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公文書部分公開決定処分取消請求事件(債権管理簿)

ページID:074482 更新日:2023年3月1日更新 印刷ページ表示

提訴日

令和3年4月19日

当事者

原告/被控訴人 市民A
​被告/控訴人  高槻市(担当課:都市創造部管理課)

事案の概要

 令和2年10月28日、市民Aは、「里道・水路の不法占拠に係る債権の内容が分かる文書等」を対象文書として情報公開請求を行った。これに対し、市は、保有する「債権管理簿等」を文書特定したうえで、占有者に係る情報について、(1)個人の法益侵害情報(情報公開条例第6条第1項第1号)、(2)公開することにより事務に支障が生じる情報(条例第6条第1項第4号)に該当するなどとして非公開としたところ、市民Aはこれを不服として、決定処分の取消を求めて訴えを提起した。

争点

  1. 本件非公開部分が条例6条1項1号本文に定める非公開情報に該当するか
  2. 本件非公開部分が条例6条1項4号に定める非公開情報に該当するか
  3. 本件非公開部分の部分公開義務の存否

結果【確定】

第一審判決(市の一部敗訴)

【判決の要旨】

  1. 本件債権管理簿の各「履行期限欄」、「時効欄」、「消し込み表欄」、「備考欄」の情報は、本件占有者ら個人の人格に密接に関連する情報等ではないし、公開したとしても、本件占有者らの名誉や信用を害するおそれはないことから、これらの情報は個人を識別することができる部分を除いても、なお公開することにより個人の権利利益を害するおそれがあるとはいえない(条例第6条第1項第1号の法益侵害情報に該当しない。)。
  2. 本件債権管理簿の各「履行期限欄」、「時効欄」、「消し込み表欄」の情報を公開することにより、本件占有者らに係る債権管理事務や占用適正化事務の適正な遂行について実質的な支障が生ずる蓋然性があるとは認められない(条例第6条第1項第4号の事務支障情報に該当しない。)
  3. 本件債権管理簿の各「履行期限欄」、「時効欄」、「消し込み表欄」の情報とその各情報を除いたその他の非公開情報とは容易且つ公開請求の趣旨を損なわない程度に分離でき、また氏名、生年月日などの個人識別情報に該当する部分を除いて公開したとしても個人の権利利益が害されるおそれはない。
  4. よって、市は、本件債権管理簿の各「履行期限欄」、「時効欄」、「消し込み表欄」について公開しなければならず、これを非公開とした点において、違法である。

控訴審(市の一部敗訴)

【判決の要旨】

  1. 本件債権管理簿に記載された情報が誰に関する情報かを請求者が知っているという特殊性があるとはいえ、請求者の属性や認識等によって違いをもたらす扱いは情報公開制度の趣旨に照らし相当でない。
  2. ​債権管理事務や占用適正化事務の適正な遂行は、相手方の協力が得られなくても法的処理が優先されるべき事項であり、相手方の協力が得られなくなる可能性があるからといって、業務支障情報か否かの判断に際し重視することはできない。

上告審(市の一部敗訴)

【決定の要旨】

本件申立ての理由によれば、本件は、民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。