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いにしえ物語最終話 大塩平八郎探索一件 六

独自の陽明学に傾倒

王陽明

そんな性格もあってか、平八郎の到達した学問、儒学もまた特異なものでした。もうしばらく、一揆の支柱となった彼の政治倫理を、『新修大阪市史』第四巻からみてみましょう。

平八郎が与力の世界に疑問を感じ、自らの身の律し方を模索して到達した学問は陽明学でした。しかもそれは、当時の思想界の常套であった、朱子学を補足・補訂するための陽明学ではなく、張横渠(ちょうおうきょ)の「太虚(たいきょ)」の説や、大塩独自の『孝経』研究を導入し、王陽明の朱子学批判を実践的に徹底したものだといわれています。

彼の思想は、突き詰めれば「良知(りょうち)を致(いた)す」ということに尽きるといわれます。「そもそも人間は宇宙のかなたにある全ての物と心を生成する根源である『太虚』を受けており、太虚を心としている。この太虚を受けた自然な状態の心が『良知』である。良知は善悪を超越した『至善(しぜん:絶対善)』であり、この状態が『誠・誠意』である。真の良知は必ず実行を伴わなければならず、良知を具体的な行為の場において発揮することが、すなわち『良知を致す』である」と。太虚とは万物と精神の生成原理であり、心の本質であり内実であると考え、良知を致すとはその太虚の目にみえる実現、人間による太虚の顕現化とでもいえるものでした。

続く

注釈:この内容は、平成4年1月25日から平成7年9月10日まで、広報たかつきに連載されていた「新・いにしえ物語」をホームページに再掲したものです。

いにしえ物語最終話 大塩平八郎探索一件 七

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