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令和元年第9回高槻市教育委員会定例会会議録

ページID:004766 更新日:2022年3月22日更新 印刷ページ表示

令和元年9月19日(木曜日)午後3時00分、令和元年第9回高槻市教育委員会定例会を教育委員会室に招集した。

出席委員(5人)

樽井 弘三 教育長
中村 公美子 委員
八十 祐治 委員
深堀 基子 委員
美濃 律 委員

説明のために出席した事務局職員の職、氏名

教育次長 土井 恵一
学校教育監 横山 寛
教育次長代理 田中 宏和
教育政策官 中原 一行
参事兼城内公民館長 加納 彰
参事兼中央図書館長 境谷 圭太
参事 田中 健文
教育総務課長 田口 裕之
学校安全課長 今福 幸正
学校安全課主幹 川本 亨
保健給食課長 橋長 忠司
地域教育青少年課長 丹羽 正裕
教育指導課長 青野 淳
教職員課長 「桒」の画像原 雅彦
教職員課主幹 岩佐 知美
教育センター所長 藤田 卓也
教育総務課副主幹 堀内 久美子
保健給食課課長代理 松岡 創
保健給食課副主幹 北尾 利昭
地域教育青少年課課長代理 清水 章
教育指導課課長代理 丸山 みち子
教育指導課副主幹 堀 晶恵
教育指導課副主幹 杉野 暁子
教職員課副主幹 喜久元 敬尚
教育センター所長代理 西田 太郎
教育センター副主幹 村上 良子
教育センター副主幹 山本 佐和子
教育センター副主幹 中村 吉博
子ども未来部長 万井 勝徳
子ども未来部部長代理 白石 有子
保育幼稚園総務課長 野谷 研介
保育幼稚園事業課課長 北川 雅士
保育幼稚園事業課課長代理 森 健誠
教育総務課副主幹 奥 博志

議事日程

日程第1 報告第5号 平成31年度(令和元年度)全国学力・学習状況調査の結果について

日程第2 報告第6号 令和元年度高槻市学力テスト(5年生)の結果について

日程第3 議案第35号 高槻市立幼稚園条例施行規則中一部改正について

日程第4 議案第36号 預かり保育に関する規則中一部改正について

( 午後3時00分開会 )

樽井弘三教育長
ただいまから、令和元年第9回高槻市教育委員会定例会を開会いたします。

なお、本日の会議に傍聴の希望がございましたので、許可をいたしております。

本日の会議の出席者は、5名でございます。なお、本日の会議の署名委員は、深堀委員 美濃委員にお願いいたします。

樽井弘三教育長
ここで、会議録の承認をお願いいたします。本日は、令和元年第8回定例会会議録の承認をお願いいたします。会議録の朗読を省略してご異議ございませんか。

(異議なし)

(署名委員 会議録署名)

樽井弘三教育長
それでは、議事に入ります。

日程第1、報告第5号、「平成31年度(令和元年度)全国学力・学習状況調査の結果について」を議題といたします。報告を求めます。

学校教育監(横山寛)(報告)
ただいま上程されました、日程第1 報告第5号「平成31年度(令和元年度)全国学力・学習状況調査の結果概要」の報告につきまして、提案理由をご説明申し上げます。

今年度の「全国学力・学習状況調査」につきましては、小学校の第6学年、中学校の第3学年の全児童生徒を対象に、小学校は国語・算数、中学校は国語・数学・英語の3教科で4月18日に実施いたしました。英語は今年度初めての実施となっております。
文部科学省の結果の公表日は、7月31日でございました。その後、教育委員会事務局におきまして、様々な視点からの分析を行い、調査の結果分析と改善方策に係る教員対象の研修会を9月5日に実施いたしました。
全国学力・学習状況調査をどのように分析し、その結果をどのように指導改善に活かすかや、つまずきの見られる子どもへの支援について等を視点に研修を実施いたしました。
また、一昨年度より文部科学省では、細かい桁における微小な差異は、実質的な違いを示すものではないとしたため、市町村や都道府県の平均正答率を整数で発表することとなりました。本市におきましてもその趣旨を踏まえ、今年度より平均正答率を整数での公表としております。
また調査結果の公表は、その方法や内容等につきまして、市町村教育委員会がそれぞれ判断して行うこととなっております。この点につきましては、平成20年9月の臨時教育委員会議及び平成30年1月の教育委員会議においてご議論いただき、『学校別の結果を公表しないことを前提に、数値のみが「一人歩き」しないよう、公表の趣旨や目的等を十分に説明すること等、慎重な対応を行った上で、平均正答率も含めた公表を行う』という決定がなされております。この決定をふまえ、本調査の結果概要を、今後ホームページに掲載するとともに、年末に配布されます広報誌 新年号の教育特集でも調査結果の概要等を公表する予定です。
また、これまで、国語と算数・数学では、それぞれ「主に知識」を問うA問題と、「主に活用」の力を問うB問題が出題されていましたが、今年度よりA問題、B問題が統合されました。これは、知識・技能、思考力・判断力・表現力等は、相互に関係し合いながら育成されるものという新学習指導要領の趣旨を踏まえた指導方法の改善等に資するためでございます。
文部科学省からは、従来からそうであったが、すべての領域をカバーしているものではなく、各教科の全体的な力をはかれる性質のものではないことに留意してほしいとの説明もございました。

つぎに、今回の本市の調査結果についてでございますが、配布しております資料、左、中段の表をご覧ください。

今年度の本市の結果と対全国、対大阪府を示した表となっております。
今年度は、概ね全国平均を上回る結果となっておりますが、小学校国語については全国平均を1ポイント下回る結果となりました。
また、今年度より実施されました中学校英語につきましては、全国平均を大きく上回る結果となりました。

続きまして、左下の本市の学力の経年変化のグラフをご覧ください。
今年度よりA問題、B問題が統合されましたので、今年度の結果と昨年度までの結果を線で結ぶことはしておりません。
本学力調査が開始された平成19年度以降、向上傾向にあり、概ね全国平均を上回って推移しております。
この結果は、この間、連携型小中一貫教育において各中学校区で取り組んでいる授業改善や本市がこれまで進めてきた様々な教育施策の成果であると考えております。

右側の正答数分布と領域等別正答率をご覧ください。
領域等別正答率を表すレーダーチャートは、全国の状況とほぼ同傾向を示しています。
全国的な学力の課題とも重なりますが、国語においては、必要な情報を得るために、文章を概観して効果的に読んだり、話し合いの話題や方向を捉えることは概ねできていますが、それを踏まえて自分の考えをもったり、自分が伝えたいことについて読み手にわかりやすいように複数の条件を踏まえて述べることに課題が見られました。資料から情報を読み取り、自分の考えを条件に合わせて書いたり、何を、どのように書いているのか、話しているのか、だけではなく、なぜそのように書いているのか、なぜそのように話すとよいのか、といった目的や理由、そのようにすることの効果などを考える学習の機会を設けていくことが大切だと考えております。

算数・数学についてですが、ほぼ全ての設問で全国平均値を上回る結果となっております。ただし、全国平均値を上回ってはいるものの、平均正答率を見ますと自分がそう考えた理由を他者に説明することについて課題が見られました。算数的・数学的な表現を用いて、子ども自身が自らの考えを表現できるよう指導していくことが重要だと考えています。

英語についてですが、ほぼ全ての設問で全国平均値を上回る結果となっております。まとまりのある文章を読んで、話のあらすじを理解するような問いや与えられた情報に基づいて、正確な文法を用いて書き直すような問いについても大きく全国平均値を上回っています。ただし、全国平均値を上回ってはいるものの、平均正答率を見ますと一定量の文章から話の内容や書き手の意見などをとらえ、内容に対して、自分の考えを述べるような問いに対して少し課題が見られました。

全ての教科において、学びの基礎となり、また思考する際にも必ず必要となる言語能力の育成に、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

資料の裏面をご覧ください。

児童生徒質問紙の結果を本市の施策との関連で掲載したものです。
裏面の上から2つ目の「自学自習力の向上」に関する2つの質問「家で、自分で計画を立てて勉強していますか」「普段1日当たりどのくらいの時間勉強をしますか」の回答をご覧ください。小学校、中学校ともに、調査開始当初に比べると改善傾向はみられます。ただ、全国と比べまして、差があり、依然として課題であると捉えております。家庭学習の習慣化や自学自習力の育成は、各校の授業改善とともに本市の課題であり、今後も改善に向けた取組を引き続き行ってまいりたいと考えております。

以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくお願いいたします。

樽井弘三教育長
ただいま、報告が終わりましたが、委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。

美濃律委員
表の左側の経年比較のところですが、A問題とB問題が統合されて、これまでとはつながっておりませんが、小学校の算数と国語は今までのから見て下がっているような傾向、中学校も英語以外は多少下がっているかなという感じがするのですが、これはA問題・B問題が統合されたことによる、何か影響があるのかどうか、わかれば教えてください。

教育センター所長(藤田卓也)
今回、これまでの基礎を問うA問題、発展的な内容を問うB問題ということで、これまで2つに分かれていたものが、内容等の統合ということで1つになった結果を表したものでございますが、割合で見ますと、全国平均を1としたときにどれぐらいの割合で点数を取っているのかということを表しているものになっておりまして、これが直接的に昨年度と比べて下がっているというような見方はしていないということです。

八十祐治委員
今年度、初めて英語に関する調査があった、その結果、非常に良好であったということですけれども、英語についてはどのように分析されていますか。

教育センター所長(藤田卓也)
今回の英語の調査につきましては、「聞くこと・書くこと・読むこと・話すこと」、この4つの区分がはっきりと分けられたテストとなっております。今回は「話すこと」の調査ということで、これはパソコンを使いまして、子どもたちが画面を見ながら問われたことに対して話す、それを録音したものをデータとして提出をして、それが採点をされる。こういったテストが「話すこと」の調査として行われましたが、実は全国的にもなかなかうまく録音ができないとか、機械のトラブル等がありましたので、この調査結果につきましては、今年度は参考値扱いということで示されております。都道府県別では参考値ということで、数値は公表されておりませんので、本市におきましても、公表しないということで進めております。それ以外の、「聞くこと・書くこと・読むこと」、この3つの領域全てで全国値を大きく上回る結果となっております。これまで英語教育の充実に取り組んできた成果と考えております。また、全国の結果を見てみますと、「聞くこと・書くこと・読むこと・話すこと」、全ての領域におきまして、それぞれに関する言語活動を行っている学校のほうが平均正答率が高いという結果が出ております。各領域において今後も適切な言語活動を設定して指導していくこと、これが重要だと考えております。

中村公美子委員
今の八十委員の英語について、もう少し詳しく教えていただきたいのですけれども、すごく理想的な正答分布になっているから、すごいなと思うのですけれども、そういった結果を導き出している普段の授業の様子について、高槻市ではこういうふうな授業を心がけている、というのを少し詳細に教えていただけますか。

教育センター所長(藤田卓也)
英語につきましては、これまで高槻市として重点的に取り組んできたという経過がございます。新しい学習指導要領に向けまして、今後英語で指導することを基本とするというところがありますので、いわゆる授業改善で、英語科に関する研究・研修を進めてきたという経過がございます。各学校でも、一方的な英語の指導内容にとどまらず、子どもたちが考えたことを発言したり、コミュニケーションというところで取組を進めている成果がテスト結果に現れている、1つの要因なのかと考えております。

中村公美子委員
それから、先ほどの美濃委員の質問への答えが、私も同じような質問をしたかったのですけれども、少しわかりづらかったので。A問題とB問題が今回統合されたのですけれども、私もこの経年比較のグラフからいくと平均を考えても下がっているように見えてしまうのですけれども、もう少しこの見方についてわかりやすく教えていただけませんか。

教育センター所長(藤田卓也)
今回、経年比較のグラフで、これまでの経過を示した上で、今回のを示させていただいているのですが、今回の全国の調査につきましては、これまでとはずいぶん性質が違うものと判断をしております。このA問題・B問題、全国を1としたものに対しての取れている割合、数値的には下がっておりますが、このテスト自体の趣旨といいますか、設計自体が少し変わっているというところからのことかと考えております。

中村公美子委員
すると今までの経年変化と、今回からとは別と考えたほうがいいということですか。

教育センター所長(藤田卓也)
今回、線で結んでいないのですが、次年度以降はここから経年変化がスタートするということでご理解いただければと思います。

中村公美子委員
そうすると、このA問題・B問題、今回はそれぞれ相互に関係しあうということで、1つにまとまったと思うのですけれども、その辺の高槻の子どもは理解力というか応用力とか、関連付けて考える力が不足しているということとはまた違うということでしょうか。

教育センター所長(藤田卓也)
今回、たとえば小学校国語に関しては14問ございますが、基礎的な部分と、中味の分析をして自分の考えを表現する今までのB問題に近いものが、ちりばめられて作成されておりますが、それぞれ、問題1問1問の課題については検証して取組を進めていくということになります。

樽井弘三教育長
今のそのことについては、今後また詳細な分析もして、検証していく必要があるだろうというふうに思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。

深堀基子委員
学習状況調査の結果概要のところですが、「家で、自分で計画を立てて勉強をしていますか」や「学校の授業時間以外に、普段、1日当たりどのくらいの時間、勉強しますか」で、1時間以上の割合が昨年度より下回っているように思います。また、全国平均値よりも下回っています。家庭学習の習慣化や自学自習力の育成が本市の課題というふうに、さきほどの説明にもありましたが、どのような取組をしていくのかお聞かせください。

教育指導課長(青野淳)
まず各校においては、中学校区で連携して自習学習ノートの取組や家庭学習の強化週間などの取組を行っている校区もございます。またこれまで本市で行ってまいりました小学校を中心とした放課後学習の場である「再チャレンジ教室」や、中学校で土日等に実施する「学びup↑講座」など、授業以外で学習できる機会をさらに充実させていき、家庭環境を問わず全ての子どもたちが学習習慣をしっかり身につけることができるように、今後も保護者へ情報発信し、協力を得ながら進めていきたいというふうに考えております。

深堀基子委員
先日ですけれども、小学生の話を聞く機会がありまして、学校から帰って習いごととかに行くと宿題をする時間がないと聞いたのですけれども、今の小学生は遊ぶ時間も少ないぐらい忙しいのかなと思うのですけれども、習いごとの現状などを調査されたこととかはありますでしょうか。

教育指導課課長代理(丸山みち子)
今回の平成31年度全国学力・学習状況調査においてはそういう質問項目はございませんでした。過去にあったと思いますので、そこについては今資料がございませんので、またお伝えしたいと思います。

深堀基子委員
高槻市独自ではやっていないですか。

教育指導課課長代理(丸山みち子)
やっておりません。

八十祐治委員
読書活動のところですけれども、「学校の授業時間以外に普段、1日当たりどのくらいの時間、読書をしますか *30分以上の割合」を見ていると、少し減少しているように思います。その点についてはどのように捉えられているのか、ご説明ください。

教育指導課長(青野淳)
幅広い語彙や想像力を身につけて、豊かな人間性を育むためにも、読書活動というのは非常に大切なものというふうに考えております。しかしながら、読書、もしくは新聞を読むなどの、活字離れが進んでいる中、国語の学習を中心に発達課題に応じた系統的に指導することが必要であると考えておりますので、国語科の学習と他の教科の学習における図書の活用の指導や、学校図書館における指導とも関連付けて、学校の教育活動全体において読書活動を推進していけるような取組を教育委員会としても支援していきたいと思います。

深堀基子委員
「自分にはよいところがあると思いますか」という項目が、全国も高槻市も昨年度より低下していますが、このことをどう捉えているかというのをお聞かせください。

教育センター所長(藤田卓也)
現在中学3年生の子どもたちが、前年度に比べると低下ということになってしまいます。実はこの子どもたちが、小学校6年生のときに同じ質問をされていますが、やはり肯定的回答は低いという結果がございました。ただ、今回昨年と比較して全国・本市とも同様の下降の線をたどっている原因につきましては、はっきりしたことはわかっておりません。今回、質問紙と各教科の設問の正答状況をクロス集計してみますと、今回の「自分にはよいところがあると思いますか」や「いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思いますか」という設問に対しまして、肯定的な回答をしている子どもほど、どの教科も平均正答率が高いという傾向がわかっております。道徳や特別活動などを中心としまして、子どもたちのいわゆる規範意識を育てたり、集団作りを進めていることや、人の役に立ち、そして感謝をされるといった経験・体験の積み重ねというものが大切になってくるのだと考えております。

美濃律委員
高槻市全体の概要はわかるのですが、学校間の差について何か問題等あれば教えていただきたい。

教育センター所長(藤田卓也)
ご質問の学校間格差につきましては、それぞれ学校の状況がございまして、課題と認めております。学力・学習状況調査の結果につきまして、各学校が問題ごとに丁寧に分析をすることで、一人ひとりの学力実態を把握をしまして、そして授業改善など具体的な取組につなげていくこと、また躓いている子どもへの支援を行っていくこと、これらは何よりも大切なことであると考えております。市といたしましても、各校の状況を丁寧に把握をいたしまして、研修を通じまして、どのような授業をしていくべきなのかであるとか、指導主事等を派遣した各校の校内研修支援など、今後、全ての子どもたちの学力向上に向けて取組を進めていければと考えております。

美濃律委員
躓きが見られた子どもたちに対してというのは、どのような具体的な支援を行っているのか教えていただきたい。

教育センター所長(藤田卓也)
先ほどの学校教育監のお話にもありました、研修など実施をいたしました。教員対象の研修におきまして、自校の子どもたちがどのように、またどの問題で躓いているのか把握し、また躓いている子どもたちを支援することが非常に重要であるということを研修でお伝えさせていただいております。また調査結果には解答類型というものがついており、この解答類型を見ることで、単に間違っているということではなく、どのような傾向の間違いをしているのかや、なぜ間違えたのかということを判断する1つの材料となります。なぜ間違えたのか、どこで躓いたかなど、各校で効果的な調査分析が行われるよう研修を進めているところでございます。

樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。

そうしたら、多くの意見をいただきました。宿題もいただいているのですけれども、私のほうで一定まとめたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
1つは調査結果全般についてでございます。
これは概ね良好なものであるというふうに捉えられると思います。先ほどご指摘がありましたように昨年度と比較をしたときに、全国との比較でいうと落ちている、下がっているというふうにございます。これについてはまた分析をしていただきたいと思います。単にA・Bが1つの問題になったから下がったというだけではないだろうと思います。この学年の状況もあるのかもしれないし、さまざまな地域性も含めて分析をお願いしたいなと思っています。ただこれまで平成19年度からずっと教育改革を進めてきた、その個々の施策が功を奏してきているというふうには捉えているところでございます。今後さらに分析を進めて具体の教育施策、その改善をしてもらいたいなと思っているところです。
それからとりわけ35人学級編制、それから放課後学習、そして中学校の家庭学習支援、これにはかなりの公費も入れているところでございます。そのことについてはぜひ地域の状況も踏まえて、単に全体の平均ではなくて、地域格差、地域の課題というのが明らかになっているので、地域の状況も踏まえて成果と課題の検証をしていきたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。

それから、大きな2つめ、気になることでございます。
これは国語ですね、全国平均を1としたときに、小学校も中学校も他の教科と比べたときに、かなり課題が見られるというふうに思っているところでございます。ここでいうと、文章から必要な情報をまず取り出す。そして目的に応じてそれを組み合わせて述べたり書いたりする。ここに課題があるのですね。ということは国語の力そのものに課題がある。これは平成19年にこのテストが始まって以来同じことを言われている。まったくもってたぶん10年前の新聞を見ても同じことが書いてあると思いますけれど、これは全国的な傾向であって、大変難しいことなのだろうと思っております。なんで難しいのかというと家庭の文化度を反映するからだと、私は思っています。
そこにどうやって学校教育として楔を入れるのかというのが我々に課されている課題なのだと思っているのですけれども、そのキーを握っているのが、語彙力だろうと思っているところです。よく言うのですけれども、語彙というのはデジタルカメラの画素数に似ていて、その画素数が増えれば増えるほど、大きくなれば大きくなるほど、世の中のことがクリアに見えてきますから、それは当然のことなのだろうと思うのですけれども、やはり語彙が多ければ多いほど、インプットされている、ストックされている語彙が多ければ多いほど、あるいはフレーズが多ければ多いほど、表現もより丁寧にできるし、社会もクリアになる。そういうものだろうと思っているのですけれども、その語彙に加えて教養と感性、それがうまく絡んで表現になる、あるいは文章を書くことができると思います。
そういうことからすると、私が本当に気になるのは、この裏面にある結果概要の「新聞を読んでいますか」というところなのですけど、こんなに5年間で読んでいる人の割合が尋常じゃない下がり方をしている。愕然としているのですけれども、全国もそうですね、明らかに激減をしているのですが、これははっきり新聞を購読しないお家が増えた。そのとおりなのだろうと思います。一説によると、新聞協会などが発表しているのは年間100万部ずつくらい減っていると、どこかで止まると思いますが、100万部ずつくらい減っている。というふうに言われているのですが、私は、これは一律に減っているのではないと思っています。家庭の状況によって減っている。家庭の価値観であったりとか、生活実態であるとか、これがまた教育格差に連動する可能性があるのだというふうに思っているところでございます。
だから、縷々申し上げたけれども、国語科についていうと他の教科と比較して、言語や教養を扱うので最も家庭の状況が反映される、左右されやすい教科なのだろうと思っています。だから効果もすぐには出てこないのだろうと思うのですけれども、だからこそ、この国語の課題がどう克服されるかによって学校の値打ちは出てくるのだと思います。ここにメスを入れないと、教育格差あるいは学力格差といわれているけれども、これの是正は難しいだろうというふうに思っているところなので、ぜひとも高槻市教育委員会あげて国語科の授業改善、これに向けて取組を進めていきたいというふうに思っているところです。

ずいぶん教育センターを中心に事務局としては取組をしているところなので、今申し上げたようなことを踏まえて、どんな研修をされているのか、どんな取組をしているのか、あるいは今後どういう予定をしているのか、そういうことをここで報告をしてもらって確認をしておきたいと思います。お願いしたいと思います。

教育センター所長(藤田卓也)
今の教育長仰せのとおり、子どもたちに確かな学力をつける場面というのは、当然授業であると考えております。今回の調査結果につきましては、効果的に授業改善に活かせるよう取組を進めていくことが大事なことだと考えております。これらのことから、これまでの学力調査の結果の研修というものは、いわゆる結果を基にした授業改善の視点であったりとか、個々の児童生徒の躓きの把握といった、そういったことの発信が中心となっておりました。ただ研修につきましては発信した内容が実際の授業場面でどのように活かされていくのか、ここが重要だと考えております。今年度は10月にこの学力・学習状況調査を踏まえました小中学校の教科別の研修を予定しておりますが、そこではより具体的・実践的な研修となるように、実際に参加された先生方が具体的な授業をイメージして帰れるような研修になるようにということで、現在準備を進めているところでございます。

また、授業改善に係る中核的な教員を育成というようなことも重要だと考えております。これまで教科別や職能別といった研修、これまではそういったことを中心に進めてきたわけですが、やはり教員の個々の授業力の向上ということに特化した研修をする必要があるだろうということで、今年度より授業力向上実践研修という研修をスタートしたところでございます。この研修につきましては、校長に推薦をされました10名の教員に対しまして、年間を通じて指導主事が訪問指導を行いながら、今求められる授業のあり方や今後の授業を、そういったものを学ぶ研修を今取り組んでいるところでございます。この研修の受講終了1年後には授業実践の中核的な教員として自校内に発信していくといった役割を担えるような研修を進めていきたいと考えております。

また、国語科の語彙も話が出ておりましたが、今調査研究ということで、言語能力の育成というモデル校を設定して、研究を進めているところでございます。特にこれからの授業のあり方等、国語科を中心とした言語能力の育成ということで、調査研究を進めているところです。こういった研究の内容につきましては広く発信をしていくということで、この取組を進めていきたいと考えております。

樽井弘三教育長
ぜひ語彙力を高めることと、適切にそれを場面に応じてアウトプットできる、そういった授業改善を進めてもらいたい。この間10年間ずっと同じことを言われながらも変わっていない。ということは、その授業のあり方も含めて変わってない可能性があると思いますので、そこはまず検証をしながら、各校先生を集めて、改善してもらいたいと思っているところです。

樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。
それでは、本件は報告案件でございますので、これをもって終了いたします。

続きまして、日程第2、報告第6号、「令和元年度高槻市学力テスト(5年生)の結果について」を議題といたします。報告を求めます。

学校教育監(横山寛)(報告)
ただいま上程されました、日程第2 報告第6号「令和元年度高槻市学力テスト5年生の結果概要」の報告につきまして、提案理由をご説明申し上げます。

昨年度から5年生は4月に実施しており、年度初めの学力を把握し、課題を明確にした上で、児童への学習指導の充実やよりよい授業づくりに活かすことが目的でございます。

A3版の資料をご覧ください。本調査の目的は、3点ございます。
1つ目は、高槻市教育委員会が、児童の学力を把握・分析することにより、高槻市の児童生徒の課題改善に向けた教育施策及び教育の成果と課題を検証し、その改善を図ること。
2つ目は、学校が、児童の学力を把握し、児童への指導の充実や学習状況の改善等に役立てるとともに、学力向上に関する継続的な検証改善サイクルを確立すること。
3つ目は、児童一人ひとりが、自らの学習の実現状況を正しく理解し、自らの学力に目標を持つことで、学力向上への意欲を喚起すること、でございます。

続きまして、学力テストの概要及び結果についてご説明いたします。

資料左側下段の「教科・区分別正答率」をご覧ください。
本テストは、「目標値」に対しての到達状況を見ることができることが特徴です。「目標値」とは、学習指導要領に示された内容について、標準的な時間で学習した場合、設問ごとに正答できることを期待した児童の割合を示したものです。
本テストは、全国学力・学習状況調査とは違い、基礎・活用の区分別の結果が出る形式になっており、国語、算数ともに、教科全体では、目標値と同程度、もしくは上回っております。区分別でみると、算数の活用にやや課題が見られます。

資料右側「正答率度数分布の棒グラフ」をご覧ください。
このグラフからは、正答率に対する児童の分布がわかります。例えば、国語でみると、正答率が80%から90%であった児童が25%程度で、市全体では、最も多かったことがわかります。点線は目標値を表しており、その右側が目標値を上回った子どもたちの分布となります。

次に、上段右側のレーダーチャート、「領域別正答率」ですが、「国語」では、「話すこと・聞くこと」「読むこと」「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」については、目標値を上回っており良好な結果でしたが、「書くこと」について目標値を下回っており、課題が見られました。
問題では、漢字の読み書きや物語の内容を読み取る問題など、学力の定着が見られた一方で、説明文を段落のまとまりで分ける問題や、指定された長さなど条件を満たして文章を書く問題で課題が見られました。
これらの課題に対しては、国語の授業の中で、内容をおおまかにとらえる学習や指定された条件のもとで書く力をつけるとともに、すべての教科で書く活動の充実を図ることが必要と考えております。
次に、「算数」の領域別正答率では、「数と計算」「量と測定」については、目標値を上回っており、良好な結果でしたが、「図形」「数量関係」については、目標値を下回っており課題が見られました。

分数の計算や小数のしくみ、概数、図形の性質などに関する問題では、目標値を上回っており、学力の定着が見られましたが、伴って変わる2つの数量関係を式に表す問題や図やグラフから読み取ったことを根拠に理由を説明する問題などで課題が見られました。
これらの課題に対しては、学習問題について考えたり、考えたことを説明したりする活動の充実が必要であると考えております。

市全体の結果概要については、以上となりますが、各学校においては、返却された資料から、どのような問題に課題のある児童が多かったのかを分析することや学年集団としての学力の定着度、そこから見える授業の検証と改善、また、何より、一人ひとりの学力実態の把握と学力向上に向けた手立てを考える資料とすることが重要であると考えております。
すでに、学校に対しては、取組の改善に生かすべく、結果分析のための教員対象の研修を行い、各学校における成果と課題、課題の改善に向けた具体的な取組等について記入した「学力向上分析シート」の提出を受けたところです。教育委員会として、すべての子どもたちの「確かな学力」の向上をめざし、引き続き、各学校への支援を行ってまいります。
なお、6年生については、従来通り1月に実施し、卒業時の学力分析を行い、連携型小中一貫教育を活かし、中学校に引き継ぐものとします。
また、「全国学力・学習状況調査」、大阪府「中学生チャレンジテスト」の結果と合わせて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立していきたいと考えております。
調査結果の公表につきましては、他の調査と同様に、学校別結果の公表は行わないこととしております。

以上誠に簡単ではございますが、令和元年度高槻市学力テスト5年生の概要及び結果説明とさせていただきます。以上でございます。

樽井弘三教育長
ただいま、報告が終わりましたが、委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。

中村公美子委員
今の説明にもありましたが、今回の高槻市の学力テストだと、算数でいったら、数量関係に課題があるように考えられるのですけれども、先ほどの全国学力・学習状況調査では、数量関係においても全国平均をやや上回っている結果が出ているのかなと。そのあたりはどのように捉えたらよいか、どのように分析しているか教えてください。

教育センター所長(藤田卓也)
全国学力・学習状況調査と市の学力テストについてのお尋ねでございますが、問題数や形式についての違いがございます。全国は今年度より、先ほどありましたように基礎と活用の区分が統合されているということでございますが、この市のテストにつきましては国語・算数ともに基礎・活用の区分がわかるようになっておりまして、問題数は全国の2倍以上となっております。
また、全国学力・学習状況調査は全国の子どもたちが受ける大規模な調査になりますので、全国や大阪府の数値と比較しながら分析をする方法がありますけれども、市のテストにつきましては、あらかじめ設定をされております、いわゆる目標値に対しての、ここを参考にしながら分析をするということになっており、分析の方法が異なっております。その結果、違った側面が結果として出る部分もございます。それぞれの調査から見取れる成果や課題、それぞれあるものと考えておりますので、どちらの結果につきましても分析を行いまして、進めていきたいと考えております。

中村公美子委員
数量関係というのは、関数や確率・統計の初歩となる部分だというふうに理解しています。中学校の数学においても躓いたら、とにかく4年生の学習に戻る必要があるというふうにいわれているくらいですし、この段階、この5年生の最初にやるテストでの数量関係というのは、今後の数学的な見方・考え方の育成に大きく影響してくるというふうに思っています。ですので、今おっしゃっていただいたように、詳細な分析、そして充実した指導をお願いしたいと思います。

美濃律委員
この目標値ですが、「学習指導要領に示された内容について、標準的な時間で学習した場合、設問ごとに正答できることを期待した児童の割合を示したもの」ということなのですが、これは文部科学省が決めているものなのか、この辺をもう少し具体的に、どういうふうにして出しているのか教えていただけたらありがたいです。

教育センター所長(藤田卓也)
今のご質問ですが、「学習指導要領に示された内容について、標準的な時間をかけて学んだ場合、設問ごとに正答できることを期待した児童生徒の割合を示したもの」ということになっておりますが、これにつきましては、業者に依頼をしてテストをしておりますが、この業者が出題形式や解答形式、それぞれ持っている一般的な特性を元に、それぞれ初期設定というものを業者が設定をしまして、実際にプレテスト等を繰り返しながら、実際の正答率等を把握し、乖離したものについては修正を行うということで、期待される正答率の信頼性を高めていった、最終的な数値となっておりますので、業者が示して作成した数値とご理解いただければいいかと思います。

深堀基子委員
「各学校における成果と課題、課題の改善に向けた具体的な取組等について記入した学力向上分析シートの提出」ということで、学力向上分析シートが作成されたということなのですけれども、これをもう少し詳しく説明をしていただきたいと思います。

教育センター所長(藤田卓也)
学力向上分析シートでございますが、各学校における結果分析が効果的に行われる、一人ひとりの子どもたちの学力向上につなげていくために作成をするものとなっております。本シートを作成することを通しまして、課題を明確にし、授業改善や個に応じた学習支援など、改善に向けた具体的な取組を考えることができるように作成をしたシートとなっております。
内容としましては、市の学力テスト、それぞれ対目標値に対して自校の数値等を入力した上で学校におけるそれぞれの、これまでの取組の成果と課題、また今後の授業改善に向けた具体的な取組、これは通年で行うものなのか、9月から12月で行うものか、1月に行うものか、具体的な取組の計画、こちらを実施時期に合わせて作成をするということで、今回のテストは受験をして終了になることなく、年間を通じて授業改善につなげられるような、そういったシートとなっております。

八十祐治委員
このテストの結果の返却というのはどうされているのでしょうか。

教育センター所長(藤田卓也)
結果の返却についてでございますが、各学校から児童や保護者に個票という形で返却を行っております。7月の個人懇談を通しまして、個票を返却しております。その際に調査結果の分析を踏まえた夏休みの学習方法等合わせて保護者に伝えるということで、返却を行っております。

樽井弘三教育長
大きな動きとして、大阪府教育庁が令和3年度から小学校5年生でそういうテストをするというようなことを打ち出しております。そのことについて、高槻として、この学力テストとの絡みであるとか、今後どんなふうに政策を展開していくのか課題だと思っておりますので、そこのところについては、またこれから検討進めていきたいと思います。

樽井弘三教育長
よろしいでしょうか。
それでは、本件は報告案件でございますので、これをもって終了いたします。

続きまして、日程第3、議案第35号、「高槻市立幼稚園条例施行規則中一部改正について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。

子ども未来部長(万井勝徳)(提案理由説明)
ただいま上程されました、日程第3 議案第35号、高槻市立幼稚園条例施行規則中一部改正について、提案理由のご説明を申し上げます。

本改正は、令和元年10月より開始する幼児教育・保育の無償化に伴い、幼稚園使用料の徴収が行われなくなることから、第7条第3号において、「保育料を委員会が指定する日までに納付しない」場合に退園を命ずることができるとしている規定の該当者がいなくなるため、当該号を削るものでございます。
なお、施行日は令和元年10月1日とするものです。

以上、誠に簡単な説明でございますが、よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

樽井弘三教育長
ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご質問はございませんでしょうか。

樽井弘三教育長
よろしいでしょうか。
それでは、無いようですので、採決に入ります。議案第35号、「高槻市立幼稚園条例施行規則中一部改正について」を原案どおり可決してご異議ございませんか。

(異議なし)

樽井弘三教育長
ご異議が無いようですので、議案第35号は、原案どおり可決されました。

続きまして、日程第4、議案第36号、「預かり保育に関する規則中一部改正について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。

子ども未来部長(万井勝徳)(提案理由説明)
ただいま上程されました、日程第4 議案第36号、預かり保育に関する規則中一部改正について、提案理由のご説明を申し上げます。

本改正の内容でございますが、第3条の預かり保育の「実施基準」について、各号で定める該当理由があれば預かり保育を利用することができることとしておりますが、この該当理由が保育施設への入所要件である子ども・子育て支援法第19条第1項第2号で掲げる教育・保育認定事由と同義であるため、この事由に該当する支給認定こどもであることを利用資格として定めるものでございます。
なお施行日は令和元年10月1日とするものです。

以上、誠に簡単な説明でございますが、よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。

樽井弘三教育長
提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご質問はございませんでしょうか。

樽井弘三教育長
よろしいでしょうか。
それでは、無いようですので、採決に入ります。議案第36号、「預かり保育に関する規則中一部改正について」を原案どおり可決してご異議ございませんか。

(異議なし)

樽井弘三教育長
ご異議が無いようですので、議案第36号は、原案どおり可決されました。

以上で、本日の日程がすべて終了いたしましたので、閉会といたします。

( 午後3時59分閉会 )