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平成30年8月20日(月曜日)午後3時00分、平成30年第9回高槻市教育委員会定例会を教育委員会室に招集した。
出席委員(5人)
樽井 弘三 教育長
中村 公美子 委員
八十 祐治 委員
深堀 基子 委員
美濃 律 委員
説明のために出席した事務局職員の職、氏名
教育管理部長 平野 徹
教育指導部長 横山 寛
教育管理部部長代理 田中 宏和
教育管理部参事兼城内公民館長 加納 彰
教育管理部参事兼中央図書館長 境谷 圭太
教育指導部部長代理 佐藤 美恵
教育指導部参事兼教職員課長 北堂 薫
総務課長 木下 諭
学務課長 丹羽 正裕
保健給食課長 橋長 忠司
地域教育青少年課長 原田 由美子
文化財課長 宮崎 康雄
文化財課主幹 中西 裕樹
教育指導課長 青野 淳
教育指導課主幹 岩佐 知美
教職員課主幹 原 雅彦
教育センター所長 田中 健文
教育センター主幹 藤田 卓也
総務課副主幹 山本 佐和子
学務課課長代理 今福 幸正
保健給食課課長代理 松岡 創
地域教育青少年課課長代理 矢野 幸広
地域教育青少年課副主幹 清水 章
文化財課課長代理 栗田 智子
文化財課副主幹兼埋蔵文化財調査センター所長 橋 公一
教育指導課副主幹 丸山 みち子
教育指導課副主幹 堀 晶恵
教育センター副主幹 青竹 則雄
教育センター副主幹 西田 太郎
教育指導課指導主事 中前 勝則
教育指導課指導主事 杉野 暁子
子ども未来部長 万井 勝徳
子ども未来部部長代理 白石 有子
保育幼稚園総務課長 野谷 研介
保育幼稚園総務課主幹 山口 大輔
保育幼稚園事業課長 北川 雅士
保育幼稚園総務課副主幹 立田 晋平
高槻市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会委員長 吉川 明
総務課副主幹 奥 博志
議事日程
日程第1 報告第9号 平成29年度高槻市立小中学校におけるいじめ・不登校の現状について
日程第2 報告第10号 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果について
日程第3 議案第29号 平成31年度使用高槻市立義務教育諸学校教科用図書の採択について
日程第4 議案第30号 高槻市立小中学校校区の一部変更について
日程第5 議案第31号 高槻市立幼稚園条例中一部改正原案について
日程第6 議案第32号 高槻市立清水幼稚園及び高槻市立磐手幼稚園の用地及び建物の用途廃止について
日程第7 議案第33号 高槻市立清水幼稚園、高槻市立磐手幼稚園及び高槻市立日吉台幼稚園の再測量に伴う残地の用途廃止について
日程第8 議案第34号 平成30年度歳入歳出補正予算(第2号)教育費原案について
( 午後3時00分開会 )
樽井弘三教育長
ただいまから、平成30年第9回高槻市教育委員会定例会を開会いたします。
なお、本日の会議に傍聴の希望がございましたので、許可をいたしております。
本日の会議の出席者は、5名でございます。なお、本日の会議の署名委員は、中村委員 八十委員にお願いいたします。
樽井弘三教育長
ここで、会議録の承認をお願いいたします。本日は、平成30年第8回定例会会議録の承認をお願いいたします。会議録の朗読を省略してご異議ございませんか。
(異議なし)
(署名委員 会議録署名)
樽井弘三教育長
それでは、議事に入ります。
日程第1、報告第9号、「平成29年度高槻市立小中学校におけるいじめ・不登校の現状について」を議題といたします。報告を求めます。
教育指導部長(横山寛)(報告)
ただいま上程されました、日程第1、報告第9号「平成29年度高槻市立小中学校におけるいじめ・不登校の現状について」をご説明いたします。
まず、いじめの状況について報告いたします。
いじめ防止対策推進法では、「いじめは当該児童等と一定の人間関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの」と定義されております。
それに基づき、平成29年4月1日から平成30年3月31日の期間に学校が認知した件数は、小学校が41校で245件、中学校が18校で113件となっております。
認知件数の大幅な増加は、いじめ防止対策推進法のいじめの定義を踏まえ、各校で策定したいじめ防止基本方針をもとに、日常での児童生徒の観察、教育相談、アンケートの実施による早期発見・早期対応のための取組の推進、教員研修の充実など各校での組織的な指導体制の充実により認知件数が増加していると考えております。
今後も、いじめ又はいじめと疑われる事案が起きた場合は、いじめ対策委員会等を中心とした組織的対応の意義を再度周知し、教職員の意識改革を促すとともに、第一に被害児童生徒の相談や訴えをサインと捉え、早期発見・早期解決を図ることができるよう、研修体制の充実に努めてまいります。
学年別では、小学校では5年生、中学校では1年生が最も多くなっております。
(2)の取組の状況につきましては、平成29年に改定された国の「いじめ防止等のための基本的な方針」により、いじめの解消の定義が次のように規定されました。「いじめは、単に謝罪をもって安易に解消とすることはできない。いじめが『解消している』状態とは、少なくとも次の2つの要件が満たされている必要がある。
1つ目は、いじめに係る行為が少なくとも3ヶ月を目安として止んでいること。2つ目は、被害児童生徒がいじめの行為により心身の苦痛を感じていないと認められること。
しかし、これらの2つの要件が満たされ、「解消している状態」に至った場合でも、いじめが再発する可能性が十分にあり得ることを踏まえ、学校の教職員は、当該いじめの被害児童生徒及び加害児童生徒については、日常的に注意深く観察する。」と示されています。
このいじめの解消の定義に基づき、小学校は245件のうち、いじめ行為について解消したものが198件、取組中が47件となっております。中学校は、113件のうち、いじめ行為について解消したものが81件、取組中が32件となっております。
(3)の実態把握のために行った具体的な方法としましては、全小中学校でアンケートを複数回実施しており、さらに個別の面談、家庭訪問等、複数の方法により把握に努めております。
次に2.長期欠席、不登校の状況について報告いたします。
まず不登校とは、年間30日以上欠席した長期欠席児童生徒のうち、「その他、病気、経済的」理由を除いた者のことです。
平成29年度の不登校の児童生徒数は、小学校が91名、千人あたりでは4.9人、中学校が246名、千人あたりでは27.7人となっており、小学校では平成28年度より1名増加しており、中学校では8名減少しております。また、不登校に「その他、病気、経済的」理由による欠席も加えた長期欠席の児童生徒全体の数については、小学校は210名、千人あたりでは11.3人、中学校は420名、千人あたりでは47.4人となっており、平成28年度と比較して小学校では13名増加、中学校では23名減少しております。
また、(2)の学年別不登校児童生徒数の資料からは、小学校6年生から中学校1年生の増加は約1.8倍と前年度と比較し、増加率は減少傾向にありますが、中学校1年生の不登校数はほとんど変わっておらず、小学校での不登校数が増加しております。特に小3、小5、小6については、継続数が多く、全体数の増加に影響しています。
したがって不登校対策の課題といたしましては、小学校における不登校数の増加の抑制と、長期欠席者に対する初期対応、自立支援のための取組の充実と考えております。
これらの課題に対応するために、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家や不登校等支援員、また関係諸機関と適切に連携し、不登校児童生徒の個に応じたきめ細かな支援を行っております。また、不登校が長期継続している児童生徒については、教育センター内に適応指導教室を開設し、専門スタッフが学校復帰に向けての支援を行っております。
未然防止の取組としましては、一昨年度より阿武山中学校区をモデル校区として取り組んできました「魅力ある学校づくり」をさらに推進していきます。この取組が市内全体に広まってきたことにより、市内全体の不登校の新規数は平成28年度54.4%だったのに対し、平成29年度は37.1%に抑えることができました。今年度は生徒指導主事等連絡会の研究テーマとして取り上げ、中学校の生徒指導主事が中心となり、各校における不登校未然防止の取組を継続していきます。
いじめに係る取組といたしましては、平成24年度から開設しました「はにたんのこどもいじめ110番」がございます。このサイトへの昨年度のいじめに関する相談は1件ございました。今年も、全児童生徒に相談カードを配付し、このサイトの周知に努めているところでございます。
また、平成30年度4月には「高槻市いじめ防止基本方針」を改定し、各校におけるいじめへの対応をより具体的かつ実効性のあるものにするとともに、重大事態への対応についても教育委員会の附属機関を設けるなど、大幅に変更しております。高槻市いじめ防止基本方針をもとに、各校で策定している「学校いじめ防止基本方針」も見直しを行い、いじめの定義や基本方針の周知徹底、いじめ不登校対策委員会を要とした組織的対応の徹底など教職員への研修体制を充実するとともに、いじめの未然防止や早期発見・早期解決に向けた取組をPDCAサイクルで取り組むよう指導してまいります。
さらに、いじめに係る全市的な取組としては、「児童・生徒会サミット」の実施がございます。昨年度は平成29年11月22日と平成30年2月18日に開催し、市内小中学校の児童生徒会代表が一堂に会し、「いじめのない学校をつくるためにわたしたちにできること」というテーマで、情報交換や協議を行いました。児童生徒の自主的・主体的な姿勢や、社会に参画する態度を育んでいくために、今後も取り組んでまいります。
以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくお願い申し上げます。
樽井弘三教育長
ただいま、報告が終わりましたが、委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。
美濃律委員
学年別で、いじめは小学校では5年生、中学校では1年生が最も多くなっていると仰っていましたが、何か推察できる理由等はありますか。
教育指導課指導主事(中前勝則)
例年の傾向として、いじめは、小学校は学年が上がる毎につれて認知件数は多くなる傾向にあります。そして中学校は1年生が一番多くて、3年生に上級生になるにつれて少なくなっていく傾向がございます。傾向としてはそのようになっております。原因としては発達段階のことが大きいかと思います。
深堀基子委員
今のことと合わせてなんですけれども、不登校は小学校3年生がかなり増えていると思うのです。低学年で、こういう小学校3年生くらいで不登校になるということの原因を把握されていたら、わかる範囲で教えていただきたいのですけれども。
教育指導課指導主事(中前勝則)
小学校の低学年では、どちらかというと家庭変化、親子関係など、家庭に起因するものが多いかと思います。今ご質問のあった小学校3年生、小学校中高学年ぐらいからは、不安や無気力の原因となっている友人関係であったり、勉強が難しくなってくるということで学業不振といったことがきっかけとなって、不登校になる割合が増加するということがあります。
深堀基子委員
今までは、不登校というと中学生というイメージがあったのですけれども、すごく低学年に降りてきているというのが気になります。
それともう1点、長期欠席・不登校の状況の中のその他が小学校で77人、かなり増えているのですけれども、その他というのはどういうことが考えられますか。
教育指導課主幹(岩佐知美)
その他の分類につきましては、保護者の教育に対する考え方、それから、保護者の無理解・無関心等を理由に欠席、また家庭の事情、それから海外への長期滞在等の理由で休んでいる、もしくは連絡先が不明なまま休んでいる場合をその他としております。
中村公美子委員
先ほどの深堀委員の質問と少し重なる部分があるのですけれども、私も小学校3年生の不登校の増加が特に気になったのですけれども、先ほどの説明では低学年では家庭の事情、中高学年では不安・無気力、友達関係、学力不振というふうに仰っていたのですけれども、その中高学年というのが3年生から含まれてくるのか、その中身で3年生の不登校が増えているのか、その辺どのような対策が有効になってくると考えているか、少し聞かせてもらえますか。
教育指導課指導主事(中前勝則)
小学校中学年くらいからに対して、どのような取組が行なわれているかということですが、先ほども申し上げましたように、学業不振であったり友人関係のトラブルといったものが原因として含まれる部分が多くなってきますので、学習保障をしっかりしていく。それと、集団の中にしっかりと位置づけられるような仕掛けを学級内で行っていくことが必要になっていくと思います。
中村公美子委員
もう1点。いじめの取組として上げられている「はにたんの子どもいじめ110番」なんですけれども、このサイトの周知に努めているという説明がありました。ただ、このサイトというのは平成24年度から開始しているので、今年度で7年目になる中で、前年度の相談件数が1件だけという部分ですけれども、これは周知徹底が十分でないために1件なのか、この施策の中身が使いにくいからなのか、その辺の分析はどのようにされていますか。
教育指導課長(青野淳)
「はにたんの子どもいじめ110番」につきましては、教育委員会としては子どもたちがあらゆる教育相談をする窓口の1つとして「いじめ110番」を開設した当初の目的がございます。ここには確かに簡易電子申込を使いまして、子どもたちが24時間いつでも教育委員会に悩み事であるとか、クラスのいじめということを相談できるということもございますが、そこにリンクされております高槻市の教育センター内の教育相談の窓口の案内であったりとか、もしくは大阪府が開設しておりますいじめ相談といったところにもリンクを貼っております。年度のアクセス数を見ますと、大体4000から5000くらいのアクセス数があるということですので、子どもたちがこの「はにたんの子どもいじめ110番」を1つのきっかけとして、学校を始めいろんな窓口で相談できる体制、そういったものについては図っていきたいと考えております。
なお、さきほど中村委員からご指摘のありました、より子どもたちが使いやすいような形でということについては、現在配布しているカードにもQRコードで簡単にそのサイトに飛んでいくような工夫であるとか、もしくはホームページ上の子どもたちが見やすいような工夫ということについては教育委員会としても今後研究していきたいと考えております。
八十祐治委員
いじめといってもいろんなタイプのいじめがあると思います。把握されている範囲で結構ですので、例えば男子と女子でどのようないじめの傾向があるのか、小学校と中学校でどのようないじめの傾向の違いがあるのか、小学校で低学年と高学年でどのような違いがあるのかというところで、わかる範囲で結構ですのでご説明ください。
教育指導課指導主事(中前勝則)
まずいじめの対応につきましては、小学校におきましては学年が上がるにつれて認知件数も増えるのですけれども、加害人数が増加してくるという傾向がございます。低学年であれば加害人数が1人2人ということが多いのですけれども、5・6年生になってくると集団化してくるというような傾向があります。
また近年では、SNSがきっかけになったいじめというのも増加傾向にあります。これはスマホや携帯電話の生徒の所持率が高くなっているということで、情報モラルに関する学習、計画的な指導が必要になってくると考えております。
深堀基子委員
不登校等支援員というのが中学校区に配置されていますが、小学校の児童の支援というのも対象になるのでしょうか。
教育センター所長(田中健文)
中学校区に1名ずつ配置させていただいている考え方ですが、中学校区の中で小学校長、中学校長、生活指導担当同士が必要に応じて、支援員が子どもたちを支援するというのができるような形にしております。
樽井弘三教育長
他にございませんでしょうか。
それでは、私から少し確認も含めて、いくつかお聞きしておきたいのですけれども、1つは、先だって新聞報道でもありましたけれども、内閣府が40歳から64歳の引きこもりの調査をするということが発表されました。その中には小中学校で不登校を経験しているという人たちも、おそらくかなりの数に上るのではないかなというふうに思っています。不登校児童生徒への支援というのは、社会的な自立を促す、社会で一人で生きていけるようにするということだと思っております。そういった視点で考えるならば、中学校3年生の不登校生徒が、昨年度でいうと103人ですね。この中学校3年生の不登校の子どもが義務教育を終えて、次のステージにきちんと接続できているのかという点が非常に大きい問題だと思うのです。そのことについて、進路の状況について説明をお願いしたいということ、その1つをまず全体確認していただきたいのですけれども。
教育指導課主幹(岩佐知美)
中学3年生の不登校生徒の進路については、本人・保護者・学校での丁寧な話し合いを経て、自分に適した進路を自らの意思で選択できるように支援をしております。その際、本人の状況によって単位制の高校であったり、また学び直しを特徴とした高校いわゆるエンパワーメントスクールなどの紹介をするなどして、将来を見据えた進路指導を行っております。ただ、進路未定者には卒業後も学校の教員が本人や保護者との連絡を取って進路決定に向けて支援を続けているという状況です。
樽井弘三教育長
よろしくお願いしたいと思います。
もう1点あるのですけれども、文部科学省が不登校の児童生徒について、公的機関あるいは民間施設と、そういった連携を段階的に推進していくべきであるという通知を何回も出しています。公立のものについては、そのことについて取組も進めていくと思うのですけれども、本市はエスペランサという公的機関を持っています。ですから、そことの連携になるだろうと思っています。昨年のエスペランサの入室状況であるとか、復帰状況であるとか、そういったことを1つお願いしたいのと、それから、民間施設との連携ですね。すぐにはどうこうということはないだろうと思いますけれども、今後の研究課題だろうと思っていますので、これについては事務局・学校現場等で研究を進めていただきたいと思っているところです。エスペランサの状況についてお願いしたいと思います。
教育センター所長(田中健文)
昨年度の数字を申し上げますと、不登校児童生徒支援室エスペランサの入室数は、小学生2名、中学生15名の合計17名でございます。この児童生徒ですが、ケースごとに状況の違いはもちろんございますが、学校に復席できた割合、復帰率でいいますと100%です。
教育指導課主幹(岩佐知美)
学校以外の公的機関、民間施設等の連携については、平成28年度に文部科学省より通知がございました。その中では、「わが国での義務教育制度を前提としつつ、一定の要件を満たす場合に学校外の施設において相談・指導を受けた日数を指導要録上出席扱いとすることができる」というふうにあります。以上のことから本市におきましては、適応指導教室のエスペランサで相談・指導を受けた日数を出席扱いというふうにしています。ただ、適応指導教室のエスペランサにも通うのが困難であるという生徒も今後出てくる、現状としてもあるかと思いますが、フリースクール等の民間の相談施設・指導施設を利用している場合においては、学校への復帰を前提として、かつその施設が個々の児童生徒に適切であるかどうかを判断する必要があるというふうに考えていますので、条件整備等についても今後研究を進めていきたいというふうに考えております。
樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。
いじめにつきましては、広く捉えて早く対応するというのが趣旨ですので、よろしくお願いしたいと思います。それから、不登校については社会的な自立ですので、一人前の大人として社会で生きていけるように、そのための教育ということでよろしくお願いしたいと思います。
それでは、本件は報告案件でございますので、これをもって終了いたします。
続きまして、日程第2、報告第10号、「平成30年度全国学力・学習状況調査の結果について」を議題といたします。報告を求めます。
教育指導部長(横山寛)(報告)
ただいま上程されました、日程第2、報告第10号、「平成30年度全国学力・学習状況調査の結果概要」の報告につきまして、提案理由をご説明申し上げます。
今年度の「全国学力・学習状況調査」につきましては、小学校の第6学年、中学校の第3学年の全児童生徒を対象に、小学校は国語・算数・理科、中学校は国語・数学・理科の3教科で4月18日に実施しました。理科は、平成24年度から3年に一度の実施となっております。文部科学省の結果の公表日は、7月31日となり、例年よりも1ヶ月ほど早い結果の提供となりました。本市におきましても、例年10月に実施していた調査の結果分析と改善方策に係る研修会を8月8日に実施しました。各校で結果の分析を早めに行い、9月以降の授業において、より具体的な課題解決への取組につなげてもらいたいと考えております。
また、昨年度より文部科学省では、細かい桁における微小な差異は、実質的な違いを示すものではないため、市町村や都道府県の平均正答率を整数で発表することとなりましたが、本市におきましては経年比較を分かりやすくするために、従来どおり小数第1位までの公表としております。
また調査結果の公表は、その方法や内容等につきまして、市町村教育委員会がそれぞれ判断して行うこととなっております。この点につきましては、平成20年9月の臨時教育委員会議及び昨年1月の教育委員会議においてご議論いただき、『学校別の結果を公表しないことを前提に、数値のみが「一人歩き」しないよう、公表の趣旨や目的等を十分に説明すること等、慎重な対応を行った上で、平均正答率も含めた公表を行う』という決定がなされております。この決定をふまえ、本調査の結果概要を、今後ホームページに掲載するとともに、年末に配布されます広報誌 新年号の教育特集でも調査結果の概要等を公表する予定です。
つぎに、今回の本市の調査結果についてでございますが、配布しております資料、左、中段の表をご覧ください。
今年度の本市の結果と対全国、対大阪府を示した表となっております。今年度は、小学校、中学校共に、全教科・区分において、全国平均を上回る結果となりました。
続きまして、左下の本市の学力の経年変化のグラフをご覧ください。本学力調査が開始された平成19年度以降、向上傾向にあり、全国平均を上回って推移しております。これらの結果については、この間、連携型小中一貫教育において各中学校区で取り組んでいる授業改善や本市がこれまで進めてきた様々な教育施策の成果であると考えております。
右側の正答数分布と領域等別正答率をご覧ください。領域等別正答率を表すレーダーチャートは、全国の状況とほぼ同傾向を示しています。全国的な学力の課題とも重なりますが、国語においては、言葉の意味は理解していても、それを適切に使用する問題において課題が見られました。また、目的に応じて文章を読み、内容を整理して書くことにも課題がありました。
全ての教科において、学びの基礎となり、また思考する際にも必ず必要となる言語能力の育成に、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
理科につきましては、前回実施の平成27年度の結果より、特に小学校において改善が見られました。しかし、小学校の理科では、基本的な知識を問う問題で、全国平均値より3ポイント下回り、課題が見られました。科学的な思考力を育むためにも、基礎的な知識や技能の習得をおろそかにしない授業展開が必要と考えます。
資料の裏面をご覧ください。児童生徒質問紙の結果を本市の施策との関連で掲載したものです。
裏面の上から2つ目の「自学自習力の向上」に関する2つの質問「家で、自分で計画を立てて勉強していますか」「普段1日当たりどのくらいの時間勉強をしますか」の回答をご覧ください。小学校、中学校ともに、改善傾向がみられます。ただ、全国と比べまして、差があり、依然として課題であると捉えております。家庭学習の習慣化や自学自習力の育成は、各校の授業改善とともに本市の課題であり、今後も改善に向けた取組を引き続き行ってまいりたいと考えております。
以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくお願いいたします。
樽井弘三教育長
ただいま、報告が終わりましたが、委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。
中村公美子委員
この学習状況調査の裏面のほうなのですけれども、1日あたりの学習時間について1時間以上の割合についてなんですが、年々向上しているものの全国に比べてまだ差があるということは、このグラフを見てもよくわかります。そして、当然ながら学力と勉強時間というのは相関が高いことが言われています。ですが、その割には高槻市は学力結果については全国と比べてもいい結果が出ています。それぞれの結果だけを単純に見ると矛盾しているようにも思うのですけれども、こういった結果も踏まえてお聞きしたいのですが、家庭学習の習慣化や自学自習力の育成が本市の課題というふうに先ほどの説明にありましたが、今後どのように改善に向けた取組を行っていく予定なのか、教えていただけますか。
教育指導課副主幹(丸山みち子)
中村委員のご質問についてお答えさせていただきます。家庭学習1日当たり1時間以上勉強するというところで示させていただいているのですが、やっている子はやっている、やっていない子の中で全国平均と比べて、全くしていない子の割合が多いというところが、ここからは見えてこないのですが、現状としてございます。その子たちにもしっかり学習量を確保するという取組が今後必要になってくると考えております。現在の再チャレンジ教室等いろんな施策を行っているところですが、効果的に実施できるよう取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
中村公美子委員
今の説明ですと、学習時間の二極化で、学力テスト、国語であったり算数・数学の結果を引き上げているのは、学習量の多い上位層が上げていると捉えられるんですけれども、そのように考えていいでしょうか。
教育指導課副主幹(丸山みち子)
可能性としてはそういう可能性もございますので、その部分については、また精査していきたいと思います。やっている子はしっかり学習しているというところは実態としてございます。
中村公美子委員
もちろんそこもすごく大切な部分ですし、家庭での勉強時間をさらに延ばせば、単純に勉強時間を延ばせばいいということではないと、私は思っています。ようは勉強への動機付けや意欲がものすごく強く絡んできて、勉強の質的な変化がないと学力の向上に結びつかないのではないかと。なので、もちろん家庭学習の時間は参考にすることは絶対必要なのですけれども、そこにこだわり過ぎることなく、勉強の内容や質、そして集中力であったり、学習効率を上げるための工夫について、もっと考えていくべきではないかなと思っています。
深堀基子委員
学習状況調査の結果概要についてですが、豊かな心を育む教育の推進で、自分にはいいところがありますかという問いに、小学校中学校ともに大きく向上していることにうれしく思っております。自尊感情を高めることによって、他人を認めることにつながれば、いじめも減るのではないかというふうに考えますので、これからも引き続き取組をお願いしたいと思います。
樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。
それでは、私のほうから2つ、要望というか今後こういう方向性を持って検証をしてもらいたいということを申し上げたいと思いますので、よろしくお願いします。
1つは、これまで本市が進めてきたさまざまな教育施策がございます。それと今回初めて全種目で平均値を上回ったということなのですけれども、その相関関係、関連、そういった視点でぜひとも検証を進めていってもらいたい。本市は、先ほど提案理由にもございましたが、平成19年度に二学期制ということで1年間の枠組みを変えました。そして平成28年度に小中一貫教育ということで9年間、縦の枠組みを変えました。それはとりもなおさず教育施策が有効に機能するという、効果的に展開できるということで枠組みを小中一貫にしたし、二学期制にしたということだと思っています。そのことも含めてこの間進めてきた教育施策が今回の学力結果にどのようにつながっているのか、その視点で1つ検証を願います。
もう1つは、やはり義務教育の大きな役割は、低学力の克服ですよ。それから階層間格差の是正です。これが義務教育の一番といっていいぐらい教育行政がすべき役割だと思っております。そういった視点で、今この2つを、すぐに克服できるわけではないのですけれども、どのように進んできているのか、うまくいっているのかいっていないのか、さまざまな施策はそういったことも踏まえた施策であると考えていますので、この大きな2つの視点で今後分析をしてもらって、次の施策につなげてもらいたい。今、教育委員さん各位からもございましたけれども、学びの質ということも含めて分析をしてもらいたい。
上位層が頑張っているから、単に平均値が上がっているのかもしれないし、そこはわからない。その辺の分析もお願いしたいなと思います。それを施策に反映していきたい。
樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。
それでは、本件は報告案件でございますので、これをもって終了いたします。
続きまして、日程第3 議案第29号、「平成31年度使用高槻市立義務教育諸学校教科用図書の採択について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。
教育指導部長(横山寛)(提案理由説明)
ただいま上程されました、日程第3、議案第29号、「平成31年度使用 高槻市立義務教育諸学校 教科用図書の採択について」の提案理由をご説明いたします。
「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」に基づき、教育委員会において、平成31年度に高槻市立小中学校で使用する教科用図書を採択することとなっております。
今年度は、中学校教科用図書「特別の教科 道徳」について、文部科学省の「中学校用教科書目録」に登載されている教科書のうちから、採択することになっております。
中学校「特別の教科 道徳」以外の高槻市立小中学校の教科用図書の採択について説明いたします。
平成30年度においては、小学校は、「特別の教科 道徳」以外の教科書について、新たな採択を行う年度でございます。しかし、平成32年度学習指導要領の全面実施に伴い、平成31年度に新たな教科書を採択する必要があることと、さらに平成29年度の検定においては新たな図書の申請がなく、基本的には前回の平成25年度検定合格図書等の中から採択を行うことが可能とされていることから、本市においては、4年間の使用実績を踏まえ、平成26年度採択における調査研究の内容を活用し、採択を行っていただきたいと考えております。
中学校用教科書「特別の教科 道徳」以外の中学校用教科書については、義務教育諸学校教科用図書の無償措置に関する法律第14条及び同法施行令第15条第1項の規定により、学校教育法附則第9条の規定による特別支援学級における教科用図書をのぞき、平成30年度と同一の教科書を採択しなければならない、とされております。
5月の教育委員会でご承認をいただきました、「高槻市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会」でございますが、大阪府教育委員会が定めた教科用図書選定委員会運営要領、高槻市附属機関設置条例、及び高槻市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会規則に則り、5月23日から7月4日にかけて、3回開催されました。
同委員会では、教育委員会からの「中学校用「特別の教科 道徳」について、調査審議し、答申すること」、「特別支援学級において使用する、学校教育法附則第9条関係教科用図書について答申すること」との諮問により、教科用図書の調査及び研究を行い、審議を重ねてまいりました。
7月18日に選定委員会委員長から「平成31年度使用義務教育諸学校教科用図書の選定について」の答申があり、樽井教育長が受理したところでございます。
委員のみなさまにおかれましては、対象となる教科書や意見書等につきまして、すでに、ご覧いただいているところでございます。本日は、答申を参考の上で、教科書目録に登載されております全発行者についてご審議いただき、高槻市立小中学校で使用する教科用図書を採択していただきたく、議案を上程いたします。
なお、選定委員会からの答申につきましては、「高槻市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会」委員長からご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。
選定委員長(吉川明)(答申について説明)
それでは、私のほうから教科書採択にかかる答申について説明させていただきたいと思います。
高槻市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会は、高槻市附属機関設置条例および及び高槻市立義務教育諸学校教科用図書選定委員会規則に則り、平成30年5月15日付けで高槻市教育委員会より、平成31年度から中学校において使用する教科書について、中学校用「特別の教科 道徳」の教科用図書の選定について調査審議すること、また、平成31年度に特別支援学級において使用する学校教育法附則第9条関係教科用図書の選定について調査審議するよう諮問を受けました。
その後、本委員会では5月下旬から7月上旬までの約1ヵ月半にわたって教科書採択の公正かつ適正な実施をはかるため、各々の発行者の教科書見本について直接調査および研究を行うとともに、調査員による調査報告書、大阪府の教科用図書選定資料や学校意見書、教科書展示会における意見書等も参考にしつつ調査作業を進めてまいりました。
選定委員である校長代表、各教科代表や教育委員会事務局職員は教育公務員としての専門的な立場から、また保護者代表の委員は子どもが本市の小中学校に通学している市民としての立場から、意見を出しあい、活発な審議を積み重ねてきたところです。
このような審議を踏まえ、平成31年度使用中学校教科用図書について調査審議を行った結果について、教育長へ答申いたしました。
また、平成31年度に特別支援学級において使用する学校教育法附則第9条関係教科用図書についても答申いたしました。
本日の配布資料にあります答申を元にご審議いただきますようよろしくお願いいたします。
樽井弘三教育長
ただいま、提案理由説明及び選定委員長から答申についての説明がありました。説明にありましたとおり、すでに、教育委員会は、7月18日に選定委員長から選定委員会の答申を受理いたしております。
その後、教育委員の皆様には、答申書の写しとともに、選定委員会の調査員の調査報告書の写し等の資料をお渡ししており、教科書目録に登載されている教科書について調査していただいております。
本日は、選定委員会の答申をもとに、まずは中学校種目「特別の教科 道徳」の教科書の採択をしてまいりたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(全員異議なし)
樽井弘三教育長
それでは、最初に、「特別の教科 道徳」について審議いたします。
事務局で、調査審議結果について朗読をお願いします。
教育指導課指導主事(杉野暁子)
答申にあります、総合所見を朗読いたします。
発行者番号2 東京書籍株式会社「新しい道徳」
各学年30教材(35時間扱い)と付録5教材の配置で補充的、深化的な配慮がなされている。各学年にSNS情報モラル、いじめなど現代的な題材があり、生徒が問題意識をもてるよう取り扱われている。全学年に「生命尊重ユニット」を配置し、複数教材を通していのちの大切さを考えられる対応がなされている。生徒が考える際の参考となるように各教材に「つぶやき」、教材末に「考えてみよう」などが設置されている。一般的なフォントより少し太めなユニバーサルデザインフォントが使用されている。
発行者番号11 学校図書株式会社「中学校道徳」
教材のはじめに内容項目を提示し、さらに重要な現代的課題などはポイントマークで示し、学習の見通しをもちやすい。教材の終わりには、発問「学びに向かうために」が設置され、教材を通して自ら課題意識をもち、多面的・多角的に深く考えられるよう工夫されている。また、年間を3つに区切り、それぞれの期間の学びを振り返り、生徒が書き込みをするページが設けられている。教材については、社会や文化とのつながりを考えられる多様な題材がある。特に「いじめ」については、全学年で直接教材と間接教材の2種類が用意され、生徒の日常の中で起こりうる事例が取り扱われている。行間が広く、中学校配当漢字と常用外漢字及び固有名詞等についてはその都度ルビがつけられており、誰もが見やすく分かりやすい工夫がある。
発行者番号17 教育出版株式会社「中学道徳」
全学年を通して「取り組みやすさ」が重視され、生徒が無理なく学習できるよう教材内容が精選され、短い教材、見てわかる教材、生徒にとって身近な設定の教材を積極的に掲載している。また、「考え、議論する道徳」を実現できるよう、1時間1教材、コラムなどは極力つけないことで学習内容を焦点化し、教員と生徒がともに前向きに取り組むことができる、コンパクトかつシンプルな教科書となっている。さらに、教科書の巻末には「心かがやき度」で表現する記録表があり、一人一人を認め、励ます評価へつなげることができる。
発行者番号38 光村図書出版株式会社「中学道徳」
全学年を通して、特に「生命を大切にする心」の育成に重点を置いており、発達段階に合わせて、さまざまな観点から「命」について、学びを深めることができる教材や資料が幅広く取り上げられている。全学年取り上げられている「いじめ」についても、様々な内容項目から考える教材とコラムで学びを深められるように配慮されている。また、教員をサポートするために、「教師用授業ノート」や生徒用のワークシートなど学習指導に関わる資料が豊富に用意されており、教員が生徒の実態に応じて授業展開を工夫しアレンジすることも可能である。各学年の付録「学びの広場」には、小学校における道徳の定番教材が収録されており、中学生に成長した今の考えを改めて語り合うことで、生徒の深い学びにつなげることができる「学び直しの教材」が特徴的である。
発行者番号116 日本文教出版株式会社「中学道徳/道徳ノート」
内容は中学生が興味を持つようなものが多く、主体的に生徒が問題について考えようとすることができる。また、イラストや写真も多い。別冊の道徳ノートがついており、毎時間の授業の記録の中では、「自分にプラスワン」に自分の考えを書くことで、これからの思いや課題について考えることができる。また、友達の意見や話し合いの内容を書く欄があり、考え議論した内容を書き込めるようになっている。学期末の振り返り欄には生徒だけでなく、保護者の記入欄もあり、学校と家庭の連携が図れる。また1年間の記録を書きとめることで、生徒自らが自分自身の変容、成長を見て取ることができる。活動も読むだけでなく、討論したり、体験したりできるように工夫されており、より深く考え、自分自身を見つめることができる。「いじめ」防止ユニットが複数配置されているなど、生徒が様々な方面から、議論できるような教材やコラムが取り扱われている。
発行者番号224 株式会社学研教育みらい「中学生の道徳」
教材の主題名をあえて本文より前に記載しないことで、生徒自らが考えを深め、主体的に問題意識を持てるように工夫されている。また、主体的・対話的で深い学びを実現させるために3種類の特設ページ≪深めよう:役割演技などを通して道徳的行為に関する体験的な学習の展開を目指す≫、≪クローズアップ:生きる上での選択肢を増やす≫、≪クローズアッププラス:視点や内容項目の異なる関連情報を用いて、さらに視野を広げる≫を設置している。さらに、いじめ防止につながる教材も各学年多種多様な内容項目の教材を用いて、いじめをなくすために取り組もうとする意欲や態度を育むよう配慮されている。
発行者番号232 廣済堂あかつき株式会社 「中学生の道徳/中学生の道徳ノート」
本冊と別冊ノートの2分冊で、相互に活用することで道徳的思考を深められるよう構成されている。別冊ノートは、内容項目ごとのページになっており、自分自身を見つめ考え、心の在り方や成長を振り返ることができるよう工夫されている。また、内容項目ごとのページのため、授業展開や生徒の学習状況などを考慮しながら、より効果的なタイミングで活用することができる。教材については、特定の見方や考え方に偏らないよう配慮されている。
発行者番号233 日本教科書株式会社 「道徳 中学校」
学習指導要領の内容項目順に構成されており、全学年1から22の内容項目が順に配列されている。また、読み物教材中心の構成になっており、1教材が5から6ページのものもあり、授業展開を工夫できるようになっている。いじめや情報モラルなどが全学年で取り扱われ、現代的な課題についても考えを深められるようになっている。生徒が題材を考える際の参考となるよう各教材末尾には「考え、話し合ってみよう、そして深めよう」の設問がある。
樽井弘三教育長
事務局からの説明が終わりました。委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。
中村公美子委員
まず、教科書の内容についての質疑をする前提としてお聞きしたいのですけれど、道徳が教科化され、これまでと何が変わるのかをお聞かせいただけますか。
教育指導課長(青野淳)
今年度小学校の道徳が教科化されておりますが、道徳が教科化されることにより、まず検定教科書が使用されるようになることと、それと道徳科の授業で児童生徒を記述式で評価することが大きく変わるところです。
また、教科化されることで、これまでも行われてきたことですが、読み物中心の道徳の授業が、問題解決的な学習や体験的な学習を取り入れるなど、「考え、議論する道徳」への転換を図ることがねらいです。
中村公美子委員
今の説明でもありました評価を記述式で行うということなのですけれども、どのような評価をされるのでしょうか。また評価する上で工夫されている発行者はあるのでしょうか。その辺を少し教えていただけますか。
教育指導課長(青野淳)
評価に関しましては、学習状況や道徳性に係る成長の様子を継続的に把握して、生徒のよい点、変化や成長した部分などを、他者との比較ではなく、一人一人を励ます個人内評価として、記述していくことになります。
また、生徒一人一人の学習状況や成長の様子を見取るために、道徳科の授業の中での記録、例えば、観察や会話、作文やノートなどの記述、スピーチなどの記録等を活用していくことになります。
生徒自身が学習の記録を記入する点では、多くの発行者に、それぞれ工夫が見られます。
東京書籍では、各教材の下に直接考えたことを書き込める「つぶやき」コーナーがあります。また、各学年の巻末には、学期ごとに学習の記録を記載できるページがあります。切り取り線もあり、ファイリングしやすくなっております。
学校図書では、教材ごとに学習したこと・考えたことを書きためていくページが設けられています。巻末には一年間を振り返るページがあり、また、内容項目ごとに道徳的価値の理解を深め、考えを書くことができるページもあります。
教育出版では、「道徳の学びを記録しよう」という年3回の記入欄や1時間ごとに新しい発見やためになったと感じた教材に自分で色を塗る「心かがやき度」の記録表があります。
光村図書出版については、教材ごとに、感じたことや考えたことを直接教科書に書き留める欄や、また巻末には1年間を通した振り返りができる「学びの記録」のページが設けられており、そのページは切り取ることができるようになっています。
日本文教出版につきましては、先ほどもありましたけれども、道徳ノートが別冊で用意されています。教材ごとに1ページのワークシートがあり、1年間の学習した記録をためておくこともできます。毎時間の学習では、友だちの意見や話し合いの内容を書く欄や、そのテーマについて、自分の生活に結びつけるなど発展的に考えを書きこめる欄があります。
学研教育みらいにつきましては、教材ごとの記入欄はありませんが、「深めよう」などの特設ページに考えを書き込むことができるようになっております。
廣済堂あかつきにつきましては、別冊ノートがございます。教材ごとではなく、内容ごとに構成されていて、見開きの右側に道徳的価値の説明や資料、左側にそれに対しての自分自身の考えを記入することができます。教科書掲載以外の教材や学校行事や他の教科等の学習とも関連づけて使用することも可能です。
日本教科書につきましては、教材ごとの記入欄はありませんけれども、巻末に1年間の学習を振り返り、自己評価するページがあります。
このような、生徒自身が行う学習の記録や自己評価は、教員がそれ自体を評価するのではなく、生徒が学習の過程でどのように道徳的価値の理解を深めようとしていたのか、自分のこととして考えたかなどの成長の様子を見取るための教材としてすることができます。
また、大切なことは、教員が評価をしやすいということではなく、生徒が自分自身の成長に気づき、自身のよい点や可能性に気づき、主体的に学ぶ意欲を高めることだと考えます。
樽井弘三教育長
今前提となる質問があったのですが、私からも2点ほど、共通理解のために確認をしておきたいのですけれども。
まず1点目は、小学校では始まっているのですけれども、「特別の教科 道徳」という言い方、他の特別でない教科いわゆる今の教科、それと特別の教科と言われる道徳との違いについて1つ確認をしておきたいというのが1つ。
もう1つは、新しい学習指導要領で、平成32年度から完全実施ですけれども、3つの点で資質能力というのを整理されましたね。学校教育法に合わせて、1つは知識・技能、もう1つはそれが使えるか思考・判断・表現力、そしてもう1つはそれに向かう力。これですべての教科が整理される。今回、道徳が教科になったわけです。ですから、「特別の教科 道徳」ではこの3つの視点でどういうふうに整理されているのかですね。これを共通理解しておきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
教育指導課長(青野淳)
まず、1点目のなぜ特別の教科と言われ、他の教科と違うところにつきましては、現行制度では教科は中学校において、当該教科の免許を有した教師が検定済みの教科書を用いて指導し、数字等による評価を行っております。特別の教科である道徳は、免許制度と評価が他の教科と大きく異なります。児童生徒が日常密接にかかわっている学級単位を中心に指導することが望ましいとされている点から、専門教科としての道徳科の免許は想定されておりません。道徳教育で育成する子どもの道徳性は人格の全体にかかわることから評価は慎重さが必要となります。よって、「特別の教科 道徳」では他の教科とは異なり、数字などによる評価は行わず記述式評価で行い、他の児童生徒との比較による評価ではなく、児童生徒はいかに成長したかを積極的に受け止めて、認め、励ます個人内評価として行っております。
次の2点目の新学習指導要領の3つの視点の能力の整理、その辺の道徳の整理につきましては、学校の教育活動全体で行う道徳教育と「特別の教科 道徳」の目標が、ともに道徳性を養うことです。新学習指導要領の中でも、全ての道徳以外の全ての教科領域の目標が知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等の育成を目指す、3つの資質能力で整理されて、それぞれの観点別に評価していくことになります。「特別の教科 道徳」の目標は、観点別に評価をするわけではないので、目標は3つに明確に分けられていませんけど、3つの資質能力について目指すことは同じです。「特別の教科 道徳」の目標を見ると、その関連としている部分がそれぞれあります。1つ目の知識・技能は、道徳的諸価値の意義およびその大切さを理解することであり、2つ目の思考力・判断力・表現力等は自己を見つめ、物事を多面的・多角的に考え自己の人間としての生き方についての考え方を深めることであり、3つ目の学びに向かう力・人間性等は自己の生き方を考え、主体的な判断を元に行動し、自立した人間として他者とともにより良く生きるための道徳性、すなわち心情、実践意欲と態度を育てるということになります。
樽井弘三教育長
ありがとうございます。今前提となるような部分を確認させていただきました。こういったことも踏まえて、委員の皆さんご意見、ご質問等をお願いしたいと思います。
深堀基子委員
先ほど説明にもあったのですが、生徒が行う学習の記録の中に、いくつかの発行者では、別冊として道徳ノートのようなものがありましたが、どのような利点がありますか。
教育指導課長(青野淳)
別冊ノートを採用しているのは、2発行者で、日本文教出版と廣済堂あかつきです。別冊ノートの利点は、それぞれ1枚もののワークシートと違って散逸しにくく、1冊のノートなので、後で、以前の記入を振り返ることもでき、自分自身の成長の記録となります。また、教員にとっても、生徒の学習状況や成長の様子を継続的に把握でき、指導や評価に役立ちます。また、教科書自体に書き込むものと違って回収したり、教員がコメントを記入したり、また保護者にコメントを書いてもらうなどのやりとりもしやすいのが利点だと思います。
ただ、別冊ノートがついていない教科書でも、教員が独自のワークシートを作成したり、別にオリジナルの道徳ノートを作成し、記入する内容を学校独自で創意工夫できるという利点もございます。
深堀基子委員
ありがとうございます。先生方が行う評価や、生徒が行う学習の振り返りについては、工夫があることがよくわかりました。
八十祐治委員
私のほうは、教科書の教材の内容について少しお聞きしたいと思います。6月に大阪北部地震が発生しました。高槻では、あらためて防災に対する関心や必要性が高まっていると思います。高槻市の子どもたちには、主体的に防災などの課題について考えて、行動できる人になってもらいたいと強く思います。道徳の教科書にも防災の取扱いがあったと思いますが、各発行者においては、どのように取扱いがあるのか具体的に教えてください。
教育指導課長(青野淳)
全ての発行者が、東日本大震災などの震災について取り上げるなど防災について記載があります。
例えば、東京書籍でしたら、2年生で、東日本大震災時、主体的に判断し行動した田老第一中学校の生徒について取り扱っています。
学校図書につきましては、過去の教訓や先人の思いを考えることを通して、防災について考える教材が、3学年共に設定されています。
教育出版につきましては、1年生で、「災害の一日前に戻れるとしたら」という教材があり、備えることの大切さや、命や人とのつながりの大切さなどを考えさせられます。
光村図書出版につきましては、3年生の教材には、震災時の避難所で、中学生たちが電話の取次ぎという自分の役割を考え行動する姿が描かれています。
日本文教出版につきましては、1年生の教材に東日本大震災後、郷土芸能の復活のために立ち上がった地元の中学生の話が掲載されております。
学研教育みらいにつきましては、2年生で、「備えあれば」という題材があり、災害に備えて今何をしたらいいのかを話し合うことができます。
廣済堂あかつきにつきましては、3学年ともに東日本大震災等を扱った、防災教育に関する教材があり、生命の尊さや郷土や伝統文化について考えることができます。
日本教科書につきましては、3年生で、東日本大震災の経験を中学生の目線で書かれた文章が掲載されています。
いずれの教材においても、人とのつながりや、主体的に課題に向き合い行動することの大切さについて、考えることができる教材になっております。
八十祐治委員
防災についてはありがとうございました。防災についてもそうなのですけれども、道徳におきましては、特に学校だけで学ぶのではなく、家庭や地域が果たす役割が非常に大きいかと思っています。その意味で、家庭や地域との連携について、どのような工夫があるのか教えていただければと思います。
教育指導課長(青野淳)
家庭・地域との連携を図れるような工夫についてでございますけれども、学習指導要領に、「道徳科の授業を公開したり、授業の実施や地域教材の開発や活用など家庭や地域の人々などの積極的な参加や協力を得たりするなど、家庭や地域社会との共通理解を深め、相互の連携を図ること」と示されており、本市においては、道徳地区公開講座を全中学校区で開催しております。家庭や地域との連携についてもそうですが、そういった点からも重要な事として考えております。
工夫している発行者につきましては、
日本文教出版の別冊の道徳ノートには、保護者記入欄があり、子どもが考えたり話し合ったりした内容を、さきほども申させていただきましたけれども、保護者も見てコメントを加えることができるようになっています。
また、保護者へのメッセージが書かれている教科書はいくつかありますけれども、学校図書においては、巻末に保護者の方へのページが1ページ設けられており、学年の学習内容を解説し、家庭教育と連携を図ることにも考慮されております。
八十祐治委員
先ほども申し上げましたけれども、やはり道徳は、学校だけで行うのではなく、学校と家庭、地域が連携してすすめることが非常に大事だと思っております。そういう意味では、保護者が学校でどのような道徳の授業をされているのかを理解すること、そして学校の道徳の授業の中で子どもたちがどのように考えているのかというのを保護者が十分理解することが必要だと思っております。そういう工夫があるということをお聞きして良かったと思います。ありがとうございました。
美濃律委員
実際、道徳の教科書を使われて、現場で指導される先生方にとって、教えやすい教科書とはどのような教科書なのかということがありましたら教えていただきたい。
教育指導課長(青野淳)
各発行者ともに、教員をサポートするための指導書や指導資料は作成される予定になっております。
例えば、光村図書出版では、指導のための資料として、生徒用のワークシートや教師用授業ノートがあります。授業前に「ねらい」「発問」「板書計画」を記しておき、授業中の生徒の発言や様子を記録しながら授業を進めることができます。
また、日本文教出版は、別冊の道徳ノートがワークシートとしても活用できます。授業で扱ったテーマについて、さらに自分のこととして考えを深める発問があり、どの教員にとっても使いやすい教科書といえます。
美濃律委員
ありがとうございます。光村図書出版を見せていただきますと、教科書の後ろの方に、「泣いた赤おに」や「橋の上のおおかみ」などの教材で、小学校の道徳で学んだことがあるかもしれないと書かれているものがあるのですが、小学校の教材を中学校の教材に載せる効果や良さがありましたら教えていただけますか。
教育指導課長(青野淳)
小学校で学習したことを、中学生がなつかしい気持ちでもう一度その作品と出会うことで、また新たな自分を発見したり、成長した自分を感じることができると考えております。
美濃律委員
他の発行者でも同じような内容というのはあるのでしょうか。
教育指導課長(青野淳)
東京書籍でも、小学校からの接続を考慮して、1年生の付録教材として先ほどもありました「橋の上のおおかみ」が掲載されております。教材を通して、小中で連携して道徳について考えることもできます。
美濃律委員
小中の接続を考えたときに、昨年度は、小学校の道徳の教科書採択では、学校図書が採択されていますが、同じ発行者の方が使いやすいとか、良いということはございますでしょうか。
教育指導課長(青野淳)
必ずしも同じ発行者でなければならないということはございません。
中学校の道徳の授業は、小学校段階で学習をしたことを踏まえ、系統性・発展性などを考慮し指導をすることになります。つきましては、教科書は、各発行者とも、中学生の発達段階にふさわしい教材で構成されておりますので、各教科書の特長などをもとに、高槻市の生徒にふさわしい発行者を選定する必要があるというふうにも考えております。
小中の接続という点で考えたとき、連携型小中一貫教育を実施してきている本市においては、子どもたちの実態について校区の小中学校で共有し、道徳の指導方法などを工夫していくことなどが重要であると考えております。
深堀基子委員
先ほど、いじめ・不登校の現状についてというお話の中で、高槻市でもいじめの認知件数が増加していると報告がありました。道徳の教科化は、いじめ問題に端を発しており、教科化することでいじめ問題の解消、未然防止につながることが期待されていると聞いています。いじめ問題はどのように取り扱われていますか。お伺いしたいです。
教育指導課長(青野淳)
いじめ問題につきましては、全発行者が取り上げております。
各発行者の特長についてですけれども、
東京書籍については、いじめ問題を取りあげ、「いじめ問題対応ユニット」を配置して、複数教材をとおして、自分との関係において考えることができるよう配慮されています。
学校図書につきましては、「いじめ」の問題について、その問題点を直接注目し、正対して取り組むことを考える教材と、生徒の日常の在り方について注目する教材で構成されております。生徒の日常で起きることを分析し、正しく判断していじめを自分との関係において考えられるような配慮がされています。
教育出版につきましては、全学年を通して「いじめ問題」や「情報モラル」について考える教材が掲載されております。教材は生徒の発達段階に併せて具体的な生活場面を描いたものになっており、いじめや差別について考えられる内容になっています。
光村図書出版につきましては、「いじめ問題」の解決に結びつく教材やいじめについて考えるコラムをのせて、「いじめ」をしない、させない、見過ごさない姿勢が系統的に育成できるように工夫されています。
日本文教出版につきましては、3学年ともに、いじめについては複数教材をユニット化して重点的に取り扱っております。方法としては、まず「いじめ」について考えるきっかけを与え、いじめについて直接的に扱った題材、間接的に扱った題材を順に触れ、「プラットホーム」というコラムでいじめ防止につながる知識やスキルを学ぶ形になっております。
学研教育みらいにつきましては、いじめ防止につながる教材も各学年多数用意されております。また、多様な内容、項目の教材を用いて、いじめをなくすために取り組もうとする意欲や態度を育むよう配慮されております。
廣済堂あかつきにつきましては、いじめを扱った教材や、別冊の道徳ノートにも関連した資料などを掲載して、いじめ問題を広く取り扱っております。
日本教科書につきましては、いじめの問題を正面から取り上げている教材を配置し、いじめや不正に負けることなく、決して許さず、対応していく資質・能力を育てることをねらいとしております。
中村公美子委員
今のいじめに関する中身なのですけれども、いじめに関する教材について、各発行者の教科書を1つずつ読んでいたのですけれども、日本文教出版の教科書が中学生にとって、興味をひく教材が多いように私は感じました。
例えばなんですけれども、2年生でのいじめを扱った教材で「五月の風」というのがあるのですけれども、これは1つの話を2人の中学生「カナ」「ミカ」の視点から描いていて、誰にでも起こりそうな日常の出来事から人間関係について考えられるのがいい教材の1つだなというふうに感じました。
八十祐治委員
感想になってしまうのですけれども、私もいじめというのは非常に重大なテーマだと思っております。そんな意味では、日本文教出版に、「いじめ」と向き合うというテーマで、複数の教材で構成されていて、重点的に学ぶ事ができる工夫があると思いました。1年から3年まで同じテーマで学ぶということで、重大な事と受け止める内容であるというメッセージがあるのかなというふうに思いました。
光村図書出版についても、「いじめについて」と「人と人との関係づくり」についてのコラムが1年生から3年生まで載っているというのも、系統的に学びやすいのかなというふうな印象を持ちました。
樽井弘三教育長
他に何かご意見ご質問はございませんか。
樽井弘三教育長
無いようですので、道徳について採択したいと思いますが、いかがでしょうか。
八十祐治委員
教育長、私は、いじめについての取扱い方、防災の教材などの内容が充実している点で、日本文教出版が良いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
樽井弘三教育長
ただいま、八十委員からご意見がございましたが、他にございますか。
深堀基子委員
私も全教科書を見せてもらいましたが、どの発行者ともそれぞれに大変工夫がされていると感じています。この場の審議から考えまして、内容が充実していることに加え、別冊ノートがあることで、子どもたちがクラスの友だちと共に話し合い考えたことの記録を残せ、保護者とも連携が図れるという工夫がされている点で、日本文教出版が良いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
樽井弘三教育長
ただいま、八十委員・深堀委員から日本文教出版が良いのではないかとのご意見でしたが、いかがでしょうか。
(全員異議なし)
樽井弘三教育長
ご異議が無いようですので、中学校用「特別の教科 道徳」については、日本文教出版を採択することに決します。
次に平成31年度に特別支援学級において使用する学校教育法附則第9条関係教科用図書について審議いたします。選定委員長より答申の朗読をお願いします。
選定委員長(吉川明)(答申について説明)
それでは、私のほうから、平成31年度に特別支援学級において使用する学校教育法附則第9条関係教科用図書についての答申を読み上げさせていただきたいと思います。
「障がいのある児童生徒の社会参加や自立を実現させる観点に立ち、支援学級に在籍する児童生徒と通常の学級に在籍する児童生徒が、共に学び、共に育つために、高槻市では、可能な限り通常の学級での交流及び共同学習を進めています。そのため、支援学級の児童生徒も附則9条本ではなく「検定教科書」を使用することが望ましいと考えます。
しかし、支援学級に在籍する児童生徒のうち、弱視児童生徒等につきましては、「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」第1条及び第2条に基づき、対象児童生徒が必要とする種目の「拡大教科書」を使用することが望ましく、その際の各種目の「拡大教科書」につきましては、平成31年度使用教科用図書として採択された発行者の教科用図書を拡大したものと考えます。」
樽井弘三教育長
ただいま、選定委員長より答申の朗読が終わりました。
附則9条本の「拡大教科書」についてですが、平成31年度使用教科用図書として採択された発行者の教科用図書を拡大したものを、障がいの実態に応じて採択するということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
樽井弘三教育長
ご異議がないようですので、附則9条本については、平成31年度使用教科用図書として採択された発行者の教科用図書を拡大したものを、障がいの実態に応じて採択することといたします。
続きまして、平成31年度使用高槻市立義務教育諸学校教科用図書小中学校の採択について審議いたします。事務局より説明をお願いします。
教育指導課主幹(岩佐知美)(説明)
さきに教育指導部長より説明しましたように、今年度、小学校「特別の教科 道徳」以外の小中学校用教科書については、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令第14条及び同法施行令第15条第1項に基づき、附則9条本を除き同一の教科書を採択する期間は4年となっております。小学校は平成26年度、中学校は平成27年度に教科書の選定を行っております。
そのため、平成30年度においては、小学校は、「特別の教科 道徳」以外の教科書について、新たな採択を行う年度でございます。しかし、平成32年度学習指導要領の全面実施に伴い、平成31年度に新たな教科書を採択する必要があることと、さらに平成29年度の検定においては新たな図書の申請がなく、基本的には前回の平成25年度検定合格図書等の中から採択を行うことが可能とされていることから、本市においては、4年間の使用実績を踏まえ、平成26年度採択における調査研究の内容を活用し、採択を行っていただきたいと考えております。
また、中学校「特別の教科 道徳」以外の中学校教科用図書については、今年度は、平成30年度使用教科書と同一の教科書を採択しなければならないことになっておりますのでよろしくお願いします。
樽井弘三教育長
ただいま、説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご意見ご質問はございませんでしょうか。
美濃律委員
現在、小学校で使用している教科書は、平成26年度の採択当時の見本本から、何か大きな変更点等はございませんでしょうか。
教育指導課長(青野淳)
選挙権など法律の改正に伴って変更した箇所等はございますけれど、特に大きな内容の変更等はございません。
八十祐治委員
小学校では、現在使用の教科書は今年度で4年目の使用になるかと思いますが、4年間の使用された実績を踏まえて、何か問題等は学校現場から聞いていらっしゃいますでしょうか。
教育指導課長(青野淳)
各学校からの先生方の声としても、特に問題があるとは聞いておりません。
樽井弘三教育長
他に何かご意見ご質問はございませんか。
よろしいでしょうか。
高槻市立小学校においては、内容に大きな変更が無いということと、4年間使用した結果、特に大きな問題はなかったという実績を踏まえて本年度と同じ教科用図書を採択することにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(全員異議なし)
樽井弘三教育長
また、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令」第14条及び同法施行令第15条第1項に基づき、高槻市立中学校においては、本年度と同じ教科用図書を採択することとされております。したがって、参考資料のとおり採択することにしたいと思います。いかがでしょうか。
(全員異議なし)
樽井弘三教育長
ご異議がないようですので、高槻市立小中学校は、平成30年度と同一の教科書を採択することといたします。
以上で、「平成31年度使用高槻市立義務教育諸学校教科用図書」は全て採択いたしました。
事務局
「教科書採択」の議案は終了しました。この後も議案がございますが、退出を希望される傍聴人の方がおられましたら、ここで退出していただいて結構ですので、よろしくお願いいたします。
(傍聴人一部退出)
樽井弘三教育長
続きまして、日程第4、議案第30号、「高槻市立小中学校校区の一部変更について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。
教育管理部長(平野徹)(提案理由説明)
ただいま上程されました、日程第4、議案第30号の「高槻市立小中学校校区の一部変更」について、提案理由を申し上げます。
それでは、資料1をご覧ください。今般、資料1の斜線で示す区域で開発が進められており、82戸の住宅建設が予定され、来年度より入居見込と伺っております。当該地域は、元は山林で月見町及び奥天神2丁目に、またがっておりました。今回の住宅開発において、既存の町境界の線引きでは、一部の住宅が町境界をまたぐという不合理が生じることから、昨年12月市議会定例会において、町境界の変更がなされ、当該地域は全体として月見町となったところでございます。
続いて、資料2をご覧ください。従来、月見町は資料2のとおり芥川小学校区・第二中学校区としておりますが、次の理由により、当該地域につきましては、日吉台小学校区・芝谷中学校区に変更するものでございます。
一つ目の理由として、お手数ですが、資料1へお戻りください。当該地域から芥川小学校と日吉台小学校への通学距離に大差はございませんが、芝谷中学校への通学距離が1キロメートル程度であるのに対し、第二中学校までは2キロメートル程度であり、通学距離が長くなります。
次に、芥川小学校については、昨年度より市内で最も多い学級数規模を有する学校となっており、本年度は、児童数844名、学級数は、通常学級26、支援学級9の計35学級となっております。近年の駅への利便性の良い地域では児童数の増加がみられ、芥川小学校においても、大規模な住宅開発は減少しているものの、小規模な開発については引き続き行われており、児童数は緩やかな増加傾向にあります。教育人口推計によると、来年度は3学級増加し、再来年度以降も、当面の間、37学級以上の状態が続くことを見込んでおります。これら増加に対しましては、特別教室を改修し普通教室へ転用し対応いたしますが、これ以上の新たな地域の児童の受入に伴う学級数増加への対応は困難と考えております。
これらのことから、この度の月見町における開発地域における校区につきましては、日吉台小学校区・芝谷中学校区に設定するものです。
また、今回の校区設定についての検討に当たっては、庁内の関係課及び関係する学校、さらには、真上コミュニティ連絡協議会、日吉台地区コミュニティ連絡協議会、芥川連合自治会、月見町自治会、上月見町自治会に対しまして、校区の現況と教育委員会の校区設定についてのご説明をさせていただき、理解をいただいております。
以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくご審議いただき、ご可決賜りますようよろしくお願い申し上げます。
樽井弘三教育長
ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご質問はございませんでしょうか。
深堀基子委員
校区の一部変更については今の説明でよくわかりました。日吉台小学校に行くにも、芥川小学校に行くにも急な坂道がどちらにもあるのかなと思うのですけれども、小学校1年生が通うのに無理のない通学路なのかということと、名神の下にトンネルがあると思うのですけれども、このトンネルが少し気がかりかなという気がしています。それで、この新しい住宅から、日吉台小学校に通う子どもたちが初めてということになるので、通学路の安全が確保できているのかということをお伺いしたいと思います。
学務課課長代理(今福幸正)
ただいまお尋ねの通学路に関しましてですが、委員がおっしゃるように、今回の開発地域の周辺につきましては急勾配の箇所がございます。ただ、すでに隣接する地域の児童につきましても通学しているところです。今回、職員のほうで登下校時間を想定しまして、歩行調査を行い、確認を行っております。
まず、日吉台小学校までの通学路に関しましては、大きく2つの経路がございます。資料1をご覧いただきたいのですが、まず東側にございます、こちらはバス通りを経由する場合です。もう1つが西側にございますが、こちらは名神高速のトンネルを経由する場合です。
まず、東側のバス通りでございますが、こちらは住宅地内を通っていくのですが道幅も広く、またバス通りにつきましては、おおむね車道との境界に柵が設置されております。
また西側のトンネルを通る通学路につきましても、おおむね歩道がございまして道幅が狭い箇所につきましても車道との境界に柵のほうが設置されており、トンネルにつきましても今LEDの照明がついて常時点灯されており、柵のほうも設置されているというような状況でございます。
といったことからも、安全性における問題はないというふうに考えております。
中村公美子委員
今回の校区の設定について、各関連するコミュニティ連絡協議会であったり、自治会のご理解をいただいたということなんですけれども、その時どういった意見、懸念されるべき内容、どういったものが多く出されたかなど、少し教えていただければ。
学務課長(丹羽正裕)
今回の校区の設定変更にあたりまして、地元の連合自治会また地元の単位自治会のほうにご説明に伺った際に、いただいておりますご意見等の主なものといたしましては、今回の開発する地域につきましては、これから人がお住みになられてという部分でございますけれども、まずはそちらにお住まいになられる方が、地元単位の自治会をまず作っていただいて、その後、近隣のコミュニティ、連合自治会のほうどちらになるかということもございますけれど、連合自治会のほうからは、たとえば防災でありますとか、さまざまな助け合い・協力関係をスムーズにしようと思えば、連合自治会にご加入いただくといったことも必要であろうと、そういったことについて市のほうとしてもお声がけをしてほしい、そういったご要望についていただいております。
樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。
それでは、無いようですので採決に入ります。議案第30号、「高槻市立小中学校校区の一部変更について」を原案どおり可決してご異議ございませんか。
(異議なし)
樽井弘三教育長
ご異議が無いようですので、議案第30号は、原案どおり可決されました。
続きまして、日程第5、議案第31号、「高槻市立幼稚園条例中一部改正原案について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。
子ども未来部長(万井勝徳)(提案理由説明)
ただいま上程されました、日程第5、議案第31号 高槻市立幼稚園条例中一部改正原案につきまして、提案理由のご説明を申し上げます。
本改正は、認定こども園配置計画に基づき、就労支援型預かり保育を拡大するとともに、民営化に伴い対象となる幼稚園を廃止いたそうとするものでございます。
まず、預かり保育の拡大の理由等でございますが、近年の保育需要の増加への対応として、主として2歳まで通園することができる地域型保育事業利用者の3歳からの受け皿確保に努めるため、第4条において、預かり保育を実施する幼稚園の入園資格に子ども子育て支援法に基づく2号認定子どもを加え、保育認定を受けた児童が3歳から入園できることとし、第7条において、就労支援型預かり保育を実施する園に市立富田幼稚園を加えるものです。
次に、民営化に伴う改正についてですが、高槻市民営化認定こども園運営事業者選定委員会において平成30年8月9日付けでなされた決議に基づき、市立清水幼稚園及び市立磐手幼稚園について民間の認定こども園として運営する事業者を選定したことから、平成32年度より民間事業者への運営移管を行うにあたり、当該2幼稚園を廃止するため、別表において、当該幼稚園の項を削るものでございます。
なお、施行日についてですが別表の改正については、平成32年4月1日とし、それ以外は平成31年4月1日とするものです。
以上、誠に簡単な説明でございますが、よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。
樽井弘三教育長
ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご質問はございませんでしょうか。
深堀基子委員
清水幼稚園と磐手幼稚園が廃止になるということなのですけれども、幼稚園としてあるのは31年度までですか。
保育幼稚園総務課長(野谷研介)
ご質問いただきましたとおり、公立の幼稚園として存在するのは31年度末まででございます。
樽井弘三教育長
他にご質問等ございませんでしょうか。
それでは、無いようですので、採決に入ります。議案第31号、「高槻市立幼稚園条例中一部改正原案について」を原案どおり可決してご異議ございませんか。
(異議なし)
樽井弘三教育長
ご異議が無いようですので、議案第31号は、原案どおり可決されました。
お諮りします。
日程第6、議案第32号、「高槻市立清水幼稚園及び高槻市立磐手幼稚園の用地及び建物の用途廃止について」、
日程第7、議案第33号、「高槻市立清水幼稚園、高槻市立磐手幼稚園及び高槻市立日吉台幼稚園の再測量に伴う残地の用途廃止について」、
の2つの案件は、いずれも、「幼稚園の用地の用途廃止」に関連する案件ですので、一括議題として進めたいと思いますが、ご異議ございませんか。
(異議なし)
樽井弘三教育長
それでは、一括議案といたします。議案第32号、議案第33号の提案理由の説明を求めます。
子ども未来部長(万井勝徳)(提案理由説明)
ただいま上程されました、日程第6 議案第32号、及び日程第7 議案第33号について、順次提案理由のご説明を申し上げます。
まず議案第32号 高槻市立清水幼稚園及び高槻市立磐手幼稚園の用地及び建物の用途廃止につきましては、市立清水幼稚園及び市立磐手幼稚園の民営化に伴い、それぞれの土地・建物について、教育財産としての用途を廃止するものでございます。
別紙及び別図1をご覧ください。まず、清水幼稚園についてですが、用途廃止する土地は宮之川原五丁目499番の面積2191.71平方メートルで、太枠で囲んでいる部分でございます。建物は、園舎等、合計660.86平方メートルで園舎及びプロパン庫でございます。
次ページ、別図2をご覧ください。次に磐手幼稚園についてですが、用途廃止する土地は、別所本町128番7及び別所本町134番5の合計2646.61平方メートルで、太枠で囲んでいる部分でございます。建物は、園舎646.50平方メートルでございます。
なお、これらの用途廃止の日はいずれも平成32年4月1日とするもので、本議案に決議を頂いた後は、選定された事業者に対して、用地は有償にて譲渡し、建物は市議会の議決を経て無償譲渡する手続きを進める予定でございます。
つづきまして、議案第33号 高槻市立清水幼稚園、高槻市立磐手幼稚園及び高槻市立日吉台幼稚園の再測量に伴う残地の用途廃止について、ご説明申し上げます。
本案件は、市立清水幼稚園ほか2園の測量を実施したところ、登記簿と現況が整合しない部分、いわゆる「残地」が確認されたため、当該残地について教育財産としての用途を廃止するものでございます。
別紙及び別図3をご覧ください。まず清水幼稚園についてですが、用途廃止する土地は宮之川原五丁目500番4ほか2筆の合計246.05平方メートルで、別図3の残地1.から3.でございます。
次ページ、別図4をご覧ください。次に磐手幼稚園についてですが、土地は別所本町128番9、面積6.86平方メートルで、別図4に残地として斜線で示している1箇所でございます。
最後に日吉台幼稚園についてですが、土地は日吉台一番町126番2及び日吉台一番町130番4のうち4.70平方メートルの合計254.84平方メートルで、別図5の残地1.・2.でございます。
これらの土地の用途廃止の日は、いずれも平成30年9月1日とするものです。
用途廃止後につきましては、現況に応じて市道への用途変更、及び、隣地所有者への有償譲渡を予定しております。なお、用途廃止することは、幼稚園運営に支障はございません。
以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。
樽井弘三教育長
ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご質問はございませんでしょうか。
樽井弘三教育長
無いようですので、採決に入ります。議案第32号、「高槻市立清水幼稚園及び高槻市立磐手幼稚園の用地及び建物の用途廃止について」を原案どおり可決してご異議ございませんか。
(異議なし)
樽井弘三教育長
ご異議が無いようですので、議案第32号は、原案どおり可決されました。
続きまして、議案第33号、「高槻市立清水幼稚園、高槻市立磐手幼稚園及び高槻市立日吉台幼稚園の再測量に伴う残地の用途廃止について」を原案どおり可決してご異議ございませんか。
(異議なし)
樽井弘三教育長
ご異議が無いようですので、議案第33号は、原案どおり可決されました。
続きまして、日程第8、議案第34号、「平成30年度歳入歳出補正予算(第2号)教育費原案について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。
教育管理部長(平野徹)(提案理由説明)
ただいま上程されました、日程第8、議案第34号、平成30年度歳入歳出補正予算(第2号)教育費原案の決定につきまして、提案理由のご説明を申し上げます。
本件につきましては、9月6日から始まります、9月市議会定例会に上程されるものですが、それに先がけ教育費の原案決定をお願いするものでございます。
それでは議案書1ページ及び2ページをお開きください。ここでは、全体の歳入・歳出額を記載しております。
今回の補正におきましては、賃金改定に伴う補正、急を要する事業の補正などを行うものです。上段の表、歳入予算につきましては、291万5千円を増額し、下段の表、歳出予算につきましては、3億4千461万5千円を増額するものでございます。また7ページにおいて、3事業につきまして、継続費の設定を行うものでございます。
それでは、歳出予算から説明申し上げます。4ページをご覧ください。
まず、賃金改定に伴う補正でございますが、中央最低賃金審議会、及び大阪地方最低賃金審議会の答申に基づき、大阪府における最低賃金額が引き上げられる見込みでございます。これを踏まえまして、臨時的任用職員の一部職種の賃金額を引き上げることに伴う増額補正を行うものでございます。
4ページ上段の教育総務費・事務局費、教育センター費、下段の小学校費・保健給食費、5ページ上段の中学校費・学校管理費、下段の社会教育費・青少年育成費、図書館費、6ページの文化財保護費のそれぞれにおきまして、臨時賃金を増額補正いたすものでございます。
恐れ入りますが、4ページにお戻りください。
教育総務費・事務局費では、経済的な理由により就学困難と認められる児童の保護者に支給する就学援助費のうち、入学準備金につきまして、これまでは小学1年生の7月に支給しておりましたが、小学校入学前に支給するためのシステム改修や体制整備等を行うため、システム改修費として委託料におきまして260万3千円、新たな申請受付体制として臨時職員を雇用するため、賃金におきまして、賃金改定に伴う補正と合わせまして56万8千円、対応する社会保険料として共済費におきまして2千円の増額を、それぞれ行うものでございます。
関連するものといたしまして、下段の小学校費・教育振興費・扶助費では、小学校の入学準備金につきまして、入学前である今年度の3月中に支給するため、就学奨励扶助費として、1千339万8千円を増額補正いたすものでございます。
上段に戻っていただきまして、教育総務費・研修指導費では、児童生徒の心のケアを行うスクールカウンセラーの緊急派遣につきまして、大阪府北部地震に伴う派遣の増加に対応するため、報償費におきまして247万6千円を増額補正いたすものでございます。
小学校費・学校管理費では、近年の猛暑の影響で熱中症の危険性が増していることから、児童の健康を守り、円滑に授業を実施するため、全小学校の理科室に空調機器を設置する費用として、工事請負費におきまして1億2千万円、備品購入費におきまして2千800万円を、それぞれ増額いたすものでございます。
最下段、小学校費・学校建設費では、5千270万円を増額補正いたすもので、同地震により損傷しました寿栄小学校のプールにつきまして、実施設計を行うため、委託料におきまして1千万円、改築工事等を行うため、工事請負費におきまして4千270万円の増額を、それぞれ行うものでございます。
5ページをご覧ください。
中学校費・学校管理費では、小学校費と同じく、全中学校の理科室に空調機器を設置する費用として、工事請負費におきまして8千500万円、備品購入費におきまして2千700万円を、それぞれ増額いたすものでございます。
幼稚園費・幼稚園管理費では、同地震に伴います、公立幼稚園の教育・保育再開等にかかる費用として、需用費・消耗品費におきまして26万円を増額補正いたすものでございます。
社会教育費・公民館費では、公民館改修事業に係る財源の調整を行うものでございます。
6ページをご覧ください。
社会教育費・文化財保護費では、同地震により損傷を受けた展示・収蔵資料、及び今城塚古代歴史館、並びに今城塚古墳外堤を修復するために、委託料におきまして583万円、工事請負費におきまして565万円の増額を、それぞれ行うものでございます。
また、本市に所在する「大阪府史跡 西国街道芥川一里塚」を所有者が改修する費用の一部に対する補助を行うため、補助金におきまして、9万2千円を増額補正いたすものでございます。
続きまして、歳入予算について説明申し上げます。3ページにお戻りください。
教育費国庫補助金では、291万5千円を増額いたすもので、先程ご説明しました歳出予算にて増額補正を行います、展示・収蔵資料の修復に係る、埋蔵文化財発掘調査費補助金の増額を行うものでございます。
最後に、継続費でございます。7ページをご覧ください。
全小中学校の理科室への、来年度の夏場までの空調機器の設置、並びに来年度中の水泳授業再開に向けた、寿栄小学校のプール改築につきまして、いずれにおいても工事が2か年にわたりますため、小学校空調整備事業におきまして総額3億2千万円、小学校プール改築事業におきまして総額1億8千万円、中学校空調整備事業におきまして総額1億8千万円の、それぞれ継続費の設定を行うものでございます。
説明は以上でございます。ご審議の上、ご可決賜りますようよろしくお願い申し上げます。
樽井弘三教育長
ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご質問はございませんでしょうか。
美濃律委員
直接、これと関係はないかもしれないですが、理科室への来年度の夏場までの空調機器の設置、熱中症がかなり増えておりますね。この前、医師会の小児科の先生からお話を聞いたのですけれども、お茶と水は学校へ持ってきてもいいけれど、スポーツドリンクはだめということは、今あるのでしょうか。
教育指導課長(青野淳)
個々の学校の細かいところまでは把握はしていないのですけれども、学校は基本的にはお茶とかの場合が多いとは思われます。部活動とかであった場合はスポーツドリンクとかいう場合も当然ながらあるかと思われます。
美濃律委員
学校によって違うということですか。水やお茶は電解質が入っていないものです。二次的な脱水みたいなものが起こって、結構熱中症で来られるお子さんが多いという話なので、その辺、これとは関係ないですが、考えていただけたらと思いますので、よろしくお願いします。
教育指導部長(横山寛)
今ご指摘いただきました件について、熱中症については大変心配されることでございますので、学校のほうの調査をさせていただいて、実態を把握した上で、今ご指摘いただいたことも含めて検討してまいりたいと思います。よろしくお願いします。
深堀基子委員
今、美濃委員からもありましたが、理科室に空調設備がつくということで大変ありがとうございます。やっと特別教室に空調機器がつくのかなと思うと大変うれしく思っております。これからも引き続き、技術室・美術室等にも、今年は大変暑かったので、来年はどうかわからないのですけれども、継続的に特別教室への空調もよろしくお願いいたします。
樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。
それでは、無いようですので、採決に入ります。議案第34号、「平成30年度歳入歳出補正予算(第2号)教育費原案について」を原案どおり可決してご異議ございませんか。
(異議なし)
樽井弘三教育長
ご異議が無いようですので、議案第34号は、原案どおり可決されました。
以上で、本日の日程がすべて終了いたしましたので、閉会といたします。
( 午後5時 6分閉会 )