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令和4年度第2回高槻市文化財保護審議会

ページID:087935 更新日:2023年3月6日更新 印刷ページ表示

1 会議の名称

令和4年度第2回高槻市文化財保護審議会

2 会議の開催状況

日時:令和5年2月14日(火曜日)  午前10時から午前12時00分
場所:高槻市総合センター 6階 C604会議室
出席委員:(五十音順)井口淳子委員、一瀬和夫委員、井上一稔委員、岩城卓二委員、登谷伸宏委員、福田英人委員  計6名

3 議題

  1. 令和5年度事業方針について
  2. 報告
  3. その他

4 審議内容

   開会に先立ち、部長から挨拶。出席された委員、並びに事務局の紹介。
   委員6名中6名出席につき、高槻市文化財保護審議会規則第3条第2項の規定により、本審議会が成立していることを報告。
   また傍聴希望者がないことを確認報告。

案件1

事務局より令和5年度事業方針について説明の上、以下の質疑応答後、了承された。

【委員】
  地域計画の経過観察はどのように行うのですか。また10年計画の途中で、計画の見直しは予定していますか。
【事務局】
  まず年度毎の実績については翌年度当初に実施状況を確認し、第1回保護審議会でご報告する予定です。また中間の5年目に計画の進み具合等を考慮し、計画の見直しを行う予定です。

【委員】
  史跡嶋上郡衙跡(しまがみぐんがあと)の買い上げ状況はどうですか。
【事務局】
  約4割の進捗率で、居住者がいる土地から優先して着手している状況です。

【委員】
  地域計画「保存と活用に関する措置一覧」中、「新規」となっているものは、来年度実施するのでしょうか。事業期間が「短期」となっているものは着手しないといけない。
【事務局】
  10年計画のため順次着手していく予定ですが、短期についてはご指摘のとおりです。

【委員】
  淀川三十石船船唄に関し、紙媒体では若い世代への訴求力がないので、SNSなどを利用したスピーディーな発信をしていって欲しい。
【事務局】
  実行委員会で検討いたします。

【委員】
  八女市(やめし)との連携は具体的には何をしますか。
【事務局】
  来年度は八女市の岩戸山歴史文化交流館、いわいの郷の開館10周年に関連して、何らかの連携・協力を予定しています。

【委員】
  高槻市の地域計画はよくできていると思います。この計画を活かしていくためには、つい行政からの文化財保護の視点によりがちですが、それだけではなく、市民の側から文化財に目を向けるようなベクトルの活動を行うことを忘れないでほしい。また、活用計画に時間と人手を取られるとは思いますが、調査研究を行っていく時間を十分に確保していくことも重要です。

【委員】
  小中高の学校には理科の実験器具とか、特に戦前からの学校には地域の文化財の寄贈など意外なものが眠っているので、一度調査してみてはどうでしょうか。
【事務局】
  創立150周年を迎える古い小学校などがあるので今後調査したいと思います。

【委員】
  地域計画で未指定文化財が取り上げられているが、今後の指定予定はどうですか。指定を増やしていくことで市民へのアピールにもなります。個人的には昼神車塚古墳(ひるがみくるまづかこふん)や弁天山古墳群出土品が良いのではと思います。出土品が旧島上高校の火災で変色したと聞いていますが、その経緯もまた現代史なので、それも含めて指定理由となりうるのではと考えます。

【委員】
  子どもが文化財に触れる機会を設けることは、将来文化財保護の気持ちを養う上で大事ですが、学校教育への働きかけはどうですか。
【事務局】
  両歴史館とも学校の校外学習に伴う見学は結構ございます。またしろあと歴史館では、中学生の職業体験学習から発展して、3日間学芸員の仕事を体験するという企画も行っています。その際は実際の展示品の解説をつける等を行ってもらっています。また小中高向けにバックヤードツアーも行っています。他には昨年は樫田小学校で実物の火縄銃や甲冑を持っていって出前授業を行いました。
【委員】
  高校の歴史教育が昔と変わっていて、古い時代がおざなりになっている。自分たちの時代と同じ感覚でいると抜け落ちがあるので、今の教育内容に合わせてカスタマイズをして下さい。

【委員】
  今城塚古墳の発掘調査報告書の進捗はどうですか。
【事務局】
  今年度は調査報告書に掲載する資料の総量を把握し、実測などの記録化作業を進めました。令和5年・6年度はトレース作業。令和7年度は校正及び原稿作成と編集作業。令和8年度に刊行の予定です。
【委員】
  高槻のハニワは形象埴輪が特徴的なので3Dデータ化を行ってはどうですか。
【事務局】
  3Dデータ化は順次進めているところです。今後どう活かすか検討します。
【委員】
  中世や近世での古墳の扱い状況はどうですか。古墳時代後から現代までの古墳についてというのも一つのテーマとして面白いと思います
【事務局】
  堀を近隣の村が農業用水のため池として使っていたので、古文書に水争いの記録が残っており、展示で紹介したことがあります。

【委員】
  今までの調査対象は前近代中心に見受けられますが、現在の歴史教育は近代化に比重が移っています。文化財行政の調査・保存対象をどの時代まで対象とするのかというのは一つの課題と認識しています。例えば近現代の住宅の変遷も歴史ですが、特に民家は失われていきます。こういった近現代歴史を後世にどう伝えていく考えですか。
【事務局】
  昭和の写真や、伝承の聞き取りなどを市民の方から集めています。
【委員】
  例えば近世・中世を調べるなら、寺社仏閣をあたるなどアプローチ先の目星がある程度つきます。一方で広範囲にわたる近現代の史料のどこを残せば未来に残せるのかというターゲットの選定も一つの課題です。
【委員】
  戦後建築も近年は評価されてきています。例えば登録文化財等にすることで、市民の関心を集めることができるので、近代、戦後の建物も選定候補にしていただけたらと思います。
【委員】
  高槻はどの時代も興味深いので、大変ですが頑張っていただければと思います。

【委員】
  高槻の鵜殿(うどの)のヨシは古来より篳篥(ひちりき)の材料として最高峰とされ、雅楽の保存の観点で重要です。宮中行事にも利用される歴史的にも文化的にも重要なものなので、大事に扱ってほしい。
【事務局】
  地域計画本編中、「関連文化財群 淀川」で取り上げています。
【委員】
  鵜殿のヨシを未指定文化財群の中に組み込んではどうですか。淀川は他市とも連携してテーマにしていけるのではないかと思います。

【委員】
  未指定文化財も市民が触れる機会を設けていただければと思います。確かに既存の指定文化財に偏るのは、私も他市の文化財保護行政をしていてわかりますが、そういう傾向は危険です。指定するにも時間がかかると思うので未指定を含め啓発していって欲しい。
【事務局】
  高槻市では「まちかど遺産」と名付けて市民から募集した文化財に案内板を設置し、冊子を作成しています。今は紙ベースなので、デジタル化が今後の課題となっています。ボランティアガイドによる案内なども行われています。
【委員】
  冊子に自分のコメントも書き込めるようにしても面白いと思います。
【委員】
  QRコードをつけて、スマホでデータを見られるようにしてもいいと思います。

【委員】
  岡本山A3号古墳や弁天山C1号古墳の出土遺物は保存処理や調査報告が刊行された後、市指定文化財に指定して欲しい。今の状況はどうですか。
【事務局】
  これらは出土してから年数も経っており、保存処理と合わせて再整理を進めているので、今後検討したいと思います。岡本山A3号墳は出土資料の再整理を実施し、報告書を刊行します。弁天山C1号墳は来年度保存処理を行います。

 

案件2

  事務局より芥川城跡の史跡指定、闘鶏山古墳(つげやまこふん)の石槨(せっかく)内画像調査、市指定文化財(建造物)の修繕について報告、以下の意見や質疑応答があった。

芥川城跡の史跡指定について

【委員】
  芥川城跡は三好長慶も注目を集めているし、戦国の山城の遺構というのも良い。今後目玉となっていくでしょう。

【委員】
  以前の「芥川山城跡」という名称が「芥川城跡」となったのは何故ですか。
【事務局】
  芥川城跡という別の城跡推定地が市内の芥川町付近に先にあったため、後発の三好山の城跡を区別して芥川山城跡としていました。今回総合調査を経て、文献史料に頻出する「芥川城」が三好山にある芥川山城跡であることが確認できたため、指定名称を「芥川城跡」に統一しました。

【委員】
  芥川城跡は地権者が多いので、管理するには市が管理団体になるしか方法がないと考えますが、どうでしょうか。
【事務局】
  今後管理団体の認定を受けて維持管理を進める予定です。

闘鶏山古墳(つげやまこふん)の石槨(せっかく)内画像調査について

  特に質疑応答はなかった。

市指定文化財(建造物)の修繕について

【委員】
  従来寺社の修繕は信者からの寄進で行っていますが、今のご時世寄進を集めるのは苦しくなっており、所有者の負担が重くなっています。そのため、行政の支援も必要です。また修繕費用をいかに確保していくかも課題で、例えばマンションの修繕などは10年計画などを立てて費用を確保していくのですが、市指定文化財ではどうですか。
【事務局】
  修理計画に関しては個々の所有者に任せています。

【委員】
  指定文化財修理の補助金額を上げることは検討できませんか。
【委員】
  災害による上乗せ補助などはできませんか。経年劣化と違い所有者の計画外の出費となるのでそういう規定があってもいい。
【委員】
  地域の力、寺社の力が弱ってきている。今後どう保存していくのか考えないといけない。例えば補助が出せないにしても、指定文化財を修繕する寺社に税制上の優遇措置を設けることはできませんか。
【事務局】
  災害による上乗せ補助や税制上の優遇措置は制度上難しいのが現状です。
【委員】
  民間団体等の市以外の文化財補助制度もありますが、そういった補助を利用される際に、市が書類作成の補助をしたり、対象となる文化財の価値を、専門知識を有する学芸員が口添えしたりするなどのサポート方法もあります。

【委員】
  資金面も問題だが、文化財を修理できる知識と経験を有する業者が少なくなっているというのは社会全体として課題です。設計は文化財修理専門の業者、施工は地元の工務店で地元に文化財修理の経験を積んでもらうのが望ましい。
【事務局】
  ご指摘のとおり、文化財修理専門の業者が設計監理を担い、施工指導するのが望ましいので、検討いたします。
【委員】
  文化財の修理は本当に悩ましい問題で、損傷個所は修復したが文化財の価値を損なうということのないよう、慎重にあたっていただければと思います。

 

案件3

事務局より、高槻城公園芸術文化劇場が3月に開館することを説明。次回審議会は、令和5年7月頃を予定していることを連絡した。

5 資料名

令和4年度第2回文化財保護審議会資料