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市立中学校美術室への空調設置に関連した一部報道に対する補足説明
高槻市教育委員会 高槻市
毎日放送(MBS)が令和5年4月10日17時35分頃から行った次のテレビ放送の内容が、市民・視聴者に誤認を与えるおそれがあるものであったため、以下のとおり説明を補足します。
個人情報保護などに配慮し可能な範囲で説明
放送内容は、全体として、市民・視聴者に誤認を与えるおそれがあるものでしたが、自治体としては、取材を受けている個人のプライバシーなどにも配慮する必要があるため、公開可能な情報の範囲で説明を補足します。
令和5年4月10日の放送の問題点
放送の内容
同放送においては、本市立中学校の元教諭のインタビューとして、次のような発言が取り上げられました。
「2階の美術室だけにはエアコンの配管が入っていない。ただ配管を1つ足せばいいだけ。改めて見るとやろうと思ったらいつでもできたことをやらずに、長い間暑い中で子どもたちを苦しめてしまった」
また、元教諭の執務の状況について、ナレーションやキャスターの説明として、次のような内容が放送されました。
「停職処分が明けると“追い出し部屋”行きとなった」「“追い出し部屋”へ出張命令が出た」
空調設置に関する取材への対応経過
本件については、MBSから事前に取材があり、本市教育委員会からは、次のような回答を行っています。
- 高槻市は、府内他自治体に先駆け、早い段階(平成16年度)で、全市立小中学校の普通教室、支援学級、職員室等への空調設備設置を完了していること
- その後、国の空調の設置に対応する臨時特例交付金を活用して、未設置の特別教室のうち、稼働率が高く、火気を使用する理科室への空調設備設置を全市立小中学校において進めたこと
- 現在、設置後15年以上が経過した約1200室の空調設備の更新と、未設置の特別教室約200室(小学校は図工室、家庭科室、ランチルーム。中学校は美術室、技術室、調理室、被服室。)の新設を行っていること
- 上記3の事業は、令和2年度から検討を進めてきたもので、設置完了時期は令和5年度末で、第二中学校の施工についてもこの期間内に終える予定であること
空調設置に関する放送の問題点
本件放送内容の構成は、上記の経過にも関わらず、回答済みの内容に一切触れず、「高槻市が容易に施工可能な空調整備を怠っている」という元教諭の主張のみを取り上げたものとなっていました。
また、空調設備の施工が「配管を1つ足すだけ」で完了するものでないことについては、容易に判断できる事柄であり、かつ、本市からの回答にもかかわらず、あたかも「容易に施工可能な事業である」かのような誤認を誘う、意図的な内容構成とされていました。
元教諭の勤務状況等に関する取材への対応経過
元教諭個人に関する取材については、「裁判手続きの中だからこそ公にすることが可能な情報もある」と説明し、「個人情報に関わるものもあるため、回答を控え、必要な事項については司法の場で明らかにしていきたい」と回答しました。これは、回答の拒否ではなく、正当な理由に基づき「回答することが適切でない」と説明したものです。
また、「自治体が公にできる情報の範囲は、個人情報の関係やその時々の状況(報道等により既に公になった後かどうか、当事者が公にしているかどうかなど)に応じて異なる」こと、「報道内容が客観、公平なものとなるよう、裁判手続き等に対する取材も終えられた後、報道内容を決定されることを期待する」ことについても、回答しました。
元教諭の勤務状況等に関する放送の問題点
“追い出し部屋”という言葉は、過去の報道等において「退職を強要するため、雇用者が被用者を勤務させる場所」という意味で使われてきた用語ですが、元教諭が勤務していた高槻市教育センターは、教職員の研修や教育に係る調査研究や教育相談などを行う施設です。元教諭に対する当該センターへの出張勤務も、その必要性等に基づく職務命令によるものであり、元教諭に対して退職を強要した事実はありません。
MBSは、この点について取材を尽くせていない状況の中、元教諭の発言ではなく報道機関の主張として、「“追い出し部屋”で働かされている」という趣旨の表現を用い、放送しました。このことは、報道機関による一方的な決めつけを事実であるかのように放送している点で、非常に問題です。
なお、放送で映されていた部屋は、美術作業が必要な場合に備えて用意した部屋です。そして、この作業部屋とは別に、元教諭には、同センターに勤務する他の職員らが用いる執務室にも席を用意していました。この作業部屋を用いるかどうかについては、元教諭が判断し、選択することができるようになっていたことを申し添えます。
今回の放送までの経緯
本件については、同社において、令和4年9月30日にも放送が行われています。その際も、放送内容が「市民、視聴者に誤認を与えるおそれがある」ものであったことから、ホームページにおいて補足説明を行った経過があります。
この経緯を踏まえ、今回の取材時には、次のように回答を行っています。参考として全文(個人名を除く)を掲載します。
本件に関する各報道機関での報道内容
本件については、MBSを含め、各報道機関がインターネット上に各社の記事を掲載されています。当ページを閲覧された方には、他の報道機関による報道内容も併せてご覧いただき、本件についてご理解をいただきますよう、お願いします。