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心揺さぶる神秘的な音色

ページID:165940 更新日:2025年12月19日更新 印刷ページ表示

雅楽では、10種類以上の楽器が使われ、管楽器・絃楽器・打楽器に3分類されます。 波のようなリズムと、千年以上も変わらない神秘的で、自然を象徴する音色が、聴く人の心を揺さぶります。演奏の要となるのが笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛 (りゅうてき)の3種類の管楽器。一般的に「天・地・空」の小宇宙を表現しているともいわれ、それぞれの楽器の個性と一体感を織り成す演奏が雅楽の魅力といえます。 

管弦

笙【天から降り注ぐ声】

椀状の頭(かしら)の上に17本の竹管を組んだ管楽器。複数の竹管の穴を押さえ、同時に鳴らす。 邦管楽器の中で唯一、和音を奏で、柔らかで神秘的な音色が楽曲の奥行きを作ります。

笙【天から降り注ぐ声】

篳篥【大地に立つ人の声】

短い縦笛。音程を曲線的に変化させる塩梅(えんばい)という奏法が特徴。力強く豊かな音量、温かみのある音色が人の声に近く、豊かな表情を生み出します。

篳篥【大地に立つ人の声】

龍笛【空を翔ける龍の鳴き声】

広い音域を持つ横笛。ほとんどの雅楽曲は、龍笛の独奏から始まる。篳篥の奏でる主旋律を、細かい音の動きと広い音域で装飾します。 

龍笛【空を翔ける龍の鳴き声】

豆知識

鳴らない音が「野暮」の語源に

17本のうち、「也(ヤ)」と「毛(モウ)」 という名の竹管は音が出ない。音が出る形をしているのに、音を鳴らさない笙の特徴から「野暮」の言葉が生まれたという説も。

独特の奏法が語源に

塩梅は吹き方や唇の加減で、音程を揺らがせ、旋律を豊かにする特殊な奏法。この繊細な奏法が、調理などの「いい塩梅(あんばい)」の語源になったといわれています。

「千秋楽」も雅楽から

相撲や演劇の最終日を千秋楽と呼びます。もとは雅楽に千秋楽という曲があり、これが仏教の法要の最後に演奏されていたことで、興行の最終日が千秋楽と呼ばれるようになりました。