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第48回こちら特別館長室 ふたつの歴史館で合同特別展の「藤原鎌足と阿武山古墳」を開催中!

特別展「藤原鎌足と阿武山古墳」チラシ

こんにちは。歴史館特別館長の森田です。

ひさし振りの「こちら特別館長室」になりますが、どうしてもお伝えしなくてはなりません。

さて、爽やかな季節を迎え、行楽シーズン真っ盛りとなりました。全国の博物館・美術館でも、様々な展覧会が催されています。
そこで今回は、本市の二つの歴史館、今城塚古代歴史館としろあと歴史館が合同で開催している特別展「藤原鎌足と阿武山古墳」を紹介します。

特別展「藤原鎌足と阿武山古墳」チラシ(PDF:895.9KB)

なぜ高槻で藤原鎌足なのか

阿武山古墳は、高槻市の西部にそびえる阿武山山中の京都大学の地震観測所の敷地内で、昭和9年(1934)に発見されました。この古墳に葬られた人物は、藤原鎌足ではないかと考えられています。

藤原(中臣)鎌足は、645年に中大兄皇子らと蘇我入鹿(そがのいるか)を討ち、その後、中央集権国家の確立を目指した「大化の改新」の立役者で、歴史の教科書でもおなじみの人物です。そこで今回、鎌足と阿武山古墳をテーマにした特別展を企画しました。

第1会場の今城塚古代歴史館では、「藤原鎌足の足跡をたどる」と題し、近畿地方各地の遺跡からの出土品を通じて、鎌足の足跡をたどっています。第2会場のしろあと歴史館では「藤原鎌足の姿・三島の大織冠信仰」と題し、藤原家の始祖である鎌足が後世に神格化された肖像画や、彼を主人公とした庶民に親しまれた物語、鎌足が当初に葬られたとされる地域に伝わる信仰について特集しています。

それでは、会場をみていきましょう。

鎌足の時代を物語る出土品の数々

第1会場の今城塚古代歴史館では、鎌足の生涯を年代順に紹介しています。第1章では鎌足の出生や中大兄皇子との出会い、入鹿を討ちとり、蘇我氏を討伐した乙巳(いつし)の変、第2章では大化の改新が発布された難波宮、第3章では中大兄皇子の母・斉明天皇の時代の国際交流や仏教の興隆、第4章の天智天皇の大津宮を取り上げました。

展示では、日本で最初の本格的な寺院である飛鳥寺や奈良の山田寺と川原寺、大津の崇福寺(すうふくじ)、南滋賀廃寺、穴太(あのう)廃寺など、飛鳥時代の寺院の瓦や土でできた仏像(塼仏や塑像)などが多数並び壮観です。軒を飾った丸瓦には上からみた蓮の花がきれいに型押しされており、大変珍しいサソリ瓦とも呼ばれる蓮の花を横からみた四角い瓦も力強く、見ごたえがあります。

鎌足の生涯を遺跡や出土品と結びつけることには苦心しましたが、乙巳の変で大臣・蘇我蝦夷(えみし)は甘樫丘(あまかしのおか)の邸宅に立てこもり、やがて自ら火を放って自害します。この火災で焼け落ちたとみられる建物が甘樫丘東麓遺跡でみつかっていて、歴史上の出来事と発掘した遺跡の状況が合致し、とてもおもしろいですね。展示している土器も蘇我蝦夷が使ったものかもしれない、と想像がふくらむのも魅力です。

また、玄関ロビーには阿武山古墳がみつかった昭和9年(1934)の貴重な写真を大きく引き伸ばし、多数展示しています。1,300年以上も土の下に埋もれていたとは思えない立派な棺の写真を元に、棺も原寸大で再現してみました。阿武山古墳は鎌足の墓であることが有力視されていますが、出土品などは元通り埋め戻されていますので、いまでは当時の記録写真類が貴重な資料です。

今城塚古代歴史館の展示の様子1

今城塚古代歴史館の展示の様子2

今城塚古代歴史館の展示の様子

ずらりと並んだ鎌足の肖像画

続いて、第2会場のしろあと歴史館をご紹介します。

第1章では鎌足の生涯を解説し、第2章では数多くの肖像画を展示。第3章では幸若舞(こうわかまい)という室町時代に流行した芸能の人気演目で鎌足が主人公の「大織冠(たいしょっかん・鎌足の別名)」の物語、第4章では古代の高槻市や茨木市を含む「三島」地域の鎌足信仰を取り上げています。

栄華を極めた藤原家の始祖であり、天智天皇を支えた忠臣として神格化された鎌足は、信仰の対象として多くの肖像画が描かれました。その代表作品が並ぶ様子は見応えがあります。

鎌足を祀る談山神社(奈良県桜井市)の縁起では、鎌足の亡骸は「摂津国阿威山」に葬られた後、談山神社へ改葬されたと伝えます。阿威山とは、阿武山古墳の西山麓の茨木市安威周辺と見定められ、鎌足ゆかりの寺院や神社が所蔵する資料も展示しています。全国でも数少ない、鎌足とその息子たちの木像は注目です。

肖像画が並ぶ会場の様子(しろあと歴史館)

肖像画が並ぶ会場の様子

鎌足(中央)とその息子たちの木像

鎌足(中央)とその息子たちの木像
国宝 金銅石川年足墓誌

そして見どころをもう一つ。特別公開の国宝「金銅 石川年足墓誌(こんどう いしかわとしたりぼし)」です。この奈良時代に活躍した官人・石川年足のお墓に納められた墓誌には、彼の業績が記されています。江戸時代に真上村で発見された、本市唯一の国宝です。
普段は大阪歴史博物館に寄託、収蔵されているため、地元高槻で見るまたとないチャンスです。

国宝 金銅石川年足墓誌

「たかつき・いばらき歴史遺産カード」を配布中!

合同特別展のスタートに合わせ、本市と歴史的結びつきの強いお隣の茨木市の代表的な文化財や遺跡・史跡をデザインした「たかつき・いばらき歴史遺産カード」を両歴史館で無料配布しています。

両市では、多くの来訪者に、市域を超えて代表的な文化財や遺跡・史跡を知り、直接、現地を訪ねるきっかけにしてもらうため、共通のカードを作成し、配布することにしました。
カードには、両市の文化財公開施設(下記4施設)で所蔵する代表的な文化財と、近隣の遺跡・史跡を選んで写真と解説を掲載しています。

高槻市4枚と茨木市4枚のカードをすべて集めると、記念の「コンプリートカード」をお渡しします。
また、本市の特別展「藤原鎌足と阿武山古墳」(観覧有料)や茨木市立文化財資料館テーマ展「総持寺」を観覧した人には、期間限定カードもお渡ししています。ぜひ、カードを集めながら、身近な歴史を再発見していただければ幸いです。

「たかつき・いばらき歴史遺産カード」チラシ(PDF:2.4MB)

カード配布場所

  • 高槻市立今城塚古代歴史館(高槻市郡家新町48-8)
  • 高槻市立しろあと歴史館(高槻市城内町1-7)
  • 茨木市立文化財資料館(茨木市東奈良3-12-18)
  • 茨木市立キリシタン遺物史料館(茨木市大字千提寺262)

※施設開館日に限ります。なくなり次第、終了します。

「たかつき・いばらき歴史遺産カード」を配布します!

 

「文化の秋」本番です。ぜひ今城塚古代歴史館・しろあと歴史館へ出かけていただき、藤原鎌足と阿武山古墳を通じて地域の歴史の1ページを楽しんではいかがでしょうか。そして、高槻市・茨木市の史跡へ足をのばしてもらい、「たかつき・いばらき歴史遺産カード」のコンプリートを目指してください。

今城塚古代歴史館・しろあと歴史館 秋季合同特別展
「藤原鎌足と阿武山古墳」

◆期間:平成30年12月2日(日曜日)まで
◆会場:第1会場 今城塚古代歴史館 企画展示室
    第2会場 しろあと歴史館 企画展示室及び常設展示室の一部
◆休館日:月曜日
◆時間:午前10時から午後5時(入館は午後4時30分まで)
◆観覧料:一般200円、小・中学生100円(2館共通)
     ※関西文化の日である11月17日(土曜日)・18日(日曜日)は無料

今城塚古代歴史館・しろあと歴史館 秋季合同特別展「藤原鎌足と阿武山古墳」【10月6日~12月2日】


森田歴史館特別館長

▽森田 克行[歴史館特別館長] もりた かつゆき、1950年(昭和25年)、高槻生まれ、高槻育ち。高槻市教育委員会埋蔵文化財調査センター所長、文化財課長、地域教育監、今城塚古代歴史館館長などを経て、2016年4 月より現職。今城塚古墳や新池遺跡をはじめ、多数の遺跡の調査にかかわり、研究対象は弥生土器、銅鏡、古墳(大王陵)、埴輪などで、あらたな地域考古学を模索中。最近は「淀川流域の考古学」や「古代の鵜飼研究」に凝っています。

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