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20.松永久秀の肖像画

ページID:080160 更新日:2022年10月25日更新 印刷ページ表示

松永久秀は、本市の東五百住出身であることが有力視されている戦国武将です。
しろあと歴史館では、久秀の肖像画を所蔵しています。

この画は、久秀が亡くなってから遠くない時期に描かれた原画を、江戸時代に模写したものと推定され、実際の顔立ちに似せて描かれたと考えられます。
顔は、眼光鋭く、頬骨が張り、唇は厚く、前歯が出た印象的なものです。
久秀は70歳で亡くなりましたが、この画では40代ぐらいに見えます。
久秀は44歳の時に肖像画を描かせたことが記録にあるので、それを参考にした可能性があります。

久秀のかたわらには、茶道具などを入れるための仕服が描かれています。
武士の肖像画に、武具以外の物が描き込まれるのは珍しいです。
久秀は、後に織田信長へ献上した大名物「付藻茄子(つくもなす)」の茶入れをはじめ、名物茶器の収集家として有名でした。
この画を描かせた人物は、久秀の教養人としての一面を強調したかったのかもしれません。

これまで、久秀を紹介する際に用いられてきた錦絵は、江戸時代後期から明治時代に刷られた、全くの空想の絵でした。
久秀を悪人とする伝承が広まっていたこともあり、より悪人らしく表現されたものもあります。

近年、久秀は史実に基づく再評価が進められている中、実際の顔立ちをもとに描いた可能性が高いこの肖像画は、久秀の実像に迫る資料です。

松永久秀の肖像画

松永久秀の肖像画(部分)​​