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会議の名称 |
令和3年度第1回高槻市総合教育会議 |
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会議の開催日時 |
令和4年2月7日(月曜日) 午後1時00分から午後1時20分まで |
会議の開催場所 |
高槻市役所本館3階第2委員会室 |
公開の可否 |
可 |
事務局(担当課) |
総合戦略部 みらい創生室 |
傍聴者数 |
4人 |
出席者 |
市長 濱田剛史 教育長 樽井弘三 (※「樽」は正しくは木へんに尊) 教育委員 美濃律 教育委員 深堀基子 教育委員 浦野真彦 教育委員 岡本華世 |
会議の議題 |
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(開会)
濱田市長
ただ今から、令和3年度第1回高槻市総合教育会議を開催いたします。
平素より、教育委員の皆様方には、本市教育行政にご尽力をいただいており、この場をお借りしまして、感謝を申し上げます。
(着座)
本日の会議につきましては、高槻市総合教育会議運営要綱第5条の規定に基づき、傍聴を許可したいと思いますが、傍聴の方はおられますか。
< 傍聴者2名 >
濱田市長
本日、傍聴希望の方が2人おいでということですので、傍聴を許可したいと思います。では、傍聴の方に入場いただいてください。
さて、本日の案件は、「コミュニティ・スクールについて」でございます。
令和3年度より「第2期高槻市教育振興基本計画」が施行されています。これは、本市における教育に関する「大綱」と位置づけられるものであり、今後10年間の教育の方針を示すものであります。
本計画の中では、教育の質を向上させ、全ての子どもたちが他者と連携・協働し、よりよい社会づくりに参画する力を身に付けることができる仕組みとして、小中一貫教育の枠組みを活用すること、そして、コミュニティ・スクールという新たな運営システムを構築することが掲げられています。
本日は、このコミュニティ・スクールを議題とし、教育委員の皆様とこの総合教育会議の場で、改めて、共通認識を持つとともに、ご協議させていただきたいと考えておりますので、忌たんのないご意見をいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、次第に従いまして議事を進めさせていただきます。
案件1『コミュニティ・スクールについて』を議題としたいと考えます。
教育委員会事務局より説明をお願いします。
事務局(教育委員会事務局)
資料をご覧ください。
まず、1つ目としまして、高槻の目指すコミュニティ・スクールについて制度の概要をご説明します。
学校運営協議会を設置している学校をコミュニティ・スクールと呼びます。
コミュニティ・スクールの導入の目的ですが、今、学校がかかえる課題は、複雑、多様化しており学校だけでは、解決できない課題が多くあります。このコミュニティ・スクールの仕組みは、地域、保護者、学校など全ての大人が当事者として教育に関わり、これからの時代を担う子どもたちを社会みんなで責任を持って育てるという、学校の公共性を高めるための仕組みです。
資料、中段の図の左側「学校運営協議会」をご覧ください。高槻では、これまで実施してきた連携型小中一貫教育の枠組みを活用し、各中学校区に「学校運営協議会」を設置します。学校運営協議会は、平成16年に、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に位置付けられた制度で、平成29年の法改正により、設置が教育委員会の努力義務になりました。法では、「当該学校の運営及び当該運営への必要な支援に関して協議する機関」とされており、校長が作成する学校運営の基本方針を承認するなどの役割があります。学校運営協議会の委員は、保護者や地域住民、学識経験者等を想定しており、教育委員会が任命します。子どもたちを取り巻く課題を共有し、それぞれの立場から、学校運営に関して、一定の権限と責任をもって意見を言っていただきます。
次に、図の右側の「地域学校協働本部」についてでございますが、この学校運営協議会で協議された「学校運営への必要な支援」を、実行するのが、「地域学校協働本部」となります。地域学校協働本部は、地域住民、学生、保護者など幅広い地域住民や団体等の参画により形成された緩やかなネットワークです。そして、学校運営の支援のために行う活動を地域学校協働活動と呼びます。これまでにも既に実施している学習支援活動、キャリア教育などの授業の支援、放課後子ども教室、登下校の見守りなどもそれにあたります。また、このように学校運営協議会と地域学校協働活動が両輪として推進していくための役割を担っていただく方を「地域学校協働活動推進員」といい、社会教育法に基づき教育委員会が委嘱し、地域の方と学校との連携調整などを行っていただきます。
次に、資料2つ目にあります、「導入までのスケジュール」についてでございますが、段階的にモデル校区を設置することで、それぞれの地域の実情にあったコミュニティ・スクールの在り方を研究していきます。
最後に、資料3つ目の「現在の進捗状況」をご覧ください。現在、第1期のモデル校区として、第八中学校区と城南中学校区が来年度に学校運営協議会を設置することを目指して、学校と地域で「設立のための連絡会」を立ち上げ、着実に準備を進めているところです。
コミュニティ・スクールの導入にあたっては、その意義や目的を学校の教職員、保護者、地域の方々が、共通認識をもつことが大切です。今年度は、教職員やモデル校区での研修会を実施してまいりましたが、今後、広報誌への掲載、リーフレットの発行などを行い、理解が深まるよう取組を推進していきます。
濱田市長
ただいまの案件1の説明につきまして、委員の皆様と意見交換をさせていただきたいと存じます。ご発言をお願いします。
岡本教育委員
中学校区ごとに設置するということですが、どうしても中学校区の行事になると中学校が主体となって動くところが多いということもあるようです。学校はもちろん、保護者・地域も設置当初から中学校だけでなく、小学校も積極的に関わるような仕組みになるよう工夫が必要かと思います。
また、学校運営協議会と地域学校協働本部を兼任するコーディネーターが重要な役割になることはまちがいないと思います。学校側の担当職員とうまく連携を取り、負担が大きくならない仕組みをしっかり考えていかないといけないと思います。
令和4年度から2つの校区で実施されるようですので、取組の中でよかった点や問題点は教育委員会もしっかり把握し、今後のモデル校や実施校へしっかりつなげていけるようお願いします。あわせて、相談や意見等、声をあげやすい環境づくりもお願いします。
このコミュニティ・スクールの実施が子どもたちの安全・安心な学校生活の基盤となり、教職員の資質の向上やよりよい社会づくりへつなげられるよう、また他校や他市の取組や情報はどんどん取り入れて、その校区らしさに合ったコミュニティ・スクールになることを願います。
濱田市長
ご意見ありがとうございます。他にご意見はございますか。
浦野教育委員
学校への支援については、これまでも、通学の見守り、学習や部活動の支援など、多くの方にご協力いただいています。コミュニティ・スクールの導入により、それらをより効果的に、スピーディーに進めることができるようになるのではないかと思います。
新しい仕組みを構築するには、周到な準備が必要です。ただ、それにいくら時間をかけても最善の形でスタートするのは難しいと考えます。まずは始めてみて、各校区の事情に合ったより良いやり方を目指し、改善を重ねていただければと思います。
コミュニティ・スクールを導入するという方向性は良いと思いますが、心配なのは保護者、地域住民、教職員の皆さんにご理解いただけるのか、という点です。十分な説明をすることで多くの皆さんのご理解、ご協力をいただき、コミュニティ・スクールが、児童生徒、学校への充実した後方支援となるよう期待します。
濱田市長
ご意見ありがとうございます。他にご意見はございますか。
深堀教育委員
地域は、学校や家庭ではない第三の場所として、子どもたちにとって安心な居場所になる必要があると考えております。その地域と学校がより連携を深め、子どもたちの学力向上に向けての支援を行うことは重要な事だと思います。
コミュニティ・スクールは、子どもたちの教育という共通の旗印の下に、地域住民がつながり、地域と学校、家庭が協働して子どもたちを守り育てていくための取組だと思っています。
コミュニティ・スクールが上手く機能していくためには地域の方々にどれだけ協力をいただけるのかがポイントになると思います。
私は以前に本市に設置されていた学校支援地域本部で学校と地域を繋ぐ役割を担っていました。当時感じた事は、地域の協力を得ることの難しさです。地域の方々に協力をいただくためには、「何故今コミュニティ・スクールが必要なのか」ということについて、設置者である教育委員会と主体となる学校が共通の認識を持ち、制度の準備段階から地域の諸団体や保護者へ丁寧に説明していくことが重要だと考えております。
地域にとっても、学校にとっても、時間と労力がかかることだと思いますが、地域と共にある学校づくりの重要性を考え、よりよい運営ができることを期待しています。
濱田市長
ご意見ありがとうございます。他にご意見はございますか。
美濃教育委員
事務局からの説明にもあったように、学校運営協議会の大きな役割のひとつとして、学校運営の基本的な方針を承認するといったことがありますが、学校運営の基本的な方針を承認するということは、校長の考えを地域の方々が知る機会になると思います。学校運営協議会を通して、これまで、ぼんやりとしか見えていなかった校長の学校運営のビジョンが明確になり、学校の方針や目指すところを地域でより深く共有できると考えます。
そして、その目指すところを実現するためには、何が足りないのか、どういった力が必要なのか等を学校運営協議会の場で話し合うことで、保護者や地域の方々もより具体的に学校に協力しやすくなるのではないかと思います。
コミュニティ・スクール導入初年度でまだまだ模索することは多いと思いますが、校長のみならず、教育委員会も、関係者に対し丁寧な説明を心掛け、この新しい学校の形をよりよいものにしてもらいたいと考えておりますのでよろしくお願いします。
濱田市長
ご意見ありがとうございます。他にご意見はございますか。
濱田市長
では、私の考え方についてもお話させていただきたいと思います。
教育は、子どもの健全な成長発達のため、一貫した方針の下、安定的に行われることが必要であるということから、独立した機関として教育委員会が設置され、教育委員会において決定された教育方針に基づき教育行政が推進されることで、政治的中立を確保し、専門的な行政運営が担保されてきたと思います。
また、教育委員会の委員につきましても、議会の同意をいただいた上で任命する仕組みとなっているのは、まさに地域住民の意向を反映することが必要であるという背景からであると思います。
そのような中で、国からコミュニティ・スクールという枠組みが示され、学校運営協議会という制度が設けられました。
学校運営協議会には「校長が作成する学校運営の基本方針を承認すること」や「学校運営について教育委員会や学校に意見を述べること」、「教職員の任用に意見を述べることができる」などの権限が与えられております。
そのなかで、少し私が懸念いたしますのは、教育の政治的中立性を確保するという教育委員会制度と整合性を保つことができるかという点です。
これまでの教育委員会制度の原則である「政治的中立性の確保」「継続性・安定性の確保」「地域住民の意向の反映」との整合にも十分留意し、教育の方向性が原則からぶれないよう必要な支援を教育委員会で考えていただきたいと思っております。
私の意見は以上でございます。教育長何かございますか。
樽井教育長
それでは、私からも意見、方向性について意見を述べさせていただきたいと思います。
今年度から、新しい学習指導要領が全面実施となりました。その基本理念は、「よりよい学校教育を通してよりよい社会を創る」ことでございます。学習指導要領は、基本理念の実現に向けて、「社会に開かれた教育課程の展開」を求めております。
学校だけでなく、家庭や地域の大人が一つになって、これからの社会を担う子どもたちを、責任ある大人にしていく。それが「社会に開かれた教育課程を展開」していくことの、大きな意味であります。
しかしながら、本来、きわめて公共的な営みであるはずの学校教育が、個人的な自己利益の増大に、優先されてしまっている。そんな状況が、少なからず見られるようになっていると感じているところでございます。
学校運営協議会に期待する役割は、学校教育の公共性を復権することにあると考えております。校長の学校経営ビジョンが、学校運営協議会によって公共性を担保されることになります。ただ一方では、校長のマネジメントの力も試されることになります。
先ほど市長がご指摘された懸念につきましては、私もまったく同じ思いでございます。学校教育の公正性がゆがめられたり、あるいは学校の負担が増大するようなことがあっては、学校運営協議会の導入はマイナスでしかありません。そのように思っております。
今後、モデル校区での実践を踏まえ、校長への支援体制や、リスクの分散など、十分に配慮された制度設計を進めてまいる所存でございますので、よろしくお願いいたします。
濱田市長
ご意見ありがとうございます。他にご意見はございますか。
本日は、来年度からコミュニティ・スクールが導入されるということで、今年度の総合教育会議の議題とさせていただきました。そのなかで、教育委員の皆様のコミュニティ・スクールに対する期待や懸念について、様々なご意見があることがわかりました。
本日頂いたご意見を踏まえて、本市のコミュニティ・スクールがよりよいものとなるよう、教育委員会事務局において引き続き取組を進めていただきたいと思います。
その他、意見等が無いようでしたら、案件1については以上といたします。
次に、次第の案件2「その他」についてですが、何かございますか。
< 報告事項なし >
濱田市長
特に無いようですので、以上をもちまして、令和3年度第1回総合教育会議を閉会いたします。
ありがとうございました。