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怠る事実の違法確認等請求事件(住民訴訟)(土地建物使用貸借関係)

ページID:132708 更新日:2025年11月26日更新 印刷ページ表示

提訴日

令和6年6月28日

当事者

原告(控訴人)  市民A
被告(被控訴人) 高槻市長(担当課:アセットマネジメント推進室・公園課)

事案の概要

 原告は、B自治会が市の許可を得ず、市から借り受けている土地上に自動販売機1台及び防犯カメラ3台を設置したことは、自動販売機について土地建物使用貸借契約違反、防犯カメラについて都市公園法及び高槻市都市公園条例違反であるとして、市長が同自治会に対する土地建物の明渡請求をしないことが違法であることの確認並びに同土地建物の賃料相当額、自動販売機設置場所の貸付料相当額及び防犯カメラの使用料相当額の請求を求めて訴えを提起した。

争点

1 被告が本件土地建物の明渡請求をしないことが違法であるか

2 本市にB自治会に対する損害賠償請求権が発生しているか

訴訟の経過【未確定】

第一審判決(市の勝訴)

【判決日】令和7年3月27日

【判決の要旨】

1 普通地方公共団体の長が、この普通地方公共団体に属する財産の管理として、いかなる行為をするかまたはしないかは、地方自治法等に特に定めがある場合を除き、この普通地方公共団体の長の合理的な裁量に委ねられているものと解される。そうすると、解除権の行使及びこの財産の返還を求めることが違法となるのは、普通地方公共団体の長が上記解除権の行使及びこの財産の返還請求をしないことが、その財産管理上の裁量権の範囲を逸脱しまたはこれを濫用するものと評価される場合に限られるものと解することが相当である。認定事実によれば、被告が本件使用貸借契約の解除及び本件土地建物の明渡請求を怠っていることが、裁量権の判断を逸脱しまたはこれを濫用するものとして違法であるとは認められない。

2 本件土地建物の賃料相当額及び自動販売機設置場所の貸付料相当額については、本市とB自治会との本件使用貸借契約は解除されていないから、自治会は本件土地建物を無償で使用する権限を有していたといえる。また、防犯カメラの使用料相当額についても、防犯カメラの設置により被告に損害が発生したとは認められない。以上によれば、被告のB自治会に対する損害賠償請求権が発生しているとは認められない。

控訴審判決(市の一部敗訴)

【控訴日】令和7年4月4日

【判決日】令和7年9月18日

【判決の要旨】

 使用貸借において借主は、契約またはその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用及び収益をしなければならず、B自治会が本件土地上に本件自販機を設置して収益をあげることは、集会所以外に使用してはならないという用途に明確に違反しており、こうした契約違反という債務不履行に基づき、市はB自治会に対して損害賠償請求が可能であると解される。 

 市は、B自治会の行為によって、自動販売機設置のために貸与することで得られる収入を得ることができなくなり、B自治会が利益を得るに至っており、これが損害に該当すると認められ、被控訴人は、B自治会に対して同額の損害賠償請求を行うべき義務を負っていると認められる。

上告受理申立審理中

【申立日】令和7年9月30日