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いにしえ物語最終話 大塩平八郎探索一件 五

不正を嫌う潔癖な性格

大塩平八郎

ところで、大塩平八郎はなぜ「挙兵」という、かくも激しい手段に訴えねぱならなかったのでしょうか。一揆計画の直接の引き金は、時の東町奉行跡部良弼の悪政にあったといわれています。平八郎は、以前から町奉行所役人の腐敗・堕落、付け届けを悪と思わぬ役所の風潮に業を煮やしていましたが、加えて、この大飢饉にあたって跡部が市中の米穀を市外に出すことを禁じ、近隣からのわずかの買い米にも厳罰で臨む一方、幕命だとしてひそかに腹心の与力を播磨(兵庫県)に派遣して、多量の米を江戸に送らせたのです。

これを知った平八郎は、「市中では百人を超える餓死者が出ているのに何事」と、烈火のごとく怒ったといいます。

平八郎はもともと潔癖な性格でした。不道徳・不正を嫌い、内省的で自己抑制の強い、与力の職にはうってつけの人物でしたが、反面それは融通のきかない呵責のなさでもありました。門人によると、大塩は精神力強固で、時には十日も寝ないことがあり、歩けば一日三十里(百二十キロメートル)、毎朝午前二時に起き、冬でも戸を開けて講義したといいます。細面で怒りを含んだ目は切れ上がって恐ろしく、同役などには「気迫人を圧する」剛直で狷介な印象がありました。

前任の西町奉行矢部定謙は、前にも触れたように、平八郎の意見をよく取り入れた奉行でしたが、彼と会食中政談に及び、憤激した平八郎が金頭(かながしら)という魚を、骨から「ワリワリとかみ砕いた」時は、目をむいて驚いたといいます。

続く

注釈:この内容は、平成4年1月25日から平成7年9月10日まで、広報たかつきに連載されていた「新・いにしえ物語」をホームページに再掲したものです。

いにしえ物語最終話 大塩平八郎探索一件 六

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