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「高槻市みらいのための経営革新」について~前編~

【平成30年1月19日掲載】

総合戦略部長の上田です。

今年もこちら部長室のご愛読をよろしくお願いします。

さて、今回は、本市の「みらい創生」の実現に向けた取組について前編と後編に分けてご紹介します。

少子高齢化の到来について

「少子高齢化」という言葉を何度も聞かれたことがあるかと思いますが、実際、どのように社会に影響をもたらすかについて、最初に、触れておきたいと思います。資料1をご覧ください。

我が国の人口は、平成20年(2008年)をピークに増加から減少に転じており、15歳から64歳までの生産年齢人口については、それよりも早く平成7年(1995年)に減少に転じています。

 

資料1 =我が国の人口の推移と今後の見通し=

人口推移のグラフ画像

(出典「我が国の人口の推移」:2015年までは総務省「国勢調査」、2020年以降は国立社会保障人口問題研究所「日本の将来推計人口」(平成24年1月推計))

人口減少という事実だけで、単純に是非を論じられるものではありませんが、人口減少は、社会全体に大きな影響を及ぼすことが指摘されています。

その影響としては、少子高齢化により、労働力が減少し、税の負担能力の低下があげられます。その一方で、高齢化により、社会保障関係の経費が増加していきますので、その経費をどのように負担していくのかが大きな課題となります。

また、本市のような都市部では、高度経済成長期に人口が急増し、公共施設やインフラを一気に整備しましたが、これらが同時期に老朽化し、更新するためには、膨大な費用が必要となります。人口が減少する中で、これまで整備してきた公共施設をどうしていくのかも大きな課題です。

いきなり暗い話になりましたが、少子高齢化がもたらすこのような課題に対して、持続可能な行政運営ができるよう、対策を講じていく必要があるわけです。

本市を取り巻く現状

少子高齢化への対策についてお話をする前に、本市のこれまでの状況について、振り返っておきたいと思います。

ご承知の⽅もおられるとは思いますが、本市は昭和40年代に⼤阪・京都のベッドタウンとして、全国的にもまれに見る人口急増を経験しました。

昭和40年に13万1千⼈であった⼈⼝は、毎年約2万⼈ずつ増加して、昭和50年には、33万1千⼈になり、10年間に、20万⼈も増加しました。この増加率は、当時、⻄⽇本で1番であったとのことです。

昭和40年代は、今の高槻市の姿ができた時期ですが、当時の⼀番⼤きな投資が、⼩学校、中学校、幼稚園の建設でした。昭和40年から52年までの13年間に、⼩学校23校、中学校9校、幼稚園23園を建設しました。

これにより、建築費用を賄うための市債は年々増加し、昭和53年には当時の市税収⼊の約3倍となる620億円という危機的な⽔準に達しました。市として、これ以上借⾦ができないとされる基準を超えるまでに悪化しました。

そこで本市は、⾏財政改⾰に着⼿し、職員採⽤や建設事業の抑制など、財政の引締めを⾏いました。その結果、バブル景気などによる好調な税収にも⽀えられ、昭和60年代には財政状況が好転しました。

その後は、公共施設やインフラなどの投資を積極的に行いましたが、昭和50年代の財政危機の経験を⼤きな教訓として、財政状況が良いときでも、将来に備え、常に効率的な行財政運営を⼼がけ、現在に⾄るまで健全財政を維持してきました。

こうしたことから、「⾼槻市の財政状況は悪くない」と感じておられる⽅も多いのではないでしょうか。しかし、少⼦⾼齢化などの影響は、これまで本市が積み重ねてきた行財政運営の努力を上回るものであると考えられます。

本市の将来予測

本市では、これまで、人口急増に伴う学校建設や、バブル崩壊による大きな景気後退など、様々な社会現象の中で、行財政改革の取組などの様々な施策で対応しながら、健全な財政を維持してきました。

しかし、私たちは、これまで、「人口が大きく減少する」という状況だけは、経験したことがありません。先ほどお話しましたとおり、少子高齢化については、本市においても例外なく大きな影響を受けると想定されます。

資料2「本市の人口推移と今後の見通し」の図をご覧ください。

 

資料2 =本市の人口推移と今後の見通し=

高槻市人口ビジョン

(出典:高槻市人口ビジョン(平成28年2月))

国の将来推計人口と同様の推移で人口が減少すると仮定した場合、0歳から14歳までの年少人口、15歳から64歳までの生産年齢人口は大きく減少し、約40年後の平成72年には、本市の人口は24万5千人、これはピークだった平成7年の3分の2になりますが、高齢化率は、現在の約28%から40%まで上昇すると予測されます。

 

次に、財政の今後の見通しです。

歳入では、これまでご説明しましたように、生産年齢人口の減少などにより、市税の増加は見込めません。一方、歳出では、高齢化などにより、扶助費などの社会保障の関係経費が伸び続けることが予測されます。

さらに、ハード部門においても、人口急増期に整備した施設の更新が控えていますので、資料3の「本市の財政見通し(人口将来推計に基づく財政への影響(試算))」の表の下から3段目の収支合計は、赤字になっています。

 

資料3 =本市の財政見通し(人口将来推計に基づく財政への影響(試算))=

高槻市財政試算表

この赤字については、基金を取り崩して収支の均衡を図っていきますが、年度を追うごとに収支不足が拡大していく予想となっています。

さらに、先の財政状況の想定です。

まず、歳入ですが、その根幹である市税収入は、平成37年度には、465億円となり、平成28年度と比較して25億円の減少が想定されます。

特に、生産年齢人口の減少が大きく影響する個人市民税は、その減収幅が約25%、現在の4分の3になると想定され、「人口減少」が与える影響がいかに大きいかがご理解いただけると思います。

一方、歳出側の課題は、高齢化率の上昇を背景に、増大が想定される医療介護費の影響です。介護保険特別会計と後期高齢者医療特別会計への繰出金は、平成26年度と比較して、20年後の平成47年度には、2.3倍、30年後の平成57年度には、3.5倍になる見通しです。

 

資料4は「本市の公共建築物の築年度別の床面積」をグラフにしたものです。本市の公共建築物は、総床面積ベースで見ると約45%が昭和43年度からの10年間で建築されていて、小・中学校は約6割を占めています。

 

資料4 =本市公共施設の建築年度別の床面積=

公共建築物の築年度別床面積グラフ

(高槻市公共施設等総合管理計画(平成27年11月))

 

次に資料5は、「公共建築物の建築経過年数ごとの床面積の割合」を表した図ですが、築30年以上の公共建築物の割合は、平成24年度の約68%から、平成34年度には約84%となり、老朽化に対する対策は今まで以上に必要となります。

公共施設の老朽化対策は、避けて通れない喫緊の課題となっています。公共建築物と道路、公園、上下水道などの、今ある施設をすべて更新しようとすると、今後40年間で総額4,700億円となり、本市の税収のおよそ10年分にのぼると試算されています。

 

資料5 =本市公共施設の床面積の割合=

高槻市公共施設等総合管理計画(平成27年11月)

(高槻市公共施設等総合管理計画(平成27年11月))

輝く未来のために

このように、本市は今後、非常に厳しい財政状況に直面することが想定されます。こうしたなか、子どもたちに希望ある未来を引き継ぐために、持続可能な行財政運営を構築し、真に必要な市民サービスを確保することを目指して、「強い財政をつくる」、「強い組織をつくる」、「輝く未来をつくる」という3つの柱の下、以下の内容に基づき、業務や施設運営についてゼロベースでの見直しや簡素で効率的な執行体制を構築し、将来の財政規模に見合った行政サービスの最適化を進めようと、平成28年1月に「みらいのための経営革新宣言~フューチャープログラムの実行~」を発し、本市の「輝くみらい」の実現に向けた取組を推進することとしました。

高槻市

1「強い財政をつくる」

業務や施設についての運営を一から見直し、事業の統廃合や経費削減による歳出抑制を図るとともに、積極的な自主財源の拡充を目指し、強い財政基盤を確立する。

2「強い組織をつくる」

職員が常にコスト意識を持ち、意識改革に取り組むとともに、簡素で効率的な執行体制により、将来にわたって持続可能な都市経営を支える強い組織をつくる。

3「輝く未来をつくる」

将来の財政規模に見合った行政サービスの最適化を進める中で、「選択と集中」により、真に必要な行政サービスを守るとともに、将来に向けて投資すべき分野については積極的な推進を図り、将来にわたって真に必要な品質を確保する。

 

「みらい創生」の実現に向けて、本市がどのように取り組むかは、後編でお話ししたいと思います。

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プロフィール
上田 昌彦
上田 昌彦
1958年(昭和33年)、大阪府生まれ 。2015年(平成27年)8月から現職。健康のため、ウオーキングを始めました!

どっちもたかつき インスタグラムフォトキャンペーン 第2弾 定住促進特設ウェルカムサイト

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