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19.淀川沿いの遺跡

ページID:087144 更新日:2022年10月4日更新 印刷ページ表示

​近畿地方の中枢部を流れる淀川は、その流域の歴史・文化を育んだ悠久の大河です。また、鉄道が整備される明治期までは、豊富な水量と緩やかな河床勾配を利用した舟運により、人や物資が行き交う交通の大動脈でした。

近年、新名神高速道路の建設に伴う発掘調査によって、市東部の上牧や梶原で、重要な発見が相次ぎました。現地は淀川に安満山山塊が迫り、平野部は広くはありませんが、今から約2,100年前の弥生時代中頃に、周囲に溝をめぐらせた墓が築かれ、1,800年前から1,400年前の古墳時代には、大規模な集落が出現し、人々の生活の場でありました。地元で作られた土器のほかに、吉備(岡山県)や阿波(徳島県)など、遠方の土器が出土し、朱(水銀朱)の精製や、玉の生産に関する資料、古墳時代の祭りに用いられた土器や玉も出土しています。

また、古代山陽道の管理施設「大原駅(おおはらのうまや)」の候補地とされる梶原南遺跡からは、奈良時代の大型の倉庫跡や立派な木組みの井戸が見つかり、青銅製のベルト金具や墨書土器(文字を記した土器)など、官人の存在を示す遺物も出土しました。

これらの成果は、地域の窓口や遠方との交易、交通の結節点として、川津の機能を持つ集落が早くから営まれ、さまざまな物資、人々が行き交い繁栄していたことを物語っています。


(今城塚古代歴史館)

古墳時代中頃(今から1600年前)の祭りの道具(井尻遺跡)

古墳時代中頃(今から1,600年前)の祭りの道具(井尻遺跡)

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