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令和5年度第2回高槻市社会福祉審議会児童福祉専門分科会
令和6年2月22日(木曜日)午後2時00分から午後3時00分
高槻市役所本館3階第2委員会室
公開の可否:可
0名
寺見陽子委員、竹内悦子委員、河本浩二委員、深串有里委員、池田美保子委員、上田惠子委員、近藤利起委員、中村明子委員
・小規模保育事業の認可について
・その他(報告)
・資料1 令和6年4月に認可を予定する小規模保育事業所について
・資料2-1 日輪保育園について(高槻市社会福祉審議会 児童福祉専門分科会 資料(令和5年2月10日開催))
・資料2-2 日輪保育園について
・資料3 市立保育所・幼稚園は認定こども園へ
子ども未来部子ども育成課
〇事務局
それでは、案件1「令和6年4月に認可を予定する小規模保育事業所について」を保育幼稚園指導課よりご説明いたします。
資料1の1ページをご覧ください。
本市の教育・保育提供区域は、高槻市子ども・子育て支援事業計画に基づき、6区域に設定されており、令和6年4月に認可予定の小規模保育事業所の一覧となっております。
この度、第1区域の「いしはら保育室高槻」を、認可しようとするものです。
2ページは、概要となっています。同事業所の実施主体は「一般社団法人 いしはら保育室」、所在地は塚原二丁目、定員は19人で内訳は0歳児3人、1歳児と2歳児はそれぞれ8人です。保育室等面積は、64.01平米で、木造スレートぶき平屋建、1階建ての1階部分での運営、連携施設及び特記事項はご覧のとおりです。
3ページは、「各基準条例及び基準省令一式」となっています。
4ページは、家庭的保育事業等設置認可基準適合調書となっています。同事業所の認可につきまして、管理者の状況、開所時間及び保育時間、認可定員、連携施設及び連携内容、食事の提供の状況、職員の配置基準、土地・建物の状況、保育室等の面積基準、屋外遊戯場の状況など、該当する条例に定める基準に合致していることを保育幼稚園指導課で確認しております。
5ページ以降は、同事業所の付近見取図・平面図となっております。
8ページの平面図ですが保育室1は0歳児、保育室2は2歳児、保育室3は1歳児を予定されており、保育室4については0歳児の弾力運用を見越した部屋と伺っております。
9ページは、屋外遊戯場の位置図として、園庭を保有していない同事業所につきましては、屋外遊戯場への移動時の経路や安全対策をお示ししております。塚原第一公園で、同事業所から50メートルほどに所在しております。
説明は以上でございます。
〇会長
ありがとうございました。ただいまのご説明に関しまして皆様から何かご質問等ございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
〇委員
今回の園が、卒園した後に「のびてゆく幼稚園」にちょうど2歳児の8名そのまま受け入れていただくような体制ができているので、すごくいい取り組みであると思いました。
念のため確認をさせていただきたいのですが、子どもの教育費の無償化の関係で、保育園に行くと3歳児から無償化になり、幼稚園に行くと幼稚園の上限金額があり、あと保育園でも超えた部分に関しては預かり保育になり、預かり保育も確か上限があったかと思うのですけれども、その超えた分というのは、保護者負担になるという理解でよかったですかね。
〇事務局
「のびてゆく幼稚園」のホームページに書いてあるのですが、預かり保育の無償化ということで、日額が450円×利用日数の額まで、かつ、従来の月額11,300円までは無償ということで、それ以上につきましては、保護者負担になるかと認識しております。
〇委員
ありがとうございます。
そのまま保育園に通える方でしたら無償化も全額が対象になってくる中、幼稚園の方で通うようになると、超えた分に関しては保護者負担というところになるということですので、ニーズがどこまであるか、そのまま「のびてゆく幼稚園」を希望されるのか、そうではなく、やはり無償化対象になる保育園を希望されるのかという、その辺りのニーズが合っているのかどうかっていうところも、今後長く見ていただけたらいいなと思っていますのでよろしくお願いいたします。
〇会長
ありがとうございます。保護者にすると費用がどうなるかということは重要な視点ではあるわけですよね。実際にその子どもたちが幼稚園や保育所を利用するのはこれから後のことになると思いますが、ぜひ事務局さんの方でもそのことに関して、よろしくお願いいたします。
〇事務局
3歳以上を預かっている公立の保育所や公立の認定こども園については、高槻市内にあるどの小規模保育事業所に対しても優先受入れという枠を設けています。卒園にあたって連携施設を選ばれるのか、公立施設を選ばれるのか、小規模事業所については3歳以上の利用ができない中、連携については市としてもできる範囲のことは取り組んでおります。今日の報告案件でも、さらに3歳の受入枠を増やすべく取組をご報告させていただこうと思っております。
〇会長
ありがとうございました。
〇委員
3歳児に関して公立の保育園を希望されている方が、全員が希望どおり入園できないような認識を持っていたので、やはり入れなかった場合に費用負担が発生するということについて、ニーズ等今後も見ていただけたらと思います。
〇会長
ありがとうございます。利用者サイドからすると一番重要な部分だと思います。
私からも一つ質問ですが、これから募集をかけられると思うのですが、保育室4は0歳児の受入れについて段階的に増やしていくことを見越した部屋というご説明でした。0歳児を最初の段階では受け入れないということですか。
〇事務局
当分は3人を受け入れるということです。
〇会長
現在3人で、そのあとの弾力的な運用ということの意味を少し教えていただけますか。
〇事務局
定員は、0歳児3人、1歳児8人、2歳児8人の19人でスタートするのですが、国通知に基づき、高槻市は令和6年4月から最大3名プラスして、22人までを認めるという形になっており、事業所も、今後需要があれば部屋の面積を考慮しながら保育室4を使って2名、保育室1の方にさらに1名を加え、定員3人の0歳児を最大6人にしたいという思いをお持ちです。
〇会長
ありがとうございますよくわかりました。他にいかがでしょうか。
〇委員
最後9ページのところで、やはり子どもの安全というものが少し気になるところで、常設の園庭がないということでお散歩に出かける時、この監視専任の職員さんは、事業所の職員さんではなく、別に雇用するガードマンさんなのでしょうか。
あとこの方の立ち位置が示されているのですが、この方は、お散歩とか園児が外に出る時だけにいらっしゃるのか、どういった時間帯でのこの位置に立たれるのかというのと、このスロープから出たところの道路が、平常時、どの程度の交通量といいますか、車の往来がどの程度なのかという点について少し教えていただけたらと思います。
〇会長
いかがでしょうか。
〇事務局
こちらは監視専任の職員ということで、ガードマンのような専門の方が立たれるような資料の表記になっていますが、事業所の管理者や保育士さんであるとか、いわゆる保育職員などがここに立つという意味合いでの記載でございます。
さらに、この塚原第一公園が事業所から50メートルほどということで、距離も近く、移動の時は安全配慮していただくのは当然ですが、車もほとんど通らない道で、安全についてきちんと考えておられると見ています。
〇会長
ありがとうございます。よろしいでしょうか。
地図を見る限りは住宅街の中なのですね。この建物は前も同じように保育関係の施設として使われていた建物ですか。
〇事務局
学習塾といいますか、勉強をするようなスペースとして利用されていたというふうに聞いております。
〇会長
保育ルームではないけれども、一応教育的な活動をされていた所だったということですね。とすると、お子様を利用者の方が連れて来られた時の自転車の置く場所などへの安全配慮は、十分なされているのでしょうか。
〇事務局
自転車等ですけれども、交通の往来が非常に少ない印象でございますので、園の敷地に近づけて自転車を並べれば、前の道も結構広いため心配はないという印象です。
〇会長
ありがとうございます。写真を見る限りでもそうですね。
石原保育室の隣は何のための建物ですか。
〇事務局
地域の集会所になります。
〇会長
そうなのですね。そうすると、周りに常時、誰かが住んでいて出入りがあるような建物は少ないということですね。
〇事務局
そうですね。園の並びは住宅街ではなく、お向かいが住宅街となっています。
〇会長
はい、ありがとうございました。
他にいかがでしょうか。何かご質問等ございませんでしょうか。認可基準をクリアしてこの場に上がってきていますので、その点問題ないと思いますが、そのほかに何か気になる点がございましたら、いかがでしょうか。
特にないようでしたら、この認可に関しまして、皆さんにご了解いただいたということでよろしいでしょうか。
〇委員
はい。
〇会長
ありがとうございます。それでは次の案件へ参りたいと思います。
〇事務局
案件2その他の1つ目の項目になります、日輪保育園につきまして引き続き、保育幼稚園指導課からご説明をさせていただきます。
まず、資料2-1は、昨年2月10日に開催されました児童福祉専門分科会でご報告しました資料です。
次に、資料2-2は、資料2-1の記載内容以降の対応としまして、この1年間の日輪保育園と本市のやり取り等を記載しております。
令和5年の動きとしまして、令和5年2月のこの会議でご説明をした後の、3月でございます。
3月29日に保育幼稚園指導課の職員で訪問いたしまして、理事長にも同席をいただいております。施設の視察に1時間あまりかけまして、その後に理事長ともお話をさせていただいております。
理事長に、再開計画書つまり職員体制、施設整備等、こちらの140人程度の保育園でございますので、その140人で再開できる再開計画書の提出を求めまして、1ヶ月の猶予を設けました。また、一般監査などの実施予告について、あわせて通知をいたしております。
1ヶ月後の4月28日に、再開計画書を理事長から受け取りまして、再開が決まれば、保育士の募集などを行い、再開後に順次、設備等の修理を実施するなどの報告がございました。
5月12日に実地指導監査を実施し、理事長に対して、再開に向けては、建物や給食設備の改善及び職員採用の手立て等を講じる必要がある旨を指導し、また、4月28日に報告のあった再開計画書について、具体的に記載して再提出するよう求めております。
6月から10月までについては記載のとおりでございますけれども、再開計画書の内容が十分ではなかったため、より具体的な内容の記載を依頼し、6月30日に日輪学園の方で社会福祉法人が開催した理事会議事録の提出を依頼し、また、5月12日に実施しました指導監査結果について、改善結果等の提出を依頼する等、様々なやりとりが続いております。
次のページにいっていただきまして、11月と12月の動きです。
それまでのやりとり、6月から10月までのやりとりの継続と、11月27日に、10月6日で提出のあった再開計画書からは、法人として具体的な再開のめどがつかないと判断していると思われましたため、保育所の休止申請を検討するように求めましたところ、理事長から、「早急に対応したい」との発言がございました。
また12月27日ですけども、具体的な再開の時期のめどがつかないのであれば、保育所の休止申請を提出するよう伝えたところを理事長からは、「理事会に諮りたい」との発言でございました。
令和6年に入りまして、1月29日に保育所の休止申請書等の提出がありまして、現在は休止となった状況です。
説明は以上でございます。
〇会長
ありがとうございました。
日輪さんは、高槻市でもかなり歴史のある園だとお伺いしております。
写真の方も見せていただきましたが、やはり建物は使用していないと傷みがものすごく激しくて、いい設備なのに、やはり子どもが入ったら危険性が高い状況であって、本当にもったいない、惜しいなと思いますけれども、この度休止したいという申請があったということです。皆様から質問等ございませんでしょうか。
〇委員
休止というのは、また今後再開する可能性があるということでしょうか、それとも、もう園自体がなくなるということでしょうか。
〇事務局
現時点では休止で、委員仰せのとおり再開の可能性と廃止の可能性、この2つに分かれていきますが、社会福祉法人日輪学園の方で、理事会に諮ってご検討され、大変悩んでおられます。
会長もご発言のとおり、施設がこの5年ほど保育園として使っておりませんので、大変老朽化しております。理事会が今後どういった判断をされるかで分かれてくると思います。
〇会長
よろしいでしょうか。
〇委員
はい。
〇会長
願わくは再開してほしいところです。
これから少子化が高槻市だけでなく全国でますます進み、例えばもう神戸市は募集を行っておらず、小規模保育事業所は今後作らないという方向で動いています。
日輪保育園が施設としてどこまで維持できるのか見通しが立たないところかと思いますが、他にご質問ございませんか。
特にないようですので、それでは次の案件をお願いします。
〇事務局
それでは、認定こども園の配置数についてご報告をさせていただきます。保育幼稚園事業課でございます。
資料3をご覧ください。
本市では、就学前教育・保育をめぐる様々な課題があるなか、質の高い幼児教育・保育を将来にわたって維持していくため、平成28年9月に、「高槻市立就学前児童施設の在り方に関する基本方針」を策定しました。
この基本方針を具体化するため、現在の計画となる「第2次高槻市立認定こども園配置計画(令和3年度から7年度まで)」を策定し取り組んでおります。
この計画において、認定こども園配置数の基本的な考え方を検討するとしていたことから今般、市内の保育需要や公立幼稚園の入園児数の状況を踏まえた検討を行い、市立認定こども園の配置計画の全体像をお示ししております。
具体的な市内6つの区域ごとの市立施設の予定については下の表をご覧ください。
今後、まず令和7年度から、表の※印のついた公立幼稚園5園(阿武野、芥川、北清水、五百住、松原)において3年保育を実施した後、2歳児までの小規模保育事業所の卒園児の受入れ先を確保するため、順次、認定こども園化又は民営化を進めていくことを予定しています。
また、今回提示した考え方は、昨年12月の高槻市議会の福祉企業委員会協議会で報告を行っており、市ホームページのほか、窓口等でも掲示を行っております。
なお、認定こども園化及び民営化の具体的なスケジュールは、今後検討していくこととなりますが、次期「第3次高槻市立認定こども園配置計画」を前倒しして策定し、具体的なスケジュール等を決定する予定としています。
以上、「認定こども園配置数について」のご報告でございます。
よろしくお願いいたします。
〇会長
ありがとうございます。これから、ますます認定こども園化が進むのが明らかになってきています。さらに、こども家庭庁ができてから「こども基本法」や、「こども大綱」ができるなど、いろいろな動きがあるので、見通しを立てていくのが難しいところだと思いますが、高槻市版といいますか、高槻市の幼稚園・保育園の教育・保育のあり方をこれから見通して、進めていただけたらというふうに思っております。皆様の方から何かご意見等ありますでしょうか。
〇委員
順次、認定こども園化される予定の場所ですが、例えば、現在の既存の園舎を使われるとか、また新設されるとかそういう計画については、どのようにお考えですか。
〇会長
事務局、お願いいたします。
〇事務局
基本的に既存の園舎を改修しながら進めていくことを考えております。計画で予定している幼稚園、特に阿武野幼稚園は早い段階からトイレの洋式化が進んでいるなど、すぐに使える施設もありますが、認定こども園は給食を提供しなければならないところ、現在の高槻市立の幼稚園には給食提供等がございませんので、そういった設備を整備した上で、認定こども園化を進めていくことになります。
また、高槻市立幼稚園は基本的に2年保育しか行っていなかったのですが、先に3年保育を実現した上で、認定こども園化していくという基本的な考え方を示したものでございます。
〇会長
給食設備が必要な理由はわかりました。目指す認定こども園は幼保連携型ですか。幼稚園型ですか。
〇事務局
「高槻市立就学前児童施設の在り方に関する基本方針」の中で、幼保連携型認定こども園に集約していくという方針です。年齢の区分については、3歳以上としておりますので、0歳から5歳までの認定こども園と、3歳から5歳までの認定こども園、両方とも幼保連携型ということで、認可を行っていく予定としております。
〇会長
なるほど。そうすると例えば幼稚園が幼保連携型認定こども園になろうと思うと、給食設備だけではなく乳児保育のための設備も必要となると思うのですが、そのあたりはどのようにお考えですか。
〇事務局
認定こども園の要件が必ずしも0歳から2歳までの保育を必須要件としておりませんので、高槻市立三箇牧認定こども園につきましては、3歳から5歳までの幼保連携型認定こども園という形で、保育需要を踏まえた上で、認定こども園の活動を行っています。
〇会長
なるほど。既存の形に基づいて、移行しやすい方向性で認定こども園化していくという理解でよろしいでしょうか。
〇事務局
はい。あともう一点、先ほど委員からご質問がありましたように、2歳までの保育施設の卒園児を受け入れていくということについて、0歳から2歳までの受け入れがない今までの幼稚園を認定こども園化していくことで3歳の受け皿にしていくという方針で整備を考えております。
〇会長
とても重要な視点ですね、ありがとうございました。
他にいかがでしょうか。
〇委員
給食棟は全ての設備に付くということでしょうか。今、三箇牧認定こども園は、小学校の給食を認定こども園用にして運んでいると聞いておりますけれども、そのあたりはいかがですか。
〇会長
事務局、お願いいたします。
〇事務局
認定こども園化に当たっては原則給食設備を整備していく考えですが、敷地内に給食棟を作る、保育室の一部を給食室に改修する、あるいは、今、委員がおっしゃったような小学校の給食設備を活用するなど、それぞれの園においてどれが一番いい方策なのか、それぞれの施設に合ったスタイルで、今後整備していきたいと考えております。
〇会長
たしか、給食は運び込みでも良くて、自園で作らなくてもいいのですよね。
他にいかがでしょうか。
〇委員
この統廃合で認定こども園になるところがいくつかあると思うのですが太書きで書いてある施設に統廃合すると考えてよろしいですか。例えば、郡家幼稚園と土室幼稚園と阿武野幼稚園を統廃合する場合は、今の阿武野幼稚園の所が施設となり、松原幼稚園と高槻幼稚園であれば、松原幼稚園の方になるということですか。
〇事務局
おっしゃるとおりです。
〇委員
わかりました。ただ、通園については国道を渡らないといけない場合があるなど、今後大変かなと思います。統廃合については、保護者の方はある程度ご存じなのでしょうか。
〇事務局
市民の方向けにホームページでお知らせしている他、入園されている保護者の方にも、個別でお伝えをさせていただいております。
〇委員
わかりました。
〇会長
これから本当に幼稚園、保育園、認定こども園は大きな動きがあるのだろうと思うのですが、おそらく時代の流れから言いますと、このように整備されていくことが求められると思います。
ですから、形態的には認定こども園化して、利用者の方にできるだけオープンにしていくという部分はそれでいいのですが、やはりもう一つは保育内容をどのように充実させるかということだと思います。3歳未満児と3歳以上児とでは保育を担う場所が違って、施設の状況によっては0歳から5歳までを預かるわけではない施設もあるとお聞きしますと、基本的に保育計画を、必ず0歳から5歳までの就学前まで通したものとするということをしなくて、基本3歳以降しか子どもが入ってこなければ3歳以降の形とするということになるだろうと思います。
高槻市内にいる0歳からの子ども達が、一定の基準の中での質のある保育が受けられるかということを、どこで担保していくのかというのが懸案事項かと、今お話を聞いて思いました。今回はハードウェアの部分ですけれども、高槻市の就学前カリキュラムですとか、教育・保育内容など、ソフトウェアの部分も今後ぜひ、園の方々との協力の中で、充実を図っていただきたいし、開園後に、その辺りもきちんと、監査の中で見ていただきたいと思います。
他にありませんでしょうか。
〇委員
認定こども園にしていくということで、幼稚園の施設自体を数少なく統合していくということかと思いますが、保育士の方など働く人の数や、あるいは正規職員、非正規職員の割合を踏まえた研修の体制など、そういうところは小学校も同様の状況ですが、なかなかマンパワーの面において正直難しいと感じることがあります。おそらく小学校と状況が似通っているのかなと思いますが、その辺りについて少しお聞きしたいです。
〇事務局
仰せのとおり、マンパワーの確保が非常に課題だと思っています。
これから、会長がおっしゃられたように質を担保していこうと思うと、やはり子ども何人に対して1人の先生が見るのかという点においても、子どもの数を減らすことはできないので、今、1歳と2歳が6対1で、6人の子どもに1人の保育士が付くのですが、それが、子どもが5人であったり4人であったりに1人の保育士ということになると、先生の数の確保が必要になり、その部分も確保が難しい状況です。
国においてもこども家庭庁が発足して、子どもの処遇についての方針が出されるのですが、現実問題としては、人材が確保できれば加算がつけられる、という制度でとどまっているような形で、今後、子どもたちの数も減るものの、働く人口も減っていく中で大きい課題であると思っています。
また新たな制度として、「こども誰でも通園制度」のように全国一律どこ行っても同じように預けられる制度ができる予定ですが、そこにもマンパワーが必要となりますので、どのように保育者を確保していくのかということについては、おそらく小学校の先生も同じ状況だと思いますが、今後、大きな課題になってくだろうと思っています。
〇会長
ありがとうございました。本当に大学についても少子化の中で、幼稚園や小学校の先生たちの輩出が少なくなっていますので、今のご質問はとても重要な視点かと思います。
〇委員
近くの認定こども園と交流をさせていただいているのですが、園ごとに、先生の人数の制限はあるでしょうか。
〇事務局
上限はないですが、何人以上はいないといけないという下限はあります。
〇委員
今、おっしゃられた子ども6人に対して先生1人ということですね。
〇事務局
おっしゃるとおりです。
〇委員
2、3か所の認定こども園と交流させていただいて、すごく手厚く先生がたくさんいらっしゃる園と、ちょっと少ないなと感じる園とが見受けられて、気になったのでお聞きしました。
〇事務局
おそらくですが、高槻市においては、保育所由来で認定こども園になられて1号認定の幼稚園児を何人か受け入れている園と、幼稚園由来で認定こども園になられている園とで、少し異なっていいます。例えば、幼稚園由来の園では保育教諭は教育課程の時間だけで、そのあとの預かり保育はまた別の先生が担当しているとか、あるいは、保護者ボランティアの方がたくさん来ておられるとかで、一目見られた時に、非常に多くのスタッフがおられるように見えるかと思います。
保育所由来の園は、元々朝の7時から夜の18時あるいは19時まで、11時間、12時間くらい開けている中で、1人当たりの労働時間は最大8時間ですので、シフトを組んで勤務をしています。その関係で幼稚園由来の園に比べると、一目見た時の人数が少なく感じることがあると思います。同じ認定こども園でも、幼稚園から認定こども園になられたところと、保育所から認定こども園になられたところと、そもそもの人の数が違うかもしれないと思っています。
〇会長
はい。ありがとうございました。
多分それは高槻市だけではなく他の自治体も同じで、やはり母体が何であったかによって職員の編制が、基準を満たす中で想像以上に異なってきます。どちらが良い、悪いはないと思います。
他にいかがでしょうか。
〇委員
幼稚園と保育の連携の中で、保育士さんと、幼稚園教諭との、認定こども園に向けての研修体制についてお聞きしたいです。
〇会長
事務局、お願いいたします。
〇事務局
研修機能を持つ高槻子ども未来館において、保育士、幼稚園教諭にかかわらず、また公立、民間を問わず充実した研修を日々行っているところです。
認定こども園化に当たりまして、保育士と幼稚園教諭がお互い研修で学び合い、協力し合って運営していかなければならないのですが、平成24年度から運営している桜台認定こども園のノウハウや経験等を踏まえ、さらに高めていくような形で、認定こども園化に向けて進めていきたいと考えております。
〇委員
概念的な話になりますが、認定こども園が誰のための施設なのかというところで、基本的に保育園はもともと親御さんが働くために、その間子どもを預かる所という親のための施設という意味合いが強くて、幼稚園というのは子どもが成長するために学んでいく施設となってくるのですが、今はライフスタイルもかなり多様化していて、保育園なども、生後2ヶ月、3ヶ月ぐらいから預ける親御さんとかもおられて、さらに働かなくても保育園に預ける誰でも通園制度という形も出てきている中、この認定こども園というのが、子どもたちが様々な経験をするための方に向いていくものなのか、それとも親御さんがその間仕事をして労働する親へのサポートという意味合いなのか、果たして両方あるかもわかりませんが、どちらをメインにするかで、例えばインフルエンザが流行ったときに、休園をするのかとか、いろいろな少々感染が広がってでも園のイベントをするのか、感染のリスクがあったらもうそれは全部中止して、預かる日を増やす方を重視するのかなど、意味合いが変わってくるのかなと思います。それはどのようにお考えなのかお聞かせください。
〇事務局
委員が仰せのとおり、今までは幼稚園と保育所の捉え方として、保育所は保護者のための施設、幼稚園は子どものための施設といった印象が付いているかもしれませんが、基本的には両方の施設が子どものためにあると我々は考えています。
そもそも、認定こども園は親の就労形態に関係なく利用できるのを特長としています。義務教育の小学校が親の就労形態に関係なしに行く場所である、ということと同様に、3歳以上については認定こども園に通えるといる考え方を持っているので、高槻市の認定こども園化については、親の就労形態に関係なく同じ施設に行ける、認定こども園で過ごしてもらうという考え方で、幼稚園は一部残りますが、保育所と幼稚園を認定こども園へ変えていくという考え方をしております。
〇会長
ありがとうございました。
今のは本当に本質的な質問で、歴史的な背景の中の定義ですね。ただ、今はその保護者の形態に合わせて、その施設も多様化させていこうという社会的なニーズの動きもありますがなかなか難しいところもあります。子どものために本当は機能しなければいけない施設ですが、親のライフスタイルや就労の状況に応じていく側面も色濃く出てきているのかなと思います。本当によく考えた運営をしていただきたいところです。
他にいかがでしょうか。特になければ、今後このような方向で、高槻市は運営されるということでよろしいでしょうか。
〇委員
はい。
〇会長
ありがとうございます。
これで、本日の案件はすべて終了いたしました。その他に事務局から何かございますか。
〇事務局
皆様、本日は活発なご議論ありがとうございました。今年度の児童福祉専門分科会の開催については今回が最後となります。皆様におかれましては、貴重なご意見等をいただきましてどうもありがとうございました。
〇会長
それでは本日はこれをもちまして、第2回高槻市社会福祉審議会児童福祉専門部会を終了させていただきます。ありがとうございました。