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21.アインシュタインへの贈り物

ページID:089847 更新日:2022年11月22日更新 印刷ページ表示

ノーベル物理学賞受賞者のアインシュタインは、大正11(1922)年に来日して各地を回り、12月に大阪で講演しました。今年はその100周年です。
今回は、天才物理学者と高槻の子どもたちとのエピソードを紹介します。

イスラエル国立ヘブライ大学のアルベルト・アインシュタイン・アーカイブスには、高槻の子どもたちが昭和19(1944)年に描き、贈った絵が収められています。
この絵について、平成14(2002)年に発行された高槻小学校の創立130周年記念誌に、当時の関係者のインタビューが載っています。

絵を描いたのは高槻小学校・大塚分校(昭和43年廃止)の2・3年生でした。担任の先生はアインシュタインが好きで、よく学校で話を聞かせていたそうです。
そしてある日、誕生日に贈り物をしようという話になり、彼は日本が好きなので、日本らしい絵を描いて贈ることになりました。
当時は戦時中で物資が不足していたため、運動場の地面に棒で何度も下書きをしたうえで、画用紙にクレヨンで描きました。
着物を着た女性やひな人形を持つ女の子、富士山を背景に立つ女性などの絵でした。

しかし、当時アインシュタインは祖国ドイツを離れてアメリカに移住していたため、すぐに送ることはできず、彼の元に届いたのは、戦後の昭和24年でした。
すでに中学生になっていた子どもたちは、返事の手紙が来たと先生から聞き、驚いたそうです。

また、アインシュタイン・アーカイブスも、贈られた絵が戦時下の日本で描かれたとは信じられずにいたようです。
令和3年に日本でアインシュタインの特別展が開催されたのを機に、しろあと歴史館へ絵についての問い合わせがありました。
記念誌のインタビュー内容を伝えたところ、驚き、納得していました。

来日時に日本に魅せられ、大の親日家になったアインシュタイン。
高槻の子どもたちから贈られた絵を眺めて、目を細めたことでしょう。

kinenshi

高槻小学校の創立130周年記念誌

 

Einstein

来日時のアインシュタイン (「アインシュタイン伝」1947 年。国立国会図書館のウェブサイ トより。一部トリミング​。)​​​