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住民監査請求の手引き
住民監査請求とは
市長、委員会、委員または職員が違法または不当な財務会計上の行為、あるいはそれについて怠る事実があると認めるときは、監査委員に対し、損害を補てんするために必要な措置を講じることを求めます。請求が受理されると、監査委員は請求に基づき監査を行い、請求に理由があると認めるときは、必要な措置を講じるよう勧告することができます。
また、住民監査請求の結果等に不服がある場合、違法な財務会計上の行為または怠る事実に関して、裁判所に住民訴訟を提起することができます。住民訴訟は住民監査請求を経ることが要件となっています。出訴期間は監査結果の通知等があった日から30日以内となっています。
地方自治法242条に住民監査請求手続きとその内容が規定されています。
1 住民監査請求ができる者(請求権者)
請求権者は、高槻市内に住所を有する個人または法人です。
2 どのような請求が対象となるか(請求の対象)
(1)監査の対象となる者(監査対象者)
高槻市の長、委員会、委員又は職員が対象となります。
(2)監査の対象となる行為と事実(監査対象事項)
違法又は不当な次の事項が監査の対象となります。
ア 公金の支出
イ 財産の取得、管理、処分
ウ 契約の締結、履行
エ 債務その他の義務負担の諸行為
オ 公金の賦課、徴収を怠る事実
カ 財産の管理を怠る事実
監査請求の対象は個別的、具体的に特定されていなければなりません。
これらの行為がなされた後だけでなく、当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合も含まれます。
「違法」とは、法規に違反している場合であり、「不当」とは違法ではないが行政目的上適当でないことをいいます。
3 どのようなことをせよと請求することができるか(請求の内容)
住民が、地方公共団体の執行機関又は職員に、違法不当な行為又は事実があると認めたときは、次の一部又は全部の措置を講ずるよう請求することができます。
- 当該行為を事前に防止するために必要な措置 行為の差し止め又は停止する措置
- 当該行為を事後的に是正するための措置 契約の解除、原状回復、無効の確認、取り消しなどの措置
- 当該事実を改めるために必要な措置 課税処分、滞納処分、強制執行などの措置
- 当該行為若しくは怠る事実によって、当該地方公共団体のこうむった損害を補てんするための必要な措置 損害賠償、不当利得の返還などの措置
4 監査請求はどのような手続きでするのか(請求手続)
(1)請求期間
当該行為があった日、または終わった日(例えば財産の貸付期間の満了日)から1年を経過したときは請求できません。ただし、正当な理由があるときはこの限りではありません。
(2)請求方法
できる限り監査委員事務局まで直接持参してください(郵送も可)。
(3)請求書
ア 書式
住民監査請求は、その要旨を記載した書面をもって行います。かつ行為や事実を証明する事実証明書を添付しなければなりません。
イ 作成上注意すべきこと
だれがどのような行為をしたか、請求対象者及び請求事項の事実関係、違法又は不当である理由、必要な措置を具体的に記載します。
ウ 氏名は自署すること(連名でもよい)。
エ 添付する「事実を証する書面」により、単に財務会計上の行為の存在を明らかにするだけでは足りなく、違法性、不当性についても疎明(一応確からしいという推測を得させる程度の証明)することが必要です。実務上の事例で多いのは新聞記事です。その他公文書の写し等があります。
住民監査請求の請求様式(地方自治法施行令172条)
5 請求書提出以降の主な手続き
- 請求書の受付
- 請求書の要件審査
- 監査の実施
ア 請求人の陳述
イ 関係書類等の調査
ウ 関係職員等の事情聴取 - 監査委員の合議により監査結果の決定
ア 監査結果を請求人に通知し公表します。
イ 請求に理由があると認められる場合、市長等に勧告します。
ウ 勧告を行った場合には、後日市長等から監査委員に措置結果が通知されるので、監査委員は請求人に通知しこれを公表します。