現在の位置

平成28年度感染症発生動向調査委員会合同会議会議録(平成28年7月6日)

1.会議の名称

平成28年度感染症発生動向調査委員会合同会議(大阪府・大阪市・堺市・東大阪市・高槻市・豊中市・枚方市) 

2.会議の開催状況

日時:平成28年7月6日(水) 14:00~16:00

場所:大阪府立公衆衛生研究所 4階講堂

公開の可否:可

出席委員:浮村委員長、松下委員、合田委員、千葉委員、南委員、新山委員、

森定委員      

3.議題

開会

(1)平成27年感染症発生動向調査事業報告

 ア 患者情報について

  (ア) 定点把握疾患について

  (イ) 性感染症について

  (ウ) 一類~五類全数把握疾患について

 イ 検査情報について

  (ア) ウイルス検査情報について

  (イ) 細菌検査情報について

(2)その他「感染性胃腸炎について」

閉会

4.配布資料

1 次第

2 配席図

3 委員異動表

4 感染症発生動向調査事業報告書第34報(暫定版)

 5.主な審議の内容

下記のとおり

 6.担当課

保健予防課

 

審議の内容

 

【開会】 

司会
それでは皆様、定刻の2時となりましたので、只今より、平成28年度感染症発生動向調査委員会合同会議を開催いたします。本日は各委員の先生方におかれましては、大変お忙しいなか、また、大変お暑い中、多数お集まりいただきまして誠に有難うございます。
私、本日の進行役を務めさせていただきます豊中市保健所保健予防課長の岡本と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。
なお、本委員会は公開となっておりますので、ご了承ください。
それでは、開催にあたりまして、幹事市、今回は豊中市ですが、幹事市自治体とし
て豊中市保健所長の松岡より一言ご挨拶申し上げたいと思います。
 

【幹事自治体挨拶】 

松岡所長
みなさんこんにちは、お疲れさまでございます。豊中市保健所長の松岡です。本日は、何かとお忙しいなか、また蒸し暑い中、御集りいただきまして本当にありがとうございました。
今年度、幹事をさせていただきましたので、幹事自治体を代表してご挨拶させていただきます。
保健所というところは、いろいろ健康危機管理していかなくてはいけませんが、本年度を、ちょっと振り返りますと、4月に起こりました熊本の地震を通して、その被災地支援ということで、かなりマンパワーを、そちらのほうに結集しまして、あまり感染症は発生していなかったかなと、勝手に思っております。
被災地支援というところで改めて学びましたことは、3つ、わたしには、ございまして。1つは平時の備え、何もないときから日ごろの備えをしておくということ。2つ目は、色々局面の動いていく中で、素早く判断して、対応を変えていく判断力と実行力といいますか。最後の3つ目は、常日ごろから、顔の見える関係というのは大事だなあということ。被災地支援を通して、改めて学ばせていただきました。

熊本の苦労はまだまだ続くと思うのですけど、とりあえず、被災地支援もひと段落ついたところでございますが、あまりに凄く暑い夏がやってきて、また1か月後には、オリンピックも始まるということで、また色々な感染症が、今後、世間を騒がすことになるかと思っていますが、被災地支援で学んだ、この3点、日ごろの備え、うつりゆく局面に素早く対応していくこと、最後に顔の見える関係を、大事にして対応してまいりたいと思います。

今日の会議も、そういう意味で、せっかく、多方面、多くの方面から、色々な専門の先生に集まっていただいておりますので、2時間足らずになるかと思いますが、有意義な時間となりますように、お願いしまして、わたしの挨拶とさせていただきます。どうぞ、よろしくお願い致します。


【資料の確認】

司会

ありがとうございます。
次に、資料の確認をさせていただきます。資料は6点になります。各市により、事前に送付や、また本日お机の上に、おかせていただいておりますものでございます。まず1つめは、本日の次第、2つめに出席者名簿、3つめに委員異動表、4つめに本日の配席図、5つめにファイルになっております「感染症発生動向調査事業報告書第34報」と、大阪府から府政だより、全部で6点でございます。お手元にございますでしょうか?過不足ありましたら、挙手をお願い致します。その他の方は、よろしかったでしょうか。
 

【各市の委員会の成立及び委員長の選出について】

司会
それでは、次に、各市の委員会の成立及び委員長の選出でございますが、堺市を除くすべての自治体で、自治体委員会規則により規定されている委員会の成立要件を満たしております事をご報告させていただきます。なお、堺市の委員会におきましては、現在、成立要件の委員数の出席がありませんが、議事進行上このまま進めさせていただきます。また委員の異動につきましては、事前にお配りしております、委員異動表をご覧いただきますようお願いいたします。
それでは、早速議事に移らせていただきます。これからの議事進行につきましては、幹事自治体の豊中市感染症発生動向調査委員会の地嵜委員長にお願いいたします。地嵜委員長、どうぞ、よろしくお願いいたします。
 

【議事開始】

地嵜委員長
議事進行を務めさせていただきます豊中市感染症発生動向調査委員会の地嵜と申します。皆様よろしくお願いいたします。それでは、早速議事に入りたいと思います。次第の第4項(1)平成27年感染症発生動向調査事業報告の患者情報について順次報告をお願いします。
質疑につきましては、最後にまとめて時間を取りたいと思いますが、各報告ごとに、1、2点程度確認する時間も設けたいと考えております。

次第の第4項のうち、ア患者情報の(ア)定点把握疾患について、八木委員からご報告いただきます。よろしくお願いいたします。
 

【定点把握感染症について】

八木委員
24ページをご覧ください。インフルエンザについて述べさせていただきます。平成27年の報告数は53,616例であり、前年よりも大幅に減少しました。右ページの左上の府内計のグラフをご覧ください。前年の報告数より大幅に減少していますが、これは2014/2015シーズンの流行の立ち上がりが全国的に早く、2015年に入ってからは比較的早期に減少していったこと、また一方で2015/2016シーズンの流行は立ち上がりが遅かったことが影響してると思われます。ウイルスの検出状況といたしましては、2014/2015シーズンはAH3亜型が86.9%と大半を占めておりました。一方、2015/2016シーズンは前シーズンとは異なり、AH1pdmとB型の混合流行でありました。府内の検出は、AH3亜型12株、B型株2株は全て4つの抗インフルエンザウイルス薬に感受性を示しました。

次に移らせていただきます。小児科定点把握疾患について述べさせていただきます。

RSウイルス感染症です。平成27年のRSウイルス感染症の報告数は10,596例で、前年より23.6%増加となりました。定点あたり報告数の年平均は1.00で、順位は全対象疾患中第4位でありました。右ページの府内計のグラフをご覧ください。RSウイルス感染症の報告数は平成23年からは夏期から増加傾向がみられましたが、平成27年については夏期の増加傾向はなく、冬期のピークがみられました。年齢別報告数は2歳未満で72.7%を占め、さらに3歳児まで含めると全体の94.6%を占めておりました。小児の感染症において、RSウイルス感染症は重篤な疾患であり、今後も一年を通じた報告数の推移について、より一層の注意が必要であります。

続いて、咽頭結膜熱です。平成27年の報告数は4,640例、前年比20.3%の減少で、定点あたり報告数の平均は0.44でありました。多い順では第9位でありました。右ページの左上、府内計のグラフをご覧ください。本疾患は例年は夏型感染症でありますが、27年は夏季に加えて、11月、12月にも多い傾向がありました。年齢別では、0歳から5歳までの就学前児童の報告数は全報告数の83.0%を占めていました。ウイルス検出は50検体ありまして、検出状況は多い順にアデノウイルス3型、2型、4型等でありました。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎です。平成27年の患者報告数は23,081例で、前年比10.9%増、定点あたり報告数の年平均は2.18で、順位は第3位でありました。右ページの府内計のグラフをご覧ください。週別の定点あたり報告数の推移です。ピーク値は第24週6月の3.73でありました。初夏と冬期に二峰性のピークを作る傾向は、例年と同様でありました。年齢別患者報告数は3歳児から6歳児で全体の50.1%を占めており、この割合は例年とほぼ同様でありました。

感染性胃腸炎です。平成27年の報告数は63,584例、前年より7.8%減少しました。定点あたりの報告数の年平均は6.00で、ほぼ平年並みの流行でありました。右ページの府内計のグラフをご覧ください。週別の定点あたり報告数は、第33週に年間最低値2.37、第49週に年間最高値10.18を示しておりました。夏から秋にかけて低値をとり、晩秋に再び増加し、冬にピークを持つ流行曲線は例年と同様でありましたが、前年と同様に冬のピークはやや低い傾向でありました。年齢別報告数では、0~4歳の報告数は全体の53.8%を占めております。ウイルス検出は、病原体別で見ますと、ノロウイルスG2.、A群ロタウイルス、サポウイルスで、この3種類のウイルスで全体の7割を占めておりました。

水痘です。平成27年の報告数は5,534例でありました。対象疾患中第5位、定点あたりの報告数の年平均は0.52で、前年より44.7%減少しました。右ページの府内計のグラフをご覧ください。定点あたり報告数の1年の推移です。第1週0.49から第2週に本年最高値となる1.17となり、本年最低値は第33週0.22でありました。本疾患の流行曲線は冬と春に二峰性のピークを作り、夏から秋にかけて低値をとりますが、本年は冬のピークはあったものの、過去10年間で最も低く、春にはピークを作りませんでした。また流行曲線は例年通りでしたが、最低値は過去10年で最も低くなりました。年齢別報告数は、0~4歳の報告数は全体の57.4%を占め、昨年より割合が減少し、逆に5~9歳、10~14歳及び15歳以上の報告数はいずれも割合が増加しております。

手足口病です。平成27年の報告数は27,500例で前年比1128.2%の増加でありました。定点あたり報告数は平均2.60で、対象疾患中第2位で、23年の大流行に次ぐ、大きな流行でした。右ページの府内計のグラフをご覧ください。週別の定点あたり報告数の推移です。第29週7月に12.0を超えてピークを形成しておりました。いわゆる夏型感染症の流行曲線を示しておりました。年齢別では0から5歳までの就学前児童の報告数は全体の89.5%を占めておりました。ウイルスの検出状況は、144検体であり、検出ウイルスはコクサッキーウイルスA6型、コクサッキーウイルスA16型、エコーウイルス18等でありました。

伝染性紅斑です。平成27年の報告数は5,409例で、前年より682.7%増加となりました。定点あたり報告数の年平均は0.51で、対象疾患中7位であります。右ページの府内計のグラフをご覧ください。年間最高値は第28週の1.16で最小値は第1週の0.04でありました。伝染性紅斑は春から夏に増加する例年通りの傾向がみられましたが、本年は47週0.94、49週0.79と冬にも増加がみられました。過去10年間の全国報告数では、平成23年が最も多かったのですが、27年はそれを上回る報告でありました。経年的にみると、4年くらいの周期で流行する傾向がみられ、27年の増加もその傾向どおりであると考えられます。年齢別報告数では3歳から8歳までの年齢層で全体の76.0%を占めておりました。例年通り幼児期から学童期が好発でありました。

突発性発しんです。平成27年の報告数は、前年比0.9%減の5,491例で、定点あたり報告数の年平均は0.52、順位は第5位でありました。右ページの府内計のグラフをご覧ください。月別の定点あたり報告数の推移は、6月、5月がやや高く、1月、12月がやや低値でありました。年齢別患者発生数では、0歳と1歳で全体の88.1%、2歳を含めると97.3%を占めておりました。本疾患の特性として、ブロック間の差が比較的生じにくいと考えられておりますが、上位と下位のブロックでは約2倍の差がありました。この傾向は過去のデータと同じでありました。

百日咳です。平成27年の百日咳の報告数は219例、定点あたり報告数の年平均は0.02でした。全国、大阪府ともに対象疾患中、最も報告数の少ない疾患でありました。年齢別では乳幼児に多く、2歳未満の患者の報告数が35.6%を占める一方で、20歳以上の報告数が19.2%と、本疾患が子供だけの病気でないことに依然注意する必要があります。

ヘルパンギーナです。平成27年の報告数は前年比47.5%減の5,096例で、定点あたりの報告数の年平均は0.48、順位は第4位から7位になりました。右ページの府内計のグラフをご覧ください。週別の定点あたり報告数の推移は6月から8月にかけて単峰性ピークを示す夏型感染症の流行曲線でありました。年齢別報告数では、0~4歳で全体の82.1%を占めていました。病原体検出状況は、多い順にコクサッキーA10、A6、A16等でありました。

次のページです。流行性耳下腺炎です。平成27年の報告数は3,761例で前年比118.5%増、定点あたりの報告数の年平均は0.35、順位は10位でありました。3年連続で減少を続けておりましたが、平成26年からは増加に転じております。右ページの府内計のグラフをご覧ください。ピーク値は第51週12月の0.74でありました。秋季から冬季にやや多い傾向がありました。年齢別報告数では3歳児から6歳児で全体の61.5%を占めており、この割合は例年とほぼ同様でありましたウイルスの検出は14検体で、内訳はMumps_genotypeGが85.7%とほとんどを占めていました。

続いて、眼科定点把握疾患へと移ります。急性出血性結膜炎です。平成27年の報告数は42例で前年より15例増加でありました。週別発生状況では、最高が第8週の0.06でした。また年齢別では、本疾患も流行性角結膜炎と同様に例年成人の発生が多く、20歳以上の報告数が35例と、全体の83.3%を占めておりました。

流行性角結膜炎です。平成27年の報告数は前年比38.9%増の1,053例でした。右ページの府内計のグラフをご覧ください。週別発生状況では、ピーク値は第34週の定点あたり0.85で、第36週の0.77がこれに続きます。本疾患は夏型感染症とされており、本年も第28週から第40週までの13週に全体の36%の報告がありました。年齢別では、例年通り20歳以上の成人の発生件数が多く、本年も734例と全体の69.7%を占めておりました。

 【52ページ 1.-2-4) 基幹定点報告(週報)対象疾患 ~】

基幹定点報告(週報)対象疾患に移ります。ページ中ほど、細菌性髄膜炎(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌、クリプトコッカスを除く)

合計15例が報告されました。原因菌は肺炎球菌、肺炎桿菌、その他の連鎖球菌ほかが7例で、その他の8例では細菌は検出されませんでした。

全国集計ではB群レンサ球菌、肺炎マイコプラズマ、肺炎球菌、リステリア菌などが報告されましたが、ここでも半数は原因菌が検出されませんでした。

続いて無菌性髄膜炎です。合計35例が報告されました。年齢構成は10歳未満が全体の14%と少なく、10歳から39歳で全体の64%を占めておりました。

ページ下部、図1をご覧ください。図1に大阪府と全国の年間の定点あたりの報告数の推移を示しております。大阪府では平成19年以降無菌性髄膜炎の大きな流行はありません。

国立感染症研究所のデータでは、原因ウイルスとして、エコー18、コクサッキーウイルスA9、コクサッキーウイルスB5、エコー9、ムンプスなどが多く報告されています。

次ページ、マイコプラズマ肺炎です。全ブロックから640例の報告がありました。図2-1をご覧ください。年齢分布は3歳から9歳に多く、7歳から8歳がピークでありました。

ページ下部図2-3をご覧ください。本疾患は4年から5年の流行周期が持続していると報告されています。平成27年は新たな流行の初年と目されております。

続いて、次ページ。クラミジア肺炎です。平成27年は9例の報告がありました。週別では第40週から43週に9例中4例の報告が集中しておりました。本疾患は血清疫学からは小児期に感染が多いとされますが、軽症のためか、診断されることが少ないと考えられています。

続いて、感染性胃腸炎(病原体がロタウイルスであるものに限る)。平成27年は294例が報告されました。年齢分布は0歳から4歳で80.5%を占めておりました。本調査はロタウイルスワクチン任意接種の開始後に始まっており、今後の接種率と入院数の推移を見守ることになると思われます。

次ページ、基幹定点報告(月報)対象感染症に移ります。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症です。10ブロックから前年比9.5%減の790例の報告がありました。年齢構成は右の図に示しておりますように、60歳以上が73.9%を占め、前年と同様の分布でありました。

次にペニシリン耐性肺炎球菌感染症に移ります。6ブロックから前年比12.7%減の69例の報告がありました。年齢別構成では右の図に示しておりますように、0から4歳児と60歳以上に多く、これは前年と同様で全国でも同様の年齢別構成です。

次ページです。薬剤耐性緑膿菌感染症です。3ブロックから前年比58.6%減の12例の報告がありました。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症と比べて報告数は少なかった。年齢別構成は右の図に示しますように、60歳以上が半数を占めておりました。

以上で終わります。

委員長
ありがとうございました。それでは今の八木委員の報告について確認したいことはあるでしょうか。

小林委員
堺市衛生研究所の小林でございますが、いつもお世話になっております。先生の今のご報告の中で、百日咳の件でお伺いしたいのですが、20歳以上の報告数は19.2%、症例数で42例ですが、百日咳そのものは小児科定点の疾患で20歳以上の患者さんはお母さんとかいう…。

八木委員
おそらく、若い方、大学生の方とかお母さん、お父さん方が咳が止まらないということで診させていただいてます。

小林委員
届け出自体は小児科定点ということを考えれば、一般の内科に行っておられる方も考えれば、これはボトム、最低のラインであるということですよね。これ以上にかなり多いと想定されるわけですよね。最近、RSもそうですし、ヘルパンギーナもCDCからアラートが出ています。ただ小児科定点からしか挙がってこないので。どうもありがとうございました。

委員長
ほかにございますでしょうか。

佐野委員
手足口病のところで、ウイルス検出がありますけれども(ほかの病気もそうですが)、採取部位というのは水疱から採るとか、あるいは咽頭から採るのか、陽性率は部位によってかなり違ってくると思うんですが、そのへんのところを教えていただきたい。

八木委員
咽頭ぬぐい液になります。

佐野委員
全て咽頭ですか。

八木委員
全てだったと思います。採りやすいですね。

佐野委員
ありがとうございます。

廣川委員
ご報告ありがとうございました。今ご質問あったことと少し被るんですけれども、病原体検出の陽性率を見てまして、夏型のヘルパンギーナが今警報レベルを超えているブロックもあるということで、今年もう流行してそうなんですけれども、ヘルパンギーナ病原体検出の陽性率が5.09%で、あと手足口病とか咽頭結膜熱は7、80%の陽性率が出ているんですけれども、この差というのは、八木先生がおっしゃた全部咽頭ぬぐい液を出してて、ヘルパンギーナが5%というのはちょっとどんなもんなんでしょう。手足口病なんかコクサッキーA6とか、主力の、主流のウイルスがでたりするんですが、ヘルパンギーナが5%というのは、ちょっと衛研の先生に教えていただきたい。

八木委員
実際検体を集められてる公衛研の先生、如何でしょうか。

弓指委員
今年度から替わったので、あまり良くわかってはいないんですけれども、ヘルパンギーナそのものもそうなんですけれども、来る検体によって、例えば今年ですと、流行性耳下腺炎が流行ってたら、それが被ってきたりするんですが、検体の出され方が医療機関によっていろいろなもんですから。あとヘルパンギーナをどのように診断されるかにもかかってくると思うんですけれども。そのへんがこういう風になってる原因ではないのかと思われるんですけれども。例えば、エンテロウイルス系ですと、基本糞便なんかがよく出るんですが、医療機関によってはリコール(髄液)を出されるとか、場合によっては咽頭ぬぐい液でよく出るんだけれども違う場合があるとか、いろんなことがございますので一概には言えないと思うんですけれども。ヘルパンギーナの場合に何故こういう風に率が低いのか。確定的に絶対に陽性だと思われるものしか出さないとか、わからないけれどもとにかくいろいろ出してみようというので結果は変わってくるんですけれども。はっきり答えられなくて申し訳ないですが、いろんな要因が重なってきますので。今回、ヘルパンギーナの場合に何故こういう風に率が低いのかは今のところわからないです。

東野委員
すみません、これ印刷ミスです。50.9の間違いです。私の担当で申し訳ございませんでした。

委員長
よろしいでしょうか。122ページに検体のウイルス陽性数が出ていますのでまたご覧ください。あとはまた、質問あると思いますけれども最後の質疑応答でとおもいますので行かさせていただきます。(イ)性感染症について澤田委員、よろしくお願いします。


【性感染症について】

澤田委員
大阪産婦人科医会の澤田です。田中さんのおまとめ頂いたデータを使わせていただきます。資料の91ページをご覧ください。本調査の対象疾患は、「性器クラミジア感染症」「性器ヘルペスウイルス感染症」「尖圭コンジローマ」「淋菌感染症」の4疾患であります、以下クラミジア、ヘルペス、コンジローマ、淋菌と略させていただきます。平成27年12月現在の性感染症の定点医療機関数は府内全域で65定点であります。全国では、975定点となっております。

まず概況でございますが、平成27年における大阪府の年間患者報告数は、5,418人で定点あたり82.09人でありました。以下数字が並んでおりますが、患者報告数は平成14年より8年連続で減少していましたが平成23年より5年連続の増加となり、平成27年は前年と比べ625人増加しました。

全国でみますと、47,834人定点あたり48.81人の報告がありまして、平成14年より21年まで7年連続して減少しましたが22年に増加後横ばいとなっております。

疾患別患者数をみてみますと、94ページに円グラフで示してありますが図1・2の大阪府におきましてはクラミジア患者数が2,534人と、前年に引き続き最も多く、全体の46.8%を占めております。以下、ヘルペス、淋菌、コンジローマの順となっております。

図の3・4に示しますように全国で見ますとクラミジアの報告数が24,403人と最も多く、全体の51.0%を占めております。以下、ヘルペス、淋菌、コンジローマの順となっており大阪府のデータと同様の傾向であります。

92ページに戻っていただきまして上から7行目 、定点当りで見ますと、すべての疾患で大阪府は全国より多く、コンジローマでは1.87倍、淋菌は1.83倍、ヘルペス1.80倍、クラミジア1.54倍となっております。

次に、男女別に見ますと95ページに円グラフで示しておりますが、図の5に示します大阪府の男性患者数は、2,933人と、前年より444人増加しております。疾患別では、クラミジア、ヘルペス、淋菌、コンジローマと4疾患ともに増加しております。

図の6は女性患者数ですが2,485人と、前年より181人増加致しました。疾患別では、ヘルペス、クラミジア、淋菌が増加し、コンジローマが減少しております。

また、92ページに戻っていただきまして、中ほど性別の割合で見ますと全体では男性が54.1%を占めております。疾患別では、男性の割合が高いのは、淋菌75.3%、コンジローマ56.1%で、女性の割合が高いのは、ヘルペス54.4%、クラミジア51.7%となっております。

95ページの図の7には全国の男性患者数を示していますが、25,652人と、前年より632人減少しております。疾患別では、コンジローマ、ヘルペスが増加し、淋菌、クラミジアが減少しております。

図8の全国女性患者数は、22,182人と前年より639人減少しています。疾患別では、ヘルペスが増加し、淋菌、クラミジア、コンジローマは減少しました。

92ページに戻っていただきまして、下から4行目性別の割合で見ますと、全体では男性が53.6%を占めております。疾患別では、男性の割合が高いのは、淋菌79.4%、コンジローマ61.8%で女性の割合が高いのは、ヘルペス60.6%、クラミジア52.3%となっております。

以上より、性感染症全体では大阪府及び全国において男性の占める割合が若干高いという結果でありました。疾患別に見ますと、大阪府・全国ともに淋菌は男性の占める割合が高く、ヘルペス、クラミジアは女性の占める割合が高い結果となっております。

次に月別の患者数を96ページの図9以下に示してあります。大阪府における患者数を見ますと、細い点線のクラミジアは1月が最も多く、最も少ない8月に対して1.48倍でありました。太い点線のヘルペスは、3月が最も多く、最も少ない11月に比べ2.98倍でした。太い実線のコンジローマは、5月にピークがあり、最も少ない11月に対して1.86倍でした。

細い実線の淋菌は、1月が最も多く、最も少ない11月に対して1.80倍でした。

次に年齢階級別患者数を98ページの図12に示しますが、大阪府における状況は、男性につきましては、クラミジアは、20歳代前半から30歳代前半で多く見られ、淋菌は、20歳代で多く見られました。コンジローマは、20歳代から40歳代後半、ヘルペスは、20歳代から50歳代前半にかけて多く見られました。

女性につきましては、クラミジアが特に、20歳代前半にピークを迎えておりました。コンジローマ、淋菌は20歳代で多くみられます。ヘルペスは、20歳代から60歳以上の幅広い年齢で見られました。いずれの疾患もピークを過ぎますと加齢と共に減少傾向若しくは同数となっております。

このように、性的な活動の活発な若年齢において性感染症に罹る割合が高いということは、将来におけますHPVやHIV感染症のリスクが高まるということで注意をしてみていかなければいけないと思います、以上です。

委員長
ありがとうございました。今の性感染症に何か確認したいことは、ございますでしょうか。

弓指委員
公衛研のウイルス課の弓指と申します。後から出てくるとは思いますが、ちょっとだけ補足させて頂きたいですけども、全数把握疾患の性感染症ということで、梅毒が非常に増えているということが非常に特徴ですので、後でコメントされるとは思いますが、これはたぶん男性に限らなかったと、うろ覚えですが梅毒が要注意になっております。少しだけ補足させて頂きました。

委員長
他にございませんでしょうか。それでは(ウ)の一類~五類全数把握疾患について、木下委員、よろしくお願いします。

 

【一類~五類全数把握疾患について】

木下委員
大阪府医療対策課の木下です。103ページをご覧ください。
一類感染症です。全国、大阪府内ともに発生はございませんでした。二類感染症、結核をのぞきますと全国、大阪府内とも発生はございませんでした。結核速報値なんですけれども、2015年、全国で1万8280人、人口10万人あたりの罹患率でいいますと14.4、大阪府は前年に比べて94減少して2074人、罹患率でいいますと23.5という数値になっております。

続きまして3類感染症でございます。コレラですけども、平成26年、平成27年ともに発生はございませんでした。赤痢です。平成27年の届出は2例、平成26年の9例から減少しており、菌種はシゲラソンネ株でございました。推定感染地ですけれども、イスラエルとモルディブ、あるいはアラブ首長国連邦でありました。腸チフスです。平成27年の届出は3例で、推定感染地はインド2例、パキスタン1例でございました。パラチフス平成27年の届出はございませんでした。

106ページをご覧ください。平成27年の腸管出血性大腸菌感染症の届出数は372例で、平成26年の202例から170例増加しております。血清型ですけれども、O157が174例、O26が177例、O111が4例、O121が1例、その他が5例、不明が11例でございました。HUSですけれども、HUSの発症は5例で1.3%でございました。症状別ですけれども、有症状者が227例61.0%、無症状者が145例39.0%でございました。O157に限りますと、有症状者が118例67.8%、無症状者が56例で32.1%となっております。O26ですけれども、有症状者が98例55.4%、無症状者が79例44.6%、O111では4例すべて有症状者で、O121の事例も有症状者でございました。血清型不明は、有症状者が4例36.1%、無症状者が7例63.6%、無症状者が5例でございました。性別ですけれども、男性169例、女性203例と女性が多かったんですけれども、ただし有症状者で見ますと、男性67例、女性63例とほぼ同数でございました。無症状者の中に女性が含まれる割合が62.1%と少し多く占めてござました。平成27年においては、2月に堺市での集団発生事例O157が32例、6月に寝屋川市での集団発生事例O26が157例と多くなっております。このため、届出の多い月として6月の182例、集団発生事例以外ですと25例、8月の42例、2月の33例、集団発生事例以外ですと1例、7月の32例というふうになっております。都道府県別でみますと、届出が多い順に大阪府、東京都、神奈川県となっております。

それでは108ページをご覧ください。四類感染症でございます。届出数は9疾患132例で、前年に比べ2%減でありました。表1をご覧ください。レジオネラ症ですけれども平成27年83例、前年に比べますと17例増加しております。A型肝炎、平成27年22例、前年に比べますと13例減少しております。デング熱は平成27年19例、E型肝炎2例、チクングニア熱2例、エキノコックス症1例、日本紅斑熱1例、マラリア1例、レプトスピラ症1例というふうになっております。ジカウイルス感染症が昨年より中南米で大規模な流行を起こし、小頭症やギランバレー症候群との関連の指摘もあります。2016年2月1日にWHOはジカウイルス感染症に関しまして国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を宣言しております。日本でも2月15日に厚生労働省からジカウイルス感染症について4類感染症に追加されたところでございます。ジカウイルス感染症ですけれども、蚊媒介性ではありますが、輸血や性行為を介した症例も報告されております。

続きまして、五類全数把握感染症です。届出数は18疾患1220例でありました。表2をご覧ください。

年間届出数が5例以上の感染症を表記しております。3番、8番、14番の疾患につきましては、2014年に比べ大幅増となっておりますが、平成26年9月より追加となった疾患でございますので、そのような事情を加味してご覧ください。1番梅毒、平成27年は82例増加しまして324例、女性での過去5年間での梅毒が増加しているのが特徴でございます。それから後天性免疫不全症候群220例、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症187例、侵襲性肺炎球菌感染症54例増加して180例、アメーバ赤痢118例、劇症型溶血性レンサ球菌35例、急性脳炎ウエストナイル脳炎及び日本脳炎を除くが34例、水痘入院例でございますが28例、侵襲性インフルエンザ菌感染症27例、ウイルス性肝炎20例、ジアルジア症12例、風しん10例、クロイツフェルド・ヤコブ病8例、播種性クリプトコックス症7例となっております。
続きまして、麻しん表3をご覧ください。平成27年の届出は2例、前年の46例から激減しております。2例とも30代男性で、海外渡航歴があります。遺伝子型がD8、B3型で国内土着株のD5とは異なっている症例となっております。ちなみに平成27年3月27日に、WHO西太平洋事務局より日本を麻しん排除国と認定されております。

ページをめくっていただきまして、風しんでございます。届出は10例で、昨年の18例に比べ8例減少しております。風しんも麻しんと同様に、排除に向け発生動向調査や予防接種の推進が重要となっているところでございます。以上です

委員長
ありがとうございました。只今の木下委員からのご報告について何か確認したいことなどはありませんでしょうか。

浮村委員
高槻の浮村と申します。カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症なんですけれども、大阪で大きな報告例があって、国ではクレブシエラ属とE―coliのカルバペネム耐性率を0.1~0.2でキープせよと、サミット前に世界に先んじて出たということになっておりますが、大阪の入院患者から11%であったとの話がございます。我々が実施のサーべイではJRと地下鉄のラインには、カルバペネマーゼ産生腸内細菌、他のところでは、某沿線ではカルバペネマーゼ産生腸内細菌は出てないことが多い。大学や私立、国立の学会レベルでは、カルバペネマーゼ産生と非産生の区別をするようなサーベイランスを実施していかないと実態が見えてこないのではないかと言われているわけです。CRE感染の届出された総数の中で一部遺伝子検索ができたものに対しては、カルバペネマーゼ産生率がどのような割合かを出していただくような方向性はいかがなものでしょうか。

木下委員
現在のところ、国からはそのようなことは示されておりません。カルバペネマーゼでなくても届出をしなさいとなっております。一つは高価なものは大学病院や大きな病院だと色々な検査ができるが、中小の医療機関などは困難な場合もあるため、そのようなことも考えて実施を考えていないと思います。

浮村委員
大阪では話題になっています、IMP-1だけでなくて3ポイントミュニテーションして、IMP34というが世界で唯一大阪にだけ複数施設から出ているような報告を聞いていまして、大阪がニューデリーと一緒になりつつあるというような現状もあるということなので、カルバペネマーゼを産生してそのジェノ代まで見に行くことが、特に大阪では必要なのではないかと個人的に思いまして発言をさせていただきました。

委員長
あとは質疑応答でお願いいたします。ウイルス検査情報について、入谷委員からご報告いただきます。よろしくお願いします。

 

【ウイルス検査情報について】

入谷委員
大阪市立環境科学研究所の入谷です。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、平成27 年のウイルス検査情報について報告させていただきます。ページは111ページからです。

平成27年に大阪府立公衆衛生研究所感染症部ウイルス課、大阪市立環境科学研究所調査研究課微生物保健グループ、堺市衛生研究所微生物グループにおいて検査を行った検体総数は2241件であり、うちウイルスを検出した陽性検体数は1101件、陽性率は49.1%でした。

月別ウイルス検出数(p112表1)で年間で最も多く検出されたウイルスはエンテロウイルスであり、次いでライノウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルスの順でした。

エンテロウイルスは7月に最も多く、次いで8月、6月、9月の順である。夏型原因ウイルスということで夏に多く検出されています。特に件数が増加しているのは、手足口病の大きな流行の影響もあるかと考えられます。エンテロウイルスの中ではコクサッキーウイルスA6型が95例と多く、主に7月8月に検出されました。これも主に手足口病の大流行が関連していると考えられます。D68型は8月から10月の期間に11例検出されました。これは主に呼吸器感染症からの検出によります。 

ポリオウイルスは検出されませんでした。

インフルエンザウイルスの中ではAH3(香港)亜型が114例と最も多く検出されました。図2では、平成26/27年インフルエンザシーズンではAH3(香港)亜型が最も多く、他B型が検出されました。AH1pdm09株は平成26/27年シーズンには検出されておりません。

平成27/28年シーズンは、インフルエンザの流行が約1か月程遅れており、この報告ではまだ検出は上がってきていません。結果的にAH1pdm09株がメインの流行で、例年と異なるのはAH3、B山形、Bビクトリア系の4種類が同時に流行していることで、またB型が多く検出されているのも特徴でした。

パラインフルエンザウイルスは3型(42例)が最も多く、5月から8月の期間に検出され、6月(24例)の検出が最も多かったです。次いで4型、1型と続きます。

麻しんウイルスは6例検出され4例が遺伝子型別されました。D8型が7月に3例、A型ワクチン株が4月に1例でした。

年齢群別ウイルス検出数(P116表2)で最も多くウイルスが検出されたのは1歳で、次いで1歳未満と続きます。

1歳で最も多く検出されたウイルスは手足口病流行の影響としてのエンテロウイルスであり、主にコクサッキーウイルスA6型でありました。

これは手足口病が大流行して、その好発年齢が1歳もしくは1歳未満だったことが影響していると思われます。

1歳未満でも同様に最も多く検出されたウイルスはエンテロウイルスであり、主にコクサッキーウイルスA6型でありました。

エンテロウイルスD68型は4歳以下の年齢群、A型肝炎ウイルスやデングウイルスは主に15歳以下の年齢群で検出されました。

月別・疾患別検体数とウイルス陽性例数(P120-121表3)では検体数の最も多かった月は7月であり、次いで3月と続きます。7月は手足口病が大流行したということで66件と最も多く、この影響があったかと思われます。他に7月は下気道炎、感染性胃腸炎、無菌性髄膜炎なども検出されています。手足口病はこの月の検査数の26.0%(66/254)を占めており、次いで下気道炎(28件11.0%)、感染症胃腸炎(24件9.4%)、無菌性髄膜炎(20件7.9%)の順でした。3月は下気道炎(51件22.2% 51/230)が最も多く、次いで感染性胃腸炎(49件21.3%)、インフルエンザ(37件16.1%)の順でした。

疾患別検体数およびウイルス陽性率(p120-121表3)としては感染性胃腸炎は3月の検体が49件(構成比13.0%、49/377)と最も多く、次いで4月(47件12.5%)、11月(45件11.9%)の順でした。

検出されたウイルスはノロウイルスが95件(44.8%、95/212)で、そのうちG2.型(88件)が最も多く、次いでロタウイルスA(43件20.3%)、サポウイルス(23件10.8%)と続きます。その他にはエンテロウイルス、アデノウイルス、アストロウイルスなども検出されました。

下気道炎は3月及び6月の検体数が各51件(構成比13.9%、51/367)と最も多く、次いで11月(35件9.5%)でした。ウイルスとしてはライノウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどが検出されました。

インフルエンザウイルスは既に説明済みのため省略します。

手足口病は夏型感染症なので7月の検体が66件(構成比38.6%、66/171)と最も多く、次いで8月、5月の順で多かったです。検出されたウイルスとしてはエンテロウイルスが133件で92.4%(133/144)を占め、うちコクサッキーウイルスA6型が76件(57.1%、76/133)、A16型が38件(28.6%)でした。

3)検体の種類別および各疾患における検体別ウイルス陽性率(P112-113表4)のうち検体の種類別では、便・直腸拭い液(585件 構成比26.1% 585/2241)の検体数が最も多くありました。ほぼ同じぐらいで咽頭拭い液、鼻汁・鼻腔拭い液(各561件25.0%)があり、他は髄液(194件8.7%)、血液・血清(125件5.6%)の順で多くありました。

ウイルス陽性率は鼻汁・鼻腔拭い液、咽頭拭い液が70.4%と最も高く、次いで喀痰・気管吸引液と続き、反対に髄液に対しては、無菌性髄膜炎と診断された患者検体の主要な検体であるが、例年報告しているがウイルス陽性率は疾患全体で11.3%(22/194)、無菌性髄膜炎で11.1%(8/72)と低かったです。なかなか髄液だけでウイルスを検出するのは難しい状況で、無菌性髄膜炎でいうと髄液に合わせて咽頭拭い液などの検体を合わせて検査する方が原因物質の検出率が上がってくると思われます。疾患別は省略いたします。

委員長
入谷先生ご報告ありがとうございます。ただいまの報告につきまして何かご質問ございますでしょうか。

廣川委員
麻しんウイルス6例が検出されていますが、5類全数報告(P109表3)では2名の届出となっています。実際に届出があったのは何件でしょうか。

入谷委員
6例は検体を対象としていて、患者1名に対して少なくとも血清、咽頭(拭い)、尿の複数検体が来ているので、6例はこの2名の届出分だと思われます。ただ、こちらでは患者数までは把握できない状況にあります。

 

【細菌検査情報について】

委員長
それでは(イ)の細菌検査情報について、勢戸委員お願いいたします。

勢戸委員
大阪府立公衆衛生研究所の勢戸です。平成27年の細菌検査情報についてご報告します。3類感染症の原因菌の検出状況は124ページと125ページの表5、6、7、8にお示ししました。まず表5に全体像をまとめてありますが、先ほどもご報告がありましたように、コレラとパラチフスの発生はありませんでした。細菌性赤痢、腸チフスも少なくて、2例と3例、いずれも輸入例でした。

 腸管出血性大腸菌感染症は302例です。次に表6に赤痢菌の菌型をお示ししましたが、先ほどもご報告がありましたように、どちらもS.sonneiで、推定感染国は表7の通りです。

腸チフスの推定感染国についても表7にお示ししています。

表8に腸管出血性大腸菌の詳細をお示ししています。血清群O157は毒素型の方に示し、血清診断O157抗体陽性症例と合わせた小計を5行目に記載しております。 O157症例は全体で181例、そのうち4症例がHUSを併発しておりました。6行目から下は、nonO157、O157以外の血清群です。大阪府でO26が164例と例年に無く多いのは、保育園の大規模集団事例によるものです。O103、O111、O121は毎年のように分離される血清群ですが、昨年はO111でHUS症例がありました。3類感染症については以上です。

125ページの表9と128ページの表10の1、2、3、4に4類および5類感染症の病原体検出情報をお示ししております。これは全て、当所の病原体サーベイランスの成績です。

表9はレジオネラ症患者から分離された株の血清群を月別にお示ししたものです。9株のうち血清群1が6株、6、8、不明、不明というのは1から15群のどれでもないという事ですが、それぞれ1株でした。

128ページの表10-1はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎の患者分離株について血清型をお示ししました。上から多い順に並んでいますが、特にどの型が多いという事はありませんでした。

表10-2は感染性胃腸炎ですが、細菌検査はほとんど便検体は入りませんので、サルモネラの菌株を頂いております。7件と少ないのですが、このうち4株はSalmonella Infantisでした。

表10-3は百日咳で、16検体が陽性でした。そのうち遺伝子検査のみ陽性は5検体、百日咳菌が分離できましたのが11検体中11症例でした。

表10-4は細菌性髄膜炎ですが、Streptcoccus agalactiaeが2例分離されております。同じ月ですが無関係と聞いております。

131ページ表12をご覧ください。こちらは毎年紹介していますが、近畿の劇症型溶血性レンサ球菌感染症分離株の成績をお示ししております。本事業の病原体サーベイランスとは異なるルートで38株集めております。患者情報では35症例という事でしたが、ここには大阪府10症例、大阪市18症例、高槻市1症例の合計29症例の分離株が含まれております。報告書の本文には血清群で記載しておりますが、菌種で申しますと大阪府内の症例でS.pyogenesが24株、S.dysagalactiae subsp.equisimilisが5株で、S.agalactiaeは昨年はございませんでした。以上になります。

委員長
ありがとうございました。今の勢戸先生のご報告の中で何か確認事項はございますでしょうか?先生どうぞ。

東野委員
この表8の出血性大腸菌のHUSの数ですが、大阪市、堺市が3例で大阪府外再掲が1、2、1と書いてあって4になるのですが、これはどう読めば良いのですか。

勢戸委員
181例の中にその4例は含まれています。

東野委員
HUSは3例?4例?

大阪府事務局
HUSの0157のVT2のところが70例で、1例HUSが入っております。それで小計が4例です。それから枚方市にO111でHUS患者が1名記載漏れでありまして、O111が HUS1例で合計5例になっております。また修正した物を郵送させて頂きます。

委員長
他何か確認事項はございますでしょうか?ございませんようですので、後40分ほど時間がありますので、質疑応答をしたいと思います。これで全ての報告が終わりでございますけれども、今までの報告につきまして、何かご意見ご感想、その他何かございますでしょうか?塩見先生、どうぞ。

塩見委員
愛染橋病院では周産期医療センターを標榜して、出産が多いのですが、先ほどの伝染性紅斑のウイルスで、流産、死産を防ぐために今回のジカウイルスも一つそういう目標があるというのも分かるのですが、そのような点に目を向けて頂いた方が良いのではないかと思います。

また、リステリアも流産になります。母が熱を出し、あっという間に赤ちゃんがお腹で亡くなる。リステリアというのは、日本では食中毒の対象ですが、非常に潜伏期間がバラバラで、まず原因食が分かる事がまず無い。届出が出来ない。アメリカでは、リステリアは全例届出で、菌を全て遺伝子検索し、DNAでリステリアを区別している。例えば、2年間に5株同じ指紋がある、DNAのリステリアが見つかって、それはアイスクリーム会社が販売していたアイスクリームからたまたま検出されたものと一致していた。そのような形でいかないと、日本のリステリアは決して実態がわからないし、見つからない。是非、リステリアを全例届出とし、DNAを調べて、原因食が検索できるような形式で行わないと、赤ちゃんの命が守られないというような事があるのでは、と思い発言させて頂きました。

小林委員
リステリアは細菌性髄膜炎の原因として挙がってくる可能性はあるのでしょうか。

塩見委員
流通機関的には、流産としてもカウントしている。菌を集めて、原因食を究明して、大規模捜索を行い、少しでも減らすという動きなので、そのような形式で行ったほうが良いのではないかと思います。

小林委員
アメリカのフード会社でもありましたように、つい最近、アメリカから入ってきた情報ですが、冷凍野菜はほぼ汚染されている。汚染された冷凍野菜を刻み、チンしてからオーブンで焼いて、それで日本のメーカーに入っている。元々は乳製品が有名だが、、、

性感染症について、92ページですが、男性の割合で高いのが淋菌感染症、尖圭コンジローマですが、淋菌感染症を男女別にすると、男性は急性尿道炎になり、非常に激烈な症状があって受診率が高い。同様に尖圭コンジローマだとイボができるため、見えるところにできるので見えやすいから受診する。女性の場合、淋菌感染症ですと膣炎ですから、帯下が増えるくらいで症状がひどくないから受診しない。パートナーを調べたら同一に感染していないのでしょうか?男女比というのは解剖学的、生物学的な差があるのでしょうか?

亀岡委員
確かに、男性の淋菌、コンジローマは発現しやすい。受診行動が起きやすいということで、パーセンテージが上がっていると思います。今、咽頭感染もポピュラーになっていますが、データに反映されていない。咽頭感染症は、セックスワーカーが咽頭で感染する、パートナーを受診させても パートナーの精液のみ検査するのでその点は反映されていないという事があると思います。

委員長
ありがとうございました。他に何かございますでしょうか?

佐野委員
堺市衛生研究所の小林先生のお話ですけど、60ページの結核ですが、大阪市だけ多いと思っていたのですが、堺市も21.5と高い。大阪市の一部の地域で、36.8と高いだけだと思っていた。もちろん首都圏、中京、近畿の大都市と書いてありますので、人の出入りが激しい空港が近くにある、そういう事かも分からないですが、ずっと大阪が日本一多いというのは非常に恥ずかしい事だと思いますので、対策に関して教えて頂きたい。

小林委員
やはり結核は世界三大感染症でもありますし、例えば1年間で960万人も患者が出て、50万人が死んでいる。それを国別にすると、日本というのはまだまだ中蔓延国です。今、最も新しいデータが、概要で14.4です。そのように見ても、先生が仰ったように昔から大阪府、大阪市、堺市というのは多い。

ただ、発生動向調査において、二類感染症は、結核は除いたものとなる。対策は保健所で、結核で共有している部分もあると思う。

結核の親戚の病気で、結核とは別の非結核性抗酸菌感染症があり、代表的なものは、Mycobacterium avium complexで、鳥型結核菌と呼んでいます。あるいはM.kansasiiなどもある。その罹患率を2015年に調べたところ、全国で14.7でした。ということは、もはや結核よりも非結核性抗酸菌感染症のほうが多い。困った事に非結核性抗酸菌感染症のほとんどが薬剤耐性。結核は、多剤耐性の一番治療しにくいものでも1%、日本の場合は1%いくかいかないかですから、あっちではほとんど耐性なので、有病率というのはとんでもない数になっていて、厚労省でもどのように対策をしようか、という認識になっている。そういった意味でも、病院で認識して頂ければ。

委員長
他、何かご質問はございますでしょうか。

浮村委員
先日、感染症学会で厚労省によるジカウイルス感染症に関する講習会に行かせて頂いた。デングの場合はウイルス血症の人が日本を歩くという事はあまり起こらないと思うのですが、ジカの場合はかなり不顕性感染である。ブラジルでは、32週妊婦がウイルス血症で、子どもが小頭症で、ウイルスは出続けている。向こうで蚊に刺されて発症すると、2週間精液の中にウイルスが出ます。だからそのセックスパートナーに移る。この度、我々が感染ルート不明と思っていた一部のルートがSTDプラス蚊媒介という事で、ショックを受けた。

もしジカウイルス感染症を疑う患者が出た時には、海外からの帰国プラス、ジカウイルスを疑わす、結膜の発赤であるとか、37度台と低い発熱であるとか。デングはおそらくNS1の抗原キットで、除外がある程度出来ると思う。そうすると、国内でウイルス血症の人から蚊媒介で貰った人の検査をしようと思うと、現状、ジカに関しては国が定めた帰国者というのが無いと調べられない状況に陥っているのではないかという事が懸念される。

臨床症状等も考え、海外からの帰国者ではなくても、国内でのジカウイルス感染症、血症患者からの蚊媒介によるジカsuspective患者について、血液と尿の検査を公衛研で調べて頂けるものかどうか質問したい。

弓指委員
非常に難しいご質問ですが、確かにジカはデングより比較的、熱も高熱に至らずに軽症で、1週間程度で軽快する方が多いと言われています。もしそのような方が帰国されて、少し風邪を引いたかな、という程度で普通どおり活動されますと、日本国内で蚊に刺される可能性が出てくると考えられます。ただ、確率は非常に低いと思われます。ですが、そのような方々は医療機関も行かず、その強制力もございませんので、検体が来たら調べられますが、今のところどうしようも出来ない。ただ、啓蒙は非常に大事な点で、あとは行き先です。患者を診た時に、必ずその行動歴を詳しく聞いて頂き、中米に行かれたのか、行ってホテルに泊まったのか、それともアウトドアのレジャーに行かれたのか、その辺をできるだけ詳しく聞いて頂きたい。

ジカは、急性期で来る事が無い。血液で調べる場合は、急性期で遺伝子検出可能なのですが、急性期を過ぎて治りかけで、という検体が来ますと、有効かと思われるのが、尿だと急性期を結構過ぎても出てくる。血液だけではなく、尿も非常に大事であるという事を実感している次第であります。

浮村委員
ありがとうございます。デングも尿には10日くらい出るかもしれないということでしょうか?

弓指委員
可能性はあると思います。

浮村委員
いわゆる蚊媒介感染症医療機関というのがネットに出ていますが、もし飛び込みで来られて海外歴がないとかっていうことであれば、調べて頂けますか?

弓指委員
一応、疑われていれば検査はする事になりますが、ジカの場合は、例えばヤップ島で流行した時はピンクアイという結膜炎が割と特徴的だったのですけれども、必ずしも必発とは言えない。デング熱の目の奥が痛いというのも、必発かといわれたら確かにそういう傾向はありますけれども、全部ではない。そのような症状だけで疑われる場合、検査はいたしますけれども、それで決めるのは中々難しいところがある。デングはターニケットテストがありますけれども、ジカは難しいかもしれません。

木下委員
補足させていただきますけれども、行政検査でないとジカはわからないけれど、ということですよね。国内発生事例第1例目をいかに見つけるかという事に繋がると思うのですが、厚労省から示されていますのは、輸入症例について、但し書きが少しありまして、「但し医師が判断をした上で」という形で検査、という事になりますので、そうすると行政の検査という形になりますので、こういう症例だけれども行政検査した方が良いのか、ということを保健所の所長とご相談されて、検査して頂いたらどうかと思いますので、よろしくお願いいたします。

委員長
他、何かご質問はございますでしょうか?大体、ご質問が出揃ったところですので、先ほどの質問の中で、いくつか議論したいと思います。

まず小林先生から小児科定点のシステム、これはどうでしょうか?今までのように続けて良いでしょうか?水痘ワクチンが出てきますので、これから先、小児科の疾患ではなくなってくると思うのですけれども、小児科定点の報告の仕方でいかかでしょうか?小林先生どうでしょう?

小林委員
申し上げたいのは、ルールとして、小児科定点というのは感染症発生動向調査実施要綱で、感染症法の中に定められている。小児科定点を内科定点とするということではなく、成績の読み方として、二十歳以上については内科からは報告がないわけですから、小児科定点としては、より以上いるという事を印象におき、府民の方、市民の方に注意をしていただきたい。例えば、百日咳は大学生でアウトブレイクしたことがある。それもきっと、内科を受診したらこのような数値としては絶対上がってこない。ニュースとしては上がってくる。これはヘルパンギーナもそうですし、RSもアメリカでは高齢者の肺炎の死亡の何十パーセントを占めている。今、ワクチン開発を急いでいるわけですけれど、子どもの病気という同じ数値を読んでいても、深読みというわけではないですけれど、市民の方、診療関係の方にそのような情報発信をお願いできたらと思います。以上です。

委員長
八木先生どうでしょう

八木委員
ワクチンの対象年齢が1歳以上なので、0歳児の保育園に入っておられる方が発症するのではないか、1歳以上の方が全員ワクチンを打ってしまうと集団免疫効果で疾患自体が無くなるのではないか、というような事態が確かに十分考えられているのですけれども、大人の帯状疱疹が増えるのではないかとか、そのような意味では続けていく事に関して、何か違った見方が必要になるのではないかと思っております。

委員長
他に何かございますでしょうか?
それでは2点目ですけれども、カルバペネム耐性の腸内細菌科細菌についてです。

浮村委員
海外では出ていない遺伝子型が日本で唯一、大阪で出ているという話で、数が多いという話でございます。

委員長
何か要望はありますか?

浮村委員
大人についた腸内細菌科細菌の耐性菌というのは保菌するので、緑膿菌とかと一緒で消えていかないので非常に難しいところですけれど、学会とかで言っているのは、NICUなどで赤ちゃんが院内感染する、保育園でアウトブレイクすると、日本中すごい事になるかもしれない。その点がやはり大きな課題で、実際にギリシャではクレブシエラの70%がカルバペネム耐性で、ギリシャでクレブシエラで腎盂腎炎になったら7割が死ぬといわれており、それを日本でどうやってサーベイランスして防いでいくかという課題を我々が頂いているという意味で、ただ、日本でも海外で出ていない遺伝子型が少ないが、どうも出ているらしいという話です。

委員長
他、何かございますでしょうか。

安井委員
すみませんCREが出たのでお聞きしたいのですが、187例ですけれども、全て発症であって保菌は含まれていないと考えて良いのでしょうか?というのは、先日話題になった、大阪府内の北大阪でサーベイランスされた、高齢者施設や病院を中心とした11.8%の陽性のほとんどが保菌だった。それはこういった数字には全く含まれていないと考えていいのでしょうか?

木下委員
その通りで、保菌は届出にはありませんので、含まれておりません。

委員長
他、何かございませんでしょうか。腸内細菌科細菌について、ございませんか。
それでは、リステリアはどうでしょうか。

塩見委員
やはり全数届出、菌を集めるのが筋ではないかと。赤ちゃんも、中々最近は高齢出産で、一人一人の赤ちゃんがかけがえのない、もう1回妊娠するという事も中々難しい方もいらっしゃいますので、そのようなことも気にかけて頂けたら と思います。

委員長
他、何かございますでしょうか?以上で一応終わりたいと思います。

 

【感染性胃腸炎】

委員長
続いて(2)その他「感染性胃腸炎」でございますが、これは必ずロタウイルスが上がって来ておりまして、ワクチンも2回か3回大体3万円弱と高いので、やっていても費用対効果があるのかと疑問に思うところですけれども、その辺も議論して頂きたいと思います。まず、先ほどの報告と重なるところもあるかと思いますけれども、ウイルス検査から入谷先生何かお願いします。

入谷委員
ロタウイルスについて報告させて頂きます。先ほど報告したのは昨年の話になります。今回、ここで話させて頂きますのは、春の感染性胃腸炎、ロタウイルスの流行についてです。感染性胃腸炎(病原体がロタウイルスであるものに限る)という形で報告され始めてから、ようやく今年で3年分のデータという事になりますけれども、その3年分のデータでいきますと、日本から16年の1月から4月は過去に比べて定点あたり数が高いという報告がありました。ロタウイルスの事例が増えているのか、もしくは少しずれているのかということですけれども、同じ時期、大阪市の情報になるのですけれども、16年の3月から5月の間、3ヶ月くらいですけれども、市内の施設でロタ発生の集団症例が7事例ほどありました。一応、これは例年に比べますと多い方の部類になります。発生施設でいきますと、保育所、小学校、障害者施設、高齢者施設ということで、本来若い好発年齢というのは、施設で言うと保育所になるのですけれども、今回は小学校の児童だったり、成人、高齢者といった施設にも発生が見られているという事で、これまでの流行と違って、全年齢層で発生、流行していたという事でした。さらに、市内の医療機関で、散発例ですけれども、ワクチンを接種したにも関わらず、ロタに感染して結構激しい下痢をしたという例も報告されました。これらの例について型別したところ、型が全部G2だったのですが、もう少し詳しい遺伝子解析をしたところ、このG2株というのは結構近縁な株であったという事が分かりました。感染研の情報によると、流行するロタウイルスの型が年によって変動するという事が報告されていますが、G1とG2という型が多く、実はG2というのは稀であるという事が分かりました。ただ、日本でのG2の特徴としては、他の型と比べて15歳以上の割合が高いという事と、食中毒や高齢者の施設での発生が認められるというような、ロタウイルスが認められています。これについては、DNAが分かっていないのですけれども、発生数が少ないながらそのような特徴があるということです。ちなみに、ロタウイルスのワクチンの1つである5価ワクチン、ロタテックにつきましては、G2が含まれているのですけれども、このような状況にあるという事がこの春の特徴だという事です。以上です。

委員長
ありがとうございます。他、何かございませんでしょうか?その他感染性胃腸炎につきまして。ワクチンに一定の効果があるという事ですね。塩見先生どうでしょうか。何かご意見はございますでしょうか。

塩見委員
今年はロタがやはり多かったと思います。ロタのワクチン接種率が5割に達しているか分かりませんが、まだまだもう少し高くなれば減ってくるのではないかと思います。アメリカでは、開始してから2年目くらいでまた増えたという事はあったようですけれども、その後は減っているようです。接種率が高まれば、同じように減ってくるとは思いますけれども、今年は外来でも去年よりは増えたという感じは確かにありました。ただやはり、ワクチンをしているのに入院するという人はいません。点滴するという事もありませんので、家族が働いている人にとってはワクチンをお勧めしても良いのではないかと思います。

委員長
ありがとうございました。他、何かございませんでしょうか。

小林委員
ロタウイルス感染症は非常に興味がありますけれど、世界では、ロタで死んでいる人は主に小児で、50万人ですので、WHOはロタウイルスワクチン接種を推奨しているわけです。

日本では任意ですよね。ワクチンは、ロタテックにしてもロタリックスにしても、結局初回の感染時が未接種の場合、2回目は軽くなる、免疫の効果がどんどん出てくる、それを利用しているわけですので、結局、発病を防ぐワクチンではなく重症化を防ぐワクチンですよね。発病は別に予防しない。そうすると、入院というのは重症なのですか?要するに、日本でロタで死んだということを聞いたことがないし、何をもって重症だと判断されているのですか?と思ったものですから。入院したら重症なのですか?下痢の回数が多い人、脱水、どの基準で重症というのか。その基準をはっきりしないと、ワクチンが効いたか効いていないかを含め、発病は予防できないわけですので。塩見先生、先ほど入院されている方の話が出ましたが、入院するほどの重症例は減っているんですよね?

塩見委員
非常に重症で、例えばその日に入院させず、翌日来たら大変な、BUNも全部高くなって、はい重症ですと。他と全然違いますね。ロタウイルスの初感染で下痢をしていたら、1日10回と大量の下痢をしていますし、入院したらそんなに重症にはなりませんけれど、一晩頑張っていたら大変な事になります。

小林委員
そういう目で見たら、ワクチン接種が50パーセントという事なので、入院してくるような子は接種してないと。

塩見委員
去年は今までよりも入院は減っていましたので、集団に効果もあるとは言われています。生ワクチンですので、それが便に出て、それを接種して免疫が出来るケースもあるという事で、結構減っているなというイメージが去年はあったのですけれども。今年も、昔ほど多くは無いけれども、やはり今年は多いなという事があります。昔に比べるとかなり少ないです。 

小林委員
接種群と非接種群で重症化率がどれだけ違うかという差はあるのでしょうか。

塩見委員
それははっきり出ると思います。質問して聞くようにはしていますけども。やはり接種している人で本当に重くなり入院する人は少くない。

委員長
佐野先生。

佐野委員
専門の方にお聞きしたいのですが、結論から言うと、ロタリックスではなくてロタテックの方がベターという事で言えるのでしょうか?それ以外はやはり、G2が防げるとか防げないとかの問題という事であれば、G2が防げないのであれば、ワクチンとしては良くないということなのでしょうか。その辺を知らないのでお聞きしたい。

委員長
どなたか、1価か5価か。何度もすみません、お願いします。

 

塩見委員
知っている知識でいうと、1個も変わらないと。ロタリックスは1価ですけれども、他も出ている限りでは予防していると言われています。インドとか、あのようなところは、ウイルスのワクチンがかえってなかなか効果を出しにくい。あまりにも早く感染したかどうかは分かりませんけれども。1価と2価、特にオーストラリアは、よく州ごとに違って比較して、というのが出ていますけれど、差がないという話で今のところ来ていると思います。ロタテックはアメリカの会社が作っていて、アメリカは以前はロタテックがほとんどでしたけれども、最近はロタリックスもやっていてということで、差が無いというのが今のところの見解だと思います。

委員長
他、何かございますでしょうか?確かに、ネットで調べてもあまり効果に差はないという。難しいところですね。何かございませんでしょうか。
結論の出る話でもございませんので、そろそろ時間になりましたので、これで終わりたいと思います。それでは、どうもありがとうございました。

司会
地嵜委員長に置かれましては、スムーズな議事進行をして頂きありがとうございました。また、委員の皆様におかれましても、長時間に渡るご討議、ご意見を頂き本当にありがとうございました。本日の合同会議に当たって、会場をご提供頂きました大阪府立公衆衛生研究所山本所長様はじめ皆様、大変ありがとうございました。御礼申し上げます。

尚、来年度の幹事市についてですが、東大阪市の予定でございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。

それではこれをもちまして本日の委員会を閉会させて頂きます。今後とも大阪府内全体での感染症発生動向調査事業にご協力ご指導賜りますようどうぞよろしくお願い致します。それでは本日はどうもありがとうございました。

お問い合わせ先
高槻市 健康福祉部 保健所 保健予防課
住所:〒569-0052 高槻市城東町5-7  地図
電話番号:072-661-9332
ファクス番号:072-661-1800
お問い合わせフォーム(パソコン・スマートフォン用
※内容によっては回答までに日数をいただく場合があります。

ページの先頭へもどる