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石綿(アスベスト)の除去作業について
全ての建築物・工作物の解体・リフォーム(改造・補修)工事(以下、「解体等工事」)に係る石綿飛散漏えい防止対策として、大気汚染防止法や大阪府生活環境の保全等に関する条例(以下「府生環条例」という。)において、作業基準等の遵守が義務づけられています。
また、除去等(除去、囲い込み、封じ込め)を行う石綿の種類、作業の種類、規模により、解体等工事の発注者は、届出が必要となる場合があります。
なお、石綿の事前調査については、以下のページをご覧ください。
作業基準
元請業者または自主施工者は、石綿除去等作業の施工にあたり、次の事項を遵守する必要があります。
なお、作業基準は、届出が必要となる工事に該当するか否かに関わらず遵守する必要があります。
作業計画の作成
元請業者は石綿除去等作業の開始前に、次の事項を記載した作業計画を作成し、作業計画に基づき石綿の除去等作業を行う必要があります。
なお、作業計画書の作業工程については、以下「石綿を含む建材の種類及び作業ごとの措置内容」を満たすように作成してください。
作業計画の様式例
作業内容を示した看板の掲示
石綿の除去等作業を行う場合、元請業者は公衆の見やすい場所に作業内容を記したA3サイズ以上の掲示板を設ける必要があります。以下の様式例は、事前調査結果と作業内容を併記したものです。
事前調査結果・除去作業に関する現場掲示(石綿あり) (WORD:24KB)
事前調査結果・除去作業に関する現場掲示(石綿あり)(記入例) (PDF:226KB)
作業の実施状況の記録
元請業者や下請負人は、工事における施工の分担関係に応じて、石綿の除去等作業の実施状況を記録し、工事が終了するまでの間保存する必要があります。
作業が適切に行われていることの確認
元請業者は、下請負人が作成した記録により石綿の除去等作業が作業計画に基づき適切に行われていることを確認する必要があります。
作業が完了したことの確認
元請業者は、石綿の除去作業においては取り残しがないこと、囲い込み・封じ込め作業においては作業が適正に実施されていることを必要な知識を有する者に目視で確認させる必要があります。
必要な知識を有する者
・石綿含有建材調査者
・当工事に係る石綿作業主任者
※石綿含有建材調査者は工作物の確認はできません。また、一戸建て等石綿含有建材調査者については一戸建ての住宅、共同住宅の住戸の内部のみ確認できます。
石綿を含む建材の種類及び作業ごとの措置内容
石綿の除去等作業を実施する場合には、次の措置を行わなければなりません。これらの措置については、下請業者についても遵守義務があります。
吹付材・断熱材・保温材等(破砕等する場合)の措置
- 作業場を他の場所から隔離すること。作業場の出入口 に前室を設置すること。
- 作業場及び前室を負圧に保ち、排気にはJISZ8122に定めるHEPAフィルタを付けた集じん・排気装置を使用すること。
- 隔離後、特定建築材料を除去する初日の作業開始前に、集じん・排気装置が正常に稼働することを確認し、異常が認められた場合は、必要な措置を行うこと。
- 除去する日の作業開始前及び中断時に、作業場及び前室が負圧状況を確認し、異常が認められた場合は、必要な措置を行うこと。
- 除去する石綿を含む建材を薬液等により湿潤化すること。
- 隔離後、除去する初日の作業開始直後、作業開始後に集じん・排気装置の場所を変更した場合、HEPAフィルタを交換した場合その他必要がある場合に随時、排気口において、集じん・排気装置が正常に稼働することを確認し、異常が認められた場合は、直ちに作業を中止し、必要な措置を行うこと。
- 除去後、作業場の隔離を解く前に、除去部分に石綿飛散抑制のため薬液等を散布するとともに作業場内の清掃等の処理を行ったうえで、石綿の大気中へ排出、または飛散のおそれがないことを確認すること。
建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル【環境省ホームページ】吹付材等の除去作業<外部リンク>
断熱材・保温材等(そのまま取り外し破砕しない場合)の措置
- 石綿を含む建材の除去を行う部分の周辺を事前に養生すること。
- 除去する石綿を含む建材を薬液等により湿潤化すること。
- 除去後に養生を解く前に、除去した部分に石綿の飛散抑制のため薬液等を散布し、作業場内の清掃等の処理を行うこと。
吹付材・断熱材・保温材等(囲い込み・封じ込めする場合)の措置
- 吹付材・断熱材・保温材等(破砕等する場合)の措置を遵守すること。
- 石綿を含む建材の囲い込みまたは封じ込めを行う場合は、劣化状態及び下地との接着状態を確認し、劣化が大きい場合または下地との接着が不良な場合は、石綿を含む建材を除去すること。
仕上塗材の措置
- 石綿を含む建材を薬液等により湿潤化すること。
- 周辺を事前養生すること(電気グラインダーその他の電動工具を用いる場合)
- 石綿を含む建材の除去後、作業場内を清掃すること。養生を行った場合は、養生を解く前に、清掃その他石綿の処理を行うこと。
- 建築物等の周囲に、建築物等の高さ以上の幕等を設置すること。(府生環条例)
建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル【環境省ホームページ】仕上塗材の除去作業<外部リンク>
成形板等の措置
- 石綿を含む建材を切断、破砕などを行うことなくそのまま建築物等から取り外すこと。
- そのまま取り外すことが技術的に困難なとき、改修工事で性質的に適しないときは、除去する石綿を含む建材を薬液等により湿潤化すること。
- 石綿を含む建材の除去後、作業場内を清掃すること。養生を行った場合は、養生を解く前に、清掃その他石綿の処理を行うこと
- ケイ酸カルシウム板一種をそのまま取り外さない場合はこれらに加えて、周辺を事前に隔離養生(負圧不要)すること。
- 建築物等の周囲に、建築物等の高さ以上の幕等を設置すること。(府生環条例)
- 除去後の石綿を含む建材を破砕しないこと。また、切断する場合は集じん装置を備えた切断機を使用すること。(府生環条例)
建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル【環境省ホームページ】成形板等の除去作業<外部リンク>
府生環条例のその他の作業基準
- 石綿の飛散を防止するために行う散水その他の措置により、石綿を含む水を作業場から排出する場合は、ろ過処理その他の適切な措置を行うこと。
大阪府生活環境の保全に関する条例に基づく作業基準 (PDF:116KB)
建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル【環境省ホームページ】<外部リンク>
届出
届出対象工事の「発注者」は、作業の開始(足場の設置、作業区画の隔離など石綿飛散防止のための作業を含む、一連の作業の開始)の14日前までに大気汚染防止法に基づく「特定粉じん排出等作業実施届出書」または府生環条例に基づく「特定粉じん排出等作業実施届出書」、「石綿濃度計画」の提出が必要です。
届出書に不備がある場合は受理ができず、工期の延長につながる可能性があるため、できる限り事前にご相談ください。
根拠法令 | 要件 | 届出書類 |
---|---|---|
大気汚染防止法 | 吹付材・断熱材・保温材等(レベル1、レベル2)の除去 ※1 | |
府生環条例 | 吹付材・断熱材・保温材等(レベル1、レベル2)の除去かつ除去面積50平方メートル以上 ※1 | |
府生環条例 | 仕上塗材、成形板等(レベル3建材)の除去面積が1,000平方メートル以上 ※2 |
※1 保温材等で直接石綿部分に触れず非石綿部での切断による除去する場合は、保温材の劣化状態によって届出の要否が異なりますので、環境政策課までお問い合わせください。
※2 成形板等が1,000平方メートル以上もしくは、仕上塗材が1,000平方メートル以上の場合に届出が必要です。成形板等500平方メートル+仕上塗材500平方メートル(合計1,000平方メートル)の場合は届出不要です。
届出書の記載方法、必要な書類については、以下のパンフレットをご覧ください。
(大阪府)アスベスト関係 届出のしおり (PDF:1.88MB)
大気汚染防止法に基づく届出事前チェックリスト (PDF:185KB)
府生環条例に基づく届出事前チェックリスト (PDF:160KB)
作業完了報告について
発注者への除去等作業の結果報告
解体等工事の元請業者は、作業結果に関する書面を作成して発注者に報告しなければなりません。なお、除去等作業が長期にわたる場合は、除去等作業の工区ごとなど適切な時期に報告することが望ましいとされています。
解体等工事の元請業者は、発注者に報告した書面の写しを作業結果の記録と合わせて特定粉じん排出等作業を伴う解体等工事の終了後3年間保存しなければなりません。
特定粉じん排出等作業完了報告書(発注者報告用) (WORD:26KB)
高槻市への除去等作業の結果報告
高槻市では、特定粉じん排出等作業が適正に実施されたかどうかを確認するため、大気汚染防止法第26条第1項、大阪府生活環境の保全等に関する条例第105条第3項に規定する報告徴収権に基づき、届出時や立入時に作業完了報告書の提出を求めることがあります。
事業者の皆さまのご理解をお願いいたします。
特定粉じん排出等作業完了報告書(高槻市報告用) (WORD:23KB)
発注者の皆さまへ
特定粉じん排出等作業を伴う解体等工事の発注者は、石綿飛散防止措置において、発注者として適切な役割を果たさなければなりません。
作業計画の十分な検討と適切な契約締結
建築物等の解体等工事に伴う石綿の飛散防止措置は、その作業を施工する者が実施することになりますが、施工者が行う措置の内容は契約条件に左右されると考えられます。このため、発注者は、元請業者と作業計画について十分に検討・調整し、作業基準の遵守の妨げとならない内容(施工方法や工期、工事費)で請負契約を締結するよう配慮してください。