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コミュニティ防災の取組について
近年、気候変動等の影響により、全国各地で大規模な水害・土砂災害が頻発しています。災害発生時に行政(公助)は住民の生命・財産を保護するため、様々な活動を行いますが、行政の活動のみで災害は乗り越えられるものではなく、まず自分の命は自分で守るという「自助」と地域における助け合い「共助」が重要です。
コミュニティ防災
コミュニティ防災は、地区コミュニティ組織をはじめ、地区内に所在する様々な組織・団体が連携(下図参照)し、災害対応力の向上を目指した防災活動を展開することを指します。日頃から顔の見える関係を築いておくことで、いざという時に迅速かつ円滑に防災活動を行うことが期待されます。
市民防災シンポジウムの開催(令和元年9月)
今後の未曾有の災害に備え、市民団体、企業、教育機関や医療機関など、防災に係る関係団体(ステークホルダー)において、市民防災行動目標(下図参照)を明確化し、持続的な市民防災行動力の向上を図るため、市民防災シンポジウムを令和元年9月に開催しました。
「組織間の連携」から「地域での連携」へ
柳川地区をモデル地区としたワークショップを開催
ワークショップでの検討内容
ワークショップ参画機関
参加団体:
協力機関:国土交通省近畿地方整備局(近畿地整)、NPO法人環境防災総合政策研究機構
(CeMI)、高槻市
柳川地区コミュニティ防災ワークショップ
柳川地区コミュニティタイムラインについて
ワークショップを通してできたこと
- 柳川地区の災害リスクの共有
- 気象状況の悪化に応じて必要な行動の洗い出し
- コミュニティタイムラインのとりまとめ
【完成】柳川地区コミュニティタイムライン(淀川・安威川はん濫を想定) (PDF:295KB)
【今後の取組】
- 市全域大防災訓練(令和5年1月実施)に向けて、継続した取組を展開
⇒地区内での周知、訓練でタイムラインの実践 - 訓練想定:大型台風接近に伴う河川のはん濫⇒大規模風水害・土砂災害
<時間軸に沿った訓練>
準備期⇒警戒期⇒避難行動期⇒避難完了期
要援護者(避難行動要支援者)の支援について
ワークショップを通してできたこと
【成果】・避難支援のために、「必要なこと」「できること」「課題」の洗い出し
・他の組織、団体との意見交換による相互理解
【明らかとなった課題】
自ら避難することが困難な人が地区内に存在する
<例>浸水想定区域内の住宅における寝たきりの高齢者など
⇒安全な場所に避難できるようにするためには、具体的な支援方法を検討する必要がある。
要援護者支援に係る当面の目指すべき姿 (PDF:203KB)
【今後の取組】
要援護者が安全な場所に避難するための支援計画(個別避難計画)を対象者の同意を得て作成
※計画作成には関係者の協力が不可欠(地域住民・福祉サービス事業者等、ワークショップ参加者の協力)
⇒令和5年市全域大防災訓練を通して、支援計画(個別避難計画)に基づき避難支援訓練を実施予定
最後に
全5回のワークショップを通して、参加者は「水害時に地域から一人の犠牲者も出さない」ためにコミュニティタイムラインの策定及び要援護者支援について、真剣に議論しました。
その結果、「柳川地区コミュニティタイムライン」の作成に加え、課題となっている要援護者支援については、モデルケースを設定した上で、「必要なこと」「できること」「課題」を洗い出し、グループで共有しました。今後は、組織や立場を超え、横のつながりが継続することが大切です。
高槻市では、コミュニティ市民会議とともに、令和5年1月に「市制施行80周年記念事業 高槻市全域大防災訓練」を実施します。今回作成したコミュニティタイムラインの活用や要援護者支援も取り入れた実践的な訓練により更なる地域防災力の向上を目指します。