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日時 | 令和元年11月25日(月曜日) 午後1時30分から午後3時まで |
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場所 | 高槻市役所 総合センター6階 C602会議室 |
参加者 | 高槻市コミュニティ市民会議幹事 |
行政側出席者 | 市長・両副市長・教育長・総合戦略部長・市民生活環境部長ほか |
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テーマ |
全体テーマ 「高槻の将来を見据えた新たなまちづくり」 |
(発言者)コミュニティ市民会議副議長
本日の進め方でございますが、最初に濱田市長から「令和の時代を迎えて 3期目の更なる飛躍」をテーマに、市長3期目にあたって将来を見据えた新たなまちづくりについて、お話しをいただき、その後市民会議から部会ごとの発表と市長との意見交換に入りたいと思います。
それでは、濱田市長、よろしくお願いします。
(発言者)市長
令和の時代を迎えて、3期目となる令和元年度からの施策の概要について、少しだけ時間をいただいてご説明をしていきたいと思います。
「令和の時代を迎えて」の1ページ目下段を見ていただきますと、これまで注力してきた施策としまして、子育て支援のトップランナー都市ということと、そして、市民のみなさんの健康づくりに注力してきたところです。これまで子どもの人口が社会減を続けていたのが、おかげさまで、ようやく社会増となったことにより、これまでの施策が間違いではなかったと、今、少し安堵しているところです。しかしながら、全国的には人口が減少しており、人口を増やすという市町村の施策は、他の市町村との人口の取り合いみたいなところがありますので、素直に喜べるところではありません。また、増えたとはいえ、今後も油断をせずに、これまでの施策を続けてまいりたいと思います。
そしてまた、私の3期目のまちづくりとして、三つの柱をあげさせていただいております。
一つ目は、自然災害から市民を守る「強靭なまちづくり」、二つ目は「富田地区のまちづくり」、そして、三つ目は「高槻の歴史を継承するまちづくり」のまちづくり三本柱ということで進めさせていただこうと思っております。
言うまでもなく、昨年の大阪府北部地震及び台風第21号により、これまでに経験したことのない災害に見舞われ、自然災害から市民を守るということを、まさに昨年は痛感した一年でありました。これからも着実に行っていくという意味で、一つ目の「強靭なまちづくり」をあげさせていただいております。
二つ目の「富田地区のまちづくり」は、今から始めるということではなくて、これまでも着実に準備を進めて、道路整備等も行ってきましたし、いろんな歴史的な景観も保全するような施策も進めてきました。いよいよ大きな市営住宅である富寿栄住宅の建て替えの計画を具体的に進めることができてきましたので、徐々に富田のまちをどうしていくかということが見えてきたところです。そこで具体的に目に見える形で進めていくという、その決意を含めまして、二つ目の「富田地区のまちづくり」をあげさせていただきました。
そして、三つ目の「高槻の歴史を継承するまちづくり」ですが、ご承知のとおり、高槻は歴史資産の豊富なまちです。富田も含めてでありますけれども、そんな歴史資産をこれから大きく活かしていかなければならないと思っているところです。まちづくりと言いますと、とかくハード面の整備、再開発であるとか、そういったものを想起させるわけですが、ただ単なるまちのハード部分の整備だけではまちの個性はでませんので、私は、歴史・伝統をしっかり守ることが、まちづくりに命を吹き込むものだと思っております。そういう意味で、「高槻の歴史を継承するまちづくり」ということで、進めていこうと考えております。
「強靭なまちづくり」としまして、一つは、市町村の予算の限りもございますが、例えば淀川や芥川の堤防の整備というのは、市の管理ではなく、国と府の管理で、国と府でなければやはり、堤防の強化等大きな事業はできないということでございます。市町村の役割としましては、ソフト面の防災対策ということがメインになってきます。これにつきましては、高槻市も他市に誇れる施策をこれまで展開してまいりました。
令和元年も高槻市全域大防災訓練を、第2回目ということで、市民会議のみなさんとの共催により、皆様方に多大なご協力をいただき開催し、成功に終わりました。どうもありがとうございました。私も各地域を回らせていただいて、非常に感じましたのは、第1回目の時と市民の皆様の意識がだいぶ変わっていると感じたところであります。第1回目の時は、とにかく避難所に来てくださいという形で行いましたが、第2回目の時は、皆様、市民それぞれが防災意識を持っていろいろな準備をしたうえで参加していただきました。やはり昨年の災害が市民の皆様にかなりのインパクトがあったのだなと思ったところでございます。
また、防災講演会、市民防災シンポジウムというのも積極的に行っています。特に今、心がけているのは、北部地震や台風第21号の時も、国との関係というのが非常に強い関係がありまして、自衛隊というよりも国土交通省のご尽力を非常に大きくいただいたということもありました。日頃、国の機関との顔の見える関係が非常に大事だということを自覚しました。こうしたシンポジウムや防災講演会、防災訓練などのイベントをすることは、市民の皆様に啓発することが第一の目的ですが、それとともに国の方も巻き込んで、こうしたイベントをすることで、国からも高槻市という市を認識してもらい、いろんな交流を深めることができます。北部地震までも様々な交流をさせていただいたのですが、本当に災害の時に、それがものすごく役に立ったということもございますので、これからも国や府と連携しながらやっていきたいと思っています。
下段の方は、市町村であまり例のないハード整備でありまして、雨水貯留施設というものを安満遺跡公園の地下に設置しました。この件に関して、市民の皆様からは非常に良いお声をいただいており、私たちも大変喜んでいるところです。ハード整備というのは、無駄な公共事業ではないか、そんな意見も昔はありました。それが今、間違いだったということが、災害続きの現状で明らかになってきています。このタウンミーティングにこられた皆様方におかれましては、公共事業の重要性、特に防災に関する公共事業の重要性を、ぜひとも周辺の住民の皆様にもお伝えいただければと思います。
決して無駄な投資でないにも関わらず、市民の皆様がなぜ無駄というのかといいますと、例えばこれを作ったけれども、まだ稼動したことがありません。稼動するのは一時間に80ミリ以上降ったときとなっています。これまでは、80ミリ以上の雨が降ると町中に水が溢れて大変なことになりました。まさに平成24年の高槻駅周辺、そして城跡周辺が水浸しになった、あの記憶があると思いますけれども、被害を受けて初めてみなさん認識するわけです。今、仮に80ミリ降っても、この雨水貯留施設があるおかげで被害にはならない。逆にいいますと、市民の皆様は、何も起こらずに終わったと思ってしまうわけですね。
防災というのは、何も起こらずに終わるのが一番ですが、逆に言うとそれだけ認識をしていただけないこともあって、だから公共事業は無駄だという話が出てきてしまうわけなのです。決してそうではなくて、何もないというのは、備えがあるからこそ何もないのだということを、市民の皆様にご認識いただければと思っているところです。この雨水貯留施設については、安満遺跡公園と城跡公園の地下にも作っていますし、またJR高槻駅前北側にも計画をしています。
「強靭なまちづくり」については、昨年の北部地震の教訓も踏まえまして、学校安全にも大変力を入れまして、その専門部署も作らせていただいたところです。また地区防災会の皆様方には、大変ご尽力をいただいておりますが、私たちも全面的に支援をさせていただきますので、地域の防災力についても色々な観点から強化をしていただければ幸いでございます。
3ページ目下段からは「富田地区のまちづくり」になりますが、市営バスの富田芝生線を新しく開業いたしました。竹の内地域の方にも、その前に新しいバス路線を作らせていただきました。また平成31年4月には、この富田芝生線を開業させていただき、時代の情勢や状況に応じて利便性を追求する中で、市営バスを運営させているところです。
4ページ目は、「富田地区のまちづくり」ということで、富寿栄住宅のことについては、先ほど申し上げましたが、第四中学校区で施設一体型小中一貫教育を実施していこうということで、そのモデル地区として、進めているところでございます。
そしてまた、「高槻の歴史を継承するまちづくり」ということで、市民会館を新しく建てようとしているところです。建設予定地は二の丸跡ですが、これを皮切りに城跡公園を本当の意味での“城跡”とわかるような整備をしていきたいと思っています。市民会館の周辺に当時とほぼ同じ位置に堀を掘って再現し、中・長期的計画で本丸の整備等をしていきたいと思っております。
5ページ目です。もう一つの城跡ですけれども、三好山に芥川山城という古い山城がありまして、そこに三好長慶という武将が、初めての天下人として、ここで政治を行ったというところでございます。その芥川山城を国史跡として認定してもらおうと、今進めているところです。非常に手ごたえを感じていまして、国の方には、早急に史跡指定をしてほしいと、働きかけを続けているところです。
5ページ目下段の、「将棋のまち高槻」の取組ですが、将棋と高槻というのは、実は意外に縁が深くて、将棋の駒が大量に発掘されたり、また将棋の棋士の方が、たくさん高槻から輩出されているということもあります。そんなことで、「将棋のまち高槻」として、自治体で初めて、日本将棋連盟と包括連携協定を締結させていただきました。今、関西将棋会館という関西の拠点が大阪市にありますが、そこから高槻サテライト教室を開いていただくことになり、現在進めているところです。また王将戦が、昨年度同様に来年1月にまた開催することになりました。この取組で日本将棋連盟から評価していただき、先日、名古屋で開催された「将棋自治体サミット」で高槻の取組を発表してほしいということで、私自身が、将棋ファンの前で高槻の取組を発表させていただいたところです。
6ページ目には「高槻の歴史を継承するまちづくり」の主な施策を載せております。なんといっても安満遺跡公園が一次開園しましたけれども、また全面開園に向けて整備中であります。着実に計画どおりに進んでいまして、令和3年には、全面開園します。この安満遺跡公園は、一次開園だけですけれども、市内外から好評をいただいており、私たちの予想した一年間の来場者数をすでに3ヶ月で達成いたしました。全面開園にするとさらに人が来るだろうと大いに期待しているところでございます。
そしてまた、未来への投資もしながら、健全財政も維持しているところでございまして、経営革新もしっかりと進めているところです。20年後、30年後の未来を見据えてまちづくりをしていこうということで、現在進めております。目の前にあることを解決するだけでは、まちづくりというのは進みませんので、将来を見据えたまちづくりを皆様と一緒にさせていただこうと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申しあげます。
私からは以上でございます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
(発言者)コミュニティ市民会議副議長
どうもありがとうございました。
それでは市民会議より、「令和元年度施政方針大綱の取組について、地域でできること」と題した各部会からの意見・提言をよろしくお願いいたします。それでは、最初に広報研修部会からよろしくお願いいたします。
(発言者)広報研修部会
今、私たちの地域では地区福祉委員会とともに子育て支援に取り組んでいますので、それらを中心に発表させていただきます。
一番目は「子育てサロン」の取組です。核家族が当たり前の現在におきましては、子育てに不安を持ち、子どもさんとの接し方も分からず、その上近所に知り合いやお友達がいない若いお母さんが多いと思われます。そのようなお母さん方に、子どもと一緒にコミュニティセンターに集まって、同じ空間を共有し、話し相手や友達としての輪を広げて頂ければと考えています。あわせて、困っていることに対して、スタッフから助言できれば更に良いと思い、「子育てサロン」に取り組んでいます。
現在は共働きなどで育児に専念できない家庭が多いようで、現在参加いただいている方は5家族から8家族程度で過去から比較して随分少なくなっています。
この事業は、高槻市の「子育て世代包括支援センター事業」の一つにあたると思われます。その包括支援センターのスタッフの方に、各地域の「子育てサロン」に足を運んでいただき、一緒にサポートしていただくことができれば更に良い事業に成長すると思います。是非検討をお願いします。
次の取組は、「放課後子ども教室」です。私の地区では、小学校の教室等学校の施設を利用した活動が主で、約40名が参加しています。この教室は、週1回、月4回実施しています。活動内容は、1.手作り遊び 2.体育館での運動(ボール遊び、跳び箱、マット運動等) 3.老人施設などを訪れ世代間交流の体験をする等、毎回趣向を凝らした活動を行っております。このことが子どもたちの人気を呼んでいるのか、春、秋の募集時には毎回80名くらいの応募があり、やむなく抽選を行っております。
この活動は、役員様の持つ力量・ネットワークに大きく依存しており、後継者の育成がなされていないのが現状です。また役員様、ボランティア様の高齢化が進んでいる中、今後も活動を継続していくことが難しくなってきています。この事業は、高槻市の「放課後の子どもの居場所づくりを推進」する施策の一翼を担っている自負もあります。地域のこの事業に対して、ご指導・ご支援をいただければ幸いです。
他の主な事業としては、世代間交流を前面に据えた「ふれあい広場」、子どもたちと一緒に遊ぶ「体育祭・盆踊り大会」等、地域と地域の子どもたちが一緒に楽しめるいろいろなイベントを行っています。
地域全体で子どもたちのふるさと意識を育てるとともに、子どもの見守りなどを通して明るく健全な子どもを育てて行くことが私たち大人の使命であると多くの方に認識していただければ、活動も続けていけるのではないかと考えています。
教育環境におきましては、世界から見て日本の教育レベルは高い方だと思います。しかし、掘り下げて実態を見たときには、「いじめ」「虐待」などによる不登校や、親の経済的理由で十分な負担ができず子どもが差別を受ける等、自治体が手を差し伸べるべきところは多分にあると思います。
経済的負担を和らげる幼児教育・保育の無償化、医療費助成の拡大などが、まさにこれにあたると思われます。しかし、自治体の財源も無尽蔵にというわけにはいかず、「選択」部分が発生するであろうことは理解できます。是非、低所得で生活苦の家庭の救済ができる政策を検討いただけるよう望みます。
幼児教育の面では、4月にオープンした「高槻子ども未来館」の活用が望まれると思います。まだまだ新しい施設なのでPRが行き届いていない部分もあり、市民の皆さんに知れ渡っているとは言えないと思います。特に育児最前線のお母さん方には知って、そして活用いただける環境づくりに尽力いただければ、さらに設備が生きてくると思います。特に幼児一時預かりなどは希望者が多いと思われます。
一方、世間では、子どもたちの通園・通学時の事故が後を絶ちません。通園の児童の列に車が突っ込んだという報道を見ると目を背けたくなります。私の地域でもセーフティボランティアの方々が通学時間帯に旗を持って、子どもたちの見守りをしてくださっています。子どもたちにとっては、大きな安心の一つではあると思います。しかし、セーフティボランティアの方々も高齢化が進み、人員も減少傾向にあり、新しいメンバーの参加がなかなか進まない現状があります。また、セーフティボランティアの方々が事故に巻き込まれる報道もされています。通学路の整備とともに、新しい施策に示されたように、園児のバスによる送迎等を検討いただき、ボランティアだけに頼らない通園・通学の安全対策をお願いしたいと思います。送迎センターを駅など公共施設の周辺に設置した場合でも、十分な安全・安心の確保をお願いします。防犯面では、過去に通学路に設置していただいた防犯カメラも犯罪の抑止としての機能を果たしていると思います。今後も、地域の意見を聞きながら目に見える対策をお願いします。
現在、各中学校区で「連携型小中一貫教育」の方針のもと、学校教育が運営されています。その内容は、各学校の特徴は残しつつも・家庭学習・学びあい・研究内容等について定期的に校区内の学校で合同会議を開き、運営・行動の周知及び行動の統一を図るものと理解しています。このことが、子どもたちが小学校から中学校へ進学した時の環境の変化を最小限に抑え、子どもたちの戸惑いを少なくし、中学での学びへスムーズに入って行けることにつながると思っています。
実際、第十中学校区では、この活動による授業改善などの成果が認められ、大阪府及び全国規模での表彰を受けています。この活動を一歩進めた「施設一体型小中一貫校」の開設に向けた検討を実施されるようですが、現実に校舎を含めた一体型の施設の新設については、難しい問題が山積してくるのではないかと思います。現在の連携型の中で先生の交流・一部施設の共有など児童・保護者・地域の皆さんの意見を取り入れながら、より良い方向に進めていただければありがたいと思います。そして、その先に「施設一体型」があれば更に良いと考えています。
以上で、広報研修部会からの「子育て・教育環境の充実」についての提案を終わります。
(発言者)コミュニティ市民会議副議長
それでは、意見交換にうつります。まず市長から、提案をお聞きになっての質問・ご意見をよろしくお願いいたします。
(発言者)市長
どうもありがとうございました。辻子三・竹の内地域は、結構子どもさんが多い地域ですよね。今でも増えていますか。
(発言者)広報研修部会
そうですね。人数は去年と同じくらいで、地域では2番目か3番目くらいに多いですね。
(発言者)市長
子育てサロンのほうは、ご家族が参加するのが少なくなったそうですが。
(発言者)広報研修部会
そうですね。地域によっては、多いところもあるようですけれども。
(発言者)市長
そうですか、5家族から8家族程度ということですか。あまり少ないとも思わないですけれどもね。
(発言者)広報研修部会
実際には、集まって何をしているのかを聞かせてもらっていますが、友達とかネットワークを作って、外出したときに挨拶とかしてもらえるような、知り合いの関係が保てればとお話しもされていました。あと、育児に対しての細かな指導とかは、なかなかできないです。
(発言者)市長
放課後子ども教室は、人気があるんですね。
(発言者)広報研修部会
はい、あります。
(発言者)市長
80名くらいの応募があるのですね。
(発言者)広報研修部会
1クラス40名くらいを目標にして活動させていただいています。春と秋に2回応募をかけるんですけれども、80人くらいの応募があるので、抽選をしたり、入れ替え制で前期の人と後期の人という形で分けさせてもらっています。
(発言者)市長
すごいですね。応募が2倍もあると大変ですね。
(発言者)広報研修部会
その分、いろいろ考えるのも大変なんです。ご指導いただければお願いします。
(発言者)市長
これだけ人気があるということは、みなさん趣向をこらして実施していただいているからで、ありがとうございます。
医療費の助成については、今回、18歳までに拡大させていただいております。ただ、かなりお金がかかりまして、財源も無尽蔵というわけにもいかないのですが、頑張っていきたいと思っているところでございます。
あと、セーフティボランティアの方々のお話もいただきました。私も北部地震の直後から、各小学校を回り、朝、児童と一緒に挨拶運動にも入らせてもらって、セーフティボランティアの方ともお話をさせていただきましたが、本当に有難いことと思っています。地域によっては、成り手がいなくて大変だというお話も聞いておりますし、またいろいろなご意見を聞きながら充実させていきたいと思っております。
高槻の道路の特徴というのは、高度成長期に急激に住宅地が広がったせいか、歩道がきっちり取れてない道路があります。通学路等は児童の安全を考え、危険のないところを選んで、設定していると思いますけれど、高槻のまちの特徴も踏まえて、子どもの安全を考えていきたいと思っております。
また、先日、大阪市で小学校6年生の女の子が誘拐された事件がありましたが、防犯カメラに全然写ってなかったと報道で聞いています。高槻市も皆様とご協力いただきながら防犯カメラの台数を増やしていきたいと思っています。あのような大事件は、高槻では起きてないですけれど、声かけ事案が毎年何件か高槻でも起きていますので、私たちも財政的な裏付けもしながら、防犯カメラも更に充実させていきたいと思っていますので、皆さま方のご協力もお願い申し上げます。
そして小中一貫教育についても、先ほど施設一体型と申しましたけれども、一挙にできるというのは、なかなか難しいところもありますし、地域性とですね、いろいろな思いもありますので、住民の皆さんの意見を聞きながら無理のないような形で、進めていきたいと思っています。やはり小中一体型にしますと、教育的な効率も上がって、そして学力も上がっていくと聞いておりますので、子どもたちのためにということになれば、施設一体型というのは第一の選択肢になるかと思っています。また、子どもの人口も増えてるとはいえ、今後減少してきます。そんなことも踏まえながらやっていくことも必要になりますので、ご協力いただければと思います。
(発言者)コミュニティ市民会議副議長
ありがとうございました。続きまして、まちづくり部会からよろしくお願いします。
(発言者)まちづくり部会
市長におかれましては、第3期目の市政運営にあたっては、第1期目から取り組んできた、子育て、教育、医療、福祉、都市機能の充実などの重点施策の取組を一層推進させるとともに、災害に強い安全・安心なまちづくりに取り組む方針を打ち出されておられます。
これらのことを踏まえたうえで、私たちまちづくり部会では、都市機能の充実について次の4点を提言させていただきます。
まずは、(1)交通整備についてです。
高槻市は、国道171号、阪急京都線、JR京都線によって、東西方向への移動は非常に便利ですが、これによって南北が分断されており、特に芥川町から西の地域では、南北に抜ける道が限られています。また、富田駅周辺には阪急線を南北に抜ける道が1本しかなく、地域住民にとって不便であり、災害時における渋滞等の混乱も予測されます。
今年度の主な施策の1つに、「富田地区の副都心にふさわしいまちづくりを推進」とされていますが、富田地区のまちづくりを進めるにあたっては、鉄道の高架化や地下道など、様々な角度から南北の行き来が良くなる最善の方策を考えていただき、国・府等の関係機関や鉄道事業者と地域住民が連携した「副都心にふさわしいまちづくり」を進めていただければと思います。
また、「高槻インターチェンジ周辺における土地区画整理事業を支援」ともありますが、ミニ都市として市民生活道路が整備されていくことを期待しています。
次に、(2)河川・水路等についてです。
今年は、台風19号や東日本各地に記録的短時間豪雨が発生、広い範囲で多くの河川が氾濫し、各地に想定を超える甚大な被害をもたらしました。高槻の市街地は昔、ほとんどが田畑でありました。今では、川よりも低い土地にある住宅地が増えております。芥川や女瀬川など氾濫の危険性や淀川右岸堤防改修の今後の予定、豪雨時に雨水を処理しきれず冠水しやすい場所などに対する、地域住民からの不安の声が聞こえてきます。
市では、主な施策の1つに「国土強靭化地域計画を策定」とされていますが、安全・安心のまちづくりに向けた取組についての行政からの積極的な情報発信を、これまで以上に行っていただきたいと考えています。
また、地域としても、住宅地等への水害の影響を最小限に抑えられるよう、普段から、身近な水路や排水溝の状況確認を呼び掛けるとともに、市の「環境美化推進デー」に合わせ、地域住民で定期的な清掃活動を実施するなど、地域でできる水害対策を進めていかなければならないと考えております。
次に、(3)市バスの総合路線等の見直しについてです。
急激な少子高齢化の時代を迎え、高槻市も高齢者が増えております。病院や買い物などで市バスを利用する高齢者にとっては少ない便数のうえに、さらに往復に時間がかかるのは身体的にも負担であります。市バスも乗車カードのIC化によって乗降客の利用情報が把握しやすくなっており、全体的に路線バスの経路や時刻表の見直しなど、さらに時間短縮を見直す時期にきていると感じます。
次期「市営バス経営計画」の策定に着手されるとのことですが、地域からは、例えば、阿武山方面から高槻駅まで富田駅を経由せずに時間短縮が図れるような一部経路の見直しや真上方面では整備された道路への一部経路の見直しなどを求める声を聞いています。利用実態に基づく適切かつ効率的なバスサービスを供給するにあたっては、地域の声にも耳を傾けながら見直しを進めていただけるようお願いします。
最後に、(4)その他、来る大阪万博に備えてです。
大阪と京都の中間に位置する高槻としては、名所や観光スポットを国内外の人々にPRして、大阪万博に来られる沢山の観光客に立ち寄ってもらう絶好のチャンスです。大阪・京都そして金沢への交通利便性を大いにPRするとともに、大都市に比べて比較的リーズナブルな価格で泊まれるホテルなどの宿泊施設の誘致を、民泊も含めて積極的に行ってもらえればと思います。
また、国内外からのお客様をおもてなしするにあたっては、観光スポットを案内し外国語を話せるボランティアを育成することも大切だと思います。地域のコミュニティセンターなどを利用してボランティア養成のための連続講座などを開催し、地域に眠る人材を堀り起こしてみるのはどうでしょうか。
以上、まちづくり部会からは、4つの提言を発表させていただきました。ありがとうございました。
(発言者)コミュニティ市民会議副議長
それでは、市長との意見交換に移ります。市長から、提案をお聞きになってのご質問・ご意見等をよろしくお願いします。
(発言者)市長
まず、交通整備については、南北に抜ける道が限られているということでしたが、私もそのとおりだと思います。これは本当に高槻の課題であり、また車も混むので、余計に大変です。特に富田奈佐原線のJR側が課題ですが、基本的に困っているのは、大体府道なのですね。特にその象徴になっている富田奈佐原線については、毎年、府に強く要望しているんですけども、予算がないということで終わってしまう状況であります。
その起死回生の解決策としては、JRの高架化というものを考えていかないといけないということで、私たちとしましては、大阪府を巻き込んで、JRと茨木市と勉強会を開いて、そこから高架化につなげていくというのが、遠くて近い方法だと思っています。ただ高架化というと非常にお金がかかりますので、高槻市だけではできるような額ではありませんので、大阪府に要望していかなければならない。これは大阪府の責務でもありますし、粘り強く要望させていただいているところです。
おかげさまで、国の方では高槻市に力を入れていただき、国道171号については、右折レーンを着々と整備をしていただき、近年では八丁畷交差点の改良が終わり、渋滞がなくなりました。ただ、八丁畷交差点がスムーズになりましたら、また別の場所が詰まったり、171号の右折レーンもまだ整備が残っていますので、これからも引き続き、私たちも年に何回も国へ行って粘り強く要望してまいります。また、高槻インターチェンジ周辺の土地区画整備事業も地元の協力をいただきながら、良いまちづくりができると思っております。
それとあと、災害の方も、高槻には大きな川、淀川がございます。幸い淀川については、国も優先的に整備をしていただいているところで、国交省の方も淀川については、最大限警戒していただいています。その点では安心なのですが、ただ、今の雨の降り方が尋常ではないので、いつ淀川が危なくなるのかというのは、毎年警戒しておかなければなりません。平成25年の台風第18号のときに高水敷が全部浸かりまして、あと3メートルか4メートルのところまで、水がきました。これがまた起こらないとは限りませんので、毎年起こると考えていかなければなりません。淀川周辺の地域のみなさんから、よく質問とかご意見いただくのは、どこに逃げたらいいのかということです。淀川の場合は、琵琶湖や天ヶ瀬ダムの水位観測もあって、淀川が危なくなれば、前日24時間前くらいにはわかりますので、十分逃げる時間がございます。基本的にはハザードマップを見ていただいて、ご自分の避難所を確認していただきます。基本的には北の方面の避難所に入っていただき、避難されてきた人と協力していただくということなると思います。いずれにしましても、淀川が決壊しないように、国に毎年強く要望を行っているところです。
バスの路線については、いろんなご意見をいただいております。便利さを追求すれば追求はできるのですが、経営のことも考えなければなりません。バスの経営というのは非常に難しい経営になります。高槻の市営バスは、ほぼ赤字の路線ばかりです。一部の黒字の路線の利益を赤字の路線の損失に充てて、さらに市から補助金を出すことによって、経営を維持しています。バスの黒字経営は難しく、民間のバス会社は、赤字になると路線を切っていきますので、黒字路線しか走らさないのです。
バスというのは市民の足なので、市営バスだけに限らず、どの都市でも国民が移動手段に関しまして、非常に厳しい目を向けています。赤字になれば、おかしいといいますが、これだけ人口が減ってくると赤字になるものだということを、国民のみなさんが許容していく時代ではないかと思っております。そうなると赤字でもいいじゃないか、みんなで負担していこうという空気になって、これもインフラのひとつなんだ、下水道とか道路とかバスもそのひとつなんだと考えていただければ、みんなでバス路線を守り、ご意見をいただいた路線も作れるわけですので、そういう認識も一度持っていただければと思っています。
あと、万博の関係については、私たちも高槻市をPRする良い機会としてとらえていますが、万博があろうが無かろうが、私たちは高槻にたくさんの方が来ていただけるよう日頃から観光施策を進めていきたいと考えています。
(発言者)コミュニティ市民会議副議長
次に、地域安全部会からよろしくお願いいたします。
(発言者)地域安全部会
昨年6月18日に発生した、高槻市を震源とする大阪府北部地震は、本市とその周辺に甚大な被害を起こしました。また、その被害に追い打ちをかけるように、同年9月4日に襲来した台風第21号の被害は、まさに激甚災害と呼ぶことが相応しい大変な被害となりました。災害発生から1年以上が経過した現在でも、まだ、ブルーシートが屋根上に張られていたり、住む家を手放した跡が更地となり、買い手がつかない状態が見受けられます。
本年、10月12日、東日本を襲った台風第19号は昨年の台風第21号を上回る被害となり、昨年の被災の教訓が十分活かされたとは言えない状況となっています。
昨年、本年の大災害を教訓にして、「自助、共助、公助」のあり方を再検討し、構築されつつある「地域の絆」を、防災、減災にどのように生かしていけばよいか、十分に考える必要があります。
具体的な課題として、浸水、断水、ガス漏れや、ガスの供給停止、停電、倒木等で、自宅からの避難を余儀なくされ、避難所生活を続けられた方の実態から鑑みて、今後確実に起こると危惧されている、南海トラフ大地震等の災害発生時には、現在設置されている避難所の収容力では限界があるのではないかということです。
また、命を守るための速やかな避難につながる情報の伝達も課題と言えます。市からの情報は各地区コミュニティに伝達され、各地区コミュニティから各自治会長に伝達できる体制は整っていると言えます。しかし、自治会長から自治会の班長、班長から各世帯への情報伝達には不安が残ります。もちろん防災無線放送や、市のホームページ、テレビ、ラジオからの情報もありますが、高齢者や障がいのある方に情報を確実に伝え、安全に避難していただく体制の構築は、「地域の絆」が大切であると思います。
さらに、「地域の絆」という観点からは、地区コミュニティ未加入の自治会、自治会未加入の世帯が、市内全世帯の半数近くあるのではないかという点が課題となっています。
高槻市コミュニティ市民会議では、地域安全部会を中心に、各地区防災会に働きかけ、避難所運営マニュアルを完成し、各地域の実態に即した地区版のハザードマップの作成の取り組みを進めています。その取組の内容を情報として、地域住民に周知し、共有することが大切だと考えています。
防災・減災への取組は、市民ひとりひとりの意識改革、高齢者や障がい者等の災害弱者を中心に考えた対策、情報の共有化等が大切です。都市化により「地域の絆」が弱まる中、今まで築き上げてきた「絆」を大切にしてこれ以上の後退は許さず、更に一歩一歩前進するよう、コミュニティ市民会議の力を結集し努める所存ですので、行政の皆様方のご支援とご協力をお願いいたします。
そこで私たち地域安全部会では、それぞれ部会員が意見を出し合いました。これらのことを踏まえた上で、その中から4点提言させていただきます。
1.「自助、共助、公助」の在り方を再検討し、「地域の絆」を構築する。
平成28年度、コミュニティ市民会議では、全32地区に地区防災会を設立しました。それ以前から、各地区コミュニティには、それぞれの所属自治会に自主防災会があります。地区防災会と自主防災会との連携強化を図る取組が必要です。
例えば、私の属する西阿武野地区防災会では、西阿武野地区防災会と西阿武野地区内7つの自主防災会が定期的に連絡会を持っています。市民避難訓練の実施時には、地区防災会が主導し、自主防災会が各分野に分かれてきめ細かく訓練を実施することができました。それ以来、毎年の地区防災会、自主防災会の防災訓練では、備品の貸借、指導者の交流等が日常的に行われるようになりました。
また、日吉台地区コミュニティでは、自主防災組織と民生委員児童委員協議会が連絡会をもち、連携体制に遺漏がないように努めています。
このように、地域の絆を深めることが、「自助、共助、公助」のうち、「共助」の割合を高め、「公助」の遅れや不十分な面を補うことができると思います。
2.速やかな避難を実施するための、情報の伝達を確実に行う。
防災無線放送や、市のホームページ、テレビ、ラジオからの情報により、避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告、避難指示等の段階的避難情報が発表されますが、情報の受け取り方は個々により様々です。自分だけは大丈夫、ペットを置いては避難できない、病気や高齢のため避難できない等です。自治会役員の声掛けで避難し、命を守ることができた例も報告されています。各地域に居住の災害弱者といわれる人たちとの平素からのふれあいが絆となり、避難可能な段階での避難を進めることができます。
3.地区コミュニティ未加入の自治会、自治会未加入の世帯をなくし、「地域の絆」を確実なものにしていく。
地区コミュニティ未加入の自治会、自治会未加入の世帯が、市内全世帯の半数近くあるのではないかとの意見が多く出ています。
高齢化のため、地区コミュニティや自治会の活動ができないので、脱退したいという人が多いという話も聞いています。地区コミュニティや自治会に入らなくてもデメリットはない、近所づきあいもしたくないという若い世代もいるようです。
「防災・減災は広域で」みんなの防災であることの呼びかけが必要です。ご近所づきあいから始まる「絆」が防災の要であることを理解していただくために私たちは努力することが必要です。
また、地域指導者の高齢化に伴う後継者の育成に努めることも必要です。一例として、PTA活動への働きかけの取組があります。あるPTAでは、父親達が「おやじの会」を結成して、休日等を利用して、子どもの健全育成のためのイベントを実施しています。その若い父親達の力を地域の絆づくり、防災・減災への取組に協力していただくよう呼びかけています。
地区コミュニティ未加入の自治会、自治会未加入の世帯をなくし、「地域の絆」を確実なものにしていくことや、地域指導者の高齢化に伴う後継者の育成を図る為には、行政の呼びかけや施策もお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
4.避難所運営マニュアルを完成し、各地域の実態に即した地区版のハザードマップ作成の取組を進める。
市民会議では、避難所運営マニュアルを完成し、各地域の実態に即した地区版のハザードマップの作成を急務の施策として進めています。その取組の内容を情報として、地域住民に周知、共有することが大切です。それには行政からの情報と協力が必要です。今後とも、市と市民会議が連携協力して防災・減災活動を推進したいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
(発言者)コミュニティ市民会議副議長
ありがとうございました。それでは、意見交換に移ります。市長から、提案をお聞きになってのご質問・ご意見をよろしくお願いいたします。
(発言者)市長
今回の市民会議と共催した市民避難訓練の会場を、私は6か所ほど回って、そのときもご挨拶させていただいたのですが、まさにこの内容に沿うことでありまして、危機感を持っていただいていることに、非常に有難いと思っております。
昨年の北部地震の時は、実際問題として、高槻が震源になるとは想定していなくて、地震が起こった瞬間は、「どこが震源地なんだろう」と思ったくらいでしたが、被災地としてこの北部地震を経験して、災害というものを私たちのものとして考えていかなければならないということを以前にも増して強く痛感したところです。
最初の大防災訓練では、市民がわずかしか参加してない状況でありますし、いただいた提言のとおりに思っている市民が圧倒的に少ないという前提で考えておかなければならないと思っております。私たちも、いろいろなツールを使って市民の皆様にご理解いただこうと思っています。それには、地域の今日お集まりの皆様方のご協力が不可欠になってきますので、こういう形でお願いできればと思っております。
あと、自治会未加入の世帯が多く、むしろ自治会から離れていく世帯も増えているような状況です。また、自治会があるもののコミュニティには参加しない自治会もあるということです。なぜそうなるのかということも、真剣に考えて議論して対策を取っていかなければならないと考えていますが、基本が自治ですので、なかなか行政としても指導できない状況です。ご自分達で治める、解決するため結成するというのが、自治会の基本になりますから、そこと行政がどう関与していくのか、バランスが非常に難しいところで、みなさんとまたいろいろご意見をお聞きしながら進めたいと思っております。
(発言者)コミュニティ市民会議副議長
それでは最後に、組織育成部会からよろしくお願いいたします。
(発言者)組織育成部会
高槻市は昭和40年代に大阪と京都のベッドタウンとして、人口急増期を迎え、10年間に20万人もの人口増加がありました。その後、現在までは、ほぼ横ばいで推移してきたものの、今後更なる少子高齢化に伴い、生産年齢人口は大きく減少することが予想されています。市の財政状況は非常に厳しいものとなることが見込まれることから、市民サービスを維持し続けるためにも、濱田市長はいち早く、人口増加につながる様々な施策を展開されてこられました。中でも、シティプロモーションについては、他市に先駆けて実施され、高槻の魅力発信や知名度向上に取り組まれております。また、今年8月に実施された機構改革においては、「街にぎわい部」を創設されるなど、高槻の歴史や文化を活かした観光振興にも注力されていくことがうかがえ、今後の高槻市の活性化を期待しているところです。
我々「組織育成部会」では、市が「高槻の将来を見据えた新たなまちづくり」を進められるなかで、「産業振興・市民生活の充実」について、地域でできることは何かを検討し、次のようにご提案いたします。
まず、一つ目の提言です。
1.遊休農地を活用し「高槻市特産物の農業体験」及び「地域交流の場」に
農業の担い手の高齢化や後継者不足等に伴い、高槻市内にも、農作物の栽培がなされずに放置された農地が点在すると聞いています。そのような農地は手入れが行き届かないため、害虫や害獣、雑草等により、周辺農地はもとより、近隣住宅地等への影響も懸念されます。通常、農地は食糧供給の基盤であるとともに、良好な住環境の形成や、災害時にはオープンスペースとなるなど、多面的な機能を有しており、地域において重要な役割を果たしていることから、農地所有者による管理責任にとどめるのではなく、地域としても考えていく必要があるのではないかと思われます。
そこで、遊休農地を管理する手法のひとつとして、例えば、高槻市、農業委員会、農業協同組合、観光協会、そして地域住民が連携をした、農業体験の場として提供することはできないでしょうか。その農地では、市の特産物を栽培することとし、市外から来られる農業体験希望者に対しては、高槻市をPRする機会にもしてはどうかと考えます。高槻市には、服部シロウリや三箇牧トマト、阿武野や城山のイチゴなど、様々な特産物があります。中には、樫田地区の干しシイタケのように、大阪府の推薦を受けて、先日の天皇陛下即位に伴う「大嘗祭」へ奉納された生産品もあるとお聞きしています。高槻市が誇るこれら特産物を活かし、更に高槻市を知り、愛着をもってもらえればと思います。
また、その農地の日頃の管理については、地域の子どもや大人が携わり、農作物の観察や育成等を通して交流する、地域の憩いの場として活用することができないでしょうか。地域には、かつて農業に携わられていた方も多くいらっしゃいます。そのような方にも協力してもらい、地域住民が農地に親しみをもちながら、地域の活性化につながればと思います。
次に二つ目の提言です。
2.将棋文化の振興について
「将棋のまち高槻」ということでは、高槻城三の丸跡から江戸時代の小将棋や中将棋の駒が多数発掘されたという歴史や、本市在住・出身、ゆかりのあるプロ棋士が現在7名も在籍しているなど、将棋と深く関わりのあるまちだと思っています。
高槻市は、全国の自治体では初めて、日本将棋連盟と包括連携協定が締結され、様々な将棋の取り組みが推進されています。
今年の1月には、摂津峡の山水館でタイトル戦が開催され、その前夜祭や大盤解説会が行われるなど、たくさんの将棋ファンが参加されたようですし、小学校や中学校にも、同連盟から将棋の出前講座のようなものを行っているということを聞いたことがあります。
私たち地域住民が自主的に運営している、各コミュニティセンターでも様々な主催講座を企画しています。「将棋」というと、どちらかと言えば、高齢者の娯楽的なイメージを持っていましたが、その主催講座に、子ども向けの「将棋教室」というものを取り入れてみたいと思いました。将棋を通じて、子どもとお年寄りが楽しみながら、コミュニケーションを図ることができるのではないかと思います。
さらには、高齢者対小学生、異世代の将棋対決のようなことを企画すれば、より盛り上がりそうですし、地域コミュニティの活性化にもつながるのではないでしょうか。市におかれましては、将棋連盟との協定等を活かし、講師の派遣など、お力を貸していただきたいと思います。
(発言者)コミュニティ市民会議副議長
それでは、意見交換に移ります。市長から、提案をお聞きになっての意見等をよろしくお願いいたします。
(発言者)市長
人口増加につながる施策とその発信に力を入れてまいりましたが、評価していただきありがとうございます。農地の関係について、お話をいただきまして、私もなんとかならないかという気持ちは同じように感じているところですので、いろいろな研究をさせていただきたいと思っています。遊休農地が増えてきて、景観上もあまりよろしくないようなところもあります。農業については、なかなか市町村だけで農業施策をやるというのは、非常に難しいところがあり、やはり国の支援というのが、大きなところで必要になってきますが、私たちで出来る限りのことは、これからも続けて行きたいと考えているところです。
姉妹都市の益田市が棚田百選に選ばれ、見学させていただいた時も、棚田の三分の一くらいが遊休農地になっていて、雑草が生えている状態で、事態の深刻さを感じました。遊休農地を今後どうして行くかということは、農協の協力も必要不可欠になりますので、またご意見をいただいて考えていきたいと思っています。
そしてまた、将棋の方も力を入れて行きたいと考えております。子どもに対して頭脳の訓練になりますし、将棋も日本の文化であり、「礼に始まり礼で終わる」という作法は、子どもたちにも非常に良いことだと思っています。ぜひ、各コミュニティで将棋大会をして、各コミュニティ対抗戦でもして、盛り上げていただいたら有難いと思っております。私も立会人で出席させていただきますので、よろしくお願いします。
(発言者)コミュニティ市民会議副議長
まだまだご意見を伺いたいところでございますが、時間の都合上、これで終わりたいと思います。本日はありがとうございました。
(発言者)市長閉会あいさつ
本日はありがとうございました。私の感想はご意見の中で述べさせていただきまたが、今日も様々なご意見をいただきまして、本当に参考になりました。
これから少子化に向かうということもあり、非常に行政運営も難しくなってきますし、また地域の皆様方におかれましても、様々な課題がこれからも出てくるのではないかと思っております。そういう意味で、今日、お集まりのみなさま方は、地域で中核として、ご活躍している方ばかりですので、私たちのまちづくりも地域の市民会議の皆様方の双肩にかかっていると言っても過言ではありません。これからもよろしくお願いを申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。