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厳しい経営環境においても安全・安心な水を届け続ける

【令和3年3月26日掲載】

こんにちは。高槻市水道事業管理者の上田です。 

桜の花も咲き、本格的な春の訪れを感じられるようになりました。

季節の変わり目で寒暖差が大きくなっていますので、新型コロナウイルス感染症への対策も含め、体調には十分にご留意ください。

さて、今回は、新たに策定した「水道事業基本計画」について紹介をさせていただきます。

皆さまの水道料金で成り立っている水道事業

計画の話に入る前に、高槻市水道部について簡単にご紹介させていただきます。本市における最初の水道は、現在の阪急電鉄株式会社が自社経営住宅地に給水する目的で、昭和4年に整備したものです。その後、昭和18年に同社から水道施設を無償譲渡されたことを契機に、高槻市の水道事業は開始しました。その後、人口の増加と共に事業を拡張し、現在は、35万人の高槻市民に水道水を供給するために、20以上の浄水場等の水道施設と、東京・大阪間を一往復する距離に匹敵する1,000キロメートルを超える水道管が市内に敷設されています。

皆さまのご家庭に送り届けるための水道施設や水道管を適切に整備し、維持管理すること、また、災害等が発生しても水道水を供給し続けられるよう対策を進めることが、水道部の主な仕事となっています。このような事業を行うには多大な費用が必要となりますが、その費用のほとんどは、税金ではなく皆さまにお支払いいただいている水道料金で賄われています。このように、水道部は皆さまの水道料金で成り立つ「公営企業」として、独立採算の経営を行っています。

高槻市水道事業の概要

水道料金収入が減少する一方、必要な事業費は増加

水道料金収入が将来的に下がっていくことを示しているグラフ

さて、本題の「水道事業基本計画」は令和3年度から12年度までを計画期間としています。策定にあたり、水道事業を取り巻く状況を見てみますと、人口の減少や節水機器の普及等により、本市での水道水の使用量は減少傾向にあり、水道料金収入も減少しています。

布設年度別の管路延長のグラフで、今後急速に老朽管が増えていくことを示している。

他方で、昭和39年度に築造された大冠浄水場を始めとした水道施設や水道管の老朽化が、今後急激に進むことが見込まれます。また、南海トラフ地震のような大規模災害への対策を行っていく必要もあります。

このように、収入が減っていく一方で、必要な事業費は増加していくことが予想されます。

このような厳しい経営環境においても、安全で安心な水を将来にわたりお届けするために策定したのが、「水道事業基本計画」です。

安全・強靭・持続の観点から安全・安心を未来へつなぐ

同計画では、「安全・安心を 未来へつなぐ 高槻の水道」を基本理念とし、「安全」「強靭」「持続」の3つの観点から本市水道事業が目指すべき将来像とともに、その実現に向けた方針や施策を定めています

  • 安全 安全・安心な水道水の供給
  • 強靭 災害に強く、しなやかな水道の整備
  • 持続 いつまでも信頼される水道

 

これらの将来像を実現するため、今後10年間の計画期間中、特に力を入れて取り組んでいく3点の重点事業についてご紹介します。

水道管工事の様子の写真

老朽管の計画的更新と耐震化の推進

1点目は「老朽管の計画的更新と耐震化の推進」です。 これまで、水道管は地下に埋設されているため、実際の老朽化の状況を把握し適切な時期に交換することができず、一律に法定耐用年数の40年を目途に更新を行ってきました。しかし、このまま同じペースで更新を続けると莫大な更新費用が必要となるため、これまでの漏水や土質を調査したデータに基づき、一律な法定耐用年数よりも長い独自の更新基準年数を地域ごとに設定し、計画的に更新を行うこととしました。

また、平成30年6月に発生した大阪府北部地震では、本市水道部の水道管には大きな被害は無かったものの、大阪広域水道企業団の水道管が破損したことで、市内で大規模な断水が発生し、市民の皆さまに大変ご迷惑をおかけしました。今後想定されている大規模地震等に備え、被害低減に向け、老朽管の更新とともに、漏水が発生した場合に影響が大きい水道管の耐震化を進めていきます。

大冠浄水場のろ過機の写真

貴重な地下水をいつまでも有効に活用 大冠浄水場を更新

2点目は、「大冠浄水場の浄水処理工程の段階的更新と強靭化」です。 本市の水道水は、約3分の2を大阪広域水道企業団から購入し、残りの約3分の1を本市の地下水をもとに大冠浄水場で製造しています。この地下水は、水質が良く、企業団から購入するよりも安価に水道水を製造でき、地下からくみ上げているため災害時に断水のリスクが抑えられるなど、多くのメリットを有しています。この貴重な地下水をいつまでも有効に活用し、地震や水害等の災害が発生しても稼働し続けることができるように、停電・浸水対策を講じながら、更新を行います。

施設・設備の計画的更新と水道部庁舎の耐震改修

3点目は、「施設・設備の計画的更新と水道部庁舎の耐震改修」です。 水道水を安全かつ安定的に給水するために、水質を測定する装置、配水ポンプ等の施設・設備の計画的な更新を行うとともに、水道部庁舎の耐震改修を実施します。

健全経営の維持に向けて

水道料金収入が減少していく見込みの中、これだけの規模の事業を行っていけば、今後10年間で、事業に必要な資金が不足し、いわゆる「赤字」となる見通しとなっていますので、財政面を強化していくことも重要です。

水道部では、これまでも職員配置の効率化や様々な業務の委託化を進め、最多で約250人だった職員数を現在では約90人まで削減し、また、効率的な水運用を行うために水道施設の統廃合を行うなど、経営努力を重ね黒字経営を維持してきました。今後も、更なる業務の効率化を進めるとともに、重点事業の項目でも述べたように老朽管の更新に当たって実態に応じた更新基準を採用するなどの取組により、支出の削減を図ります。

また、支出を抑制する一方で、収入の増加も図り、収支バランスを維持しなければなりません。現在は廃止している受水場や配水池の用地の活用・処分や企業債の借入れを行うなど、新たな収入の確保に向けても取り組んでいきます。その上でなお必要がある場合は、水道事業の主な財源である水道料金についても、見直しを行わなければならないと考えています。

支出の削減と収入の確保に取り組み、水道事業に必要な資金残高を確保することを示したグラフ

資金残高についての注記
(注)資金残高 水道事業に必要な運転資金の残高で、災害等により水道料金収入が見込めない事態となっても約3か月分の事業継続が可能となるように、15億円の運転資金の確保を目標としている。

 

蛇口をひねれば水が出る 当たり前を続けていく

「蛇口をひねれば水が出る。」当たり前すぎて、水道のことを意識されることは少なかったと思います。これは、安全な水を安定して供給している水道事業に対する信頼の証であると思います。そして、これからも、この当たり前の状態を当たり前に続けていくことが、私たち水道部の大きな使命であると考えています。

今回、次期「水道事業基本計画」をご紹介しました。今後10年間で、料金収入が減少する一方、水道管や施設の老朽化対応や耐震化によって多額の費用が必要になるなど、水道事業を取り巻く環境は非常に厳しくなると申し上げました。 水道事業の経営が厳しい時代を迎える中、「水道を未来につないでいくために、今、何をなすべきか」という判断が極めて重要になります。生活に欠かすことのできない水道の将来について、市民の皆さまと共に考えられるよう、水道部の取り組みをホームページ等で積極的にお知らせしていきたいと思っています。

私たち水道部は、いつまでも安全で安心な水道水を皆さまにお届けできるよう、職員一丸となって取り組んでいきますので、今後とも高槻の水道事業へのご理解、ご協力をお願いいたします。

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関連リンク

高槻市水道事業基本計画(令和3年度~令和12年度)

プロフィール
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上田 昌彦
1958年(昭和33年)、大阪府生まれ 。2019年(令和元年)6月から現職。農業の勉強をはじめます!

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