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植えてはいけない「けし」
ケシ(ソムニフェルム種)
特徴
花、果実
一重咲きの花は、花びら4枚で、色は赤、桃、紫、白などがあります。多数の花びらがついた八重咲きの花もあります。八重咲きの花は、「ぼたんげし」、または「ペオニ(フラワード)ポピーの名で園芸用に出回ることがありますので、注意が必要です。
花が終わると雌しべが発達してふくらみ、だ円または球形で、上部が平たい皿のような形をした大きな果実(長さ3センチメートルから7センチメートル、径3センチメートルから6センチメートル)になります。
葉、茎、つぼみ
葉、茎、つぼみなどの外観は、キャベツの葉のような白味を帯びた緑色をしています。葉、茎、つぼみの表面には、ほとんど毛がありませんが、つぼみの下の茎(花梗)や葉の裏の主脈(葉の中心にある一番太い葉脈)には、まばらに毛がつくことがあります。葉は互い違いに茎につき、上部の葉は柄がなく、その基部は茎を抱き込むような形をしています。葉の長さは10センチメートルから50センチメートル、幅は5センチメートルから20センチメートルです。この葉と茎の形がソムニフェルム種の特徴です。開花期の草丈は、100センチメートルから160センチメートルです。
アツミゲシ(セティゲルム種)
特徴
花
花びらが4枚で、色は薄紫や赤があり、ソムニフェルム種よりも小形です。アツミゲシは、比較的小柄でヒナゲシなどと間違えられることがありますので、注意が必要です。
葉、茎、つぼみ
葉、茎、つぼみなどの外観は緑色で、よく枝分かれ(分枝)します。ソムニフェルム種よりも毛が多く、つぼみの表面やつぼみの下の茎(花梗)は毛で覆われています。葉は互い違いに茎につき、上部の葉は柄がなく、その基部は茎を抱き込むような形をしています。葉の大きさはソムニフェルム種よりも小形です。セティゲルム種のつぼみの表面やつぼみの下の茎(花梗)は毛で覆われています。セティゲルム種の果実はソムニフェルム種よりも小形です。開花期の草丈は50センチメートルから100センチメートルです。
ハカマオニゲシ
特徴
花、果実
初夏に径10センチメートルの鮮やかな深紅の花が咲きます。花びらの数は4枚から6枚で基部に黒紫の鮮明な斑点があります。
果実は表面に毛がなく、青緑色です。
ハカマ(苞葉)
花びらのすぐ真下に4枚から6枚のハカマ(苞葉)があります。ハカマは、果実ができるときから、果実の下の茎(果梗)が枯れるまで残り、ハカマのように見えるため、名前の由来となっています。
葉、茎、つぼみ
茎や葉は全体が白く硬い毛で覆われています。葉は濃緑色で、鳥の羽のような形に深く切れ込んでいます。地面に近い部分の葉(根出葉)は密についており、長い柄(葉柄)があり、長さは柄を含め20センチメートルから25センチメートルです。草丈は60センチメートルから100センチメートルです。
つぼみは表面に硬く伏した(寝た)毛が多数ついています。
外観が似ている植えてもよいケシ「オニゲシ」
ハカマオニゲシとオニゲシは、外観が非常によく似ています。
ハカマオニゲシの「鮮やかな深紅の花の色」、「花びらの基部に存在する鮮明ではっきりした黒紫の斑点」、「つぼみの表面の伏した(寝た)硬い毛(オニゲシの毛は直立している傾向がある)」は、両種の植物を見分ける手がかりです。
ハカマオニゲシは、「オニゲシ」あるいは「オリエンタルポピー」の名で園芸用に出回ることがありますので、注意が必要です。
(写真提供:独立行政法人 医薬基盤研究所)