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令和3年第11回高槻市教育委員会定例会会議録

ページID:029261 更新日:2022年3月22日更新 印刷ページ表示

令和3年10月11日(月曜日)午後3時00分、令和3年第11回高槻市教育委員会定例会を教育委員会室に招集した。

出席者(5人)

樽井 弘三 教育長
美濃  律   委員
深堀 基子   委員
浦野 真彦   委員
岡本 華世   委員


説明のために出席した事務局職員の職、氏名

教育次長 土井 恵一
学校教育監 安田 信彦
教育次長代理 田中 宏和
参事兼地域教育青少年課長 原田 由美子
参事 藤田 卓也
教育総務課長 田口 裕之
保健給食課長 橋長 忠司
教育指導課長 杉野 暁子
教育センター所長 丸山 みち子
教育総務課課長代理 高橋 直樹
教育総務課副主幹 平野 裕士
保健給食課課長代理 丸本  訓
教育指導課課長代理 小寺 基之
教育指導課副主幹 近藤 利起
教育センター所長代理 中村 吉博
教育センター副主幹 水口 裕介
教育総務課主査 須増 摩耶
教育センター指導主事 村山  健

議事日程

日程第 1 報告第6号  令和3年度全国学力・学習状況調査の結果概要について
日程第 2 承認第16号 高槻市教育委員会人事異動の承認について
日程第 3 議案第24号 高槻市教育委員会表彰被表彰者の決定について

 

(午後3時00分開会)

樽井弘三教育長
ただいまから、令和3年第11回高槻市教育委員会定例会を開会いたします。
なお、本日の会議に傍聴の希望がございましたので、許可をいたしております。
本日の会議の出席者は、5名でございます。なお、本日の会議の署名委員は、浦野委員 岡本委員にお願いいたします。

樽井弘三教育長
ここで、会議録の承認をお願いいたします。
本日は、令和3年第10回定例会会議録の承認をお願いいたします。会議録の朗読を省略してご異議ございませんか。

 

(異議なし)

(署名委員 会議録署名)

 

樽井弘三教育長
次に、教育長職務代理者の指名について報告します。
教育長職務代理者の指名につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第13条第2項により、教育長職務代理者を教育委員会委員のうちから、教育長があらかじめ指名することになっております。10月1日付けで教育委員として美濃委員が再任されましたので、引き続き、美濃委員を教育長職務代理者に指名させていただいております。任期は1年とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

樽井弘三教育長
それでは、議事に入ります。
日程第1、報告第6号、「令和3年度全国学力・学習状況調査の結果概要について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。

学校教育監(安田信彦)                                                               (提案理由説明)
ただいま上程されました、日程第1、報告第6号、「令和3年度 全国学力・学習状況調査の結果概要」の報告につきまして、提案理由をご説明申し上げます。
今年度の「全国学力・学習状況調査」につきましては、小学校の第6学年、中学校の第3学年の全児童生徒を対象に、小学校は国語・算数、中学校は国語・数学で5月27日に実施しました。
文部科学省の結果の公表日は、8月31日でございましたが、調査結果の公表の方法や内容等につきましては、市町村教育委員会がそれぞれ判断して行うこととなっております。
この点につきましては、平成20年9月の臨時教育委員会議及び令和3年1月の教育委員会議においてご議論いただき、『学校別の結果を公表しないことを前提に、数値のみが「一人歩き」しないよう、公表の趣旨や目的等を十分に説明すること等、慎重な対応を行った上で、平均正答率も含めた公表を行う』という決定がなされております。
この決定をふまえ、本調査の結果概要を、今後ホームページに掲載するとともに、年末に配布されます広報誌新年号の教育特集でも調査結果の概要等を公表する予定です。
なお、結果等につきましては、教育センター所長より説明させていただきます。

教育センター所長(丸山みち子)
まず、令和2年度の調査が実施されなかったこともありますので、結果の概要を見るにあたっての平成31年度との変更点をお伝えいたします。
1点目は平均正答率の公表の仕方です。平成29年度より文部科学省では、細かい桁における微小な差異は、実質的な違いを示すものではないとしたため、市町村や都道府県の平均正答率を整数で公表することとなりました。本市におきましてもその趣旨を踏まえ、平成31年度より平均正答率を整数で公表することとしております。
2点目は、調査問題の区分です。これまで、国語と算数・数学では、それぞれ「主に知識」を問うA問題と、「主に活用」の力を問うB問題が出題されていましたが、平成31年度よりA問題、B問題が統合されました。これは、知識・技能、思考力・判断力・表現力等は、相互に関係し合いながら育成されるものという新しい学習指導要領の趣旨を踏まえた指導方法の改善等に資するためでございます。
教育委員会事務局におきましては、調査結果の公表をうけて様々な視点からの分析を行い、調査の結果分析と改善方策に係る教員対象の研修として、9月15日に動画を配信いたしました。
全国学力・学習状況調査をどのように分析し、その結果をどのように指導改善に活かすかや、つまずきのみられる子どもへの指導や支援の視点について伝達する内容になっております。10月にはそれぞれの校種・教科ごとの研修も予定しております。
次に、今回の本市の調査結果についてですが、配付しております資料、左、中段の表をご覧ください。
今年度の本市の結果と対全国、対大阪府を示した表となっております。今年度は、すべての校種・教科において全国平均を上回る結果となっております。
続きまして、左下の本市の学力の経年変化のグラフをご覧ください。本学力調査が開始されて以降、向上傾向にあり、概ね全国平均を上回って推移しております。この結果は、この間、連携型小中一貫教育において各中学校区で取り組んでいる授業改善や本市がこれまで進めてきた様々な教育施策の成果であると考えております。
右側の正答数分布と領域等別正答率をご覧ください。領域等別正答率を表すレーダーチャートは、全国の状況とほぼ同傾向を示しています。
国語においては、文章全体の構成を捉え、内容の中心となる事柄を把握することや、伝えたい事柄が相手に効果的に伝わるように書くことはできていますが、漢字を文の中で正しく使うことや主語と述語、修飾語と被修飾語との関係を捉えることなどに課題がみられました。
これまで「書くこと」の領域が課題でしたが、各校の取組により改善傾向がみられます。全ての教科において、学びの基礎となり、また思考する際にも必ず必要となる言語能力の育成に、引き続き取り組んでいく必要があると考えております。
算数・数学についてですが、事柄の理由や問題解決の方法などを算数的・数学的に説明する記述式の問題において全国平均を大きく上回る結果を出しています。引き続き、算数的・数学的な用語を用いて、子ども自身が自らの考えを表現できるよう指導していくことが重要だと考えています。
資料の裏面をご覧ください。児童生徒質問紙の結果を教育振興基本計画との関連で掲載したものです。
裏面の上から2つ目の「かんがえる力」に関する2つの質問「家で、自分で計画を立てて勉強していますか」「普段1日当たりどのくらいの時間勉強をしますか」の回答をご覧ください。
小学校、中学校ともに、調査開始当初に比べると向上傾向がみられます。ただ、全国と比べまして、差があり、依然として課題であると捉えております。
家庭学習の習慣化や自学自習力の育成は、各校の授業改善とともに本市の課題であり、今後も改善に向けた取組を引き続き行ってまいりたいと考えております。
以上、誠に簡単な説明ではございますが、よろしくお願いいたします。

樽井弘三教育長
ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご質問はございませんでしょうか。

深堀基子委員
学力調査の結果で、毎回国語の「書くこと」の領域に課題があると言われてきましたが、問題の出し方が変わったからなのか、それとも純粋に書く力がついたからなのか、長年の課題でしたが、上昇傾向にあると思います。どのような要因でよくなったのか、お聞かせ願えますでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
前回の調査に限らず、特に書くことの領域においては、全国比を下回る結果がこの間続いておりました。今回の小学校の書くことの領域の結果が、全国の正答率を上回っており、改善傾向がみられております。
日々の授業において、自分の考えを書いて説明する時間を取ったり、学習の切り替えを律したりする中で、思考する力も少しずつ高められながら、書くことに対する力を伸ばしてきたと考えております。

深堀基子委員
長年の課題でしたが、上昇傾向にあるということは、教育委員会の指導の下、先生方のご協力によるものだと思います。今後も引き続き改善に向けた取組をよろしくお願いします。

樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。

美濃律委員
資料の裏の「将来の夢や目標を持っていますか」というところですが、全国平均もですが、だんだん下がってきているのが気になります。将来の夢や目標をしっかり持ってもらえれば、自分で計画を立てて勉強をしたりすることなどにつながってくるかと思います。職業体験等もしているかと思いますが、他に何か方策を取ってもらえたら、すごく大事なことだと思いますのでよろしくお願いします。

教育指導課長(杉野暁子)
「将来の夢や目標を持っていますか」というところですが、まず授業の中で実生活や実社会と関連付けて自分の将来のつながりを考えて学習することが必要だと考えております。また、現在導入に向けて取り組んでおりますコミュニティ・スクールの中でも、様々な地域の方や社会での出会いの中で、自分たちが社会に参画するというイメージを持っていくことが必要だと思うので、引き続き取り組んでいきたいと考えております。

樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。

浦野真彦委員
今回の調査結果で、全体の概要については分かりましたが、各学校間の差についてはどのようになっているのでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
例えば、問題別正答率を見ていきますと、小学校では最大65.7ポイント、中学校では最大39.4ポイントの差が出ている設問があります。このことについて大きな課題だと考えております。課題の大きい学校の回答を分析すると、問題文を正確に捉え、問われていることを理解する段階でつまずいている様子もみられます。より一層情報を正確に捉え、適切に表現する言語能力の育成が重要になってきていると考えております。

樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。

岡本華世委員
今回の調査の中で、つまずきがみられた子どもたちについて、どのように指導や支援をしていくのか教えてください。

教育センター所長(丸山みち子)
一人一人の子どものつまずきの原因を知ることが必要だと考えております。平均正答率だけでは把握できない、学校や学級全体の課題の傾向や、個々の児童生徒が理解できていない可能性の高い設問を見つけ出すことができる分析ツールとしまして、SP表というデータが国から提供されています。そのデータにより、不注意による誤答など、比較的克服が容易なものとされている設問や、難解だったと考えられる設問を把握することができ、一人一人の子どもへの有効な手立てを考えることができます。SP表の活用法を各校に研修で伝え、子どものつまずきの原因を把握し、指導支援のあり方を考えていくよう求めているところです。

樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。

深堀基子委員
「家で、自分で計画を立てて勉強をしていますか」という質問の経年比較を見ますと、時間をかけた取組の成果が出ているのがよく分かります。特に中学校では家庭学習の習慣がついてきているように思います。「普段、1日当たりどのくらいの時間勉強していますか」の問いでは、月曜日から金曜日となっていますが、これは土日を含まないのは何か理由があるのでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
この設問は、「月曜日から金曜日」となっていますが、別に「土日」という設問もございまして、概要版には、こちらは掲載しておりません。

深堀基子委員
もう一点、「地域や社会をよくするために何をすべきか考えることはありますか」の問いの、中学生の回答が気になります。素直な答えだと思います。授業の中でこのようなことを考える時間はあると思いますが、この39.8%の数字をどうとらえたらいいのかお聞きしたいと思います。

教育指導課長(杉野暁子)
「地域や社会をよくするために何をすべきか考えることはありますか」という質問は大変注目をするところです。やはり中学生が低いと考えています。
第2期の高槻市教育振興基本計画の中でも、高槻の教育がめざす子ども像として、「人と社会とつながり、学び続け、よりよい自分と社会を創る子ども」としており、よりよい社会創りに参画できる子どもの育成というのは、本市の教育にとって最も大切にするところだと思います。先程申しましたとおり、現在中学校区でのコミュニティ・スクールの導入に向けての準備と研究を進めているところですが、この学校、地域、家庭、全ての大人が、子どもの教育の当事者として関わる新たな仕組みを作って、子どもたちが地域の様々な人に支えられながら学んでいくという経験をすることで、地域への担い手としての自覚を育み、地域や社会をよりよくしたいと考えられる子どもを育てていきたい、増やしていきたいと考えております。

深堀基子委員
コロナ禍でなかなか地域の方との関わりがないかもしれませんが、これからもこのような取組をお願いします。
もう一点だけ、質問紙の中に「学校に行くのは楽しいと思う」という質問があったかと思います。ここには載っておりませんが、高槻市の回答はどのような回答だったのでしょうか。

教育指導課長(杉野暁子)
全国的にもこの項目は少し下がっている回答だと思いますが、本市においても前回調査に比べ、「学校に行くのが楽しいと思う」という肯定的な回答が、小学校、中学校ともに若干少なくなっています。

樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。

浦野真彦委員
質問紙調査の右上、新型コロナウイルスによる長期休業の中、勉強について不安を感じましたかという設問の回答ですが、中学校だと高槻市で62.6%が、「当てはまる」か「どちらかといえば当てはまる」という回答で、結構な人数が不安を感じていたということが分かります。その後、このような不安は解消されたのか、またこの数字はどのように分析されているのか、コロナでどのような影響が調査にあったのか教えていただけますでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
この設問につきましては、今回コロナの状況下で新たに設定された質問になります。不安に感じたと答えた児童生徒の学力について、平均正答率が低いという実態があり、不安があった児童生徒の不安が解消されないまま、学校が再開してしまった様子を伺うことができます。そのため、休業中や休業明けに学校が補充的な学習等を行ったり、夏季休業期間を短縮したり、放課後、補充的な学習を行うなど、子どもたちの学力の保障というのをこの間、努めてきました。
計画的な学習を行う指導や個別の学習の補充が必要な子どもたちに、丁寧に学習の機会を保障することが大切だと捉えております。

浦野真彦委員
コロナの影響というのは今回の調査で何かあるのでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
コロナの影響についてですが、この全国学力・学習状況調査に係る国立教育政策研究所の分析においては、学力とコロナによる臨時休業には相関がないと現時点では言われております。しかしながら、今後、国が経年変化分析調査や保護者に対する調査等を活用した詳細な分析をすると聞いております。さらに、各学校を抽出して、学校の取組についても分析すると聞いておりますので、高槻市としてもその分析結果を活かして、対応策や施策につなげていきたいと考えております。
本市におきましても、学力は上昇傾向にあるということは先程もお伝えしました。上昇傾向にある一方、学力の二極化の傾向もありますので、そのようなところも丁寧にみていきたいと考えております。

樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。

美濃律委員
1人1台端末の活用状況と結果の関連は何かありますでしょうか。

教育センター所長(丸山みち子)
GIGAスクール構想に基づく1人1台端末の活用状況につきましては、端末が2月に導入されて以降、各校での活用が進められているところです。
今年度の調査結果は、なかなか成果が反映されていないところがあるかと思いますが、今後、結果等の関連を注視していく内容だと考えております。
児童生徒質問紙においても、ICTを活用した学習状況の項目が今回増えております。質問紙の回答状況と、正答率の相関を見るクロス集計でも、使用頻度に関する項目と、平均正答率との関係には大きな相関はみられませんでした。
各校において、子どもたちの力につながる効果的な活用が充実するよう、教育センターとしても研修の機会の確保や環境整備等に努めたいと考えております。

樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。

岡本華世委員
基本調査の結果概要の「いじめは、どんな理由があってもいけないと思いますか」という質問で、小学校が96.7%、中学校では95.1%で、ここに示されている数字の中では一番高いところになっていますが、この数字で満足してはいけないと私は思います。昨日今日で報道がよくされていますが、10年前の大津で中2の生徒がいじめにあって自殺されたということで、この10年間保護者はもちろん苦しまれていますし、その中で教育委員会や学校と同じ方向を向いて進めてこられていない状況が表によく見えることになっているのではないかと私は感じています。保護者の方が動かれて、法改正等もされましたが、高槻市としてもこのようなことは何かが起こってからではなくて、起きないようにするためにしっかりそのような取組を、日頃から様々なところに目を向けて防いでいただきたいと思いますのでよろしくお願いします。

教育指導課長(杉野暁子)
「いじめは、どんな理由があってもいけないと思いますか」という問いのところですが、これは100%になるべきだと考えております。肯定的な回答ができない、またはしない児童生徒がいるという背景は、学校としてしっかり受け止めて、取組を進めなければならないと考えております。生徒指導のいじめの指導や道徳教育の中でもしっかり取り組んでいきたいと考えております。

樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。
それでは私から共有と方向性についてお話させていただきたいと思います。
今回の学力調査で注目すべき点は、三つあります。
一つは、新型コロナウイルス感染症による3か月にわたる臨時休業が子どもたちの学力形成にどのような影響を与えたかであります。
二つは、学校が再開されましたが、極力感染リスクを低減させながら授業を進める、制限された授業形態が、子どもたちの学力に影響を与えたのか、あるいは与えていないのかであります。
三つは、質問紙調査の結果と学力との相関についてであります。結果と学力の相関がみられるのがどのような項目なのか、正の相関、負の相関あるいは無関係に近い、この三点あるかと思います。
以上三つの視点について、地域や家庭の教育力の差、つまり「教育格差」の視点も入れて、分析結果を共有しておきたいと思います。

教育センター所長(丸山みち子)
まず一点目の3か月に及ぶ臨時休業や、その後の感染リスク軽減に対応した授業形態が、学力形成にどのような影響を与えたかについて説明させていただきたいと思います。
先程も申しましたが、国立教育政策研究所においては、長期にわたる臨時休業と平均正答率には相関がないとされています。ただ今後、経年変化分析調査、保護者質問紙調査や学校ヒアリングを実施し、その影響を精査すると聞いています。
本市においてはこの間、学力は上昇傾向にございますが、先程も申したとおり、二極化傾向がみられます。
臨時休業期間中は、家庭での学習が中心となりますので、学校の影響力より、家庭の影響力が大きくなる傾向があると考えております。児童生徒質問紙調査の中で、感染拡大で多くの学校が休業していた期間中、計画的に学習を続けることができたかどうかを問う質問がありました。計画的に学習を続けることができた児童生徒ほど平均正答率が高い傾向がみられ、特に小学校ではその傾向がみられました。
さらに、学校からの課題が分からなかった時、どのようにしていたかという質問もございました。本市の小学校の1位が家族に聞く、2位が自分で調べる、3位が友達に聞く、中学校は、1位が自分で調べる、2位が友達に聞く、3位が家族に聞くという順番で、発達段階で対応が異なっていました。「自分で調べた」、「家族に聞いた」、という児童生徒の平均正答率は、「分からなかったところがなかった」と回答した児童生徒に次いで高くなっており、休業期間中、家庭での学習を自律的に取り組める児童生徒と、取り組めなかった児童生徒の間に学力差が生じてしまったと考えております。あわせて、保護者の働きかけや関わりにより、学習の取組に差が生じたと考えております。
また、「勉強について不安を感じる」児童生徒の平均正答率が低く、児童生徒は不安があることを自覚しながらも、その解決策を持っていなかった可能性があると考えております。
児童生徒の実態は各学校が丁寧に把握することができます。だからこそ、各学校では、質問紙調査を分析する際に、改めて一人一人の状況について、丁寧に分析することが大切であると考えております。
また、国の経年変化分析調査等報告が、今年度3月にあると聞いておりますので、その報告を受け、本市の分析に活かし、対応策や施策を考えてまいります。
続きまして、コロナ禍の授業形態と学力形成について説明します。新型コロナウイルス感染症対策のため、3月から5月の長期休業明けの6月の授業は、児童生徒の接触を控えた活動を模索しながら始まったと聞いています。
今年度の学校質問紙調査において、「学級やグループでの話合いなどの活動で、自分の考えを深めたり、広げたりすることができていると思うか」、「学級やグループでの話合いなどの活動で、相手の考えを最後まで聞くことができていると思うか」という質問に対して、前回平成29年度も同一の質問がありましたが、平成29年度と比べると、肯定的な回答が増えています。
各学校では、グループ活動は難しいけれども、全体での意見を確認する場面も、意図的に取り入れた、という話も聞いています。また、飛沫防止の観点から、付箋に意見を書いて交換したり、ほかの児童生徒のノートを見たりするといった活動をしたということも聞いております。コロナ以前に実施していたペア活動等は、工夫しながら意見の交流場面を設定していることが推測されます。
さらに、1人1台端末導入済みの現段階では、端末にあるジャムボードというアプリケーションを使い、付箋で交流するように、画面上で意見を交流するなどの取組をしている学校もございます。
今後、コロナ前のペア学習など、学習形態がどう変化しているのか、各学校に調査等行い、実態の把握を進めてまいりたいと考えております。
続きまして、三点目の、質問紙調査の結果と学力との相関について説明させていただきます。概要の裏面をご覧ください。
まず、「たかめる力」の基本的生活習慣である「朝食を毎日食べていますか」、これは正の相関がございます。
「かんがえる力」につきましては、右側上段の「学習習慣に関する質問、学校の授業時間以外に、普段勉強する時間が長い」、左側下段、「学級の友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、広げたりできている」、その右側、「授業で自分の考えを発表する機会では、自分の考えがうまく伝わるよう、資料や文書、話の組み立てなどを工夫して発表している」と答えた児童生徒の平均正答率は高く、正の相関がございます。
続いて、「きりひらく力」の右側、「各教科などで学んだことを活かしながら、自分の考えをまとめたり、思いや考えをもとに新しいものを作り出したりする活動を行っていた」についても、正の相関がございます。
その他、紙面には載せておりませんが、学習に対する関心、「国語、算数、数学の学習は大切である」、総合的な学習の時間についての質問で、「総合的な学習の時間では、自分で課題を立てて情報を集め、整理して、調べたことを発表するなどの学習に取り組んだ」、非認知能力として、「人の役に立つ人間になりたい」、そして、学習環境として、「家にある本の冊数が多い」児童生徒については、平均正答率と正の相関がございます。
一方、負の相関があるものにつきましては、「たかめる力」の右上、「新型コロナウイルスの感染拡大で多くの学校が休校していた中、勉強について不安を感じましたか」という質問で、不安だった児童生徒ほど、平均正答率が低いという負の相関がございました。
紙面にはございませんが、「普段、一日当たりのテレビゲームを長時間する」と回答した児童生徒の平均正答率が低く、こちらも負の相関がございました。
また、平均正答率との相関がみられないものとしては、「きりひらく力」の「将来の夢や目標を持っているか」という項目です。この項目については、学力との相関はございませんでした。

樽井弘三教育長
調査結果からは、学力の二極化が進み、学力格差は依然として、縮小には向かっていないことが分かりました。また、二極化は地域差をともなって進行しており、家庭の経済状況、価値観や生活習慣を含めた文化の影響を強く受けています。このような状況は、以前から指摘されていたことですが、コロナ禍により、それが前景化したと思われます。
すべての子どもたちに学力をつけることは、学校教育の最大の役割であります。とりわけ、わからない子どもをわかるようにすること、そして、できない子どもをできるようにすることは、教員としての職業的使命でございます。
家庭環境の有利不利にかかわらず、義務教育9年間で、「確かな認知能力」と「豊かな非認知能力」を子どもたちにつけねばならない、これは大きな課題であると考えています。
子どもに一番大きな影響力を持つ「教育環境」は教員であります。教員の力をつけるのは教育委員会の最大の仕事であろうと考えております。教員の授業力の向上と地域間格差を縮小する、このことに今後の教育施策の重点を置き、進めてまいりたいと考えておりますのでよろしくお願いします。
以上、全国学力・学習状況調査の結果概要についてですが、他に何かございませんでしょうか。
それでは、本件は報告案件でございますので、これをもって終了いたします。
続きまして、日程第2、承認第16号、「高槻市教育委員会人事異動の承認について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。

教育次長(土井恵一)                                     (提案理由説明)
ただいま上程されました、日程第2、承認第16号、「高槻市教育委員会人事異動の承認について」、提案理由のご説明を申し上げます。
本件につきましては、急施を要するため、教育長に対する事務委任等に関する規則第3条第2項の規程によりご決裁いただき、本日、ご承認いただきたく上程するものでございます。
今回の10月1日付け人事異動につきましては、市全体では、新型コロナウイルス感染症対策やワクチン接種への対応のため、必要な職員体制の充実を図るとともに、一般職を中心とした長期在職の解消を行うことを中心に行われており、異動の規模としましては、市全体で69名、うち管理職は1名となっております。本年4月に相当規模の人事異動を行っているため、今回は一般職の定期異動を中心に、必要最小限の範囲となっております。
また、欠員状態の部署への対応として、本年6月に実施されました採用試験合格者から前倒しで7名が採用されております。
教育委員会におきましては、議案書にお示ししておりますとおり、幼稚園における1名の異動となっております。
以上、簡単な説明でございますが、よろしくご審議いただき、ご承認いただきますようお願い申し上げます。

樽井弘三教育長
ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご質問はございませんでしょうか。
それでは、無いようですので、採決に入ります。承認第16号、「高槻市教育委員会人事異動の承認について」を原案どおり承認してご異議ございませんか。

 

(異議なし)

 

樽井弘三教育長
ご異議が無いようですので、承認第16号は、原案どおり承認されました。
続きまして、日程第3、議案第24号、「高槻市教育委員会表彰被表彰者の決定について」を議題といたします。提案理由の説明を求めます。

教育次長(土井恵一)                                            (提案理由説明)
ただいま上程されました、日程第3、議案第24号、「高槻市教育委員会表彰被表彰者の決定について」提案理由のご説明を申し上げます。
本件につきましては、高槻市教育委員会表彰規則第8条に基づき、11月3日に開催されます「文化の日 記念式典」において教育委員会表彰を致そうとするものです。今回の表彰件数は、個人39名、団体は2団体で、合わせて41件でございます。
それでは、表彰の内訳及び個々の推薦理由につきましてご説明させていただきます。
まず、規則第3条『教育功労賞』は、「教育の振興や社会教育関係諸活動または体育関係諸活動において顕著な功労のあった者及び団体」を表彰するもので、個人では、体育活動関係として、高槻市居合道連盟 理事 秦 富雄(はた とみお)氏ほか21名、社会教育関係では、高槻市短歌友の会 副会長 高田 辰義(たかだ たつよし)氏ほか7名、また、団体では、社会教育関係として、女瀬こども会ほか1団体でございます。
表彰基準は、社会教育関係表彰基準内規第2条により、団体は5年以上の実績、個人は連合組織にあっては5年以上、単位組織にあっては10年以上、指導的役割を果たしてこられた方が対象となっております。
次に、規則第4条『学校保健功労賞』では、「学校医等として在職20年に達した者」として、井上 裕之(いのうえ ひろし)氏ほか3名、「学校医等として15年以上在職し退職した者」として、永田 明義(ながた あきよし)氏ほか1名でございます。
最後に、規則第5条『児童生徒功績賞』では、「対外運動競技大会において入賞した者」として、第70回近畿中学校総合体育大会・第73回近畿中学校選手権水泳競技大会において入賞されました 第二中学校 橋本 和奏(はしもと わかな)さん、同じく 第三中学校 木佐木 煌希(きさき こうき)さん、「芸術・文化に係るコンクール等において優秀な成績を挙げた者」として、第42回全国中学生選抜将棋選手権大会において入賞されました 第九中学校 渡邊 想子(わたなべ そうこ)さん、でございます。
なお、各賞の経歴等の詳細につきましては参考資料の被表彰者推薦書をご覧いただきますようお願いいたします。
以上、誠に簡単な説明でございますが、よろしくご審議いただき、ご可決賜りますようお願い申し上げます。

樽井弘三教育長
ただいま、提案理由の説明が終わりましたが、委員の皆さん何かご質問はございませんでしょうか。

浦野真彦委員
児童生徒功績賞が今回3名と言うことですが、これは教育委員会に学校から報告があるのでしょうか。

教育総務課副主幹(平野裕士)
児童生徒功績賞につきましてですが、各学校長からの推薦に基づいて提示しております。

樽井弘三教育長
学校長が推薦をしなかった場合はこちらに上がってこないということでしょうか。表彰漏れがないよう何かしているのでしょうか。

教育総務課長(田口裕之)
先程ご説明させていただいたとおり、表彰規則上、児童生徒功績賞については学校長の推薦に基づいて上程しております。それ以前に、各大会等に出場されていることに関しては、各学校長から教育指導課を経由し、状況は適宜把握しており、表彰漏れのないよう注意しながら取り扱っております。

樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。

深堀基子委員
水泳でバタフライ第3位ということで推薦されていますが、学校のクラブとしてなのか、外部のスクール等としてなのでしょうか。

教育指導課課長代理(小寺基之)
学校の代表として大会に参加しているものと把握しております。

樽井弘三教育長
中学校体育連盟の大会に限らないということですか。

教育指導課課長代理(小寺基之)
表彰の基準としては、中学校体育連盟でなくても、それに準ずる大会であれば推薦されております。

樽井弘三教育長
例年と比べて数は多いのでしょうか。

教育総務課副主幹(平野裕士)
表彰件数について、過去3年間の表彰件数は、平成30年度が45件、令和元年度が52件、令和2年度が29件となっております。また、今年度については、議案書のとおり41件となっております。

樽井弘三教育長
他に何かございませんでしょうか。
それでは、無いようですので、採決に入ります。議案第24号、「高槻市教育委員会表彰被表彰者の決定について」を原案どおり可決してご異議ございませんか。

 

(異議なし)

 

樽井弘三教育長
ご異議が無いようですので、議案第24号は、原案どおり可決されました。
以上で、本日の日程がすべて終了いたしましたので、閉会といたします。

 

 

(午後3時52分閉会)