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今から始めよう!デジタル終活
多くの方が利用しているスマホのアプリや動画配信サービスのサブスク(※)。
あなたは自分に「もしものこと」があったとき、家族がアカウント情報を知ることができるようにしていますか?
センターにも、亡くなった家族の契約を解約したいが、IDやパスワードが分からないので手続きできないというご相談が寄せられています。
スマホやパソコンを利用することが多い現代、「デジタル遺産」の管理も必要です。もしもの時、家族が困らないようにするため、元気な今からデジタル終活を始めましょう。
※サブスク:サブスクリプション(subscription)。定められた料金を、月単位や年単位などで定期的に料金を支払うコンテンツやサービス。
【国民生活センター】始めましょう! デジタル終活(PDF:235KB)
事例
- 【事例1】
- 亡くなった娘の口座から、毎月500円の引き落としがある。解約したいが契約先が分からない。
- 【事例2】
- 亡くなった夫のクレジットカードに毎月引き落としがある。カード会社に調査してもらったが、海外事業者なので詳しいことは分からないという。どうやって解約したらいいか。
アドバイス
サブスク契約は契約者が亡くなっても解約手続きをしない限り請求が続くため、残された家族が手続きを行う必要があります。
しかし、インターネット上の契約が増えている今、紙の契約書がなく、ログインしてマイアカウントページを見ないと契約内容が分からないことが多くあります。その場合スマホやパソコンのロックを解除する必要がありますが、故人のパスワードがわからないと、家族など第三者がロックを解除することは困難です。
故人のIDやパスワードが分からないと、戸籍謄本などをそろえて手続きをしなければならず、時間もかかります。さらに、契約先が外資系の場合は、問い合わせ先の電話番号やメールアドレスがなく、マイアカウントからしか手続きできないものもあります。その場合は、カードを廃止したり、銀行口座を閉じるといった対処方しかないこともあります。
元気な「今」からデジタル資産の管理を!
家族にトラブルを残さない4つの対策
国民生活センターでは、家族にトラブルを残さないため次の4つの対策をお勧めしています。
- スマホのパスワードを書いた紙を保管しておく
- 契約中のサービスのID・パスワードを整理しておく
- エンディングノートを活用する
- 自分が亡くなったあと、スマホのアカウントにアクセスできる人を指名しておく
【国民生活センター】今から考えてみませんか?デジタル終活_家族にトラブルをのこさないための対策4選 (PDF:547KB)
もしもの時、家族に伝えるパスワード
パスワードは、第三者に知られないよう適切に管理する必要があります。日頃から家族と共有する必要はありません。
もしもの時、家族がすぐ見つけられるよう財布に入れておくか、通帳などと一緒に保管しておきましょう。
【もしもの時のパスワードの伝え方】
- 名刺大の紙にパスワード等を記入し、パスワード部分に修正テープを2、3回重ね貼りしてマスキングして保管しておきます。
- 遺族が必要なときにコインなどで修正テープ部分を削ってパスワードを把握します。
- 誰かが修正テープ部分を削ってパスワードを見たことに気付いた場合は、すぐにパスワードを変更するなどして対処します。
- パスワードをそのまま書かず、家族にだけわかる合言葉(「パートナーの誕生日」など)を記載する方法もあります。
スマホのアカウントにアクセスできる人を事前に指名しましょう
スマホのソフトウェア提供事業者では、アカウントの保有者が亡くなった場合に、誰がそのアカウントの情報にアクセスできるようにするのかを設定できるサービスを提供しています。
事前に設定しておくことで、遺族が故人のアカウントにアクセスでき、デジタル遺品を確認しやすくなります。
- 【Apple】Apple ID の故人アカウント管理連絡先を追加する方法
- https://support.apple.com/ja-jp/102631<外部リンク>
- 【Google】故人のアカウントに関するリクエストを送信する
- https://support.google.com/accounts/troubleshooter/6357590?sjid=11592436427606265203-AP<外部リンク>
参考:国民生活センター「報道発表資料:今から考えておきたい「デジタル終活」-スマホの中の“見えない契約”で遺された家族が困らないために-」<外部リンク>