ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織でさがす > 総務部 > 法務ガバナンス室 > 情報公開国家賠償請求事件

本文

情報公開国家賠償請求事件

ページID:074630 更新日:2023年9月1日更新 印刷ページ表示

提訴日

令和3年12月20日

当事者

原告、被控訴人 市民A
被告、控訴人  高槻市(担当課:総務部法務ガバナンス室(職員対応))

事案の概要

 令和3年12月13日、市民Aは、「訴訟費用に関する申立てや請求についての方針の決定の内容及びその決定の検討の過程の内容が分かる文書(平成19年から令和3年度まで)」を対象文書として情報公開請求を行った。これに対し、市は、保有する「訴訟費用の申し立て(訴訟費用額確定申立書の提出)について」と題する文書を特定したうえで、その文書は別件訴訟(水道部訴訟費用事件)において、市が提出する予定の証拠であったことから、「公開することにより、本市の訴訟対応に支障を及ぼすおそれがあり、本市の当事者としての地位を不当に害するおそれがあるため」(情報公開条例第6条第1項第4号イ)に該当するものとして、非公開決定処分をした。なお、決定に際しては、「別件訴訟の終結後」をその文書の公開予定期日としており、実際、別件訴訟において、証拠として提出された後、直ちに、市民Aに公開している。
 市民Aは、非公開決定処分は違法であり、適時に適正かつ適式な開示決定を受けるという人格的な利益を侵害され、精神的苦痛を被ったとして、5万円の慰謝料及びこれに対する遅延損害金の支払いを求めて訴えを提起した。

争点

  1. 非公開決定の適法性及び国家賠償法上の適法性
  2. 損害発生の有無及び額

訴訟の経過

上告受理申立中

結果【未確定】

第一審判決(市の一部敗訴)

【判決の要旨】

  1. 本件非公開理由に該当するためには、支障が重大で、非公開とすることに合理性が認められる場合に限定され、「おそれ」の程度も法的保護に蓋然性が要求されものと解されるところ、被告の主張する「訴訟対応に支障を及ぼすおそれ」には具体性がなく、また、仮に具体の支障が生じたとしても、別件訴訟の審理において適切に反論・反証すれば足りるのであるから、「争訟に係る事務に関し、市の当事者としての地位を不当に害するおそれ」があったとはいえない。
    さらに、具体的な支障がないにもかかわらず、上記のおそれがあると判断したことにつき、相応の根拠や理由があったとはいえず、公務員が通常尽くすべき注意義務を尽くさなかった点において、国家賠償法上違法である。
  2. 本件非公開決定により、原告は、適時に適正かつ適切な公開決定を受ける人格的な利益を害され、精神的苦痛を被ったと認められる。もっとも、別件訴訟においてその文書が証拠として提出された後、直ちに公開していることから、慰謝料は2万円が相当である。

控訴審判決(市の一部敗訴)

【判決の要旨】

 第一審判決は相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却する。