 4号 教育長に対する事務委任等に関する規則中一部改正について
日程第 4 議案第 5号 令和6年度教育努力目標について

 

 

(午後1時30分開会)

 

 

樽井弘三教育長
 ただいまから、令和6年第3回高槻市教育委員会定例会を開会いたします。
 なお、本日の本会議に傍聴の希望がございましたので、許可をいたしております。
 本日の会議の出席者は5名でございます。なお、本日の会議の署名委員は、浦野委員 松村委員にお願いいたします。
樽井弘三教育長
 ここで、令和6年第2回定例会会議録の承認をお願いいたします。
 会議録につきましては、事前に委員の皆様方にご確認いただいております。原案のとおり承認してご異議ございませんか。

 

(異議なし)

 

樽井弘三教育長
 ご異議が無いようですので、会議録の承認につきましては、原案どおり承認されました。
樽井弘三教育長
 それでは、議事に入ります。
 日程第1、報告第1号、「令和5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の概要及び結果について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。

教育次長(佐藤美恵)                                (提案理由説明)
 ただいま上程されました日程第1、報告第1号「令和5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の概要及び結果」の報告につきまして、提案理由をご説明申し上げます。
 スポーツ庁は、平成20年度より小学校第5学年、中学校第2学年の児童生徒を対象として「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」を実施しております。
 今年度も、悉皆調査として、市内のすべての小学校第5学年及び中学校第2学年の児童生徒を対象として実施いたしました。本調査の実施目的は3点ございます。
 1点目は「国が全国的な子どもの体力の状況を把握・分析することにより、子どもの体力の向上に係る施策の成果と課題を検証し、その改善を図る。」こと、2点目は「各教育委員会が自らの子どもの体力の向上に係る施策の成果と課題を把握し、その改善を図るとともに、子どもの体力の向上に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。」こと、3点目は、「各学校が各児童生徒の体力や運動習慣、生活習慣等を把握し、学校における体育・健康等に関する指導などの改善に役立てる。」ことでございます。
 調査内容といたしましては、小学校8種目、中学校9種目からなる実技に関する調査及び運動習慣、生活習慣等に関する質問紙調査でございます。
 本市の児童生徒の体力・運動能力等の状況につきましては、教育指導課長より説明させていただきます。
 以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくお願いいたします。

教育指導課長(小寺基之)
 令和5年度に実施いたしました、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果について説明させていただきます。
 本調査の目的及び実施内容の概略は先ほど、教育次長から説明させていただきましたので、私からは今年度の調査結果について、ポイントを絞って説明をさせていただきます。はじめに、本市の児童生徒の「実技に関する調査結果」について説明いたします。
 左下にあります「体力合計点の推移」をご覧ください。
 令和4年度調査と比べ、体力合計点については、中学校の女子は下回りましたが、小学校の男女、中学校の男子は上回る結果となっております。
 小・中学校の男子では、全国平均との差が広がりましたが、小・中学校の女子では、全国平均との差は縮まりました。
 続いて、「高槻市と全国を比較したレーダーチャート」をご覧ください。全国平均値を「50」としたレーダーチャートになっております。
 小学校の男子では、「反復横とび」が全国平均を2.5ポイント以上下回っており、敏捷性に課題がみられます。小学校の女子では、「上体起こし」「反復横とび」「20mシャトルラン」が全国平均を2.5ポイント以上下回っており、筋持久力、敏捷性、全身持久力等に課題がみられます。
 中学校の男子では、「長座体前屈」「反復横とび」が全国平均をやや下回っております。中学校の女子では、「持久走」「ハンドボール投げ」が全国平均を2.5ポイント以上下回っており、全身持久力、巧緻性・投球能力に課題がみられます。
 資料下の「1週間の総運動時間の状況」をご覧ください。
 体育の授業を除く1週間の総運動時間が60分未満の児童生徒の割合は、小学校の男子で8.7%、女子で17.1%となっております。中学校の男子は12.3%、女子は24.5%で、小学校の女子、中学校の男子は全国平均より高い割合となっております。
 続いて、本市の「質問紙に関する調査結果」について説明いたします。
 2枚目の資料上段一番左の項目をご覧ください。「体育の授業は楽しい」と回答した児童生徒は、小学校の男女で、前回調査を上回りましたが、中学校の男女では前回調査を下回る結果となりました。
 資料左から4番目の項目をご覧ください。「運動やスポーツをすることが好き」と回答した児童生徒は、小学校の男女で、前回調査を上回りましたが、中学校の男女で前回調査を下回る結果となりました。
 3枚目は、家庭生活における「朝食の摂取、睡眠時間、テレビやスマートフォン、ゲーム機等による映像の視聴時間」についての調査結果を載せております。
 令和5年度の調査結果につきましては、改善がみられる項目もありましたが、体力合計点及び質問項目が全体としては、依然として全国平均を下回る項目が多い状況であることなど、課題のさらなる分析が必要であると考えています。
 教育委員会事務局では、これまでの取組の成果と課題を検証するとともに、引き続き、小・中学校が連携した体育の授業づくりの工夫・改善の取組を推進してまいります。
 なお、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果につきましては、担当者向けに結果分析と改善方策に係る研修会を実施する予定でございます。
 以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくお願い申し上げます。

樽井弘三教育長
 ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。

浦野真彦委員
 小学生のレーダーチャートは昨年の結果と同じような形となっていて、人が変わっても同じような結果ということについて、どのように分析されていますか。

教育指導課長(小寺基之)
 本市における小学生のレーダーチャートの例年の特徴は、握力、長座体前屈、50m走は全国平均との差は小さく、20mシャトルランや特に反復横跳びは全国平均から大きく下回る特徴があります。詳細な分析はできておりませんが、20mシャトルランや反復横跳びは、普段の体育の授業や日常生活では行われない動作であり、児童が測定方法を十分に理解しないまま調査を実施していることも1つの要因ではないかと考えております。
 担当者向けの説明会で、担当者に対して例えば、教員が事前に動き方の見本を示したり、動き方を確認したりするなど、児童が測定方法を理解した上で、体力・運動能力を正確に測定できるよう周知してまいりたいと考えております。

美濃律委員
 1週間の総運動時間の状況の棒グラフで、中学校が700分ぐらいで山があるのは何か考えられる理由はありますか。

教育指導課長(小寺基之)
 1週間の総運動時間の状況の特徴は、男子より女子で運動時間が0時間の児童生徒が多いことと、中学校では部活動の影響で運動をする子としない子が2極化しU字型になるという分析をしております。

松村洋子委員
 体力調査の結果は、今年度に限らず全国平均を下回ることがほとんどですが、調査の実施目的に「子供の体力向上に係る施策の成果と課題を検証し、その改善を図る。」とあり、高槻は他の地域より都会であり、体力がつきにくいことが地域的にあるかと思いますが、この状況を改善するためにこれまでにどのような工夫をされていますか。

教育指導課長(小寺基之)
 この調査が始まってから市の施策としては、なわとび検定や駅伝大会など運動時間が増加する取組を進めてまいりました。
 ここ数年、体力の向上を図るためには、体育の授業を楽しいと感じる児童生徒が増えることで運動時間が増えて、体力の向上につなげていきたい考えから、連携型小中一貫教育の枠組みを生かして、小学校での専科指導の充実や、9年間を見通した連続性のある取組を推進するとともに、市教研の体育部と連携を図りながら授業改善の取組を推進してきたところでございます。

浦野真彦委員
 全国の調査結果は自然豊かな地域は結果が良く、都会は全体的に低いなど地域によって傾向があるのでしょうか。

教育指導課長(小寺基之)
 この調査ではカテゴリーとして、大都市、中核市、その他の都市、町村、へき地といった地域の規模別の結果も公表されています。
 調査結果から体力合計点は、大都市ほど低くへき地ほど高くなる傾向がございます。

岡本華世委員
 質問紙に関する調査で、「体育の授業でタブレットなどのICTを使って学習することで、できたり、わかったりすることがありますか」の回答が昨年度よりかなり上がっているのに対して、「体育の授業で友達と助け合ったり、教えあったりして学習することで、できたり、わかったりすることがありますか」の回答は下がっている点が気になります。どのような背景があると考えられますか。

教育指導課長(小寺基之)
 「体育の授業で友達と助け合ったり、教えあったりして学習することで、できたり、わかったりすることがありますか」の質問の調査結果として、男子は向上しているものの、女子は昨年度を下回っています。
 この「友達と助け合ったり」という項目は「体育の授業が楽しい」と強い相関関係があることがこれまでの調査結果から明らかになっており、女子が低下している原因や男女で調査結果に違いがあることについて、今後詳細な分析を進める必要があると考えております。

美濃律委員
 質問紙に関する調査「毎日どのくらい寝ていますか」の質問で、小学校は8時間以上、中学校は6時間以上8時間未満の回答をグラフにしていることに理由はありますか。

教育指導課長(小寺基之)
 回答の選択肢は8時間以上、6時間以上8時間未満、6時間未満といった選択肢があり、体力合計点は、小学校は8時間以上のグループが一番高く、中学校は6時間以上8時間未満のグループが一番高くなっており、結果概要を掲載するにあたって体力合計点との相関関係が一番強い項目を載せています。

岡本華世委員
 小学生は体育の授業が楽しいという回答が増加しているのに対して、中学生は減少しています。体を動かすこと重視の授業が好まれていないのか、例えば持久走や器械運動など種目によっての好き嫌いがこの結果につながっているなど分かっていることがあれば教えてください。

教育指導課長(小寺基之)
 過去の調査になりますが、平成26年度の全国体力調査の質問紙調査において、運動領域別に楽しいかまたはできたかという質問項目を設定しておりました。
 体育の授業が楽しいと相関しているのはサッカーやバレーボールなどの球技や水泳などが高くなっており、器械運動のような技能的にできる、できないがはっきり現れる領域においては自己評価が低くなる傾向がございました。
 全ての児童生徒が参加する体育の授業において、今年度中学校の男女とも楽しいと回答する生徒の割合が低下したことについては、課題として認識しております。今回の調査結果を分析して授業改善の取組を進めてまいりたいと考えております。

浦野真彦委員
 質問紙に関する調査「1日にどれくらいの時間、テレビやDVD、ゲーム機、スマートフォン、パソコンなどの画面を見ていますか」の電子機器にタブレットを持ち帰って勉強する時間も含まれていますか。もしそうなら、その時間も増えていることもありますか。

教育指導課長(小寺基之)
 質問紙調査の質問項目には学習以外という記載がございますので、この調査結果は学習を除いた時間となります。
 スクリーンタイムについては、学校におけるICT活用が進む中で、児童生徒にとってICT機器がこれまで以上に身近な存在になっており、学習以外での利活用が広まっていることが考えられます。
 スクリーンタイムの増加について、体力合計点との関係を見ると、視聴時間が3時間以上を超えると全国平均を下回り、4時間以上そして5時間以上になるとさらに低い値となることから、家庭と連携して運動時間とスクリーンタイムのバランスに留意することが必要であると考えております。

樽井弘三教育長
 他に何かございませんでしょうか。
 それでは確認を含めて聞かせてください。
 この調査の結果は、大阪府のデータが出てなくて、全国と高槻市の比較ができる調査結果になっています。小学3・4年生は大阪府の調査となっていて、大阪府と比較するデータになっていて、小学3年生から中学2年生までの変化を見るには大阪府のデータが必要になります。中学2年生の種目別の大阪府の平均値を男女別で教えてください。

教育指導課長(小寺基之)
 中学2年生男子の大阪府平均値は、握力28.18kg、上体起こし25.91回、長座体前屈42.56cm、反復横とび51.04点、持久走413.17秒、20mシャトルラン77.34回、50m走8.07秒、立ち幅とび192.82cm、ハンドボール投げ19.63m、体力合計点40.21点。
 中学2年生女子の大阪府平均値は、握力22.60kg、上体起こし21.63回、長座体前屈45.18m、反復横とび45.34点、持久走314.51秒、20mシャトルラン49.75回、50m走9.08秒、立ち幅とび162.62cm、ハンドボール投げ11.85m、体力合計点45.75点。です。

樽井弘三教育長
 残念ながら大阪府の平均値より高槻市は低いことになりますね。大阪府の平均値に大阪市は入っていますか。

教育指導課長(小寺基之)
 政令指定都市、大阪市を含めた数値です。

樽井弘三教育長
 そうすると、自然が多い場所ほどデータが良くなることを考えると、大阪市はほぼ都会であり、それを含めた大阪府のデータより自然の多い高槻市が下回っていることは危機意識を持って見ないといけないと思います。
 もっとも危機意識を持つのは2枚目の質問紙に関する調査「体育の授業は楽しいですか」で中学校男子は40.5%、女子は28.5%が楽しいと回答している一方で、「運動やスポーツをすることは好きですか」で男子は63.8%、女子は42.3%が好きと答えていて、単純に考えた場合、授業以外でスポーツは好きだけど授業は楽しくない生徒が男女ともに2割ほどいています。体育の授業のあり方と運動が好きであることの相関が若干乖離していて、この分析はぜひ進める必要があると思います。すでに分析していればその内容やこれからの方向性を教えていただきたい。

教育指導課長(小寺基之)
 これまでの調査結果から、運動やスポーツに対する意識と体育の授業に対する意識が強い相関関係があることが明らかになっております。今年度の調査結果では中学校の男女で、運動やスポーツに対する意識と体育の授業に対する意識が全国平均との比較において明らかな差が認められており、詳細な分析をする必要があると考えております。

樽井弘三教育長
 体育の授業だけで体力テストが好結果になることはないと思います。結果的には体育の授業を含めた運動総量が影響すると思います。運動総量を増やしていくことにつながる体育の授業、あるいは特別活動を含めて学校総体でどう運動量を増やしていくかという視点がいると思うので、その点も含めて分析・検討して施策に反映していただきたい。
樽井弘三教育長
 それでは、本件は報告案件でございますので、これをもって終了いたします。
 続きまして、日程第2、報告第2号、「令和5年度ICT活用による子どもの体力向上事業(小学3・4年生スポーツテスト)の概要及び結果について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。

教育次長(佐藤美恵)                                (提案理由説明)
 ただいま上程されました日程第2、報告第2号「ICT活用による子どもの体力向上事業 小学3・4年生スポーツテストの概要及び結果」の報告につきまして、提案理由をご説明申し上げます。
 大阪府教育委員会は、今年度より、小学校第3学年、第4学年を対象とした大阪府独自のスポーツテストを実施しております。本市においても、市内すべての小学校第3学年及び第4学年の児童を対象に本調査を実施しました。
 本調査の実施目的は3点ございます。
 1点目は「子どもの体力・運動能力等の状況に鑑み、大阪府の子どもの体力・運動能力及び運動・生活習慣等の実態を把握・分析することにより、子どもの体力・運動能力等の向上に係る施策の成果と課題を検証し、その改善を図る。」こと、2点目は「市町村教育委員会、小学校等が自らの子どもの体力・運動能力の向上に係る施策や取組の成果と課題を把握し、その改善を図るとともに、そのような取組を通じて、子どもの体力・運動能力の向上に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。」こと、3点目は「小学校等が子ども一人一人の体力・運動能力や運動・生活習慣等を把握し、学校における体育・健康等に関する指導などの改善に役立てる。」ことでございます。
 調査内容といたしましては、8種目からなる実技に関する調査及び運動習慣、生活習慣等に関する質問紙調査でございます。
 本市の児童の体力・運動能力等の状況につきましては、教育指導課長より説明させていただきます。
 以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくお願いいたします。

教育指導課長(小寺基之)
 令和5年度に実施いたしました、ICT活用による子どもの体力向上事業 小学3・4年生スポーツテストの結果について説明させていただきます。
 はじめに、本市の児童の「実技に関する調査結果」について説明いたします。中央上にあります、高槻市と大阪府を比較した表をご覧ください。
 小学3年生の男子及び女子では、「長座体前屈」を除く7種目が、大阪府平均を下回っています。また、「体力合計点」は、男子が0.38ポイント、女子が0.5ポイント大阪府平均を下回っています。
 次に、小学4年生の男子では、「握力」「長座体前屈」を除く6種目が、大阪府平均を下回っており、「体力合計点」は、大阪府平均を0.18ポイント下回っています。
 小学4年生の女子では、「長座体前屈」を除く7種目が、大阪府平均を下回っており、「体力合計点」は、大阪府平均を0.88ポイント下回っています。
 続いて、本市の「運動習慣、生活習慣等に関する調査結果」について説明いたします。
 資料下段の一番左の項目をご覧ください。「体育の授業は楽しい」と回答した児童は、小学3・4年生の男女ともに、大阪府を下回りました。左から4番目の項目をご覧ください。「運動やスポーツをすることが好き」と回答した児童についても、小学3・4年生の男女ともに、大阪府を下回りました。左から6番目以降の項目は、家庭生活における「朝食の摂取、睡眠時間、テレビやスマートフォン、ゲーム機等による映像の視聴時間」についての調査結果を載せております。
 令和5年度の調査結果では、授業に関する質問を含む、多くの項目が大阪府平均を下回っている状況がございます。
 生涯にわたる豊かなスポーツライフの実現に向けては、授業の中で、児童に「できた」という達成感を実感できるような工夫など、小学校段階から授業改善に取り組む必要があると考えております。
 教育委員会事務局では、全国体力・運動能力、運動習慣等調査とともに、本事業を検証することによって、連携型小中一貫教育の枠組みを生かし、9年間を見通した連続性のある取組を推進するとともに、児童の体力向上に関する継続的な検証改善に役立ててまいります。
 なお、小学3・4年生スポーツテストの結果につきましては、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果と併せて、担当者向けに結果分析と改善方策に係る研修会を実施する予定でございます。
 以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくお願い申し上げます。

樽井弘三教育長
 ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。

浦野真彦委員
 質問紙の項目で「体育の授業で自分に合った練習方法を選んで、できたり、わかったりすることがありますか」の練習方法とは、タブレットや先生の見本を見るなど、どのような方法で提示していますか。

教育指導課長(小寺基之)
 跳び箱の指導で例えると、助走、踏切、着手、空中姿勢、着地の局面に分けられます。体育の授業においては各局面における自身の課題に応じて練習方法を選択したり、自分の体力に合った技に挑戦したりするなど、教材や教具を工夫することで、練習方法や練習場所を選べるように工夫しております。

岡本華世委員
 意見になりますが、子供たちには授業が楽しいという気持ちで過ごしてほしいと思っています。質問紙にもあるように「できたり、わかったり」という点は後々に直結することでもあると思います。頭で考えるとできないと思っていたけど、やってみたらできたという流れが習慣づくと楽しく感じることも増えるのではないかと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

松村洋子委員
 この事業の名称は「令和5年度ICT活用による子どもの体力向上事業」とありますが、ICTはどのような局面で活用されていますか。

教育指導課長(小寺基之)
 大阪府では児童の体力向上や学校における体力向上の取組を支援する学習支援システムを構築しておりまして、このシステムで動画や各種目のやり方のポイントなどが説明されています。
 このシステムに児童が1人1台端末を使って結果の入力を行うことで、自らの測定結果を大阪府の平均値と比較することで課題を把握できること、また各児童の運動特性に応じたアドバイスが示されます。これらにより児童が得意や苦手な体力要素を把握することができ、個人それぞれの体力向上の取組につなげていくことでございます。

美濃律委員
 今の話で、例えば「朝食は毎日食べますか」「毎日どのくらい寝ていますか」「1日にどれくらいの時間、テレビやDVD、ゲーム機、スマートフォン、パソコンなどの画面を見ていますか」の質問は各児童が入力して、それに対してアドバイスがもらえるということでしょうか。

教育指導課長(小寺基之)
 質問紙に関する調査は、児童自身が入力して大阪府との比較はできますが、コメントについては体力要素についてのみとなっているので、生活習慣等にはコメントはございません。

樽井弘三教育長
 先ほど、松村委員からICTの活用について質問がありましたが、この事業はICTを活用すれば体力が向上するという仮説に基づいているという認識でよいでしょうか。もしそうであれば中学校でも取り入れていけばよいと思うのですが。

教育指導課長(小寺基之)
 先ほど説明させていただいた各児童へのコメント以外にも、システムから測定結果に応じて、それぞれの児童に合う運動やおすすめのスポーツが提案されます。児童が自ら楽しんで体力や運動能力を伸ばすきっかけになると考えております。
 この事業においてはICTの活用が直接体力向上につながるものではなく、スポーツテストの実施とシステムの活用を通して、小学校の中学年段階から体力について関心を持ったり、運動の習慣化につなげたりしていくことで結果として、体力向上につなげていくものという認識でございます。

樽井弘三教育長
 ICTの活用が子どもたちの運動総量の増加につながることも考えていかないといけないと思っています。
樽井弘三教育長
 他に何かございませんでしょうか。
 それでは、本件は報告案件でございますので、これをもって終了いたします。
 続きまして、日程第3、議案第4号、「教育長に対する事務委任等に関する規則中一部改正について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。

教育次長(佐藤美恵)                                (提案理由説明)
 ただいま上程されました、日程第3、議案第4号「教育長に対する事務委任等に関する規則中一部改正について」の提案理由をご説明申し上げます。
 本改正につきましては、教育委員会の権限に属する事務のうち、教育長に委任しない事務について、所要の文言整理を行うものでございます。
 参考資料新旧対照表をご覧ください。
 第2条において、教育委員会の権限に属する事務のうち、教育長に委任しない事務について規定しております。
 改正内容といたしましては、第2条の規定を整理し、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第25条第2項において教育長に委任できない事項として定められているものについて、当該法の規定を記載することによって、その根拠の明確化を図るもののほか、所要の規定整理を行うものでございます。
 また、附則にて施行期日を公布の日からと定めるほか、高槻市教育委員会事務決裁規則につきまして、所要の改正を行うものでございます。
 以上、誠に簡単な説明ではございますが、ご審議のうえ、ご可決を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

樽井弘三教育長
 ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご質問はございませんでしょうか。
樽井弘三教育長
 それでは、無いようですので、採決に入ります。議案第4号、「教育長に対する事務委任等に関する規則中一部改正について」を原案どおり可決してご異議ございませんか。

 

(異議なし)

 

樽井弘三教育長
 ご異議が無いようですので、議案第4号は、原案どおり可決されました。
 続きまして、日程第4、議案第5号、「令和6年度教育努力目標について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。

教育次長(佐藤美恵)                                (提案理由説明)
 ただいま上程されました、日程第4、議案第5号の「令和6年度教育努力目標」について、提案理由のご説明を申し上げます。
 本「教育努力目標」は、「第2期高槻市教育振興基本計画」に則り、国や大阪府の動向を踏まえ、1年間の取組としての本市教育委員会の基本的な考え方を示したものでございます。これに基づきまして、地域とともにある信頼される学校園をつくるとともに、市民ニーズに応える社会教育の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
 初めに、全体の構成についてご説明させていただきます。
 それでは、「令和6年度教育努力目標」の2ページをご覧ください。第1章では本市がめざす子ども像を「人や社会とつながり、学び続け、よりよい自分と社会を創る子ども」として掲げております。めざす子ども像を実現するため、3ページ記載の「つけたい4つの力」、4ページから5ページに記載の、6つの目標と26の基本施策を制定しています。
 次に、6ページをご覧ください。第2章では、6つの目標、26の基本施策を展開するための、具体的目標を設定しております。6つの目標につきまして、読み上げさせていただきます。
 6つの目標の一つ目は、目標1-1「確かな学力の育成」でございます。変わることのない「教育の使命」それは、「次代を担う責任ある大人」の育成です。そして、その基盤となるのは「子ども達に確かな学力」をつけることです。何を理解し、何ができるのかといった「知識や技能」の質を高め、それらを活用してこれまで経験したことがない未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力等」を育成することや、学んだことを人生や社会に生かし、生涯にわたって能動的に「学びに向かう力、人間性等」を涵養することが必要です。このような学力をつけるために、「自分の将来や社会とのつながりを実感しながら学ぶ」「周りの人との対話や協働を通じて新しい答えを生み出す」「新たに得た知識をそれまで得てきた知識や経験と結び付ける」「こつこつと忍耐強く学び続ける」といった学習に取り組みます。
 8ページをご覧ください。2つ目は、目標1-2「豊かな心」の育成でございます。安全で安心して豊かに暮らせる社会とは、多様な人々が互いの人格を尊重し支え合いながら生きることができる社会であり、また、自らの役割と責任を果たし皆が生き生きと活躍することができる社会です。子ども達には、このような社会の実現に貢献しようとする態度を育む必要があります。そのために、様々な人の生き方や多様な考え方等に触れる豊かな体験活動を通して、子ども達が、人の役に立つことや社会に貢献することに喜びを感じ、規範意識をはじめとした非認知能力、人間関係を築く力、自他の生命の尊重、互いの人権を守ることや公共の福祉に配慮することの大切さ等について考える教育を推進します。
 10ページをご覧ください。3つ目は、目標1-3「健やかな体の育成」でございます。児童生徒が、いろいろな困難に立ち向かえるのは、心身ともに健康であり、安全であることが基盤となります。そのため、必要な資質・能力を育成し、安全で安心な社会づくりに貢献できるようにすることが大切です。また、豊かなスポーツライフの実現に向けて、運動する機会を充実させ、体を動かすことの楽しさを実感させることも大切です。家庭や地域と連携を図りながら、日常生活において適切な体育・健康に関する活動を行うとともに、生涯を通じて、健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう取組を推進します。
 12ページをご覧ください。4つ目は、目標2-1「学校力の向上」でございます。教育活動の中心になるのは学校です。学校では、校長のリーダーシップのもと、学校の組織体制を充実するとともに、教職員は、子どもへの愛情と、豊かな人間性や感性を備え、高い倫理観と指導力、教育者としての情熱と使命感を持って指導にあたることが必要です。また、学校だけでは対応できない課題の解決に向けて、子どもの教育の当事者として家庭や地域と連携し、地域とともにある学校の実現に努めます。新しい時代に求められる資質・能力を育み、複雑化、多様化した課題を解決するため、学校力の向上に向けた取組を推進します。
 16ページをご覧ください。5つ目は、目標2-2「家庭力の向上」でございます。家庭教育は全ての教育の出発点であり、子どもの基本的な生活習慣や豊かな情操、他者に対する思いやりや命を大切にする気持ち等を養う上で、最も重要な役割を担います。基本的な生活習慣、規範意識等を身に付けることは、人と関わり生活したり、生涯を通じて学んだりする上で、大変重要です。子どもの教育について、保護者は第一義的責任を有し、子どもが安心できる家庭環境づくりが求められます。一方、近年の家庭環境の多様化に伴い、子育てについての不安や孤立を感じる家庭等、家庭教育を行う上での課題が指摘されており、地域全体で家庭教育を支える仕組みづくりが求められています。学校や、子育て経験者をはじめとした地域人材等、地域の多様な主体が連携・協力して、親子の育ちを応援、支援します。
 17ページをご覧ください。6つ目は、目標2-3「地域力の向上」でございます。地域は、さまざまな役割を持つ異なる年齢層の人々で構成されています。そして、子どもは、多様な目的を持つ集団活動に参加することで、自己肯定感や社会参画意識を高めるとともに、自然や優れた文化や芸術、伝統に触れ、豊かな体験をすることができます。地域は、家庭や学校と目標を共有し、人と人がつながり、連携・協働しながら子どもを育む場となることが求められます。コミュニティ・スクールの推進には保護者や地域との連携・協力が不可欠であり、協働して取組を推進します。また、生涯を通じて一人一人がそれぞれの資質・能力の向上を図り、その個性を伸ばし、活躍する場となるよう取組を推進します。
 これら6つの目標につきまして、具体的目標を設定しております。詳細につきましては、後ほど教育指導課長より説明させていただきます。
 以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくご審議いただき、ご可決賜りますようよろしくお願い申し上げます。

教育指導課長(小寺基之)
 第2章具体的目標の説明をさせていただきます。重点取組に関係する施策や、令和5年度から変更があった点等を中心に、ご説明させていただきます。新旧対照の表も合わせてご覧ください。
 6ページをお開きください。目標1-1「確かな学力の育成」でございます。1から6の6つの施策について、それぞれ具体的目標を設定しております。
 2「きめ細かな学習指導の充実・推進」では、「指導内容、指導方法の工夫を行い、質の高い知識及び技能の習得と、思考力、判断力、表現力等の育成を図る」と 「すべての児童生徒が『わかった』『できた』『もっとやりたい』と実感できる授業づくりを推進するため、校内の組織的な研究体制を構築する。」を具体的目標に設定しております。小学校における専科指導教員による授業や、教員個々の専門性を生かすための交換授業、チームティーチングや少人数・習熟度別授業等、多様な指導体制の効果的な活用により、すべての児童生徒が、わからないことが「わかった」、できないことが「できた」、その結果「もっとやりたい」と実感できる日々の授業づくりを目指し、次年度も組織的な研究体制を構築してまいります。
 6「学校図書館を活用した学習活動の推進」をご覧ください。具体的目標の3番目を「司書教諭と学校司書が中学校区で連携・協力することにより、9年間を見通した学校図書館を活用した教育の推進体制を構築する」とし、中学校区で9年間を見通して取組を進めるため文言を追加しました。中学校区の司書教諭や学校司書が連携し、学校図書館における読書センター・学習センター・情報センターの機能の充実を図るよう努めてまいります。
 次に8ページ、目標1-2 「豊かな心の育成」でございます。1から4の4つの施策について、具体的目標を設定しております。
 4「生徒指導の推進」では、1つ目「学校の教育活動全体を通して、豊かな人間性や社会性を育む指導の充実を図る。」としています。2つ目「全教職員が共通認識のもと、組織的に一貫性をもって対応できるよう校内の生徒指導体制を整備するとともに、児童生徒の個別の課題に対し、適切で効果的な指導や支援を組織的且つ継続的に行う。」3つ目「体罰や高圧的な指導を根絶し、正しい児童生徒理解を基盤とした粘り強い指導や支援を通して、児童生徒との信頼関係を構築し、自己指導能力を育成するとともに、全ての児童生徒が安心して学ぶことができる環境を確保する。」を具体的目標として掲げております。特に不登校への対応では、不登校児童生徒数が大幅に増加していることへの対応が喫緊の課題であることから、不登校やその兆しのある児童生徒に対して、丁寧な実態把握に基づいた初期段階からの支援体制の構築を推進してまいります。令和4年度、5年度は、不登校児童生徒支援推進モデル事業において、「学習のつまずきをなくす」ことが「不登校の減少につながる」という仮説のもと、不登校や、不登校になる可能性のある児童生徒への効果的な「個別の手立て」や、よりよい支援体制の整備、漢字検定を取り入れた取組について研究をすすめてまいりました。本研究の成果を市内小中学校に広げてまいります。また、不登校児童生徒の、学校復帰や社会的自立の支援に向けて、校内適応指導教室の全校設置を進めてまいります。落ち着いた空間で、自分に合ったペースで学習や生活をすることができるよう支援を行い、学習のつまずきや不安を解消し、学習や登校への回復につなげていきたいと考えております。
 続いて、10ページ、目標1-3 「健やかな体の育成」でございます。1から3の3つの施策について、それぞれ具体的目標を設定しております。
 1「安全教育の充実・推進」についてです。安全・安心な学校づくりについては、「第2期の教育振興基本計画」においての重点項目の1つであり、教育の大前提であります。中学校区グランドデザインに学校安全の取組を位置づけ、中学校区内での取組を推進してまいります。また、令和4年度から、本市が作成した安全教育副読本「たかつき安全NOTE」を活用しており、引き続き体系的な安全教育を推進してまいります。そして、児童生徒等が安全教育で身に付けた力を発揮し、行動する場として避難訓練を位置付け、教職員による対応訓練等のより実効性のある訓練を意図的計画的に実施してまいります。
 12ページ、目標2-1 「学校力の向上」です。1から7の7つの施策について、具体的目標を設定しております。
 1「安全・健康対策の充実・推進」の(2)「組織的な安全活動の推進」においては、学校安全の中核となる教職員として学校安全推進責任者を位置づけ、校内の組織的取組の中心となり、より実行性のある学校安全計画の策定や危機管理マニュアルの定期的な見直し等を行ってまいります。また、「高槻市学校安全の推進に関する指針」に基づき、組織的な安全活動の推進を図ります。
 2「学校の組織力の向上」ですが、(1)「校長のマネジメント力の強化」(2)「ミドルリーダーの育成及び活用」(3)「相談・支援体制の整備」(4)「働き方改革の推進」(5)「個人情報の適切な取り扱い」の5つの項目に、それぞれ具体的目標を設定しております。
 (2)「ミドルリーダーの育成及び活用」では、2つ目の具体的目標を「共同学校事務室を通じて、学校事務の水準の維持・向上を図り、学校事務職員が学校運営に積極的に参画できる組織運営を推進する。」に変更しております。来年度も共同学校事務支援センターを中心とした共同学校事務室の推進、学校事務の改善・効率化による学校運営の充実に努めます。
 13ページをご覧ください。3「教職員の資質・能力の向上」は具体的目標の2つ目を追加しました。2「研修受講履歴の記録を活用して、管理職等が研修の受講奨励を含む適切な指導助言を行うことや、教職員が自ら学びを振り返ることにより、相互に資質能力を高め合う職場環境づくりを進める。」としています。教職員が、積極的に幅広い専門性を高めるための研修を受講したり、自ら最新の情報を収集したりするなどして、継続的に指導力の向上に努めてまいります。
 14ページをご覧ください。6「地域とともにある学校づくり」の充実・推進では、「学校運営協議会を設置した中学校区の実践や研究成果を共有するとともに、令和7年度を目途に全ての中学校区でコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の導入を目指し、家庭・地域が学校教育に参画し、協働して子ども達の社会を生き抜く力を育成する『地域とともにある学校づくり』を推進する。」としております。子どもたちを取り巻く環境が大きく変化する中で、学校が抱える課題も複雑化・多様化しています。家庭・地域が学校教育に参画し、協働して子どもたちに「生きる力」を育む仕組みづくりは、ますます不可欠なものとなります。この、「学校運営協議会制度」は「地域とともにある学校づくり」の取組をさらに充実させ、持続可能なものにするための有効な仕組みとなるものです。すでに、コミュニティ・スクールを導入し先行実施している、モデル中学校区での成果や課題を共有しながら、中学校区の「めざすこども像」の実現に向けて、『中学校区グランドデザイン』を家庭や地域等と共有し、家庭、地域等との連携・協働した学校づくりを推進してまいります。
 16ページ 目標2-2 「家庭力の向上」では1「家庭教育の推進」、2「PTAとの協働と活動支援」、3「福祉機関等との連携」の3つの施策について、それぞれ具体的目標を設定しておりましたが、1「家庭教育の推進」は、令和5年8月の機構改革により市長部局へ一部事業が移管されておりますが、今後は、2「PTAとの協働と活動支援」として取組を進めてまいります。
 17ページ 目標2-3 「地域力の向上」では、1「地域等との協働の推進」、2「青少年健全育成の推進」、3「公民館・図書館の充実」の3つの施策について、それぞれ具体的目標を設定しております。
 1「地域等との協働の推進」では、3つの目標のうち、1つめと2つめの目標が、昨年度からモデル校で導入しているコミュニティ・スクールの推進に関連した内容になっております。3つ目の目標には「コミュニティ・スクールの取組との連携を図る」という文言を加えております。来年度もコミュニティ・スクールの推進・充実に向けて努めてまいります。
 2「青少年健全育成の推進」と3「公民館・図書館の充実」については、令和5年8月の機構改革により市長部局へ移管されましたので、具体的目標については、削除しております。
 なお、移管されました内容につきましても、引き続き、関係部局と連携をしてまいります。
 以上、ポイントを絞ったご説明ではございますが、よろしくお願いいたします。

樽井弘三教育長
 ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。

美濃律委員
 目標1-3「健やかな体の育成」について、先ほどの議案で体力調査の結果が全国平均を下回っているものも多い話がありましたが、その点に関する目標はありますか。

教育指導課長(小寺基之)
 全国体力調査と今年度から実施している小学3・4年生のスポーツテストについては、3(1)の具体的目標の1に示しています。各学校は各調査の結果を基に検証改善サイクルを確立することと、調査結果を踏まえて授業改善につなげることを大事にしたいので、2の「授業においては、全ての児童生徒が、運動の楽しさや喜びを実感することにより」という文言にも調査結果を反映させています。

美濃律委員
 それは今までの内容と何か変化はありますか。

教育指導課長(小寺基之)
 この具体的目標の中には変化はありませんが、学校園に示す指示事項の中で新たに3・4年生のスポーツテストの内容を入れて指示していきたいと思います。

浦野真彦委員
 目標1-1「確かな学力の育成」2「きめ細かな学習指導の充実・推進」の説明で習熟度別授業のお話がありましたが、現在高槻市で取り入れているところはあるのでしょうか。そして、今後どのように取り入れていくのでしょうか。

教育指導課長(小寺基之)
 習熟度別授業はこれまで大阪府の加配教員等を活用して主に、算数・数学・英語等の教科で1クラスを2分割するなどして習熟度別授業を実施してきました。
 今後についても、全ての児童生徒がわかった、できた、もっとやりたい、と実感できる授業作りを推進するために、少人数・習熟度別授業をはじめ、小学校における専科指導教員による授業、教員個々の専門性を生かすための交換授業、チームティーチング等、各学校の実態に応じて多様な指導体制を効果的に活用してまいりたいと考えております。

浦野真彦委員
 今の説明の中で、クラスを分けるとありましたが、1つの教室の中でグループを分けるということでしょうか。

教育指導課長(小寺基之)
 部屋を分けて習熟度別に授業しています。

岡本華世委員
 9ページの4「生徒指導の推進」3「体罰や高圧的な指導を根絶し」という冒頭の文言は必ず入れないといけないのでしょうか。

教育指導課長(小寺基之)
 体罰は児童生徒の心身に深刻な影響を与えて、力によって解決する考え方を助長し、いじめや暴力行為の土壌を生む恐れがあり、いかなる場合でも決して許されるものではありません。
 文部科学省の調査によると、児童生徒への体罰は年々減少傾向にありますが、今もなお毎年発生しており、本市においても高圧的な指導を含む不適切な指導が毎年数件ございます。具体的目標に掲げることで体罰や高圧的な指導を根絶し、全ての児童生徒が安心して学ぶことができる環境を確保していきたいと考えております。

岡本華世委員
 同じ4「生徒指導の推進」になりますが、先ほどの説明では不登校の対応は細かく説明がありましたが、具体的目標の中に不登校への対応について示されていないのはなせでしょうか。

教育指導課長(小寺基之)
 この具体的目標には生徒指導の在り方や体制の整備など生徒指導上の課題解決に向けた基本的な内容を示しています。
 不登校児童数の増加は喫緊の課題と認識しており、不登校への対応への詳細は学校園への指示事項に示してまいりたいと考えております。

岡本華世委員
 12ページ、目標2-1「学校力の向上」(2)「組織的な安全活動の推進」に学校安全推進責任者と記載がありますが、学校単位で何名など決まっていますか。

学校安全課長(田口裕之)
 学校安全推進責任者は学校安全の中核を担う教職員を充てる位置付けで、各学校に1名選任しております。この1名は管理職を除く教職員から選んでいるところです。

松村洋子委員
 
13ページ、3「教職員の資質・能力の向上」の具体的目標に「研修受講歴の記録を活用して」とありますが、研修受講後はレポート作成や学校内で研修内容を共有するなどはされていますか。学校によって異なるかもしれませんが、おおよその状況が分かれば教えてください。

教育センター所長(丸山みち子)
 
研修受講後、よかったか、よくなかったか等4段階の満足度や研修で学んだことをどう生かすか等の感想をフォームで教育センター宛に回答してもらっています。
 先生方には研修で使用した資料を紙やデータで提供していますので、各学校での校内研修に活用していただいております。
 また、法定研修である初任者研修等に関しても、受講した先生が自校に戻られて、どういう学びがあったか等を報告することで他の先生と学びを共有していただいております。
 来年度から研修受講履歴は国のシステムが使用できるようになるので、今後は管理職等が各先生方の強みや弱みを見据えて、どのような研修を受講すべきかアドバイスやキャリアステージに応じた研修を奨励していただきたいと考えております。

岡本華世委員
 13ページ、(4)「働き方改革の推進」について、これまでに教職員の働き方改革として進めてきたことがあれば教えてください。

教職員課長(平井新一郎)
 夏季休業期間中の学校閉庁日の設定、部活動ガイドラインでの活動時間と休業日の設定、自動応答電話の設定、校務支援システムの導入、目的に合わせたオンラインでの研究会や会議の実施等を行ってきました。各学校においても会議の時間を短くするなど工夫を行っています。働き方改革により、本来担うべき学習指導と生徒指導の優先順位を上げられるよう引き続き取組を推進してまいります。

岡本華世委員
 子どもたちに質のよい授業等を進める上で、環境が大きな要因になると思いますので、先生方がいきいきと子どもたちと向き合えるように、先生方の環境づくりも引き続きお願いします。
岡本華世委員
 17ページ、目標2-3「地域力の向上」について、コミュニティ・スクール導入が既に進んでいる中で、成果や新たな課題があれば教えてください。

教育指導課長(小寺基之)
 令和5年度は3つの中学校区に学校運営協議会を設置いたしました。加えて令和6年度には新たに4つの中学校区に設置する予定です。
 成果としましては、学校運営協議会を設置し校長が示す学校運営に関する基本的な方針を保護者や地域住民等と共有できたことが挙げられます。連携型小中一貫教育の枠組みを活用して、中学校区に学校運営協議会を設置することで、学校、保護者、地域など全ての大人が子どもに教育を行う当事者となり、地域総がかりで責任を持って子どもたちを育てる仕組みが構築できているものと考えております。
 一方で、地域学校協働活動推進員や学識経験者の選出など人材の確保については全中学校区で導入するにあたっての課題であると認識しております。

樽井弘三教育長
 他に何かございませんでしょうか。
樽井弘三教育長
 それでは最後に、令和6年度の教育努力目標にかかわって、教育長としての課題意識を共有したいと思います。
 昨年度は、コロナ禍からの復興と、教育の原点回帰が令和5年度の課題であるとこの場でお話させていただきました。各学校では希薄になっていた集う機能を回復し、学習指導や生徒指導、地域連携といった、教育の原点に立ち戻って取組を進めてきました。
 今年度は日常の教育活動の維持継続が大きな課題になると考えています。
 濱田市長の3月議会の施政方針の結びで、次のように述べられています。
 「市民一人一人の平穏な日常生活の維持継続こそが最も大切なものであり、虚飾に奔らない地に足をつけた堅実な行政が、必要不可欠である」。
 これは、そのまま教育行政にも、あてはまります。
 「子どもたち一人一人にとって、平穏な日常生活の維持継続こそが最も大切なものであって、虚飾に奔らない、地に足をつけた堅実な学校教育が、必要不可欠である」と、言い換えることができます。
 学校は子どもを大人にするための、きわめて公共性の高い機関です。病人やけが人を癒す病院や、正義を実行する警察と同様に、人間社会の基盤をなす役割を担っています。学校・病院・警察、これらに共通するのは変わらないことではないかと思っています。不易が大事にされている機関と思っているところです。
 学校教育にこれを当てはめると、安全・安心を大前提とした、地に足をつけた堅実な学習指導と生徒指導を進めることが、次年度の大きな目標になると思っています。学習指導では、毎日6時間、子どもたちが倦まずたゆまず受け続けることのできる授業を、実現しなければなりません。日常の普通の授業の中で、「あっ、そうか」と腑に落ちる瞬間がある、そして「もっとわかりたい」「もっとできるようになりたい」と、学びに向かう力が起動される、そんな授業がどの学校でもあたりまえの日常として、行われていることが最も大事なことであると考えています。
 生徒指導は、突き詰めれば、子どもたちに個人における自立と社会における協調を培っていく・育んでいくことが生徒指導だと思っています。
 それはよく勘違いされますが、子どもに間違いを起こさせないことではなく、間違いを見逃さず、正対して粘り強く寄り添って指導することです。そして、自分さえよかったらいいという、自己中心的な考えから脱却させることが、指導の核心だと思っております。このような日常の指導が積み重なって、子どもは大人になっていきます。先程あった、高圧的な指導・体罰は対極をなすものと思っています。時間をかけて、ゆっくりとじっくりと諦めないで子どもと対応していくことが大事だと思っています。
 教育格差、いじめや不登校の増加等、コロナ禍によって前景化させた喫緊の課題は多くあります。どれも短期で答えの出るものではありません。地道で誠実な学習指導と生徒指導を日常的に維持継続することが、今ある喫緊の教育課題を克服することにつながると思います。
 以上申し上げたことを踏まえて、令和6年度の教育努力目標をもとに、各学校への指導助言をお願いしておきます。
樽井弘三教育長
 他に何かございませんでしょうか。
 それでは、無いようですので、採決に入ります。議案第5号、「令和6年度教育努力目標について」を原案どおり可決してご異議ございませんか。

 

(異議なし)

 

樽井弘三教育長
 ご異議が無いようですので、議案第5号は、原案どおり可決されました。
 以上で、本日の日程がすべて終了いたしましたので、閉会といたします。

 

 

(午後2時59分閉会)