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令和5年第10回高槻市教育委員会定例会会議録

ページID:109396 更新日:2023年10月19日更新 印刷ページ表示

令和5年9月13日(水曜日)午後3時30分、令和5年第10回高槻市教育委員会定例会を教育委員会室に招集した。

 

出席者(5人)

樽井 弘三 教育長
浦野 真彦  委員
美濃  律  委員
岡本 華世  委員
松村 洋子  委員

出席した事務局職員の職、氏名

教育次長 佐藤 美恵
教育次長代理 前迫 宏司
教育次長代理 杉野 暁子
教育政策推進官兼教育政策課長 藤田 卓也
教育指導課長 小寺 基之
教職員課長 平井新一郎
教育センター所長 丸山みち子
教育指導課課長代理 西田 大世
教育センター所長代理 山本由紀子
教育指導課副主幹 直原 考志
教育指導課副主幹 中前 勝則
教育指導課副主幹 矢野 幸広
教育指導課副主幹 川口 隆志
教育センター副主幹 尾崎  元
教育センター副主幹 川端 清史
教育センター指導主事 北畑 謙一
教育センター指導主事 中島 道成
教育政策課主査 菊川 雅也
教育政策課 芦田 諒太

 

議事日程

日程第 1 報告第 6号 令和5年度全国学力・学習状況調査の概要及び結果について
日程第 2 報告第 7号 令和5年度大阪府「すくすくウォッチ」の概要及び結果について

 

 

(午後3時30分開会)

 

 

樽井弘三教育長
 ただいまから、令和5年第10回高槻市教育委員会定例会を開会いたします。
 なお、本日の本会議に傍聴の希望がございましたので、許可をいたしております。
 本日の会議の出席者は、5名でございます。なお、本日の会議の署名委員は、浦野委員 松村委員にお願いいたします。
樽井弘三教育長
 ここで、令和5年第8回定例会会議録の承認をお願いいたします。
 会議録につきましては、事前に委員の皆様方にご確認いただいております。原案のとおり承認してご異議ございませんか。

 

(異議なし)

 

樽井弘三教育長
 ご異議が無いようですので、会議録の承認につきましては、原案どおり承認されました。
樽井弘三教育長
 それでは、議事に入ります。
 日程第1、報告第6号、「令和5年度全国学力・学習状況調査の概要及び結果について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。

教育次長(佐藤美恵)                                (提案理由説明)
 ただ今上程されました、日程第1、報告第6号、令和5年度全国学力・学習状況調査の概要及び結果につきまして、提案理由をご説明申し上げます。
 今年度の「全国学力・学習状況調査」につきましては、小学校の第6学年、中学校の第3学年の全児童生徒を対象に、小学校は国語・算数、中学校は国語・数学・英語を4月18日に実施しました。英語は平成31年度以来、2度目の実施となります。
 「全国学力・学習状況調査」は、調査結果の公表の方法や内容等は、市町村教育委員会がそれぞれ判断して行うこととなっております。
 この点につきましては、平成20年9月の臨時教育委員会議及び、令和5年1月の教育委員会議においてご議論いただき、「学校別の結果を公表しないことを前提に、数値のみが『一人歩き』しないよう、公表の趣旨や目的等を十分に説明すること等、慎重な対応を行った上で、平均正答率も含めた公表を行う」という決定がなされております。
 これらの決定をふまえ、本調査の概要及び結果を、今後ホームページに掲載するとともに、年末に配布されます広報誌新年号の教育特集でも調査結果の概要等を公表する予定です。
 なお、結果等につきましては、教育センター所長より説明させていただきます。

教育センター所長(丸山みち子)
 
「全国学力・学習状況調査」について、説明させていただきます。概要及び結果をご覧ください。今回の本市の調査結果についてですが、配付しております資料、左、中段の表をご覧ください。
 本市の結果と対全国、対大阪府を示した表となっております。今年度は、すべての校種・教科において、全国を上回る結果となっております。
 続きまして、左下、学力調査の経年比較のグラフをご覧ください。
 本学力調査が開始されて以降、おおむね全国平均を上回って推移しております。この結果は、連携型小中一貫教育において、各中学校区で取り組んでいる授業改善や、本市がこれまで進めてきた様々な教育施策の成果であると考えております。
 右側の正答数分布と、領域等別正答率をご覧ください。
 良好な点につきましては「白四角」、課題につきましては「黒四角」で表記しています。
 国語に関しましては、学習指導要領の内容別の正答率が、小学校・中学校ともに、すべて全国平均を上回りました。
 小学校の課題として見られた問題は、目的や意図に応じ、話の内容を捉え、話し手の考えと比較しながら、自分の考えをまとめる問題です。この問題の正答率は、全国平均を下回りました。
 授業の中で、話し手の考えと自分の考えの共通点や相違点を整理し、考えをまとめる学習活動などを充実させる必要がございます。
 中学校では、二つの説明的な文章を比べて、共通する表現の効果を問う問題で課題が見られました。
 授業の中で、二つの文章を同一の観点で比較して特徴や工夫を見いだし、その効果を考える学習活動などが必要だと考えます。
 これらのような活動を、総合的な学習の時間を始め、各教科でも設定することで、考えをまとめたり、書いたりする力が身についていくと考えます。
 算数・数学に関しましては、学習指導要領の領域別の正答率が、小学校・中学校ともに、すべて全国平均を上回りましたが、次のような問題では課題が見られました。
 小学校では、解答の求め方と答えを、式や言葉を用いて記述できるかどうかを見る問題、中学校では、問われている課題に対して、複数のデータから理由を判断し、数学的な表現を用いて説明する問題です。
 今後の学習の指導にあたっては、答えや計算の仕方だけを説明するのではなく、考えた中で見つけた規則性を基に説明する場面を設定したり、問題から読み取ったデータの特徴を根拠としてよいかどうか、批判的に考察したりできるように、授業の中で指導していくことが必要だと考えます。
 その際、算数や数学の用語を用いながら、言葉で伝えたり、ノートに書いたりするなど、教科で学習した言葉を使いながら説明する取り組みを丁寧に行うことが必要だと考えます。
 英語に関しましては、平成31年度以来、2度目の実施となります。「話すこと」調査に関しましては、1人1台端末を用いたオンライン方式によって実施されました。
 「話すこと」調査につきましては、文部科学省が当日実施校として指定した一部の中学校の結果のみが公表されております。本市は当日の実施校はないため、グラフには反映されておりません。
 「書くこと」に関しましては、難易度が高いと思われる問題が多く、全国、大阪府、高槻市ともに正答率は低い結果となっております。
 その一方で、「書くこと」に関する問題は、高槻市は全国に比べると無解答率が低く、解答類型からも、最後まで書くことに粘り強く取り組んでいた生徒が多くいることが伺えます。
 今後も、授業の中で自分の考えなどを話したり書いたりして表現するなど、どの授業においても言語活動を充実させることが必要だと考えております。
 資料の裏面をご覧ください。児童生徒質問紙の結果を、第2期教育振興基本計画との関連で掲載したものです。
 左側中段をご覧ください。「学級の友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、広げたりできていると思いますか」という質問では、肯定的な意見が、小学校中学校ともに初めて80%を超え、子どもたちは仲間を大切にしながら学びに向かい、先生方が日々授業改善に取り組んでいる結果が表れていると考えています。
 続けて右上をご覧ください。昨年度課題として挙げました「学校の授業時間以外に、普段、1日あたりどのくらいの時間、勉強をしますか」という質問では、小学校で上昇が見られますが、全国平均と比較すると、小学校中学校ともに低い値となっており、引き続き課題であると捉えています。
 その左の質問となりますが、「家で、自分で計画を立てて勉強をしていますか」という質問も、小学校・中学校ともに全国を下回っていることから、学校において、学習計画の立て方などを具体的に指導する場面を設けるなどして、児童生徒が家庭での学習の意義を感じ、学習の定着に繋がるよう研究を進めてまいります。
 教育委員会事務局におきましては、全国学力・学習状況調査の結果の公表を受けて、様々な視点からの分析を行い、調査の結果分析と、改善方策に係る、教員対象の研修を実施予定です。
 全国学力・学習状況調査をどのように分析し、その結果をどのように指導改善に活かすか、つまずきの見られる子どもへの指導や支援の視点について伝達する内容となっております。
 その後、それぞれの校種・教科ごとの研修も予定しています。
 以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくお願いいたします。

樽井弘三教育長
 ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。

岡本華世委員
 算数・数学において、図形の理解が深まっているようですが中学校は断トツだと思います。どのような設問内容か教えてください。

教育センター所長(丸山みち子)
 
中学校の図形に関する問題は全部で3問あり、そのうち2問は証明の問題でした。
 1問は、「空間における平面が一つに決まる場合について正しいものを選びなさい。」という問題で、「1つの直線状にない3点を含む平面は1つに決まる」という問題でした。
 証明の2問は決して正答率が高い問題ではなく、かつ無解答率が高い問題となっていました。ただし、高槻市の生徒は全国と比較すると正答率が高かったため、レーダーチャート上では高く見えるということです。

樽井弘三教育長
 
他に何かございませんでしょうか。

美濃律委員
 中学校の数学と英語のグラフで、特に英語の3問・4問あたりがピークで、小学校の各教科や中学校国語のグラフの形と比べると、形が異なっていますが、何か分かることがありますか。
 それと、グラフによっての縦の目盛りが異なる理由も教えてください。

教育センター所長(丸山みち子)
 
英語に関しては非常に問題が難しかったのではないかと考えております。英語の平均正答率は高槻市が51%、全国で45.6%となっております。そのため、ピークが全国で4問に来ていると考えております。高槻市は、右側11問以上の棒グラフが全国より高く上位層が多い傾向があり、平均正答率も全国より高くなっています。
 目盛りについては、見やすくするために今回このような形にしております。中学校国語が16%と一番高い値になっているのは、問13の高槻の棒グラフが16%近くあり、このグラフに合わせると中学校数学は、より低い見え方となるので、目盛りは調整させていただいております。
 なお、目盛りは毎年調整しております。

樽井弘三教育長
 
他に何かございませんでしょうか。

浦野真彦委員
 英語において、高槻市は「書くこと」の成績が全国に比べてかなり高くなっていますが、授業では「書くこと」に力を入れているのか。あるいは何か工夫をしているのでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
 
学習指導要領では英語の4技能5領域をバランスよく育成することが求められています。また、教科書の構成も、「聞くこと」を通して理解したことを、「話すこと」の練習で技能として身に付け、「読むこと」「書くこと」につなげていくような授業を行っています。「書くこと」だけに力を入れているわけではなく、小学校からの積み重ねも含めて、英語の音声でのやりとりを通して、理解した表現を活用し、読んだり書いたりしながら、正確性を高めることができていると考えています。ですが、全体的に厳しい正答率となっております。

樽井弘三教育長
 
「書くこと」の具体的な設問はどのようなものがありますか。

教育センター所長(丸山みち子)
 
例えば、「ロボットについて書かれた英文を読み、聞き手の意見に対する自分の考えとその理由を英語で書く」問題や、「与えられた語を適切な形に変える」や「不足している語を補って会話が成り立つような英文完成させる」や「メールの英文を依頼する表現に変える」などございます。一番正答率が低かった問題は、「学校生活の中から紹介したいものを一つ取り上げ、それを説明する文章を25単語以上で書きなさい。」というものでした。

樽井弘三教育長
 
他に何かございませんでしょうか。

松村洋子委員
 国語の小学校と中学校を比べると、中学校の方が全国平均を上回っている領域が多いですが、「話すこと・聞くこと」については全国とあまり差がない理由はありますか。

教育センター所長(丸山みち子)
 
中学校の「話すこと・聞くこと」は全3問あり、全て全国平均を上回っております。平均正答率は、高槻市83.2%、全国82.2%でした。高槻市と全国の正答率の差が小さいため、レーダーチャート上は差が小さく見えています。

松村洋子委員
 他の項目は平均正答率が低かったということでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
 
他の領域については、「書くこと」「読むこと」がございますが、「書くこと」は高槻市67.2%、全国63.2%、「読むこと」は高槻市66.8%、全国63.7%ということで約6割の正答率になっており、「話すこと・聞くこと」については、正答率が高く全国も高槻も8割程度ありました。「書くこと」「読むこと」は全国より高槻のほうが良い成績だったことが表れています。

樽井弘三教育長
 
他に何かございませんでしょうか。

浦野真彦委員
 「将来の夢や目標を持っていますか」という質問ですが、小学校に比べて中学校が低いことをどのように分析していますか。

教育センター所長(丸山みち子)
 
将来の夢や目標を持っているという項目が、小学校より中学校が低いことに関しましては、全国も大阪府も同様の傾向が見られます。
 小学校で行うすくすくウォッチのアンケートでも同様の質問がございました。すくすくウォッチでは、「将来の夢や目標を持っていますか」という質問において、小学校5年生から6年生にかけて、肯定的な回答は減少している結果が見られます。
 このことから、原因までは分かりませんが、小学校高学年から中学校にかけては、学年が上がるにつれ、将来の夢や目標を持っている児童生徒が少なくなっている傾向がございます。
 一方、全国学力・学習状況調査において学校が回答する「学校質問紙」の項目に、『調査対象学年の生徒に対して、前年度までに、将来就きたい仕事や夢について考えさせる指導をしましたか』という項目がございます。肯定的に回答した学校は、小学校では82.9%、中学校では2年連続100%となっており、中学校でもキャリア教育を充実させる中で、職場体験や進路指導など、多くの場面で将来について考える機会を取り入れているところでございます。
 将来の予測が難しい社会ではありますが、学んだことを振り返りながら、将来に向けて夢や希望をもち、よりよい生活や社会をつくり出そうとする態度を育成することが必要だと考えます。

樽井弘三教育長
 
他に何かございませんでしょうか。

美濃律委員
 学習状況調査の本年度の主な調査項目で「ICTを活用した学習状況」がありますが、どのような調査内容であったか教えてください。
 また、ICTは注目される内容ですが、調査結果を表に出さない理由はありますか。

教育センター所長(丸山みち子)
 
児童生徒質問紙調査は、「1・2年生の時、もしくは5年生までに受けた授業でPC・タブレットなどICT機器をどのように活用していますか」、「授業の学習の中でPC・タブレットなどICT機器を使うのは勉強の役に立つと思いますか」、「学校の友達と意見を交換する場面でPC・タブレットなどICT機器をどの程度使っていますか」、「学校で自分の考えをまとめて発表する場面でPC・タブレットなどICT機器をどの程度使っていますか」という質問でした。
 回答は5つの選択肢から選ぶもので、「ほぼ毎日」「週3日以上」「週1回以上」「月1回以上」「月1回未満」となっております。
 学校質問紙調査においても、「ICT機器をどのような場面で使っていますか」というような、ICTを活用した学習状況に関する質問がございます。例えば、「プロジェクターをどの程度使いましたか」や「コンピューターなどのICT機器の使い方を学ぶために必要な研修会はありますか」といった質問がございました。
 「ICTを活用した学習状況」がこの学習状況調査の結果の中に出てこない理由については、教育振興基本計画の施策に合わせた項目を例年出させていただいており、また経年を見ていただくために、今年度は表に出していないところでございますが、また検討していきたいと思っております。

樽井弘三教育長
 
他に何かございませんでしょうか。

岡本華世委員
 アンケートの「地域や社会をよくするために何かしてみたいと思う」という項目は、結果が大きく向上していますが、この結果をどのように捉えていますか。

教育センター所長(丸山みち子)
 
この項目は昨年度と問い方が変更されています。昨年度までは「地域や社会をよくするために何をすべきか考えることがある」でしたが、今年度は「何かしてみたいと思う」という問い方でした。
 この変更によって、子どもたちの捉え方が大きく変わったことが、原因の1つだと考えております。これは高槻・大阪府・全国全て同じ傾向です。
 今回のアンケートから、普段から児童生徒の多くは、「地域や社会のために何かしてみたい」という意欲的な思いを持っていることが分かります。
 現在高槻市の小中学校でも、総合的な学習の時間などを中心に、地域の方と関わる場面を設定し、教育活動を充実させている例は多く見られます。子どもたちが持っている地域や社会に貢献したいという気持ちを発揮させるためにも、引き続き家庭や地域社会との共通理解を深めながら、教育課程の編成を行っていく必要があると考えます。

樽井弘三教育長
 
他に何かございませんでしょうか。

松村洋子委員
 先ほどの質問で、昨年度と問い方が変わったということですが、これは他の項目と比べて肯定的な意見が少ないために、表現を変えられたのでしょうか。表現が変わった経緯が分かれば教えてください。

教育センター所長(丸山みち子)
 
経緯は把握しておりませんが、「何をすべきか考えることがありますか」は答えにくい質問という印象を受けていました。より子どもたちが考えやすい言葉に変化したのではないかと憶測でありますが考えております。

松村洋子委員
 資料左側の「かんがえる力」にある「学級の友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、広げたりできていると思いますか」でも平成29年度から平成30年度でも非常に数値が上がっているようですが、他の項目でもそういった表現が変わることはあるのでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
 
把握しておりませんので、調べた上で回答させていただきます。

樽井弘三教育長
 
これだけ急に数値が上がるのは何か理由があるのでしょうね。質問の仕方だけでなく、コロナなど社会背景上もあると思います。
 地域社会のことについて、何かしてみたいということはすごく大事なことだと思います。何をすべきか考えることはあっても、何もしたくない子はいるかもしれませんので、何かしてみたいという質問の方がいいと思います。

樽井弘三教育長
 
他に何かございませんでしょうか。

美濃律委員
 資料左上の「朝食を毎日食べていますか」のグラフで、中学校の数値が少しずつ下がっていて心配なのですが、このことで何か考えておられることはありますか。

教育センター所長(丸山みち子)
 
朝食に関する調査は、「令和4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」からも、「毎日食べる」と回答した児童生徒が、小学校男子を除いて減少したという結果が出ています。
 原因までは分かっておりませんが、学校において、体育科における望ましい生活習慣の育成や、家庭科における食生活に関する指導、特別活動における給食の時間を中心とした指導などを相互に関連させながら、学校教育全体で、食育等に効果的に取り組むことが重要だと考えています。

樽井弘三教育長
 
他に何かございませんでしょうか。

樽井弘三教育長
 
では、私の方から全体を見ての感想と共有のための確認をしておきます。
 まず、学力調査右側のグラフで高槻市は小学校から中学校にかけて、全国と比べると大きく伸びていて、効果が表れているというのが率直な感想です。
 レーダーチャートを見ると小学校国語はどの内容も全国と同じですが、中学校国語は全国と比べると大幅に高槻市の方が好結果になっています。
 特に、中学校の「書くこと」は小学校と比べて効果が上がっていると思っています。
 算数・数学を見ても、小学校の図形は全国より若干高いですが、中学校の図面は群を抜いて高くなっているのと、全体的にも全国と比較して高くなっていますね。
 英語については、小学校が無いので比較できないですけれども、先ほどの提案理由説明の後の教育センター所長の説明にもありましたが、高槻がこの間やってきた義務教育9年間の括りの中で学習指導を展開していくことの成果の表れであると言えると思います。もう少し検証は必要だと思いますが。
 これだけ小学校と中学校を比べて変化がある市町村はそんなに多くないのではないかと思います。逆に中学校で下がっていくこともあるので、そういう意味では、義務教育学校を目指していますが、今後も推進していかなければいけないと思っています。
 ここからは質問も含めてですが、「全国学力・学習状況調査」は平成19年から実施していて、高槻市が二学期制を全面実施したのと同時期です。そして平成28年には小中一貫教育を全面実施しました。
 このような制度や枠組みの変化の中でこの調査は続いてきたので、そのことが、子どもたちの学力や学習状況にどの様に影響しているのかを捉えることができると思っています。
 この調査の一番の手柄は、子どもが育っている家庭の社会経済的背景や文化的背景が明らかに学力形成と相関関係にあるということが数値で分かることです。このことは教育関係者であれば経験的に分かっていましたが、エビデンスを伴って明らかになりました。
 なぜ、手柄というかと言いますと、やるべきことがはっきりとしたからです。学校教育関係者は家庭のことに介入はできないので、この16年間、学習状況調査はあまり変わらないですが、学力調査の結果は変わります。学校教育でやるべき一番のことは、授業をしっかりと行い、子どもたちが分かる授業やもっと分かりたいという学びに向かう力を起動する授業をしないといけないということです。
 我々がすべきことは、子どもが置かれている様々な家庭的な背景を超えさせる学校教育、そのための授業を展開していく力を先生方につけていかないといけないことです。
 そこで、確認のため質問します。
 この学習状況調査は膨大な調査の中の一つで、先ほど美濃委員からICTの調査結果が入っていないと質問があり、これは重点施策の一つでもあるので、そこも考えていく必要があると思います。現状は「た・か・つ・き」で絞っていますが、5つの重点取組に関わって見るというのも方法かもしれません。
 質問は、この学習状況調査から今年度分かった家庭の社会経済的背景や文化的背景を考慮して、どういったことが学力形成と最も相関が高いのか共有しておきたい。
 もう一つは、学力調査の結果に基づいて、今後教育センターはどんな研修をしようとしているのか、対象は誰なのか、各学校に研修だけでなくどのように指導助言していくのかを共有したいと思います。

教育センター所長(丸山みち子)
 
学力形成と最も相関のある項目は、「家にある本の冊数」です。家にある本の冊数が多いほど、教科の平均正答率が高い傾向にあることは今までにも言われてきましたが、今回の調査でも確認できました。「読書が好き」についても平均正答率が高い傾向がございます。過去の分析で、子どもとの日常会話において、普段の出来事に関する会話については社会経済的背景に差は無いとされていますが、例えば、「読んだ本の感想を話し合ったりしている」傾向は、社会経済的背景が高くなるにつれて強まる傾向があり、また、活字文化に親しませるような家庭の働きかけも、社会経済的な背景により差があるとされています。学校文化と親和性の高い保護者の子どもたちの関わり方は、子どもたちの学業成績を押し上げる効果を発揮しているように思われるとありました。
 家庭への働きかけは難しいところではございますが、授業について、教育センターとしては、全国学力学習状況調査結果分析を踏まえながら、子どもたちに力をつける授業づくりというものを進めていきたいと考えております。
 研修については、全国学力学習状況調査に関しましては、まず各校の研究担当者等に向けて、調査の趣旨や高槻市の結果、授業改善に活かす分析の視点等について、オンライン研修を行います。その後、教科別に集合研修を行い、小学校は6年生の担任、中学校はそれぞれの教科の担当者に向けて、各教科で見られる課題や、分析のプロセスについて研修を行います。これらの研修を踏まえ、各校は分析を実施し、授業改善に活かすとともに、結果報告書を教育センターに提出していただくこととなっております。
 また、高槻市の課題として捉えた内容につきましては、次年度の教育センター研修でも、教科研修において重点的に扱い、各教科等の指導の在り方を考えるなど、指導の改善につながる研修を計画します。
 例えば令和4年度の、全国学力・学習状況調査等の結果を踏まえ、国語科における「漢字指導」に関する研修を計画いたしました。
 次年度も今年度の課題を踏まえた研修を計画していきたいと考えております。あわせて、教育センター指導主事が、各校の校内研修に参加し、授業を参観したうえで、全国学力・学習状況調査の結果を踏まえつつ、授業改善につながるよう指導助言等を行っております。

樽井弘三教育長
 
今の話を聞いても、文字・活字に子どもたちがどれだけ親和性を持つことができるかが学力を左右する大きな要素になると思います。
 今回の問題文を少し見ましたが、いくつかの情報がどう相違しているのか、あるいはどう類似しているのかを読み取る力が難しいですね。インターネットの時代で情報はすぐ手に入りますが、基本は活字になるので、活字にどう親しませるのかが根本にあり、そういった視点も踏まえた研修が必要です。学校教育でしか子どもの現状を超えさせることは難しい部分が多く、我々の仕事だと思うので、そういったことを踏まえた研修をお願いしたいと思っております。
樽井弘三教育長
 
他に何かございませんでしょうか。
 それでは、本件は報告案件でございますので、これをもって終了いたします。
 続きまして、日程第2、報告第7号、

「令和5年度大阪府「すくすくウォッチ」の概要及び結果について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。

教育次長(佐藤美恵)                                (提案理由説明)
 ただ今上程されました、日程第2、報告第7号、大阪府「すくすくウォッチ」の概要及び結果の報告につきまして、提案理由をご説明申し上げます。
 すくすくウォッチにつきましては、令和3年度より、子どもたち一人ひとりが自らの強みを知り、学びの基盤となる言語能力や読解力、情報活用能力等を向上させ、これからの社会を生き抜く力を着実につけることを目的に実施されています。
 対象は、小学校の第5学年及び第6学年。4月17日から4月25日の期間に実施しました。第5学年は国語、算数、理科と、教科横断型問題としてわくわく問題及びアンケートが実施され、第6学年は、理科とわくわく問題及びアンケートが実施されました。
 調査結果の公表の方法や内容等は、市町村教育委員会がそれぞれ判断して行うこととなっております。
 この点につきましては、令和2年10月の教育委員会議においてご議論いただき、「学校別の結果を公表しないことを前提に、数値のみが『一人歩き』しないよう、公表の趣旨や目的等を十分に説明すること等、慎重な対応を行った上で、平均正答率も含めた公表を行う」という決定がなされております。
 これらの決定をふまえ、本調査の概要及び結果を、今後ホームページに掲載する予定です。
 なお、結果等につきましては、教育センター所長より説明させていただきます。

教育センター所長(丸山みち子)
 
大阪府「すくすくウォッチ」について、説明させていただきます。概要及び結果をご覧ください。
 左中段の、教科別正答率をご覧ください。今年度の本市と大阪府の平均正答率を示した表となっております。
 今年度も、すべての教科において、大阪府平均を上回る結果となっております。教科ごとに、結果を申し上げます。
 国語は、正答率が70%を超える問題が、20問中15問あり、全体的に正答率が高い傾向が見られました。特に、「書くこと」における問題において、「文中の助詞を正しく使う」ことや、「文の中における主語と述語の関係に注意して、述語の部分を正しく書く」などの問題は、高い正答率となりました。
 算数では、すべての領域で大阪府平均を上回っています。しかし、図形を構成する要素や性質を理解して、問われたことに対して理由を説明する問題、他にも理由を言葉や式を使って説明する問題などで課題が見られました。
 理科に関しましては、昨年度実験の技能を問われる問題について低い正答率となっていましたが、引き続き今年度に関しましても、5年生では「虫めがねの正しい使い方」、6年生では「方位磁針の正しい使い方」について大阪府平均を下回るなど、課題が見られました。いずれの器具も、授業の中で実際に使う場面を設定するなど、実験器具を活用しながら、知識・技能を身に付けていくことが必要だと考えます。
 わくわく問題に関しましては、出題内容は教科横断的な問題で、文章や絵、図、表、グラフなどを読み取りながら、自分の考えを表現する力を問う問題でした。日本の年齢別人口の変化や、農業人口のうつり変わりのグラフなどから見えた課題を解決するために、どのようなロボットを作るといいのかを考える問題や、大阪府を訪れる方が困らないように、何をするところか伝えるピクトグラムを描く問題など、社会の様々な問題を自分のこととして捉え、できることを考える問題が出題されました。いずれの問題も大阪府平均を上回りましたが、どのようなロボットを作るといいのか記述する問題は、無解答率が高かったことから、論理的に思考して問題を発見・解決する力を、授業の中で育む必要があると考えます。
 最後に左下の児童アンケートの結果をご覧ください。こちらは「粘り強さ」や「ぶれない心」等、大阪府教育庁が設定した指標に基づき、児童一人ひとりの回答状況を表したレーダーチャートで、令和4年度と5年度の値を示したものです。令和5年度の5、6年生は、「共感する力」や「相手の理解」の項目が、昨年度より高い割合となっております。これは、「人が頑張っているのを見たり聞いたりすると、応援したくなる」という設問や「人の話を聞くときは、その人が言いたいことは何かを考えながら聞く」という設問などについて、肯定的に答えた結果が反映されています。
 教科の問題や、わくわく問題の結果だけでなく、このアンケートの内容も踏まえたうえで、子どもたち一人一人に「ウォッチシート」と呼ばれる結果が返却されます。そこには、結果から見られた強みが記載されており、子ども達が今後の目標を持ち、社会を生き抜く力を身に付けるためのアドバイスが記載されています。
 教育委員会事務局におきましては、「すくすくウォッチ」の結果の公表をうけて、様々な視点からの分析を行い、調査の結果分析と改善方策に係る教員対象の研修を実施予定です。全国学力・学習状況調査同様、分析結果を指導改善に活かしていきたいと思います。
 以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくお願いいたします。

樽井弘三教育長
 ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。

松村洋子委員
 算数は他の教科に比べると全体的に正答率が低い傾向が高槻市、大阪府共にありますが、課題点や正答率を上げる今後の工夫は考えておられますか。

教育センター所長(丸山みち子)
 
全国学力・学習状況調査でも見られた傾向ですが、記述式の問題に課題があると思われます。唯一、正答率が府平均を下回っていたのが、図形領域における記述式の問題でした。
 算数において、記述して説明するには、まず問題の意味を捉えていること、次に答えに行きつくまでの見通しがあること、最後に自分の思考過程を、算数の言葉を使い、他者がわかるように言葉にして書くこと、など多様な能力が求められます。
 これらの能力の育成には、思考・判断・表現の観点を充実させる授業改善が大切になります。学校の実態に応じて、児童が何に困っているのか明らかにしながら、児童が分かりやすく説明する力をつけることを念頭に、授業改善を進めることが必要だと思われます。

樽井弘三教育長
 
他に何かございませんでしょうか。

美濃律委員
 児童アンケートの円グラフで、「ぶれない心」と「落ち着き」がもう少し上昇してほしいと思いますが、令和4年度と令和5年度がほぼ同じですが、これについて何かお考えのことはありますか。

教育センター所長(丸山みち子)
 
このレーダーチャートの中身ですが、「目標に向かって頑張る力」、「人と関わる力」、「気持ちをコントロールする力」は非認知能力を可視化したものになります。非認知能力を可視化するのは大変難しく、解釈も同様に難しいと考えております。この値が高いと良い、低いと悪いという見かたでなく、高いと強みとなり、そこに注目するものです。
 今回は「ぶれない心」、「落ち着き」が下がっていますが、例えば「落ち着き」に関しましては、「自分の気持ちを態度や表情に出す」「つらい気持ちになることがあったときは態度や表情に出す」「自分に良いことがあった時その気持ちを態度に出さない」この3つの項目から一人ずつのポイントを出し、それを平均したものです。ポイントの計算式は我々も把握していないのですが、高いと基本強みなので、そこに注目していくものになります。子どもたちには文章記述で返却され、自分の強みが分かる前向きなものになっています。

樽井弘三教育長
 他に何かございませんでしょうか。

岡本華世委員
 「ぶれない心」ではどのようなアンケートになっているのか教えてください。

教育センター所長(丸山みち子)
 
「ぶれない心」は3つの問題で構成されています。
 1つ目は、終わるまでに何か月もかかる計画に、最後までずっと興味を持ち続けるのは難しい。
 2つ目は、新しいアイデアや計画を思いつくと、前のアイデアや計画から関心がなくなる。
 3つ目は、物事に対して夢中になっても、しばらくするとすぐに飽きてしまう。
 こういった問題となっております。

浦野真彦委員
 今の3つの問題は「粘り強さ」に合うような気がしますが、「粘り強さ」はどのような問題になりますか。

教育センター所長(丸山みち子)
 
「粘り強さ」に関する問題は3つございます。
 1つ目は、頑張り屋である。
 2つ目は、難しいことがあっても、諦めない。
 3つ目は、何事にも一生懸命努力する。
 以上の質問となっております。

浦野真彦委員
 「ぶれない心」と「粘り強さ」の問題を知ると、先ほどの学習状況調査の問題が変わると結果が急激に上がったように、問題によってずいぶん変わるので分析が難しいなと感じました。

樽井弘三教育長
 この問題は誰が作っていますか。

教育センター所長(丸山みち子)
 
また確認させていただきます。

樽井弘三教育長
 心理学者や社会学者が文言を考えて作っているのでしょうね。
 分析が難しいですね、高ければ良いとも言えず、中庸が良いような気がします。
樽井弘三教育長
 他に何かございませんでしょうか。
樽井弘三教育長
 学習や生活の状況・学校の取組に関する調査で教員対象のものはまだ紹介がされてないですが、担任の先生が対象で校長先生の検閲を経ていないと思います。そこで気になることも出てきていると思いますので、いくつか共有できるものがあればお願いします。

教育センター所長(丸山みち子)
 
気になることは、同僚性等を問う問題でございます。
 例えば、「職員室には前向きな雰囲気がある」「しんどい時には弱音を言える雰囲気がある」といった先生方同士の関係性を問う問題がございます。
 8割から9割は肯定的には回答がありますが、「強くそう思う」と回答した割合は令和4年度から令和5年度にかけて下がっている状態です。
 良いところは、「授業の板書計画を立てていますか」という問いで、大阪府は強い肯定が下がってきていますが、高槻市は逆に令和4年度から令和5年度にかけて上昇している傾向があり、大阪府と違った動きを確認しています。
 課題としましては、「テレビや新聞でニュースを見ている」「本をよく読んでいる」という先生方の資質を問うような問題に関して、高槻市も大阪府も割合が低くなっています。特に大阪府よりも高槻市のほうが低くなっています。

樽井弘三教育長
 その辺もこれから分析し、経年で見ていく必要があります。先生もずいぶん入れ替わっていますので、しっかり教材研究をして板書計画を立てるオーソドックスなところがどうなっていくのかと、先生同士の職員室での雰囲気や教科指導に関わっての会話があるのか、あるいは、ダメなことを注意できる自浄作用があるのか等もできるなら分析して、校長会等で返していただきたいと思います。
樽井弘三教育長
 他に何かございませんでしょうか。
 それでは、本件は報告案件でございますので、これをもって終了いたします。
 以上で、本日の日程がすべて終了いたしましたので、閉会といたします。

 

 

(午後4時41分閉会)