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令和2年12月14日(月曜日)午後2時00分、令和2年第13回高槻市教育委員会定例会を教育委員会室に招集した。
出席者(5人)
樽井 弘三 教育長
美濃 律 委員
深堀 基子 委員
浦野 真彦 委員
岡本 華世 委員
説明のために出席した事務局職員の職、氏名
教育次長 土井 恵一
学校教育監 安田 信彦
教育政策官 中原 一行
参事兼中央図書館長 境谷 圭太
参事 田中 健文
教育総務課長 田口 裕之
地域教育青少年課長 丹羽 正裕
教育指導課長 青野 淳
教職員課主幹 岩佐 知美
教育センター所長 藤田 卓也
教育総務課副主幹 多留谷 泰子
教育センター所長代理 山本 佐和子
教育センター副主幹 平尾 陽
教育センター副主幹 細野 良和
教育総務課副主幹 奥 博志
議事日程
日程第1 議案第36号 GIGAスクール構想の実現に向けた計画について
(午後2時00分開会)
樽井弘三教育長
ただいまから、令和2年第13回高槻市教育委員会定例会を開会いたします。
なお、本日の会議に傍聴の希望がございましたので、許可をいたしております。
本日の会議の出席者は、5名でございます。なお、本日の会議の署名委員は、美濃委員 深堀委員にお願いいたします。
樽井弘三教育長
ここで、会議録の承認をお願いいたします。本日は、令和2年第12回定例会会議録の承認をお願いいたします。会議録の朗読を省略してご異議ございませんか。
(異議なし)
(署名委員 会議録署名)
樽井弘三教育長
それでは、議事に入ります。
日程第1、議案第36号、「GIGAスクール構想の実現に向けた計画について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。
学校教育監(安田信彦)(提案理由説明)
ただいま上程されました日程第1、議案第36号、「GIGAスクール構想の実現に向けた計画」につきまして、提案理由をご説明申し上げます。
本計画は、現在、取り組んでおります、GIGAスクール構想におけるICT活用計画、及びコンピュータ配備計画等について策定しようとするものでございます。なお、この計画策定は、端末整備等に係る国の補助金交付の要件にもなっております。
まず、2ページ目をお開きください。ここでは、各年度におけるICT活用の目標値及びその達成状況を踏まえたフォローアップの内容についての計画をまとめております。
各年度におけるICT目標、臨時休業や分散登校期間中におけるICTを活用した学習支援、学習指導体制の強化や働き方改革への対応、達成状況を踏まえたフォローアップでございます。
次に3ページ目をご覧ください。通信ネットワーク環境整備計画といたしまして、1人1台環境で支障なくICTを活用した学習活動を行うことができる高速大容量の通信ネットワーク環境の整備計画を記載しております。市内小中学校全59校において、国の補助金を活用し、令和2年度中に1Gbpsの校内LANを整備予定でございます。また、インターネット接続については、令和2年度中に増強し、同時利用率を考慮して、1台あたり2Mbps程度の通信速度を確保するとしております。
次に4ページ目をご覧ください。学習者用コンピュータ配備計画を記載しております。当初のGIGAスクール構想では、令和5年度までの計画であった1人1台端末の整備計画を、こちらも国の補助金を活用して、令和2年度中に前倒しして進める計画として記載しております。
次に5ページ目をご覧ください。広域・大規模での共同調達実施計画でございます。こちらは、大阪府の市町村においては、都道府県単位の共同調達の実施はございませんでしたので、その旨、記載しております。
最後に、6ページ目をご覧ください。計画の取扱い等に関する事項として、本計画の位置付けや公表について記載しております。本計画は、令和元年に施行された、「学校教育の情報化の推進に関する法律」第9条において、国が定める予定の「学校教育情報化推進計画」に基づき、都道府県及び市町村が努力義務とされている、学校教育情報化推進計画を、行政計画として将来策定する際は、その一部として活用するものと位置付けております。また、計画が教育委員会で承認された後に、ホームページで公表することとしております。
以上 誠に簡単な説明ではございますが、よろしくご審議の上、ご可決賜りますようお願い申し上げます。
樽井弘三教育長
ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご質問はございませんでしょうか。
浦野真彦委員
予定よりも早くなるのは非常にいいことだと感じます。全生徒に配置される端末はタブレットになると思うのですが、これは、学校での使用に限るのか、あるいは家に帰って使用することもできるようにするのでしょうか。
教育センター所長(藤田卓也)
端末を使用する場所に関するご質問ですが、まずは学校において、ICTを活用した質の高い教育の実現を目指していくものと考えておりますが、今回のようなコロナウイルス感染症や自然災害の発生等による学校の臨時休業時等の非常時におきましては、家庭においても学習を継続できる環境を整えるため、必要な児童生徒への端末の貸出も想定しております。さらに、今後は、非常時以外の平常時におきましても、各家庭での自学自習などの活用も想定をしまして準備を進めていきたいと考えております。
深堀基子委員
先ほど言われていました臨時休業や分散登校期間中等ですが、家庭にタブレットを持ち帰って学習をするということですが、Wi-Fiのない家庭にはどのような対応をとられるのでしょうか。
教育センター所長(藤田卓也)
Wi-Fi環境がない家庭への支援でございますが、臨時休業等の活用におきましては、3月に臨時休業が発生した場合は、モバイルルータの貸し出しをしまして通信環境の確保に努めていきたいと考えております。また、次年度以降に関しましては、現在検討中でございます。
深堀基子委員
どんなふうに学習に入るかというのはまだまだわからないところだと思うのですが、令和3年度は、整備済の全学年において、各クラス1日2回以上活用ということになりますと、かなり学校の中でパソコン授業が始まるということになると思うのですが、そのときに、同時利用率を考慮して、1台あたり2Mbps程度の通信速度を確保ということになっているのですが、動画等を見だすと、これでは全然動きが遅いかなと思うのですが、この辺の対応とかはどうでしょうか。
教育センター所長(藤田卓也)
今委員仰せの動画視聴等についてでございますが、現在想定をしております最も多く通信量を必要とするものは動画視聴になるかと思いますが、学校で子どもたちが動画を見た時の通信速度、これがだいたい2Mbps程度必要とされていることから、今回の整備におきましては、特に影響がないものと考えております。
美濃律委員
今のお話ですが、学校全体で1G、1台あたり2Mというのは、これは高槻市で決められたものなのか、全国的にだいたいそれくらいのものなのかをお聞きしたい。
教育センター副主幹(細野良和)
ただいまご質問にありました1台あたり2Mbpsの通信速度でございますが、こちらは文部科学省が2Mbpsを基本に動画視聴に必要とする最低の通信速度と算定しておりまして、そちらに合わせて市町村は整備しております。
美濃律委員
予算的なものもあると思うのですが、この2Mと、例えば10Mとかにしたときに、費用的な差というのは、今の時代そんなに変わるのかなという気はするのですが、その辺は考慮されていますか。
教育センター副主幹(細野良和)
ただいまご質問にありました2Mと10Mの速度のところでございますが、こちらにつきましては、1台端末あたりの速度となってございます。したがいまして、それらを集約して学校単位で1Gという形の速度を担保するということになりますので、今後10M想定をするような必要なサービスであったり、ソフトウェアが出てきた場合には、そういったものに対応して検討する必要があると考えておりますが、現時点では最大の通信速度を必要とするものが2Mbpsということでさしていただいておりますので、2Mbpsの速度を基本に、ネットワークの整備をさせていただいておるものでございます。
美濃律委員
そうしましたら学校で1Gですね、100Gというプランも今ありますよね、それとの差というのは、そんなにないと思うのですが、その辺の予算のこともあると思うのですが、予算でどの程度の差があって、そしたらこっちでもいいのではないかというふうな考慮はされているのかということを少しお聞きしたい。
教育センター副主幹(細野良和)
ただいまご質問にありました1Gと100Gの回線でございますが、1Gの回線と比較し、市全体59校で試算しますと、年間あたり数億円以上のコストがかかるという試算が出ており、1Gと100Gでは大きく変わる状況でございます。したがいまして、今回1Gでの整備ということでさせていただいた次第でございます。
浦野真彦委員
今のGbpsの話ですが、同時にたくさん使うともっと遅くなるわけですよね、例えば、今朝礼とかなかなか体育館とか集まってできないと思うのですが、そういうのを各クラスでみんなが端末で見るというのはできない感じですか。
教育センター所長(藤田卓也)
想定でございますが、400人規模の学校で、子どもたちが動画の視聴など、最大の通信量を4分の3程度、300人程度が一斉に使用する場合に耐えうるようにしております。実際には全員が動画を視聴する状況はまずなく、例えばデジタルドリルの活用など、それほど通信速度を必要としない使用も想定されますので、増減はあるかと思いますが、現在想定をしている容量でまかなえると考えております。また、450人以上の大規模校については、回線を複数引き入れる等、通信速度を担保できるよう考えております。また、教室で1人1台という状況につきましても、基本的には問題ないと考えております。
岡本華世委員
学校内で使用する間はもちろんのこと、臨時休校や分散登校になった場合、児童生徒が自宅に持ち帰ることになるかと思いますが、端末の故障や紛失等あった場合の対応策はどのように検討されていますか。
教育センター所長(藤田卓也)
今回導入いたします端末には、故障や紛失に対する補償を含めて導入をさせていただいておりますので、故障や紛失の場合には、基本的には市で対応することを想定しております。但し、補償が適用されないような、重大な過失や故意の場合については、個別の対応が必要になると考えております。その場合は、発生の都度、検討していきたいと考えております。また一方で、子どもたちには、端末を大切に扱えるようにしていくことが重要であると考えており、各校で端末の正しい使い方などについて、丁寧に指導していく予定をしております。
深堀基子委員
ICT支援員を適切に配置するとありますが、このICT支援員は各学校に1名の配置とお考えですか。
教育センター所長(藤田卓也)
ICTにかかる学校への支援につきましては、現在、その内容、支援員数等を検討しており、今後適切に対応していきたいと考えております。
深堀基子委員
指導体制の強化や働き方改革への対応で、公募した「『新時代の学び』研究実践教員」との共同研究を進める。とありますが、何人ぐらいの公募があったのでしょうか。
教育センター所長(藤田卓也)
この「『新時代の学び』研究実践教員」につきましては、各学校から校長推薦により、研究を進めていきたいという教員の募集を募りまして、現在約50名を超える教員が研究を進めております。
樽井弘三教育長
今のことに関わって、いくつか確認をしたいのですが、共同研究の内容とか現在の進捗状況とか今後の見通し、小中の教員がどういう割合で入っているのか、少しここで報告をお願いしたいと思います。
教育センター所長(藤田卓也)
まず、研究の内容でございますが、これから新しく端末が入ってくる中で、実際その端末はあくまでも道具であることから、やはりしっかりと授業力をつけまして、その中でより効果的に活用するという研究を先行的に行うということで進めております。この「『新時代の学び』研究実践教員」には、次年度以降導入されるソフトウェアのアカウントを事前に配布することで、先行研究を進めているところでございます。また、研究の内容につきましては、先行研究しておりますので、今後、本格実施、本格使用になります来年4月以降に高槻市の教員が先行研究された内容を自由に閲覧して効果的に使えるように、進めていきたいと考えております。またその内容につきましては、ICT機器を使いますので、常にアップグレードしながら更新をしていくという形で発信していきたいと考えております。なお、小中学校の割合でございますが、先ほど50名以上と言いましたが、具体的には53名、現在ご登録いただいておりまして、そのうち小学校が42名、中学校が11名という体制で研究を進めております。
浦野真彦委員
タブレットですが、小学1年生から中学3年生まで全部同じタブレットなのですか。
教育センター所長(藤田卓也)
同一の機種を導入させていただきます。
樽井弘三教育長
これはかなり大きな予算をかけており、学びが新しく変わっていくだろうと思います。先ほど所長からもあったのですが、確認をしておきたいのは、この環境整備というのはあくまでも手段であって、目的ではない。そのことを教育委員会はじめ学校現場もしっかりと理解をして進めていかないと、せっかくのこの環境が有効に活用できなくなるということもあるため、まず、そこを押さえておきたいと思います。あくまでも、これは手段であって、何が目的なのかというと、子どもに力をつける、主に学力をつけるということです。高槻は社会参画力を大きな目標にしていますが、これを使って、どう有効に活用すれば、そういった力がつくのか。その基盤になるのは今までの授業だと思います。日本は1872年の学制以来150年、授業を積み重ねてきて、世界からも評価をされています。その上に、このICT環境を取り入れていく。うまく化学変化をすれば、とんでもない力になると思っています。その授業をするのは教員なので、教員の研修が大事になってくる。今53人の教員が研究に集まっているというのも、私はこれは素晴らしいことであると思っています。ぜひともその教員を中心に、全市内小中学校に広げていただきたい。あっという間に、今年度中にこのタブレットは全部入ってしまうので、有効に活用できるように進めていきたいと考えております。教育委員会全部挙げて進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。
それでは、無いようですので、採決に入ります。議案第36号、「GIGAスクール構想の実現に向けた計画について」を原案どおり可決してご異議ございませんか。
(異議なし)
樽井弘三教育長
ご異議が無いようですので、議案第36号は、原案どおり可決されました。
以上で、本日の日程がすべて終了いたしましたので、閉会といたします。
(午後2時25分閉会)