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小学校「特別の教科 道徳」

【平成30年12月7日掲載】

こんにちは。教育指導部長の横山です。

朝夕の冷えた空気に冬の訪れを感じる今日この頃です。

今回は市内小学校で行っている道徳の授業についてご紹介します。

道徳が教科化された背景

「特別の教科 道徳」が今年度から小学校でスタートし、中学校でも来年度から教科化となります。

道徳が教科化した背景は、いじめ問題の対応について、道徳教育の重要性が改めて強調されたことが大きな要因として挙げられます。

これからの道徳科の授業は、自分との関わりで道徳的価値を考える授業へ、また、望ましいと思われること、決まりきったことを発言したり書いたりする授業から、これまでの自分の経験や考え方、感じ方との関わりで、多面的・多角的に考える授業、つまり「考え、議論する道徳」への転換が求められています。

小学校での授業の様子

今回は、6年生の道徳の授業を参観しました。

授業で取り上げた教材は「エルトゥールル号のきせき」。明治時代のトルコ軍艦エルトゥールル号の救出劇によって、百年の時を超えて、日本とトルコの友好関係が築かれた実話です。

道徳の授業の様子

落ち着いた雰囲気の中で、まず児童は「外国の人と仲良くするために大事にしたいこと」についての考えをワークシートに書き込みます。それが終わると、周りにいる児童と意見交換し合います。担任の先生はここまで一切指示を出さず、児童は当たり前のように自然に取り組んでいます。

道徳の授業の様子

その後の全体交流では、児童は次々に手を挙げ、各自の考えを答えます。そして、答えた児童が次の児童を指名していきます。途切れることなく次々と発言し、その内容を担任の先生は笑顔でうなずきながら黒板に書きこんでいきます。

先生の音読を聞く児童たち

活発に意見が出されたあと、ここではじめて教材の音読が始まります。児童は教科書を見ながら真剣に先生の音読に耳を傾けています。教室がシーンと静まり返ります。

道徳の授業の様子

先生の音読が終わると、「トルコに海外旅行に行ったことがある人?」「トルコアイスって食べたことある?」など、児童の興味を刺激する問いかけをしながら、絵カードを使ってストーリーの整理をしていきます。一転和やかな雰囲気になったあとに、今日の中心発問(学習のねらいを達成するための決め手となる質問)が提示されました。「2つの国の間で現在も続いている交流に込められた思いや願いはなんだろう?」

道徳の授業の様子

自分自身で考えた後、周りの児童と交流し、その後の全体での交流では児童から様々な意見が述べられました。「たとえ言葉が通じなくても、国境など関係なくこれからも助け合いたいという想い」「人への思いやりや優しさ、感謝の気持ち」「世界中の平和が続いてほしいという願い」など、大人がはっとするような意見が次々と飛び出しました。

周りと意見交換を行う児童たち

担任の先生はどんな意見にもうなずきながら肯定的な反応を示していきます。周りの児童も同様に、発言する児童の方をしっかりと見ながら真剣に聞いています。このような温かい雰囲気の中、どの児童も堂々と自信を持って発言していました。

授業が終わったあとの子どもたちのどこかほっこりとした笑顔を見ていると、私もまた温かい気持ちになり、気持ちよく教室をあとにしました。

授業の様子

授業の様子

学習指導要領には道徳科の目標が次のように示されています

「道徳教育の目標に基づき、よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため、道徳的諸価値についての理解を基に、自己を見つめ、物事を(広い視野から)多面的・多角的に考え、(人間としての)生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる」※( )は中学校

社会参画力ロゴ

今回のような授業を積み重ねていく中で、子どもたちの道徳性が着実に育成されていくことを期待しています。

子どもたちが多様な考えに触れ、自己の生き方を見つめ、主体的に判断し生きていくことを心から願っています。

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プロフィール
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横山 寛
1960年(昭和35年)、大阪府生まれ。2016年(平成28年)4月から現職。趣味はサッカー観戦。

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