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令和元年度第1回高槻市文化振興審議会会議録

ページID:004524 更新日:2022年3月22日更新 印刷ページ表示

1 会議の名称

令和元年度第1回高槻市文化振興審議会

2 会議の開催状況

日時:令和元年7月25日(木曜日) 午前10時から午前11時40分まで

場所:市役所総合センター6階 C604

出席委員:8名

3 議題

  1. 開会
  2. 案件
    (1)会長、副会長の選出について
    (2)高槻市文化振興ビジョン実施計画の進捗状況について
    (3)高槻市新文化施設の整備について
    (4)その他

4 主な審議内容

1 開会

 <事務局>

委員及び事務局の紹介
出席者が過半数に達していることを確認し、審議会の成立を宣言。

 <市民生活部長挨拶>

2 案件(1)会長、副会長の選出について

会長に上原委員、副会長に宮原委員を選任

2 案件(2)高槻市文化振興ビジョン実施計画の進捗状況について

会長:はじめに、案件(2)について、事務局から説明をお願いします。

 <事務局から説明>

委員:文化芸術事業への共催(事業番号59番)について質問があります。平成30年事業実績の中に、共催をされた事業のジャンル別の内訳が掲載されています。こちらの内訳数は、毎年同数になるのでしょうか。

文化振興事業団:毎年、共催の申請数に応じて、ジャンル分けをしています。共催の数に制限はございません。

委員:小、中学校文化部への支援(事業番号61番)について、部活動に専門的な技術指導力を備えた者を派遣するとありますが、具体的にはどのような方を派遣されているのでしょうか。

教育指導課:例えば、吹奏楽部では、各楽器を専門的にされている方や過去に吹奏楽部を指導された経験がある方を派遣しています。

委員:地域の施設へのアウトリーチの推進(事業番号7番)について、なかなか施設から理解が得にくく、今後もケアしていきたいとのことでしたが、どのようなところで理解が得にくいと考えていらっしゃいますか。また、施設側に理解を得る努力をどのようにされていますか。

事務局:文化に触れていただくことで、入院されている方の心や生活を豊かにするということができるということを理解してもらえることが必要だと思っています。ただ、病院側からすると、日々の業務が忙しい中で、人手と時間を割いてアウトリーチを受け入れるというのは多少なりともハードルがあると思います。文化の持つ力を理解していただいたうえで、受け入れていただくことが大切だと考えています。

委員:病院によっては、大きなロビーをお持ちのところもあると思いますので、気軽にできるような工夫もあれば良いのではないかと思います。

会長:毎年、アウトリーチをされている1ヶ所は固定ですか。ずっとされているのであれば、そこはなぜ継続して実施できるのかを教えてください。

文化振興事業団:毎年同じリハビリ病院で実施しています。先方とのニーズが合っているところもあり、継続して実施できています。

委員:長期入院している子ども向けにアウトリーチをしている病院もあります。そちらの病院では、子どもの成長過程の中で、色々な人に会うことが大切だという考え方のもと、実施されています。アプローチの仕方を変えていくというのも手だと思います。もう一つは、入院している子どもの兄弟をどうケアするかという問題です。親は病気の子どもに気が向きがちですが、他の兄弟にアートを体験させる等をされています。また、病院の待ち時間は長いため、その間に俳句が楽しめるというものはいかがですか。病院の中にもたくさんの属性の方がいらっしゃるので、ロビーでコンサートをして、その時間を楽しむというだけでなく、新たな取り組みをされるというのも良いと思います。これまでの準備等をするハードルも下がり、アーティストやジャンルも増やせるかもしれません。

会長:確かに、病院の待ち時間は長く、やることがない人が多いと思います。その人向けにやると良いかもしれません。

委員:美術展覧会の開催(事業番号20番)について、昨年度から出品料を徴収したことで、心配していましたが、好評だったと聞いて安心しました。昨年度の審議会で審査員に新しく現代アートの発想を持った方をお願いしてはどうかという話もありましたが、いかがでしょうか。

事務局:検討はしていますが、市美術家協会がありますので、そちらに審査をお願いしています。

委員:出品者の年齢層はいかがでしょうか。

事務局:60代以上が大半です。

委員:これまでの高槻市の歴史があると思いますので、60代以上に重点がいくというものわかります。鑑賞という側面でも、若い人が行きたいと思えるようなものがあれば新しい風が吹くと思います。

事務局:昨年度から若手奨励賞を設けました。少しは若手の方が興味を持っていただき、出品がある部門もありました。

委員:全体の審査は、市の美術家協会に依頼して、若手奨励賞を現代アーティストに選んでもらうというのも良いかもしれませんね。

委員:文化振興ビジョンの後期実施計画は、よくできている仕組みになったと思います。精度もよくなっていると思います。成果指標を入れて評価していくというシステムも定着していくと思います。計画のフレームもよいと思います。
あえて、これからの発展を考えて言うとすれば、市民、文化団体や行政の努力を政治の力で無にしてしまうリスクへの対策が必要だと思います。私は、条例が必要だと思っています。自治事務であることから、条例がないと一瞬にして全体系が崩れ去ってしまうと思います。次のビジョンでは、何年以内に高槻市文化基本条例を制定すると宣言するべきだと思います。他の自治体では、条例がないまま、首長が変わり、政策が根本的に入れ替わる事態になりそうな事案もあります。条例というのは、行政の意思だけでなく、議会の意思でもあり、みんなで従うというルールです。高槻市も今のうちに作るべきだと思います。国でも、文化に関する法律が整備されています。新文化施設を整備するにあたって、「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律(以下、「劇場法」という。)」に則した事業をやるためには、より社会教育的、社会福祉的な事業を強化していく必要があります。継続的に地方交付税交付金をもらおうとするならば、劇場法の準拠された事業を求められると思います。平成29年度に文化芸術振興基本法が文化芸術基本法に改正され、その中で劇場法の精神も組み込まれました。障がい者や子ども、高齢者等、社会的少数者を包摂していくような事業をすることが本当の文化政策だということが盛り込まれています。その精神は、地方公共団体でも組み込んでいくべきだと思います。より社会福祉的な精神を次の文化振興計画にも盛り込む必要があると思います。その点では、資料1はよくできていると思います。

会長:高槻市は新文化施設の整備に対して、どのような補助金を活用されていますか。

事務局:国土交通省の補助金を活用しています。

会長:一概には言えませんが、国土交通省の方が多く補助金をもらえるのではないかと思います。ソフトの分野で、文化庁の補助金をもらおうとすると様々な要件があると思います。必要であれば、今から準備が必要だと思います。

委員:文化庁の委託事業で、劇場音楽堂の芸術文化活動の支援員の派遣という話がありましたが、高槻市では、支援員を活用する等してアドバイスを求めるということはされていますか。

事務局:新文化施設の整備にあたり、講師を派遣していただき、文化事業の必要性や意義を庁内の建設部局等、様々な部署と合同で研修を開催しました。

委員:以前、職員が研修するという項目があったと思いますが、それはどのようになりましたか。職員が最新の情報に触れていけるという仕組みは大切だと思います。自治体によっては、忙しいということから職員を研修に行かせることをためらうということもあります。高槻市としても学ぶ環境を維持してほしいと思います。

委員:研修というのは、市の職員が対象ということですか。

委員:様々な研修があります。市会議員や市町村長が参加できるものもあります。NPO法人が参加できるものもあります。実務に携わる人が参加できるものはたくさんあると思います。

委員:文化振興事業団はその仕事に専念されていますが、市の組織だと、人事異動があり定期的に人が変わってしまいます。条例で継続性が保てるのかが分かりません。

会長:職員が勉強して、他部署に異動したとしても、決して無駄にはならないと思います。色々理解した人が異動することで、思わぬところで手助けになると思います。

事務局:高槻市では、文化庁と公立文化施設協会が実施するアートマネジメントの研修会に毎年参加しています。

委員:特別職を対象にしたものが市町村アカデミーです。地域創造で、現場担当と政策担当を対象にしているものもあります。以前、公立文化施設協会の研修会は、財団職員ばかりが対象でした。最近では、文化政策も学ぶことができるため、財団職員が市職員と対等に話ができるようになりました。

2 案件(3)高槻市新文化施設の整備について

会長:それでは、案件(3)について、事務局からご説明をお願いいたします。

<事務局より説明>

委員:この短期間で、集まった寄附額は相当なものだと思います。これをぜひ、PRしていってほしいと思います。広報誌やネット上での紹介だけでなく、新聞社を呼んで模型の贈呈式をする等、多くの市民が新文化施設に関心を持っているというアピールになり、よりたくさんの寄附が集まるのではないかと思います。もう一つは、財務部局に交渉していく材料になると思います。これだけの市民が新文化施設を欲しいと思っているということをPRして、よりよい施設としてPRできるのではないでしょうか。文化施設の必要性を伝えるのは難しいですが、市民が自分のお金を出してまで、これだけの寄附がすぐに集まるということは、支持率の高さの現れだと思います。対外的にも庁内にもPRの素材として積極的に活用されてはどうかと思います。

会長:寄附者については、既にどちらかで公表していますか。

事務局:入金をいただいたものは、まとめて市のホームページに掲載しています。

会長:報道機関へのプレス発表は、されていないということですね。

事務局:はい。今後検討してまいります。

委員:運営母体のことですが、以前から民間事業者を入れるか、文化振興事業団を継続して活用するかという話があったと思います。私どもとしては、市と一体となった管理体制をつくるべきだと思います。いかに市民団体と一緒になって事業が展開できるかというところも大切だと思います。民間事業者であれば、意思疎通が難しい面もあり、費用面でも差が出ると思います。今の文化振興事業団を引き続き活用してほしいと思います。

事務局:依然検討中です。この場で確定したことはお伝えできませんが、引き続き検討を重ねていきたいと思います。

会長:実際に利用している方が、民間事業者とうまく意思疎通を図りながら、事業を実施できるのかという課題がありますね。

委員:プレイベントについてですが、市内の中学校の吹奏楽部が全校にありますので、活躍できるような場面がほしいです。また、大人は、新文化施設の情報が入ってくると思いますが、小・中学生は情報が入らないと思います。例えば、学校に子ども向けのポスターを貼って気運を盛り上げていくのはどうでしょうか。おそらく今の小・中学生が今後の文化の発信源になると思います。子どもに新文化施設を実感させていくというのも大切だと思います。

会長:市内すべての中学校に吹奏楽部があるのでしょうか。

委員:公立中学校18校すべてにあります。中には、ジャズを中心にしている吹奏楽部もあります。

会長:子どもだけでなく、音楽をやっている大人でも知らないということもあります。まだ建設工事に着工してないからということもあるのかもしれませんが、もったいないと思いました。
小・中学生がプレイベントに参加するというのも素敵ですね。そういったものができるような運営母体に期待しています。

委員:これまで、市の後援事業として様々なイベントに取り組んでこられていると思います。イベントの対象者は、障がい者や高齢者、子育て世代など、様々ですが、運営母体の中にその人たちの意見が反映できるような、仕組みがあると良いと思います。

会長:運営母体がどうなるかによって、許容範囲が変わります。例えば、運営母体の中にその方々に入っていただくことも挙げられます。運営協議会や理事会のメンバーに入っていただくというやり方もありますね。資料2に運営母体があるということは、一番大事なことだという認識があると思います。
生涯学習センター、クロスパル高槻の一体管理とありますが、現在はどのように運営されているのでしょうか。

事務局:現在は、直営です。運営母体を一緒にすることで効率的になるのではないかと検討しているところです。

会長:なかなか難しい問題だと思います。それぞれの施設がもっている使命が異なるので、同じ事業者が管理するのは、難しいと感じています。拠点になる施設が増えるという良い面もありますが、建物が離れていると、うまく行き届かないこともあります。必ずしも効率的になるというものではないと思います。高槻市内であれば、そこまで広くはないと思いますが、慎重に検討されることをおすすめします。

委員:指定管理者制度を導入する方向性ということであれば、ますます運営母体が重要になってくると思います。
財団の位置づけは非常に重要です。これをどのように行政が考え、市民や議会が受け止めているかによって変わると思います。財団は、行政の道具ではなく、市民の財産であると考えています。それは、高槻市でも同じだと思います。それを行政改革として、リニューアルしていくということには異を唱えることはしませんが、天下り先であるかのように議会が言うというのは非常に誤解があると思います。事務局長を行政から派遣するというものもあります。ただ、実際は行政から派遣する方が円滑に進むということも事実です。民間事業者の方に変えて失敗するということもよくあります。そこで、市民財産だということを改めて認識するべきだと思います。もし、それをスクラップするのであれば、創設したときと同等以上のコストがかかると思います。それをもっと認識するべきです。
もう一つは、財団を随意指定すべきです。民間事業者と競争させるという事例もあり、そこで生まれてくるのは非正規労働者の急増です。よほど、市民財産である文化振興事業団をどのようにして利活用させ、成長させるべきかという考えが必要だと思います。
高槻市の文化政策は、弱いものには優しく、時間のない人にもアプローチしていくという精神でやっているのだから、そのような精神のもとでホールが設計されて、そのホールの人たちが働きやすいというものにするべきだと思います。

会長:市内の中学校にある吹奏楽部と一緒にプレ事業が組み立てられる運営母体はどこか、市民が安心して話ができる相手は誰かということは大切なことです。

委員:指定管理者制度の中で不安定な雇用になっている現場の人はたくさんいます。本当に文化政策を考えるのであれば、そのあたりは検討してほしいところです。
それとは別に、私は、クロージングイベントがポイントだと思います。オープニングイベントは、新しい施設の中で、華やかに行われることが予想できます。市民に周知するのは、クロージングイベントだと思います。市民会館には、成人式や結婚式等、市民それぞれの思い出や思い入れがあると思います。それをどのように表に出し、次に受け継いでいくかというのは、今の職員の腕の見せ所だと思います。
クロージングイベントですごく盛り上がると、新しい企画や事業者に対して、良い影響を与えることになると思います。

会長:クロージングイベントは、今の文化振興事業団でもできますね。

委員:そうですね。ある意思のもとで、何を目的に高槻市で文化事業をやってきたかということを示せるチャンスだと思います。その時に、たくさんの市民を巻き込んだ形でできれば、新文化施設が思ってもいない方向に傾いたとき、前の方が良かったと指摘することができます。

委員:他の自治体で、クロージングイベントがすごく盛り上がり、新施設の機運が非常に高まったというものがありました。

会長:それは市民が中心になって実行委員会をつくって実施したのですか。

委員:そうです。

委員:そこに事業を仕掛けることが上手なアーティストを入れると大変な盛り上がりを見せることができますね。

会長:文化振興事業団はそのような市民をたくさん知っていると思います。

委員:財団では、天下りのような話が噂でもあります。そこをどのように払拭していくかという問題に対して、市民を巻き込んだ仕掛けと理論構築がないと、現状では難しいと思います。熱い思いがある市民を巻き込んで、その市民たちが自らすごさを語っていくというくらいでないとなかなか難しいと思います。

委員:運営母体は、財団であろうが、民間事業者であろうが、透明性の確保と評価を受け続けることが大切だと思います。文化事業の評価もそうですが、そこで働いている人材の勤務評定をされている財団は、財団自体の評価に繋がります。財団内部でも、高い評価を得ている職員への関心が高まります。結果として、評価が高い人材が多く集まる財団は、財団自体の評価も上がります。
また、経営に一般市民を入れて透明性を確保するということも非常に大切です。執行部、評議員会以外に運営委員会や評価委員会をつくり、評価をしていく仕組みをつくっておけば、かなりしっかりしたものになると思います。
そして、民間事業者に任せる方が安上がりという話もありますが、各地で失敗している例もあります。それも事例をたくさん勉強された方が良いと思います。

会長:民間事業者に管理をさせていているところは、民営化が目的になってしまっている印象を受けますね。財団の統廃合でも、それが目的になってしまうと本来の目的からずれてしまうことになりかねませんね。

委員:新文化施設の名称は、その後どのようになりましたか。

事務局:まだ決定していません。庁内の選定委員会で最終決定します。

委員:呼びやすい名前が良いですね。ロゴがかっこよくなるような名前も良いですね。

会長:わかりやすいのが一番ですね。

2 案件(4)その他

<事務局>次回審議会は秋頃を予定。

委員:学校へのアウトリーチが学校と上手くいっていないようであれば、理由を調べた方が良いと思います。また、病院の待ち時間を利用したアートのアウトリーチをぜひ検討してほしいと思います。0歳児からアートが体験できる、アートスタート事業に取り組むべきだと思います。

会長:市内の大学によっては、保育を専攻しているところもあると思いますので、将来子どもと触れ合うことになるはずです。そういうところとうまくできればと思います。

副会長:子ども文化祭の中で、平安女学院の大学生が工作を子どもと一緒にやるというコーナーがあります。

事務局:学校へのアウトリーチですが、確かに学校によって温度差はありますが、文化振興事業団と教育委員会で協議を重ね、巡回実施の仕組みをつくりました。

委員:「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」が、平成30年6月に成立し、平成31年3月に基本的な計画が策定されています。先ほどの0歳児というのは、社会的弱者になると思いますので、そこにアートに触れる権利を確立してほしいと思います。

会長:それが実施できれば、全国でも珍しいケースになると思います。市内外に情報発信ができると思います。

委員:地方で自治体職員の研修会に参加した時に、これだけのことができるというのは、その場所だからできるというキャッチコピーのもと取り組んでいたというものがありました。「高槻だったらできる」、「高槻だからできる」というものをキャッチコピーにしていくとプライドができ、より積極的に取り組めるのではないでしょうか。できない理由を考えるのはすぐできますが、積極的にできることに取り組むことも大切だと思います。

委員:0歳児の話ですが、プロのアーティストを保育所や幼稚園に派遣するという取り組みをしています。園のスペースの課題もあり、なかなかすべてで実施するというのは難しいです。行政が持っている施設や行政で繋がりがある施設があると思います。それを活用するとより多くの子どもの笑顔が見られるのではないかと思います。

委員:コーディネートしてくれる人材や団体を行政がキャッチできるようにしておかないといけないと思います。観客の前に立つアーティストも大切ですが、それを支えるパラアーティストも大切な存在です。

3 閉会

5 資料

 資料1…高槻市文化振興ビジョン後期実施計画 令和元年度進捗状況報告書

 資料2…高槻市新文化施設整備 令和元年度の取組予定

 参考資料1…高槻市新文化施設名称募集チラシ

 参考資料2…新文化施設整備事業への寄附のお願いチラシ(個人・団体用)

 参考資料3…新文化施設整備事業への寄附のお願いチラシ(企業用)