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いにしえ物語最終話 大塩平八郎探索一件 七

天災は「太虚」からの讐告

しろあと歴史館常設展示「学びと遊び」

非常に主観性の強い考え方ですので、ご理解願うのが困難かと恐れますが、紛れもなく儒学の一流で、幕藩社会を否定するような発想ではありません。良知というのは、いわば赤ん坊の心のようなもので、純粋無垢の善なのですが、成長に従いさまざまな欲望で心が曇り、いい行動ができなくなるので、良知を致すためには、「功夫(こうふ)」という実践修養を自分に課して、慎みと克己の生活を重ね、「太虚に帰す」ことが肝要だとします。功夫とは道徳的精神修養の工夫・鍛練で、それを通して、隠れた良知が実現され、生命活動は太虚の世界に到達するというわけです。

良知の目に見えた行動は赤ん坊が母親にすがる心で、彼はこれを純粋な「孝」だとし、孝に最も近い生活を、武士にではなく、農民や貧しい都市民衆の中に見たのでした。彼が農民たちに講学し、一揆の勢力として期待したのはこのためでした。そして彼の政治的理想は良知が実現される世の中を作ることにあったのです。

要するに、平八郎の考え方では、人災はもとより、飢饉のような天災もまた、「太虚」よりの警告であり、民衆の苦難は「良知」を没却した為政者のしからしむるところだったのです。彼は、最初は学問による改革の天下への浸透を望みましたが、危機感が募るにしたがい、挙兵・断罪という実力の覚醒に向かったものといえましょう。

さて、前勉強はこのくらいにして、いよいよ高槻の話、ことに一揆崩壊後の、いわゆる事件の頭目たる大塩探索の様子の話に移りましょう。一揆そのものの状況や、これによる大坂三郷の大火については、諸書をご参照ください。

続く

注釈:この内容は、平成4年1月25日から平成7年9月10日まで、広報たかつきに連載されていた「新・いにしえ物語」をホームページに再掲したものです。

いにしえ物語最終話 大塩平八郎探索一件 八

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