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いにしえ物語最終話 大塩平八郎探索一件 十五

金蔵寺の僧に面会

甚右衛門は夜に入ってから金蔵寺(こんぞうじ)に行ってみることにしました。

金蔵寺というのは、善峰の近く、小塩山の中腹・石作村にあり、本山寺と同じ延暦寺の末寺です。住持の観随というのは六十四、五歳の僧で、三年ほど前から本山寺にいっており、つい二十日の朝に帰ってきたところだというのです。

観随は、「本山寺からは確かに大坂の大火はよく見えましたが、寺には何も変わったことはござりませなんだ」と断言します。あいわかった、さて注進、と甚右衛門は山を下ります。

向日町に下りた時にはすでに夜の四ツ(午後十時)。見ると、東西の町奉行所の公事(くじ)方・目付方といった治安・公安専従の与力・同心衆が多人数、高張(たかはり)提灯・具足鉄砲のいでたちで勢ぞろいしているではありませんか。そして「われらは先手、引き続き御奉行の御出馬もある」というのです。

甚右衛門はあわてて、「確かなるものに出会い承り候らえば、その儀には及ばず」と一部始終を報告します。そこでひとまず出馬は見合わせとなり、あらためて「この上は本山寺にすぐさま参り、見届けるべし」と達せられ、目明し数人を付けられて未明八ツ時(午前二時)からの徹夜の捜索となったのです。

続く

注釈:この内容は、平成4年1月25日から平成7年9月10日まで、広報たかつきに連載されていた「新・いにしえ物語」をホームページに再掲したものです。

いにしえ物語最終話 大塩平八郎探索一件 十六

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